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公開番号
2025074633
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-14
出願番号
2023185587
出願日
2023-10-30
発明の名称
火花点火式水素エンジンの制御装置及び火花点火式水素エンジンの制御方法
出願人
日立Astemo阪神株式会社
代理人
弁理士法人信友国際特許事務所
主分類
F02P
3/04 20060101AFI20250507BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約
【課題】火花点火式水素エンジンにおいて、点火コイル充電時に正電圧を発生させることなく、低コストで点火プラグでの意図しない放電によるエンジンの逆火を防止できるようにする。
【解決手段】火花点火式水素エンジンの制御装置は、水素混合気を着火させるための主放電の点火信号と、吸気行程における2次コイルの開放電圧を主放電終了時の開放電圧に比べて低減させるための副放電の点火信号を、点火装置のイグナイタに送出する。これにより、吸気行程の開放電圧を、火花点火式水素エンジンにおける絶縁破壊電圧の最小値にして、エンジンの逆火を防止する。
【選択図】図8
特許請求の範囲
【請求項1】
1次コイルに流れる電流を遮断することにより2次コイルに高電圧を発生させる点火コイルと、
前記1次コイルに流れる電流の導通と遮断を行うイグナイタと、
前記2次コイルに接続され火花放電を発生し、燃焼室内に電極を配置する点火プラグと、
前記イグナイタに点火信号を送出する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記燃焼室内の水素混合気を着火するための主放電の点火信号と、
吸気行程における前記2次コイルの電圧を前記主放電の終了時の前記2次コイルの電圧に比べて低減させるための副放電の点火信号と、を前記イグナイタに送出する
火花点火式水素エンジンの制御装置。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
吸気行程における前記2次コイルの電圧を1kV以下とする
請求項1記載の火花点火式水素エンジンの制御装置。
【請求項3】
前記副放電の点火信号がオンからオフに切り替わるタイミングを圧縮上死点後60°クランク角から排気バルブ開弁タイミング+10°クランク角の範囲とする
請求項2に記載の火花点火式水素エンジンの制御装置。
【請求項4】
前記副放電の点火信号のオン期間を、前記主放電の点火信号のオン期間に対して5%以上とする
請求項2に記載の火花点火式水素エンジンの制御装置。
【請求項5】
前記副放電の点火信号のオン期間を、前記主放電の点火信号のオン期間に対して40%以下とする
請求項4に記載の火花点火式水素エンジンの制御装置。
【請求項6】
エンジン状態もしくは環境状態に基づいて、前記副放電の点火信号の前記イグナイタへの送出と回避とを切り替える
請求項2に記載の火花点火式水素エンジンの制御装置。
【請求項7】
エンジンの負荷情報に基づいて前記副放電の点火信号の前記イグナイタへの送出と回避とを切り替える
請求項6に記載の火花点火式水素エンジンの制御装置。
【請求項8】
エンジンの負荷率、スロットル開度、トルク、エンジン回転速度、吸気圧、筒内圧、吸入空気量、排ガス流量、燃料流量、アクセル開度、負荷出力、排気温度、冷却水量、水温、または油温の少なくとも1つに基づいて、前記副放電の点火信号の前記イグナイタへの送出と回避とを切り替える
請求項6に記載の火花点火式水素エンジンの制御装置。
【請求項9】
エンジンの負荷率、スロットル開度、トルク、エンジン回転速度、吸気圧、筒内圧、吸入空気量、排ガス流量、燃料流量、アクセル開度、負荷出力、排気温度、冷却水量、水温、または油温の少なくとも1つが予め定めた所定値より小さい場合は、前記副放電の点火信号の前記イグナイタへの送出を実施し、
エンジンの負荷率、スロットル開度、トルク、エンジン回転速度、吸気圧、筒内圧、吸入空気量、排ガス流量、燃料流量、アクセル開度、負荷出力、排気温度、冷却水量、水温、または油温の少なくとも1つが予め定めた所定値より小さくない場合は、前記副放電の点火信号の前記イグナイタへの送出を回避する
請求項8に記載の火花点火式水素エンジンの制御装置。
【請求項10】
燃料の水素割合に基づいて前記副放電の点火信号の前記イグナイタへの送出と回避とを切り替える
請求項6に記載の火花点火式水素エンジンの制御装置。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、火花点火式水素エンジンの制御装置及び火花点火式水素エンジンの制御方法に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)
【背景技術】
【0002】
火花点火式水素エンジンでは、点火コイルの残留エネルギと高い開放電圧によって、点火プラグギャップ部において意図しないタイミングで火花放電が発生し、水素混合気が意図しないタイミングで着火することがある。この着火は逆火(バックファイヤー)を引き起こし、エンジンの吸気系部品に重大な損傷を及ぼす虞がある。
この課題に関連して、特許文献1には、点火コイルの残留エネルギを電源に戻すことで点火コイル残留エネルギによる火花放電を防止する点火装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
WO2022/128603A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された点火装置は、点火コイルの1次側と2次側との間にバイパス抵抗素子を設け、点火コイルの2次側の残留エネルギを電源に戻すように回路を構成している。しかしながら、特許文献1に記載の点火装置のように、点火コイルにバイパス抵抗素子を設けると、点火コイルの製造コストが上昇するという課題がある。
また、特許文献1に記載の点火装置のように、点火コイルにバイパス抵抗素子を設けると、点火コイル充電時に点火コイルの2次側に正電圧(オン電圧)が発生し、この正電圧によって意図しない火花放電が起こる虞がある。
