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公開番号2025044388
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-02
出願番号2023151930
出願日2023-09-20
発明の名称酸性ガス除去方法、酸性ガス吸収剤、および酸性ガス除去装置
出願人株式会社東芝,東芝エネルギーシステムズ株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類B01D 53/14 20060101AFI20250326BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】廃棄物が少なく環境負荷の低い酸性ガス吸収剤、その酸性ガス吸収剤を用いた酸性ガスの除去方法および酸性ガス除去装置の提供。
【解決手段】 液状アミン化合物と水との混合物を含む酸性ガス除去剤と、それを用いた酸性ガスの除去方法および酸性ガス除去装置。酸性ガス吸収剤において、液状アミン化合物と前記酸性ガスとから形成される塩の水に対する溶解度が、前記液状アミン化合物の水に対する溶解度よりも高く、酸性ガスを吸収する前、または脱離したあと、アミン化合物と水とは二相に分離しており、この状態では水溶性不純物を分離して精製することが容易である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
酸性ガスを含有する被処理ガスから酸性ガスを除去する酸性ガス除去方法であって、
酸性ガス吸収剤に前記被処理ガスを接触させて、前記酸性ガスを吸収させる第1の工程、および
前記第1の工程において前記酸性ガスを吸収した前記酸性ガス吸収剤から、前記酸性ガスの一部を放出させ、前記酸性ガス吸収剤を再生する第2の工程
を含み、
前記酸性ガス吸収剤が、2級アミン構造を有する液状アミン化合物と水とを含む混合物であり、
前記液状アミン化合物と前記酸性ガスとから形成される塩の水に対する溶解量が、前記液状アミン化合物の水に対する溶解量よりも高い、酸性ガス除去方法。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記酸性ガス吸収剤は、前記第2の工程で前記酸性ガスの一部を放出させた後、有機相と水相とに相分離した状態になる、請求項1に記載の酸性ガス吸収方法。
【請求項3】
前記液状アミン化合物の、25℃における水への溶解量が50,000mg/L以下である、請求項1または2に記載の酸性ガス除去方法。
【請求項4】
前記液状アミン化合物が、下記式(a)または(b):
JPEG
2025044388000005.jpg
46
58
(式中、


、R

、R

、およびR

は、それぞれ独立に、直鎖アルキル基、分岐アルキル基、環状アルキル基、酸素又は硫黄を含む複素環式脂肪族基、炭素、窒素及び水素原子の3元素からなる置換または非置換の脂肪族基、又は、置換及び非置換の芳香族基であり、


、R

、およびR

は、それぞれ独立に、C1~C7直鎖アルキレン鎖、または、C3~C7分岐アルキレン鎖であり、


は、直鎖アルキル基、分岐アルキル基、炭素、窒素及び水素原子の3元素からなる置換または非置換の脂肪族基、置換及び非置換の芳香族基、または、水素である)
で示される、請求項1または2に記載の酸性ガス除去方法。
【請求項5】


、R

、R

、およびR

は、それぞれ独立に、直鎖または分岐の、C3~C6アルキル基であり、


、R

、およびR

が、それぞれ独立に、C2~C4直鎖アルキレン鎖、または、C3~C4分岐アルキレン鎖であり、


は、直鎖または分岐の、C1~C3アルキル基、または水素である、
請求項4に記載に記載の酸性ガス除去方法。
【請求項6】


とR

とが同一であり、


とR

とが同一である、
請求項4に記載に記載の酸性ガス除去方法。
【請求項7】
前記第2の工程において、放出された前記酸性ガスを回収する、請求項1または2に記載の酸性ガス除去方法。
【請求項8】
前記第2の工程において再生された前記酸性ガス吸収剤を、前記第1の工程において再利用する、請求項1または2に記載の酸性ガス除去方法。
【請求項9】
前記第1の工程の前に、あらかじめ酸性ガス吸収剤を攪拌混合する工程をさらに含む、請求項1または2に記載の酸性ガス除去方法。
【請求項10】
前記第1の工程において酸性ガスが除去された被処理ガスが、前記液状アミン化合物に少なくとも一部を除去された後、環境中に放出される、請求項1または2に記載の酸性ガス除去方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
実施形態は、酸性ガス除去方法、酸性ガス吸収剤、および酸性ガス除去装置に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、地球の温暖化現象の一因として二酸化炭素(CO

)濃度の上昇による温室効果が指摘され、地球規模で環境を守る国際的な対策が急務となっている。CO

の発生は産業活動によるところが大きく、その環境への排出抑制の機運が高まっている。特に、石炭火力発電所や工場からのCO

排出量の削減は急務となっている。またCO

以外に硫化水素(H

S)等の酸性ガスについても、排出量を削減することも臨まれている。
【0003】
そこで、CO

等の酸性ガス排出量の削減方法として火力発電所等の高効率化による排出量の低減と共に、化学吸収剤による二酸化炭素の回収が大きな注目を浴びている。具体的な吸収剤としては、アミン化合物による吸収が古くから研究されている。しかし、化学吸収剤によるCO

