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公開番号
2025083651
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-02
出願番号
2023197151
出願日
2023-11-21
発明の名称
建物躯体構造
出願人
ミサワホーム株式会社
,
学校法人明治大学
代理人
個人
主分類
E04B
1/58 20060101AFI20250526BHJP(建築物)
要約
【課題】耐力壁が組み込まれた上下の鋼製梁と共に架構を形成している管柱の、上下の鋼製梁に対する接合部の引き抜き抵抗力を向上させ、十分な耐震性を確保する。
【解決手段】建物躯体構造が、上下の鋼製梁2,3と、上下の鋼製梁2,3間に設けられた一対の管柱4,5と、上下の鋼製梁2,3と一対の管柱4,5とからなる架構1の内側に配置され、かつ、上端部が上側の鋼製梁2に固定されるとともに、下端部が下側の鋼製梁3に固定された耐力壁部10と、を備えており、上下の鋼製梁2,3と一対の管柱4,5のそれぞれは、鋼製梁2,3と管柱4,5との間に亘って設けられた架構連結部材6によって連結されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
上下の鋼製梁と、
前記上下の鋼製梁間に設けられた一対の管柱と、
前記上下の鋼製梁と前記一対の管柱とからなる架構の内側に配置され、かつ、上端部が上側の前記鋼製梁に固定されるとともに、下端部が下側の前記鋼製梁に固定された耐力壁部と、を備えており、
前記上下の鋼製梁と前記一対の管柱のそれぞれは、前記鋼製梁と前記管柱との間に亘って設けられた架構連結部材によって連結されていることを特徴とする建物躯体構造。
続きを表示(約 2,200 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の建物躯体構造において、
前記上下の鋼製梁は、ウェブと、前記一対の管柱が接するフランジと、を有する形鋼材であり、
前記一対の管柱は木製であり、
前記架構連結部材は、
前記管柱の上下の端面に形成された複数の差込穴の各々に差し込まれる鋼棒と、
前記差込穴と前記鋼棒との間に充填された接着剤からなる接着剤層と、
前記鋼棒のうち前記管柱の上下の端面から突出する先端部に設けられるナットと、を有しており、
前記上下の鋼製梁における前記フランジには、前記複数の差込穴に差し込まれた複数の前記鋼棒の前記先端部が挿通される複数の通孔が形成されていて、
前記ナットは、前記複数の通孔の各々に挿通された状態の前記鋼棒の前記先端部に設けられていることを特徴とする建物躯体構造。
【請求項3】
請求項2に記載の建物躯体構造において、
前記管柱の上下の端部には鋼製の第一補強キャップが被されて固定され、
上下各々の前記第一補強キャップは、
前記管柱の前記端面に接する平板部と、
前記平板部の外周縁部に沿って設けられるとともに前記平板部に一体形成されて前記管柱の側面に接する側壁部と、を有し、
前記平板部には、複数の前記鋼棒の前記先端部が挿通される複数の通孔が形成されていることを特徴とする建物躯体構造。
【請求項4】
請求項1に記載の建物躯体構造において、
前記上下の鋼製梁は、ウェブと、前記一対の管柱が接するフランジと、を有する形鋼材であり、
前記一対の管柱は鋼製であって、柱本体と、当該柱本体の上下の端面に接合されて前記フランジに接するベースプレートと、を有しており、
前記架構連結部材は、ボルト及びナットであり、
前記上下の鋼製梁における前記フランジと、前記一対の管柱における前記ベースプレートの双方には、複数の前記ボルトが挿通される複数の通孔がそれぞれ形成されていて、前記ナットは、前記フランジと前記ベースプレートの双方における前記複数の通孔の各々に挿通された状態の前記ボルトの先端部に設けられていることを特徴とする建物躯体構造。
【請求項5】
請求項2から4のいずれか一項に記載の建物躯体構造において、
前記耐力壁部は、
柱状に形成された木製の一対の側材と、
前記一対の側材間に設けられて、当該一対の側材に接合された耐力壁本体と、
前記一対の側材及び前記耐力壁本体における上下の端部に被せられて固定される鋼製の第二補強キャップと、を有しており、
上下各々の前記第二補強キャップは、
前記一対の側材の端面と前記耐力壁本体の端面に接する平板部と、
前記平板部の外周縁部に沿って設けられるとともに前記平板部に一体形成されて前記一対の側材及び前記耐力壁本体の側面に接する側壁部と、を有していることを特徴とする建物躯体構造。
【請求項6】
請求項5に記載の建物躯体構造において、