【0005】
本発明は、点火コイル充電時に正電圧を発生させることなく、低コストで点火プラグの意図しない火花放電によるエンジンの逆火を防止できる火花点火式水素エンジンの制御装置及び火花点火式水素エンジンの制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、例えば請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、本発明の火花点火式水素エンジンの制御装置は、1次コイルに流れる電流を遮断することにより2次コイルに高電圧を発生させる点火コイルと、この1次コイルに流れる電流の導通と遮断を行うイグナイタと、2次コイルに接続され火花放電を発生し、燃焼室内に電極を配置する点火プラグと、イグナイタに点火信号を送出する制御装置と、を備える。
ここで、制御装置は、燃焼室内の水素混合気を着火するための主放電の点火信号と、吸気行程における2次コイルの電圧を放電終了時の2次コイルの電圧に比べて低減させるための副放電の点火信号とをイグナイタに送出するようにした。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、点火コイル充電時に正電圧を発生させることなく、低コストで点火プラグでの意図しない火花放電によるエンジンの逆火を防止できる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施の形態例の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の一実施の形態例に係る火花点火式水素エンジンの構成例を示す全体構成図であり、水素と空気とを混ぜて燃焼させる専焼火花点火式水素エンジンの構成例を示す図である。
本発明の一実施の形態例に係る火花点火式水素エンジンの別の構成例を示す図であり、水素と水素以外の燃料と空気とを混ぜて燃焼させる混焼火花点火式水素エンジンの構成例を示す図である。
本発明の一実施の形態例に係る制御装置(ECU)の構成例を示すブロック図である。
本発明の一実施の形態例に係る点火装置の構成例を示す回路図である。
従来技術による点火制御及び点火装置50の動作、作用を示した説明図であり、(a)はECU2から点火装置50に送出される点火信号59、(b)は1次コイル52を流れる1次電流、(c)は1次コイル52と2次コイル53に蓄えられる電磁エネルギ、(d)は2次コイル53を流れる2次電流、(e)は点火プラグ40に印加される2次電圧の時系列変化を示す図である。
従来技術による水素エンジンにおける課題を示した説明図であり、(a)はエンジンの吸気バルブ32と排気バルブ34のリフト量、(b)はECU2から点火装置50に送出される点火信号59、(c)は1次コイル52と2次コイル53に蓄えられる電磁エネルギ、(d)は点火プラグ40に印加される2次電圧、(e)は燃焼室37内の圧力(筒内圧)、(f)は燃焼室37内の可燃混合気量、(g)は燃焼室37内のガス流動強さの時系列変化を示す図である。
圧力pと電極ギャップdの積p・dに対する水素の絶縁破壊電圧をパッシェンの法則により算出した特性図である。
本発明の一実施の形態例に係るECU2による点火制御及び点火装置50の動作、作用を示した説明図であり、(a)はエンジンの吸気バルブ32と排気バルブ34のリフト量、(b)はECU2から点火装置50に送出される点火信号59、(c)は1次コイル52と2次コイル53に蓄えられる電磁エネルギ、(d)は点火プラグ40に印加される2次電圧、(e)は燃焼室37内の圧力(筒内圧)、(f)は燃焼室37内の可燃混合気量、(g)は燃焼室37内のガス流動強さの時系列変化を示す図である。
本発明の一実施の形態例の効果を示す特性図であり、従来技術と本発明の一実施の形態例における吸気行程における開放電圧の実測結果を示す図である。
本発明の一実施の形態例に係る副放電タイミングと吸気行程における開放電圧との関係を示す特性図であり、副放電タイミングを圧縮上死点後30°CAから180°CAまで変化させたときの吸気行程における開放電圧の実測結果を示す図である。
本発明の一実施の形態例に係る副放電前と副放電後の開放電圧の関係を示す特性図である。
本発明の一実施の形態例に係る副放電充電期間(副放電用点火信号のオン期間)と吸気行程における開放電圧との関係を示す特性図であり、副放電期間を2%(主放電用点火信号のオン期間に対する比率)から100%(主放電用点火信号のオン期間に対する比率)まで変化させたときの吸気行程における開放電圧の実測結果を示す図である
本発明の一実施の形態例に係る負荷情報に基づく副放電の実施手順を示したフローチャートである。
本発明の一実施の形態例に係る副放電実施時と回避時の充電期間の変更例を示す説明図である。
点火コイルの充電時間とブレークダウン電圧の関係を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施の形態例の例について、添付図面を参照して説明する。本明細書及び添付図面において実質的に同一の機能または構成を有する構成要素については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0010】
[火花点火式水素エンジンの構成]
まず、本発明の一実施の形態例に係る火花点火式水素エンジンの構成について、図1を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施の形態例に係る火花点火式水素エンジンの構成例を示す全体構成図である。
図1に示すように、火花点火式水素エンジン1は、シリンダ38、シリンダ38内を摺動するピストン35、吸気バルブ32、排気バルブ34、及び点火プラグ40を備える。
シリンダ38内には、ピストン35に面する燃焼室37が形成される。燃焼室37は、吸気マニホールド31及び排気マニホールド33と連通している。
(【0011】以降は省略されています)
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