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公開番号2025082007
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-28
出願番号2023195179
出願日2023-11-16
発明の名称データ処理方法、プログラム、情報処理装置、およびガスクロマトグラフ質量分析装置
出願人株式会社島津製作所
代理人弁理士法人深見特許事務所
主分類G01N 27/62 20210101AFI20250521BHJP(測定;試験)
要約【課題】クロマトグラフ質量分析において、分離条件の変更に応じて保持指標を使用せずに収集条件が自動で再設定され、変更された分離条件での測定精度を向上させる技術を提供すること。
【解決手段】本開示に係るデータ処理方法は、第1分離条件に関連付けられた第1収集条件に基づいて、第2分離条件に関連付けられる第2収集条件を設定する。本開示に係るデータ処理方法は、第2分離条件での目的成分の各々の予測保持時間を算出するステップS14と、第2収集条件におけるデータの収集の開始および終了タイミングを設定するステップS20と、クロマトグラフ質量分析装置に、第2分離条件で試料を分離させ、第2収集条件で目的成分のデータを収集させるステップS32と、を備える。
【選択図】図9
特許請求の範囲【請求項1】
1以上の目的成分を含む試料の分離およびデータの収集を実施するクロマトグラフ質量分析装置に関し、第1分離条件に関連付けられた第1収集条件に基づいて、第2分離条件に関連付けられる第2収集条件を設定する、データ処理方法であって、
前記第1収集条件において、
データの収集の開始タイミングは、前記1以上の目的成分の各々の前記第1分離条件下での保持時間のうち、最も早い保持時間から第1期間遡った時点であり、
データの収集の終了タイミングは、前記1以上の目的成分の各々の前記第1分離条件下での保持時間のうち、最も遅い保持時間から第2期間経過した時点であり、
前記第2分離条件下での標準試料の分離の結果に基づいて、前記第2分離条件での前記1以上の目的成分の各々の予測保持時間を算出するステップと、
前記第2収集条件におけるデータの収集の開始タイミングとして、前記各々の予測保持時間のうち、最も早い予測保持時間から前記第1期間遡った時点以前のタイミングを設定するステップと、
前記第2収集条件におけるデータの収集の終了タイミングとして、前記各々の予測保持時間のうち、最も遅い予測保持時間から前記第2期間経過した時点以後のタイミングを設定するステップと、
前記クロマトグラフ質量分析装置に、前記第2分離条件で前記試料を分離させ、前記第2収集条件で前記1以上の目的成分のデータを収集させるステップと、を備えるデータ処理方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記第2収集条件におけるデータの収集の開始タイミングは、前記各々の予測保持時間のうち、最も早い予測保持時間から前記第1期間遡った時点であり、
前記第2収集条件におけるデータの収集の終了タイミングは、前記各々の予測保持時間のうち、最も遅い予測保持時間から前記第2期間経過した時点である、請求項1に記載のデータ処理方法。
【請求項3】
前記クロマトグラフ質量分析装置は、ガスクロマトグラフ質量分析装置である、請求項1または請求項2に記載のデータ処理方法。
【請求項4】
前記第2収集条件は、選択モニタリング測定によるデータ収集の条件である、請求項1または請求項2に記載のデータ処理方法。
【請求項5】
前記第1収集条件と異なる目的成分を測定の対象とする第3収集条件が、前記第1分離条件に関連付けられて設定されており、前記第3収集条件と同一の目的成分を測定の対象とする第4収集条件を、前記第2分離条件に関連付けて設定する場合に、
前記第4収集条件におけるデータの収集の開始タイミングとして、前記第2収集条件におけるデータの収集の開始タイミング以前のタイミングを設定するステップをさらに備える、請求項1または請求項2に記載のデータ処理方法。
【請求項6】
前記第4収集条件におけるデータの収集の開始タイミングは、前記第2収集条件におけるデータの収集の開始タイミングと同時とする、請求項5に記載のデータ処理方法。
【請求項7】
前記第3収集条件および前記第4収集条件は、スキャン測定によるデータ収集の条件である、請求項5に記載のデータ処理方法。
【請求項8】
前記第1収集条件と異なる目的成分を測定の対象とする第5収集条件が、前記第1分離条件に関連付けられて設定されており、前記第5収集条件と同一の目的成分を測定の対象とする第6収集条件を、前記第2分離条件に関連付けて設定する場合に、
前記第6収集条件におけるデータの収集の終了タイミングとして、前記第2収集条件におけるデータの収集の終了タイミング以後のタイミングを設定するステップをさらに備える、請求項1または請求項2に記載のデータ処理方法。
【請求項9】
前記第6収集条件におけるデータの収集の終了タイミングは、前記第2収集条件におけるデータの収集の終了タイミングと同時とする、請求項8に記載のデータ処理方法。
【請求項10】
前記第5収集条件および前記第6収集条件は、スキャン測定によるデータ収集の条件である、請求項8に記載のデータ処理方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、データ処理方法、プログラム、情報処理装置、およびガスクロマトグラフ質量分析装置に関し、より特定的には、質量分析装置による成分の測定精度を向上させる技術に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
クロマトグラフ質量分析装置を用いた分析では、クロマトグラフ部のカラムにより試料の成分が時間的に分離され、質量分析部により当該成分がイオン化され、マススペクトルが取得される。ユーザは、当該分析の前に、クロマトグラフ部における分離のための条件(分離条件)と、分離された成分の質量分析のための条件(収集条件)とを設定する。
【0003】
