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公開番号2025062560
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-14
出願番号2024080923
出願日2024-05-17
発明の名称解析方法、及び解析装置
出願人富士電機株式会社
代理人弁理士法人旺知国際特許事務所
主分類H02M 7/48 20070101AFI20250407BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】電流制限機能を有するGFMインバータを含む電力系統の実効値解析を実用的に実施可能にする。
【解決手段】解析装置1は、電流制限機能を有する1以上のGFMインバータA1を有する電力系統Aの実効値解析を行う実効値解析部110と、電力系統Aの潮流、及び電圧の関係の第2の代数方程式AE2に系統縮約法にて求められる第3の代数方程式AE3を特定する縮約法適用部112と、電流制限機能が動作時に成立する第1条件分岐、及び、非動作時に成立する第2条件分岐ごとに、GFMインバータA1の内部状態を表す第1の代数方程式AE1を、電流制限機能の動作状態を排他的論理によって表す第1の変数を用いて表現する第4の代数方程式AE4を特定する式分解部と、を備え、実効値解析部110は、GFMインバータA1の動特性の第1の微分方程式DE1と、第3の代数方程式AE3と、第4の代数方程式AE4にて、電力系統Aの実効値解析を行う。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
電流制限機能を有する1以上のGFMインバータの動特性を表す第1の微分方程式と、
前記電流制限機能が動作している場合に成立する第1条件分岐、及び、前記電流制限機能が動作していない場合に成立する第2条件分岐ごとに、前記1以上のGFMインバータの内部状態を表す第1の代数方程式と、
前記1以上のGFMインバータを有する電力系統のネットワークの潮流、及び電圧の関係を表す第2の代数方程式と、
に基づいて、前記電力系統の実効値解析を行う解析方法において、
系統縮約法を前記第2の代数方程式に適用して求められる第3の代数方程式を特定することと、
前記電流制限機能の動作状態を排他的論理によって表す第1の変数を用いることにより前記第1の代数方程式を分解した形で表現する第4の代数方程式を特定することと、
前記第1の微分方程式、前記第3の代数方程式、及び前記第4の代数方程式に基づいて、前記電力系統の実効値解析を行うことと、
を含む解析方法。
続きを表示(約 700 文字)【請求項2】
前記第3の代数方程式は、
前記電力系統に含まれる全ての負荷が定インピーダンス特性であると仮定することにより、前記1以上のGFMインバータの内部電圧、端子電圧、及び負荷ノードの電圧と、前記1以上のGFMインバータの出力電流と、の関係を前記1以上のGFMインバータの結合アドミタンスを用いて表した関係式に基づいて求められる、
請求項1に記載の解析方法。
【請求項3】
前記電力系統は、1以上の同期発電機、及び、前記1以上のGFMインバータのそれぞれを電源として備える
請求項1または2に記載の解析方法。
【請求項4】
電流制限機能を有する1以上のGFMインバータを有する電力系統の実効値解析を行う実効値解析部と、
前記電力系統のネットワークの潮流、及び電圧の関係を表す第2の代数方程式に系統縮約法を適用して求められる第3の代数方程式を特定する縮約法適用部と、
前記電流制限機能が動作している場合に成立する第1条件分岐、及び、前記電流制限機能が動作していない場合に成立する第2条件分岐ごとに、前記1以上のGFMインバータの内部状態を表す第1の代数方程式を、前記電流制限機能の動作状態を排他的論理によって表す第1の変数を用いることにより分解した形で表現する第4の代数方程式を特定する式分解部と、
を備え、
前記実効値解析部は、
前記1以上のGFMインバータの動特性を表す第1の微分方程式と、前記第3の代数方程式と、前記第4の代数方程式とに基づいて、前記電力系統の実効値解析を行う
解析装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、解析方法、及び解析装置に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年、電力系統のフレキシビリティやレジリエンスの向上が求められている。例えば、異常気象や自然災害などのイベントによって配電用変電所の電圧源が失われた場合、配電用変電所から広がるフィーダの一部又は全てを自立運転によって動作させることが要求される。この対策の1つに、電力系統に、GFMインバータ(Grid-Forming Inverter)を導入する構成が考えられる(例えば、特許文献1参照)。GFMインバータは、PCS(Power Conditioner System)の一種であり、自立して電圧を確立し、かつ安定運転を維持する制御機能を備えた装置である。
【0003】