前記上下の鋼製梁と前記耐力壁部における前記一対の側材のそれぞれが、前記鋼製梁と前記側材との間に亘って設けられた壁用連結部材によって連結されており、
前記壁用連結部材は、
前記側材の上下の端面に形成された複数の差込穴の各々に差し込まれる鋼棒と、
前記差込穴と前記鋼棒との間に充填された接着剤からなる接着剤層と、
前記鋼棒のうち前記側材の上下の端面から突出する先端部に設けられるナットと、を有しており、
前記上下の鋼製梁における前記フランジには、前記複数の差込穴に差し込まれた複数の前記鋼棒の前記先端部が挿通される複数の通孔が形成され、
前記第二補強キャップの前記平板部には、複数の前記鋼棒の前記先端部が挿通される複数の通孔が形成され、
前記ナットは、前記フランジと前記平板部の双方における前記複数の通孔の各々に挿通された状態の前記鋼棒の前記先端部に設けられていることを特徴とする建物躯体構造。
【請求項7】
請求項6に記載の建物躯体構造において、
前記耐力壁本体は、前記一対の側材間に上下に亘って設けられた建築用木質パネルによって構成されていることを特徴とする建物躯体構造。
【請求項8】
請求項6に記載の建物躯体構造において、
前記耐力壁本体は、
前記一対の側材における上端部間と下端部間のそれぞれに架け渡されて設けられた上下の枠材と、
前記一対の側材と前記上下の枠材とからなる矩形枠の内側に配置され、振動減衰手段を有する制振装置と、を有しており、
前記制振装置は、前記一対の側材及び前記上下の枠材に接合されていることを特徴とする建物躯体構造。
【請求項9】
請求項5に記載の建物躯体構造において、
前記耐力壁部は、前記一対の側材及び前記耐力壁本体における上端部に被せられて固定された前記第二補強キャップと上側の前記鋼製梁との間に設けられ、振動減衰手段を有するダンパー装置を更に有していることを特徴とする建物躯体構造。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物躯体構造に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、建物には、地震時や台風時の水平荷重に抵抗するため、必要壁量を満たすように耐力壁が設けられる。このような耐力壁としては、例えば隣り合う柱材間の開口部に筋交いを架け渡したり、隣り合う柱材間の開口部全面を覆うように構造用合板を張り付けたりすることで構成されている。また、制振装置が組み込まれた壁部を、制振耐力壁とする場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2016-156249号公報
特開2021-028453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、二酸化炭素の排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルの推進による脱炭素社会の実現や、SDGs(Sustainable Development Goals)の目標達成が求められており、建築業界においても、建物を二酸化炭素排出量の少ない木造とする取り組みが進められている。そのため、建物を建築するにあたっては、極力、木材の使用量を増やすことができる技術、あるいは鋼材の使用量を減らすことができる技術が求められている。
その一方で、例えば木造中高層建築物のように構造的な強度が必要となる建物の場合は鋼材も用いられる。特に従来のような耐力壁が組み込まれる場合には、その機能を有効に発揮するため、耐力壁の上下に位置する梁は鋼材で構成されていて、耐力壁の上端部及び下端部は、これら上下の鋼製梁に対して強固に固定される。
ところが、耐力壁を上下の鋼製梁に対して強固に固定すると、地震時や台風時の水平荷重が加わったときに、上下の鋼製梁と共に架構を形成している管柱の、鋼製梁に対する接合部に大きな引き抜き力が作用することになり、十分な耐震性を確保しにくくなる。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、耐力壁が組み込まれた上下の鋼製梁と共に架構を形成している管柱の、上下の鋼製梁に対する接合部の引き抜き抵抗力を向上させ、十分な耐震性を確保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、例えば図1~図6に示すように、建物躯体構造であって、
上下の鋼製梁2,3と、
前記上下の鋼製梁2,3間に設けられた一対の管柱4,5・40,50と、
前記上下の鋼製梁2,3と前記一対の管柱4,5・40,50とからなる架構1の内側に配置され、かつ、上端部が上側の前記鋼製梁2に固定されるとともに、下端部が下側の前記鋼製梁3に固定された耐力壁部10と、を備えており、