たとえば、上記分析として、ガスクロマトグラフ(GC)と質量分析(MS)とを組み合わせたガスクロマトグラフ質量分析(GCMS)装置を用いた分析を例にして説明する。まず、ユーザはGCでの分離条件を設定する。分離条件とは、たとえば、使用するカラム、カラムオーブンの温度、およびキャリアガスの種類である。分離条件は、ユーザが分析する試料に合わせて設定される。試料がGCに導入されると、設定された分離条件に従って、試料の成分が時間的に分離されMS部に導入される。
【0004】
ユーザは分離条件に合わせて、MS部における収集条件を設定する。GCMSについて設定される収集条件に関して、スキャン測定および選択的イオンモニタリング(SIM)測定が知られている。スキャン測定は、所定の質量数範囲内で繰り返し質量数を走査する測定方法であり、その質量数範囲に含まれる全てのイオンが検出される。一方、SIM測定は、予め指定された特定の質量数を有するイオンのみを選択的に検出する測定方法であり、所定の質量数を有するイオンしか検出することはできないが、測定精度を向上させることができる。ユーザは、収集条件として、スキャン測定および/またはSIM測定を開始するタイミングおよび終了するタイミング、ならびにSIM測定を選択した場合であれば測定するイオンの質量数を、測定に先立って設定する必要がある。各々の測定を開始するタイミングおよび終了するタイミングは、たとえば、GCに試料が注入された時点からの経過時間に基づいて設定される。すなわち、ユーザは、設定された分離条件に従って分離された各成分がMS部に導入されるタイミングを考慮して、収集条件を設定する必要がある。
【0005】
GCMSにおいて、分離条件が変更された場合には、成分がMS部に導入されるタイミングが変動する。すなわち、収集条件において設定された測定を開始するタイミングおよび終了するタイミングと、実際にMS部に当該収集条件で対象とする成分が導入されるタイミングとの間にずれが生じる場合がある。したがって、ユーザは、分離条件が変更された際には、変更後の分離条件に合わせて収集条件を再設定する必要がある。収集条件の再設定は手動で行うことも可能であるが、対象とする成分が多い場合には、ユーザの再設定にかかる作業時間が長くなる場合がある。そのため、変更される前の分離条件とそれに対応した収集条件に基づいて、変更後の分離条件に対応した収集条件が自動的に設定される技術が提案されている。たとえば、収集条件の再設定に関して、特開2006-322842号公報(特許文献1)は、基準化合物の移動度から測定対象の成分が溶出される時間を予測し、当該予測に基づいて収集条件を自動で再設定するガスクロマトグラフ質量分析装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2006-322842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1において、ガスクロマトグラフ質量分析装置は、新たな分離条件における基準化合物の移動度から、数学的な手法により、収集条件における測定を開始するタイミングおよび終了するタイミングを設定する。しかしながら、たとえば、基準化合物の溶出間隔が短くなった場合には、収集条件における測定の開始タイミングおよび終了タイミングの間隔が短くなるように開始タイミングおよび終了タイミングが設定され、対象とする成分のピーク全体の一部が設定された収集条件の測定範囲から外れる場合がある。このような場合には、GCから溶出された対象成分の一部をMS部で測定することができないので、測定精度が低くなる場合があった。
【0008】
また、収集条件を再設定する際に利用される予測保持時間の算出に保持指標が用いられる場合がある。保持指標は、分離条件に依存しない相対的な値であり、基準化合物の保持時間と合わせて予測保持時間の算出に用いられる。しかしながら、ユーザが保持指標を利用して推定した予測保持時間を用いて収集条件が自動的に設定されたために、ユーザの意図したように収集条件が再設定されない場合がある。このような場合には、再設定後の収集条件の開始タイミングおよび終了タイミングの間に対象成分の全てがクロマト部から溶出されないため、測定精度が低くなる場合があった。
【0009】
本開示はこのような事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、クロマトグラフ質量分析において、分離条件の変更に応じて保持指標を使用せずに収集条件が自動で再設定され、変更された分離条件での測定精度を向上させる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の第1の態様に従うデータ処理方法は、1以上の目的成分を含む試料の分離およびデータの収集を実施するクロマトグラフ質量分析装置に関し、第1分離条件に関連付けられた第1収集条件に基づいて、第2分離条件に関連付けられる第2収集条件を設定する。第1収集条件において、データの収集の開始タイミングは、1以上の目的成分の各々の第1分離条件下での保持時間のうち、最も早い保持時間から第1期間遡った時点であり、データの収集の終了タイミングは、1以上の目的成分の各々の第1分離条件下での保持時間のうち、最も遅い保持時間から第2期間経過した時点である。本開示の第1の態様に従うデータ処理方法は、第2分離条件下での標準試料の分離の結果に基づいて、第2分離条件での1以上の目的成分の各々の予測保持時間を算出するステップと、第2収集条件におけるデータの収集の開始タイミングとして、各々の予測保持時間のうち、最も早い予測保持時間から第1期間遡った時点以前のタイミングを設定するステップと、第2収集条件におけるデータの収集の終了タイミングとして、各々の予測保持時間のうち、最も遅い予測保持時間から第2期間経過した時点以後のタイミングを設定するステップと、クロマトグラフ質量分析装置に、第2分離条件で試料を分離させ、第2収集条件で1以上の目的成分のデータを収集させるステップと、を備える。
(【0011】以降は省略されています)

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