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公開番号2025065774
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-22
出願番号2023175199
出願日2023-10-10
発明の名称水素炎イオン化検出器
出願人株式会社島津製作所
代理人弁理士法人野口新生特許事務所,個人
主分類G01N 27/626 20210101AFI20250415BHJP(測定;試験)
要約【課題】ノズルの上端での水素炎の形成の安定化を図りつつコレクタによるイオンの捕集効率を向上させる。
【解決手段】燃焼ガスが供給される内部空間(3)を有するハウジング(2)と、上端に噴出口(18)が設けられており、試料ガス及び助燃ガスの混合ガスを前記噴出口(18)から噴出して前記上端で水素炎を形成するためのノズル(4)と、中心軸が鉛直向きになるように前記ノズル(4)の上方に設けられ、前記ノズル(4)の前記上端で形成された水素炎によってイオン化された前記試料ガス中の成分を捕集するための中空円筒形状のコレクタ(8)と、を備え、前記ノズル(4)の上端部に第1のテーパ角(θ1)をもって前記上端側へいくにつれて外径が小さくなるように傾斜した第1のテーパ面(22)が設けられており、前記コレクタ(8)の下端部の内側に、前記第1のテーパ角(θ1)よりも大きい第2のテーパ角(θ2)をもって下端から上方へいくにつれて内径が小さくなるように傾斜している第2のテーパ面(24)が設けられている。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
燃焼ガスが供給される内部空間を有するハウジングと、
上端に噴出口が設けられており、試料ガス及び助燃ガスの混合ガスを前記噴出口から噴出して前記上端で水素炎を形成するためのノズルと、
中心軸が鉛直向きになるように前記ノズルの上方に設けられ、前記ノズルの前記上端で形成された水素炎によってイオン化された前記試料ガス中の成分を捕集するための中空円筒形状のコレクタと、を備え、
前記ノズルの上端部に第1のテーパ角をもって前記上端側へいくにつれて外径が小さくなるように傾斜した第1のテーパ面が設けられており、
前記コレクタの下端部の内側に、前記第1のテーパ角よりも大きい第2のテーパ角をもって下端から上方へいくにつれて内径が小さくなるように傾斜している第2のテーパ面が設けられている、水素炎イオン化検出器。
続きを表示(約 160 文字)【請求項2】
前記ノズルの前記上端が前記コレクタの下端よりも高い位置に配置されている、請求項1に記載の水素炎イオン化検出器。
【請求項3】
前記ノズルと前記コレクタとの間の距離は、前記ノズルの前記上端と前記コレクタの前記第2のテーパ面の上端で最小となっている、請求項1に記載の水素炎イオン化検出器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水素炎イオン化検出器(以下、FIDともいう)に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
ガスクロマトグラフの検出器の1つとしてFIDが知られている。FIDは、燃焼ガスが供給されるハウジングの内部で助燃ガス(水素)及びメークアップガスが混合された試料ガスをノズルの先端から上方へ向けて噴出し、ノズルの上端に水素炎を形成して試料ガス中の成分をイオン化し、ノズルの上方に設けられているコレクタでイオンを捕集することで、試料ガス中の成分の定量を行なうものである(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2000-206091号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
FIDでは、ノズルとコレクタとの間の距離が短いほど、さらには、ノズルをコレクタの内側へ進入させるほど、水素炎で生成されたイオンのコレクタによる捕集効率が向上し、検出感度が向上する。しかし、水素炎で生成されたイオンの飛び出し方向をコレクタ側へ向けてコレクタによる捕集効率を向上させるために、ノズルとコレクタとの間に100~数100V程度の電位差が一般的に設けられている。そのため、ノズルとコレクタとは空間絶縁が破壊しない程度にまでしか近接させることができない。
【0005】
さらに、一般的に、コレクタの内径はノズルの最大外径よりも小さいため、ノズルをコレクタの内側へ進入させることが難しい。そこで、ノズルの上端部に設けられているテーパ面と同じテーパ角をもったテーパ面をコレクタの下端部内面に設けた構造が採用されることがある。このような構造を採用することで、ノズルをコレクタの内側へ進入させやすくなるだけでなく、燃焼ガスがノズルの上端付近に誘導され、ノズルの上端での水素炎の形成を安定させることができる。
【0006】
本発明は、上記構造を改良し、ノズルの上端での水素炎の形成の安定化を図りつつコレクタによるイオンの捕集効率を向上させることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
特許文献1のように、コレクタの下端部内面のテーパ面のテーパ角をノズルの上端のテーパ面と同じにした場合、ノズルをコレクタの内側へ進入させすぎるとノズルとコレクタとの間の隙間が小さくなってコレクタの内側へ燃焼ガスを引き込むための開口面積が小さくなる。そうすると、燃焼ガスがコレクタの上端付近に誘導されにくくなって水素炎の形成が不安定になる恐れがある。そこで、本発明では、ノズルをコレクタの内側へ進入させてもコレクタの内側へ燃焼ガスを引き込むための開口面積が確保されるような構造を有する水素炎イオン化検出器を提供する。
【0008】
すなわち、本発明に係るFIDは、燃焼ガスが供給される内部空間を有するハウジングと、上端に噴出口が設けられており、試料ガス及び助燃ガスの混合ガスを前記噴出口から噴出して前記上端で水素炎を形成するためのノズルと、中心軸が鉛直向きになるように前記ノズルの上方に設けられ、前記ノズルの前記上端で形成された水素炎によってイオン化された前記試料ガス中の成分を捕集するための中空円筒形状のコレクタと、を備え、前記ノズルの上端部の外周面は第1のテーパ角をもって前記上端側へいくにつれて外径が小さくなるように傾斜しており、前記コレクタの下端部の内側に、前記第1のテーパ角よりも大きい第2のテーパ角をもって下端から上方へいくにつれて内径が小さくなるように傾斜しているテーパ面が設けられている。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るFIDによれば、前記ノズルの上端部の外周面は第1のテーパ角をもって前記上端側へいくにつれて外径が小さくなるように傾斜しており、前記コレクタの下端部の内側に、前記第1のテーパ角よりも大きい第2のテーパ角をもって下端から上方へいくにつれて内径が小さくなるように傾斜しているテーパ面が設けられているので、前記ノズルを前記コレクタの内側へ進入させても前記コレクタの内側へ燃焼ガスを引き込むための開口面積が確保され、前記ノズルの上端での水素炎の形成の安定化を図りつつ前記コレクタによるイオンの捕集効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
FIDの一実施例の内部構造を示す断面図である。
同実施例のノズルのテーパ面のテーパ角とコレクタのテーパ面のテーパ角との関係性を説明するための図である。
ノズルのテーパ面のテーパ角とコレクタのテーパ面のテーパ角とが同じ場合を比較例として示す図である。
コレクタの下端部内面にテーパ面が設けられていない場合を比較例として示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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