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公開番号
2025073874
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-13
出願番号
2023185008
出願日
2023-10-27
発明の名称
定着用回転体及び定着装置並びに電子写真画像形成装置
出願人
キヤノン株式会社
代理人
弁理士法人秀和特許事務所
主分類
G03G
15/20 20060101AFI20250502BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約
【課題】異なる材料で発熱層を挟持する場合であっても、耐久性に優れた定着用回転体。
【解決手段】
エンドレス形状を有する第1樹脂層、該第1樹脂層の外周面上の少なくとも1つの発熱層、該発熱層の外周面上の第2樹脂層、該第2樹脂層の外周面上の弾性層、及び、該弾性層の外周面上の表面層を有する定着用回転体であって、該第1樹脂層と該第2樹脂層とは、特定の温度において弾性率が少なくとも10%異なり、かつ、該定着用回転体の厚さ方向の中立軸が、中央領域及び端部領域において、該発熱層内又は該第2樹脂層内に位置し、該中央領域及び該端部領域は、該発熱層の幅方向の両端から幅方向の中央に向かって特定の長さまでの領域が該端部領域であり、該中央から該両端に向かって特定の長さの領域が該中央領域である、ことを特徴とする定着用回転体。
【選択図】図9
特許請求の範囲
【請求項1】
エンドレス形状を有する第1樹脂層、
該第1樹脂層の外周面上の少なくとも1つの発熱層、
該発熱層の外周面上の第2樹脂層、
該第2樹脂層の外周面上の弾性層、及び、
該弾性層の外周面上の表面層
を有する定着用回転体であって、
該第1樹脂層と該第2樹脂層とは、温度Tc(但し、温度Tcは、160℃以上200℃以下)において弾性率が少なくとも10%異なり、かつ、
該定着用回転体の中央領域における外表面の温度をTcとし、端部領域における外表面の温度をTc+50℃としたとき、該定着用回転体の厚さ方向の中立軸が、該中央領域及び該端部領域において、該発熱層内又は該第2樹脂層内に位置し、
該中央領域及び該端部領域は、
該定着用回転体の周方向に直交する幅方向の断面において観察される、該発熱層の数が1個である場合、該1個の発熱層の該幅方向の両端から該幅方向の中央に向かって0.
02×L1までの領域が該端部領域であり、該中央から該両端に向かって0.48×L1の領域が該中央領域であり、但し、該L1は、該1個の発熱層の一方の端部から他方の端部までの長さであり、
該定着用回転体の周方向に直交する幅方向の断面において観察される、該発熱層の数が複数である場合、該複数の発熱層からなる発熱層群の、該幅方向の両端から該幅方向の中央に向かって0.02×L2までの領域が該端部領域であり、該中央から該両端に向かって0.48×L2の領域が該中央領域であり、但し、該L2は、該発熱層群の一方の端部から他方の端部までの長さである、ことを特徴とする定着用回転体。
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【請求項2】
前記中央領域の、前記第2樹脂層の平均厚さをA0、前記第1樹脂層の平均厚さをB0とし、
前記端部領域の、前記第2樹脂層の平均厚さをA1、前記第1樹脂層の平均厚さをB1とし、
前記温度Tcにおける、前記第2樹脂層の弾性率をEA(Tc)とし、前記第1樹脂層の弾性率をEB(Tc)とし、
前記端部領域における外表面の温度をTeとし、該温度Teにおける、前記第2樹脂層の弾性率をEA(Te)とし、前記第1樹脂層の弾性率をEB(Te)としたとき、
該A0、該B0、該A1、該B1、該EA(Tc)、該EB(Tc)、該EA(Tc)及び該EB(Tc)が、下記式(3)~(6)を満たす、請求項1に記載の定着用回転体。
A0≧EB(Tc)/EA(Tc)×B0 式(3)
A1≧EB(Te)/EA(Te)×B1 式(4)
A0×EA(Tc)≦1.2×B0×EB(Tc) 式(5)
A1×EA(Te)≦1.2×B1×EB(Te) 式(6)
【請求項3】
前記EB(Tc)が、前記EA(Tc)よりも大きく、
前記EB(Te)が、前記EA(Te)よりも大きい、請求項2に記載の定着用回転体。
【請求項4】
前記第1樹脂層が、ポリイミド、ポリアミドイミド、変性ポリイミド及び変性ポリアミドイミドからなる群から選択される少なくとも一を含む、
請求項1~3のいずれか一項に記載の定着用回転体。
【請求項5】
前記第2樹脂層が、ポリイミド、ポリアミドイミド、変性ポリイミド及び変性ポリアミ