前記上下の鋼製梁2,3と前記一対の管柱4,5・40,50のそれぞれは、前記鋼製梁2,3と前記管柱4,5・40,50との間に亘って設けられた架構連結部材6・60によって連結されていることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、上下の鋼製梁2,3と一対の管柱4,5・40,50のそれぞれは、鋼製梁2,3と管柱4,5・40,50との間に亘って設けられた架構連結部材6・60によって連結されているので、架構連結部材6・60によって鋼製梁2,3と管柱4,5・40,50とを強固に連結することができる。
そして、上下の鋼製梁2,3と一対の管柱4,5・40,50とからなる架構1の内側に、耐力壁部10が配置され、この耐力壁部10の上端部が上側の鋼製梁2に固定されるとともに、下端部が下側の鋼製梁3に固定されているので、建物躯体に水平荷重が加わった際に、耐力壁部10によって架構1の変形を抑制しようとし、そのときに耐力壁部10に作用する力を、上下の鋼製梁2,3を介して、架構連結部材6・60によって当該上下の鋼製梁2,3に強固に連結された一対の管柱4,5・40,50に伝達できる。
これにより、建物躯体に加わった水平荷重を効果的に分散させることができるので、建物躯体は、十分な耐震性を確保することが可能となる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、例えば図1~図3,図6に示すように、請求項1に記載の建物躯体構造において、
前記上下の鋼製梁2,3は、ウェブ2a,3aと、前記一対の管柱4,5が接するフランジ2b,3bと、を有する形鋼材であり、
前記一対の管柱4,5は木製であり、
前記架構連結部材6は、
前記管柱4,5の上下の端面に形成された複数の差込穴4b,5bの各々に差し込まれる鋼棒6aと、
前記差込穴4b,5bと前記鋼棒6aとの間に充填された接着剤からなる接着剤層と、
前記鋼棒6aのうち前記管柱4,5の上下の端面から突出する先端部に設けられるナット6bと、を有しており、
前記上下の鋼製梁2,3における前記フランジ2b,3bには、前記複数の差込穴4b,5bに差し込まれた複数の前記鋼棒6aの前記先端部が挿通される複数の通孔が形成されていて、
前記ナット6bは、前記複数の通孔の各々に挿通された状態の前記鋼棒6aの前記先端部に設けられていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、架構連結部材6は、管柱4,5の上下の端面に形成された複数の差込穴4b,5bの各々に差し込まれる鋼棒6aと、差込穴4b,5bと鋼棒6aとの間に充填された接着剤からなる接着剤層と、鋼棒6aのうち管柱4,5の上下の端面から突出する先端部に設けられるナット6bと、を有しているので、複数の鋼棒6aが、その先端部を管柱4,5の上下の端面から突出させた状態となるように、管柱4,5の上下の端面に埋め込まれて接着剤によって接合固定された状態となる。すなわち、差込穴4b,5bと鋼棒6aとの間に充填された接着剤の硬化により、応力を接着剤の付着力と鋼棒6aを介して伝達し、接合耐力を発生させることができる。これにより、管柱4,5と鋼棒6aとを強固に接合固定できるので、管柱4,5の引き抜き抵抗力を向上させることができる。
そして、管柱4,5に強固に接合固定された複数の鋼棒6aの先端部が、上下の鋼製梁2,3におけるフランジ2b,3bに形成された複数の通孔に挿通され、その先端部にナット6bが設けられているので、管柱4,5を上下の鋼製梁2,3に対して確実かつ強固に留め付けることができる。これにより、上下の鋼製梁2,3と一対の管柱4,5のそれぞれが、鋼製梁2,3と管柱4,5との間に亘って設けられた架構連結部材6によって強固に連結されるので、十分な耐震性の確保に貢献できる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、例えば図1,図2,図6に示すように、請求項2に記載の建物躯体構造において、
前記管柱4,5の上下の端部には鋼製の第一補強キャップ7が被されて固定され、
上下各々の前記第一補強キャップ7は、
前記管柱4,5の前記端面に接する平板部7aと、
前記平板部7aの外周縁部に沿って設けられるとともに前記平板部7aに一体形成されて前記管柱4,5の側面に接する側壁部7bと、を有し、
前記平板部7aには、複数の前記鋼棒6aの前記先端部が挿通される複数の通孔7cが形成されていることを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)
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