なお、電力系統から自立して電圧を確立する分散型のエネルギーシステムは、「マイクログリッド」と呼ばれる。また、配電変電所以下のフィーダ全体が上位の電力系統から自立する場合、「地域マイクログリッド」とも呼ばれている。以降では、このような電力系統に対してGFMインバータを含む構成を対象とする。
【0004】
地域マイクログリッドのような電力系統の運用においては、特に電圧や周波数の過渡的な変動が顕在化すると予想されることから、GFMインバータを含む電力系統の動的信頼度の維持が重要となる。ここで動的信頼度の基準は、潮流、周波数、電圧及び安定度などが運用限界値内に収まっているかどうかであり、これら状態の判定はGFMインバータを含む電力系統全体の動的解析により行われる。
【0005】
一般に、電力系統の動的解析には、瞬時値モデル(Electromagnetic Transientモデル)が用いられている。しかしながら、瞬時値モデルは、少数のPCSの性能を検証するには適しているものの、通常、数千のノードで表される実系統のシミュレーションや、リアルタイムでの電力系統の動的信頼度の評価には適さない。
【0006】
一方、大規模な電力系統についてリアルタイムに動的信頼度の評価が必要なケースでは、PhasorモデルやTransient Stabilityモデルなどの実効値モデルが従来から用いられている。実効値モデルについては、電力中央研究所によって開発されたY法と呼ばれるプログラムが送電系統の実効値解析のツールとして実用化されている。しかしながら、Y法は、従来の同期発電機モデル、及び負荷モデルを基本要素としたツールである。
また、配電系統における動的解析の手法の1つにシナリオ潮流計算が知られている。しかしながら、シナリオ潮流計算は、1秒以上の時間スケールで解析対象の潮流などを計算する、いわゆる準定常解析に位置付けられるものであり、1秒以下の時間スケールで発生する周波数、及び電圧の変動や安定度に関する解析には適さない。
【0007】
また、GFMインバータは、内部要素の保護のために、過電流を検出したときに電流を制限する電流制限の機能を備える。しかしながら、電流制限動作は、電力系統内の事故で電圧低下が生じた際に、過渡安定度に関する問題を引き起こす可能性が高くなる。例えば、非特許文献1、及び非特許文献2には、GFMインバータにおける電流制限が過渡安定度に大きく影響を及ぼすことが示されている。
【0008】
上述の通り、GFMインバータを含む電力系統の実効値解析については各種の技術的な課題がある。
この課題に対し、非特許文献3には、地絡故障等の発生に伴って電流を制限する電流制限機能を有したGFMインバータを対象にした実効値解析の手法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2023-012086号公報
【非特許文献】
【0010】
Linbin Huang, Huanhai Xin, Zhen Wang, Leiqi Zhang, Kuayu Wu, Jiabing Hu, "Transient Stability Analysis and Control Design of Droop-Controlled Voltage Source Converters Considering Current Limitation", IEEE Transactions on Smart Grid, (米), January 2019, Volume 10, Issue 1, p.578 - 591
Ebrahim Rokrok, Taoufik Qoria, Antoine Bruyere, Bruno Francois, Xavier Guillaud, "Transient Stability Assessment and Enhancement of Grid-Forming Converters Embedding Current Reference Saturation as Current Limiting Strategy", IEEE Transactions on Power Systems, (米), March 2022, Volume 37, Issue 2, p.1519 - 1531
Wei Du, Yuan Liu, Renke Huang, Francis K. Tuffner, Jing Xie, Zhenyu Huang, "Positive-Sequence Phasor Modeling of Droop-Controlled, Grid-Forming Inverters with Fault Current Limiting Function", [online], 12 July 2022, IEEE, [令和5年7月24日検索], インターネット <URL:https://ieeexplore.ieee.org/document/9817530>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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