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公開番号2025079896
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-23
出願番号2023192755
出願日2023-11-13
発明の名称ガイドワイヤおよびその製造方法
出願人テルモ株式会社
代理人個人,個人
主分類A61M 25/09 20060101AFI20250516BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】樹脂層の破損や脱落を抑制し、安全性を向上できるガイドワイヤおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】長尺なコア部材20と、線材31をコア部材20の先端部の外表面に密着するように巻回することにより形成されたコイル30と、コイル30の外表面を覆う樹脂層50と、を有するガイドワイヤ10であって、コア部材20は、外表面に、コイル30の線材31の少なくとも一部と係合可能な凹部27と、凹部27の幅方向の少なくとも一方の端部側に、当該凹部27に隣接して線材31と接触する先端側接触部28および基端側接触部29と、を有する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項１】
長尺なコア部材と、
線材を前記コア部材の先端部の外表面に密着するように巻回することにより形成されたコイルと、
前記コイルの外表面を覆う樹脂層と、を有するガイドワイヤであって、
前記コア部材は、外表面に、前記コイルの前記線材の少なくとも一部と係合可能な凹部と、前記凹部の幅方向の少なくとも一方の端部側に、当該凹部に隣接して前記線材と接触する接触部と、を有することを特徴とするガイドワイヤ。
続きを表示（約 730 文字）【請求項２】
前記線材は、前記コア部材の前記凹部に収容される凸部と、当該凸部に隣接して設けられコア部材の前記接触部と接触する張り出し部と、を有することを特徴とする請求項１に記載のガイドワイヤ。
【請求項３】
前記コア部材の前記凹部は、螺旋状に形成され、前記コイルの前記線材は、前記凹部に沿って配置されていることを特徴とする請求項１または２に記載のガイドワイヤ。
【請求項４】
前記コア部材の前記凹部は、螺旋状に形成され、前記コイルの前記線材は、前記コア部材の前記凹部の螺旋の向きと反対の向きに巻回されていることを特徴とする請求項１または２に記載のガイドワイヤ。
【請求項５】
前記コイルの前記線材の材料は、前記コア部材の材料よりも塑性変形しやすい材料で形成されていることを特徴とする請求項１または２に記載のガイドワイヤ。
【請求項６】
前記コイルは、Ｘ線不透過性を有する材料で形成されていることを特徴とする請求項１または２に記載のガイドワイヤ。
【請求項７】
前記コア部材は、複数の細線からなる撚り線で形成されていることを特徴とする請求項１または２に記載のガイドワイヤ。
【請求項８】
長尺なコア部材の先端部の外表面に線材を巻回する際に、前記コア部材の外表面に形成された凹部および前記凹部の幅方向の少なくとも一方の端部側で当該凹部に隣接する接触部に前記線材を接触させて塑性変形させることにより、前記凹部内に前記線材の少なくとも一部を収容させるとともに、前記接触部に前記線材を接触させて、前記コア部材と前記コイルとを係合させることを特徴とするガイドワイヤの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、生体内に挿入される長尺な医療器具をガイドするガイドワイヤおよびその製造方法に関する。
続きを表示（約 1,600 文字）【背景技術】
【０００２】
血管に生じた病変に対し、Ｘ線透視下で血管に経皮的に医療器具を挿入して診断や治療を行う血管内治療が行われている。血管内治療では、まず、血管内にガイドワイヤが挿入される。続いて、治療用の医療器具を先行するガイドワイヤに沿わせて病変まで挿入し、病変の治療を行う。
【０００３】
ガイドワイヤは、一般的に、コア部材と、コア部材の先端部を覆うコイルと、コイルを覆うポリウレタン等により形成される樹脂層とを備えている（例えば、特許文献１を参照）。コイルは、コア部材の外表面にＸ線不透過性の線材を巻回して形成される。樹脂層は、コア部材およびコイルの外表面上に樹脂を押出あるいは熱収縮により配置することで形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
特開２０１４－０１８５７４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
ガイドワイヤは、血管内への挿入の際、あるいは挿入前の形状付けの際に、先端部に曲げや捻じれが生じる。このとき、ガイドワイヤの先端部に配置されたコイルに対してコア部材の長軸方向に沿う力が作用する。これにより、コイルは、伸長やガイドワイヤの長軸方向への移動を生じ、コイルを覆う樹脂層が破損することがある。さらに、破損した樹脂層がガイドワイヤから脱落して血管内に残留し、合併症を生じる可能性がある。
【０００６】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、樹脂層の破損や脱落を抑制し、安全性を向上できるガイドワイヤおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記目的を達成する本発明に係る（１）ガイドワイヤは、長尺なコア部材と、線材を前記コア部材の先端部の外表面に密着するように巻回することにより形成されたコイルと、前記コイルの外表面を覆う樹脂層と、を有するガイドワイヤであって、前記コア部材は、外表面に、前記コイルの前記線材の少なくとも一部と係合可能な凹部と、前記凹部の幅方向の少なくとも一方の端部側に、当該凹部に隣接して前記線材と接触する接触部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【０００８】
上記（１）に記載のガイドワイヤは、コア部材とコイルの線材とが係合し、かつ、凹部の幅方向の一方の端部側または両端部側に位置するコア部材の外表面が、コイルの線材と確実に接触する。このため、本ガイドワイヤは、先端部の曲げや捻じれによってコイルをコア部材に対して長軸方向へ移動させるような力が作用しても、コイルの伸長や移動が抑制される。これにより、本ガイドワイヤは、コイルの伸長や移動に伴う樹脂層の破損や脱落を抑制し、安全性を向上できる。
【０００９】
（２）上記（１）に記載のガイドワイヤにおいて、前記線材は、前記コア部材の前記凹部に収容される凸部と、当該凸部に隣接して設けられコア部材の前記接触部と接触する張り出し部と、を有してもよい。これにより、コイルの線材とコア部材の外表面とは、接触面積が増加するため、確実に係合できる。このため、本ガイドワイヤは、コイルの伸長および移動をさらに抑制できる。
【００１０】
（３）上記（１）または（２）に記載のガイドワイヤにおいて、前記コア部材の前記凹部は、螺旋状に形成され、前記コイルの前記線材は、前記凹部に沿って配置されてもよい。これにより、コイルの線材とコア部材の外表面とが係合する面積が増加するため、コイルとコア部材との摩擦力を増加できる。このため、本ガイドワイヤは、コイルの伸長および移動をさらに抑制できる。
（【００１１】以降は省略されています）

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