ドイミドからなる群から選択される少なくとも一を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の定着用回転体。
【請求項6】
前記第1樹脂層が、ポリイミドを含み、前記第2樹脂層が、ポリアミドイミドを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の定着用回転体。
【請求項7】
前記弾性層が、シリコーンゴムを含み、前記表面層が、フッ素樹脂を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の定着用回転体。
【請求項8】
請求項1~3のいずれか一項に記載の定着用回転体と、
該定着用回転体を誘導加熱によって加熱するための誘導加熱装置と、を具備することを特徴とする定着装置。
【請求項9】
電子写真画像形成装置であって、
トナー像を担持する像担持体と、
該トナー像を記録材に転写する転写装置と、
転写された該トナー像を該記録材に定着させる定着装置と、
を備え、
該定着装置が請求項8に記載の定着装置であることを特徴とする電子写真画像形成装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子写真方式の複写機やプリンタ等の電子写真画像形成装置に用いられる定着用回転体及び定着装置に関する。また、本開示は電子写真画像形成装置に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の複写機やプリンタ等の電子写真画像形成装置に搭載される定着装置は、加熱される定着用回転体と、それに接触する加圧ローラと、で形成されたニップ部で未定着トナー像を担持した記録材を搬送しながら加熱してトナー像を記録材に定着するものが一般的である。
【0003】
導電層を備えた定着用回転体を備え、当該導電層を、電磁誘導加熱によって発熱させる方式の定着装置が実用化されている。電磁誘導加熱方式の定着装置は、短時間で定着用回転体を加熱することができる。
特許文献1には、電磁誘導加熱方式に好適に用いることができるベルトが開示されている。特許文献1に係る発明は、発熱層として機能する金属層が設けられている無端状ベルトにおいて、繰り返し曲げ変形が生じたときの金属層の歪みを低減し、該金属層にクラックや永久変形が生じることを防ぐことを課題としている。そして、このような課題が、合成樹脂からなる基層と、その上に積層された金属層と、さらにその上に積層された合成樹脂からなる被覆層とを有する無端状ベルトであって、該金属層が、該ベルトに曲げ変形が生じたときにひずみが生じない中立軸の近傍に形成されている無端状ベルトによって解決できることを開示している。ここで、中立軸とは、定着ベルトに曲げ変形が生じたときにひずみが生じない面と、該定着ベルトの断面との交線であることが記載されている(段落[0033])。すなわち、中立軸とは、例えば、エンドレス形状のベルトが屈曲され曲げモーメントが生じた時に、当該ベルトの周方向に沿う方向の断面において引張力と圧縮力が釣り合う位置である、と定義できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2004-070191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の少なくとも一つの態様は、異なる材料で発熱層を挟持する場合であっても、耐久性に優れた定着用回転体の提供に向けたものである。また、本開示の少なくとも一つの態様は、高品位な電子写真画像の安定的な形成に資する定着装置の提供に向けたものである。さらに、本開示の少なくとも一つの態様は、高品位な電子写真画像を安定的に形成することができる電子写真画像形成装置の提供に向けたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の少なくとも一つの態様によれば、
エンドレス形状を有する第1樹脂層、
該第1樹脂層の外周面上の少なくとも1つの発熱層、
該発熱層の外周面上の第2樹脂層、
該第2樹脂層の外周面上の弾性層、及び、
該弾性層の外周面上の表面層
を有する定着用回転体であって、
該第1樹脂層と該第2樹脂層とは、温度Tc(但し、温度Tcは、160℃以上200
℃以下)において弾性率が少なくとも10%異なり、かつ、
該定着用回転体の中央領域における外表面の温度をTcとし、端部領域における外表面の温度をTc+50℃としたとき、該定着用回転体の厚さ方向の中立軸が、該中央領域及び該端部領域において、該発熱層内又は該第2樹脂層内に位置し、
該中央領域及び該端部領域は、
該定着用回転体の周方向に直交する幅方向の断面において観察される、該発熱層の数が1個である場合、該1個の発熱層の該幅方向の両端から該幅方向の中央に向かって0.
02×L1までの領域が該端部領域であり、該中央から該両端に向かって0.48×L1の領域が該中央領域であり、但し、該L1は、該1個の発熱層の一方の端部から他方の端部までの長さであり、
該定着用回転体の周方向に直交する幅方向の断面において観察される、該発熱層の数が複数である場合、該複数の発熱層からなる発熱層群の、該幅方向の両端から該幅方向の中央に向かって0.02×L2までの領域が該端部領域であり、該中央から該両端に向かって0.48×L2の領域が該中央領域であり、但し、該L2は、該発熱層群の一方の端部から他方の端部までの長さである、定着用回転体が提供される。
本開示の少なくとも一つの態様によれば、上記の定着用回転体と、該定着用回転体を誘導加熱によって加熱するための誘導加熱装置と、を具備する定着装置が提供される。
本開示の少なくとも一つの態様によれば、電子写真画像形成装置であって、トナー像を担持する像担持体と、該トナー像を記録材に転写する転写装置と、転写された該トナー像を該記録材に定着させる定着装置と、を備え、該定着装置が上記の定着装置である電子写真画像形成装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示の少なくとも一つの態様によれば、異なる材料で発熱層を挟持する場合であっても、耐久性に優れた定着用回転体を得ることができる。また、本開示の少なくとも一つの態様によれば、上記定着用回転体を用いた定着装置を得ることができる。さらに、本開示の少なくとも一つの態様は、上記定着装置を用いた電子写真画像形成装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
実施形態に係る電子写真画像形成装置の概略図
実施形態に係る定着装置の断面構成を表す概略図
実施形態に係る定着装置の断面構成を表す斜視図
実施形態に係る定着装置の磁性コア及び励磁コイルの模式図
実施形態に係る励磁コイルに電流を流した際に形成される磁界を表す図
実施形態に係る定着用回転体の断面構成図
実施形態に係る定着用回転体における中立軸の算出方法を説明する図
実施形態に係るポリイミドとポリアミドイミドの弾性率の温度依存性を示す図
実施形態に係る定着用回転体の長手方向の断面構成を表す概略図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示において、数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX~YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。また、本開示において、例えば「XX、YY及びZZからなる群から選択される少なくとも一つ」のような記載は、XX、YY、ZZ、XXとYYとの組合せ、XXとZZとの組合せ、YYとZZとの組合せ、又はXXとYYとZZとの組合せのいずれかを意味する。
【0010】
本発明者らは、電磁誘導加熱方式に用いる定着用回転体として、ポリイミド(PI)を含む基層と、該基層上の発熱層(導電層)と、該発熱層を保護するポリアミドイミド(PAI)を含む保護層と、を有する定着用回転体について検討を重ねてきた。PIを含む基層は、耐熱性及び耐久性に優れる。しかしながら、PIを含む基層は、高温での焼成が必要であり、また、その製造に長い時間を要する。一方、PAIを含む保護層は、PIと比較して、低温で、かつ短時間で形成可能である。但し、PAIはPIと比較して強度がやや劣る。そのため、他部材と摺動するため、高い強度を求められる基層には、PIを適用し、保護層に、PAIを適用したものである。
このような定着用回転体についての検討の過程で、長期の使用によって、発熱層にクラックや破断(以降、「クラック等」ともいう)が生じることがあった。発熱層へのクラック等の発生は、基層と保護層との材質が異なることに起因すると考えられる。
すなわち、PIとPAIとでは、弾性率の温度依存性が異なり、PAIは、PIと比較して、高温(例えば、160℃~200℃)の環境下において、弾性率が大きく低下する。そのため、上記の構成を有する定着用回転体が屈曲したとき、発熱層に引張応力が作用した結果、クラック等が生じたものと考えられる。
(【0011】以降は省略されています)
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