吸放出工程において、化学吸収剤を再生するために、吸収剤を加熱することがあり、それによって吸収剤に含まれるアミン化合物が酸化劣化することが知られている。また、排ガスには二酸化炭素だけではなくSOxやNOxなどが含まれることが知られており、これらの化合物もアミン化合物の劣化を加速させたり、アミン化合物と熱安定性塩を形成することが知られている(特許文献1)。アミン化合物が酸化劣化したり、熱安定性塩を形成すると酸性ガス吸収性能は低下するため、アミン化合物の蒸留や電気透析による再生処理、もしくは吸収液の完全入れ替えなどで酸性ガス吸収性能を保つ必要がある。吸収液を完全に入れ替える場合は、アミン化合物の廃棄物が多量に出るため、環境に対する負荷を低減する工夫も必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第4913390号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
実施形態の目的は、酸性ガス吸収能力が高く、再生処理が容易な酸性ガス吸収剤、その酸性ガス吸収剤を用いた酸性ガス除去方法および酸性ガス除去装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明により提供される実施形態は以下のとおりである。
[1]
酸性ガスを含有する被処理ガスから酸性ガスを除去する酸性ガス除去方法であって、
酸性ガス吸収剤に前記被処理ガスを接触させて、前記酸性ガスを吸収させる第1の工程、および
前記第1の工程において前記酸性ガスを吸収した前記酸性ガス吸収剤から、前記酸性ガスの一部を放出させ、前記酸性ガス吸収剤を再生する第2の工程
を含み、
前記酸性ガス吸収剤が、2級アミン構造を有する液状アミン化合物と水とを含む混合物であり、
前記液状アミン化合物と前記酸性ガスとから形成される塩の水に対する溶解量が、前記液状アミン化合物の水に対する溶解量よりも高い、酸性ガス除去方法。
[2]
前記酸性ガス吸収剤は、前記第2の工程で前記酸性ガスの一部を放出させた後、有機相と水相とに相分離した状態になる、[1]に記載の酸性ガス吸収方法。
[3]
前記液状アミン化合物の、25℃における水への溶解量が50,000mg/L以下である、[1]または[2]に記載の酸性ガス除去方法。
[4]
前記液状アミン化合物が、下記式(a)または(b):
JPEG
2025044388000002.jpg
50
63
(式中、


、R

、R

、およびR

は、それぞれ独立に、直鎖アルキル基、分岐アルキル基、環状アルキル基、酸素又は硫黄を含む複素環式脂肪族基、炭素、窒素及び水素原子の3元素からなる置換または非置換の脂肪族基、又は、置換及び非置換の芳香族基であり、


、R

、およびR

は、それぞれ独立に、C1~C7直鎖アルキレン鎖、または、C3~C7分岐アルキレン鎖であり、
R6は、直鎖アルキル基、分岐アルキル基、炭素、窒素及び水素原子の3元素からなる置換または非置換の脂肪族基、置換及び非置換の芳香族基、または、水素である)
で示される、[1]~[3]のいずれかに記載の酸性ガス除去方法。
[5]


、R

、R

、およびR

は、それぞれ独立に、直鎖または分岐の、C3~C6アルキル基であり、


、R

、およびR

が、それぞれ独立に、C2~C4直鎖アルキレン鎖、または、C3~C4分岐アルキレン鎖であり、


は、直鎖または分岐の、C1~C3アルキル基、または水素である、
[4]に記載に記載の酸性ガス除去方法。
[6]


とR

とが同一であり、


とR

とが同一である、
[4]または[5]に記載に記載の酸性ガス除去方法。
[7]
前記第2の工程において、放出された前記酸性ガスを回収する、[1]~[6]のいずれかに記載の酸性ガス除去方法。
[8]
【図面の簡単な説明】
【0007】
実施形態の酸性ガス除去装置の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態について詳細に説明する。
【0009】
<酸性ガス吸収剤>
以下の実施態形態は、主として、酸性ガスが二酸化炭素である場合を例に説明するが、実施形態に係る酸性ガス吸収剤は、硫化水素等、その他の酸性ガスに関しても同様の効果を得ることができる。実施態形態よる酸性ガス吸収剤は、二酸化炭素、硫化水素等の酸化性ガスの吸収に適している。このうち、特に二酸化炭素の吸収に適しており、工場排ガスなどの被処理ガスからの二酸化炭素の除去および回収に適している。
【0010】
実施形態による酸性ガス吸収剤は、酸性ガスを吸収する主剤としてアミン化合物と水とを含む。ここで用いられるアミン化合物は、2級アミン構造を有する液状アミン化合物であり、液状アミン化合物と水との混合物を含む酸性ガス除去剤であって、その液状アミン化合物と酸性ガスとから形成される塩の水に対する溶解量が、液状アミン化合物そのものの水に対する溶解量よりも高いものである。ここで、液状アミン化合物は、25℃、大気圧下において、液体であるアミン化合物である。この液状アミン化合物は、一般的に室温での溶解量が低く、例えば25℃における水への溶解量が50,000mg/L以下である。そして、その液状アミン化合物が酸性ガスと接触すると、塩を形成し、水が共存する場合にはイオン化して溶解量が上昇する。このような塩の溶解量は、もととなる液状アミンの溶解量に対して、25℃において、例えば2倍以上、好ましくは5倍以上、より好ましくは10倍以上となる。なお、本実施形態において、溶解量(mg/L)は、水と液状アミン化合物の総容積(L)を基準とした、液状アミンの質量(mg)である。
(【0011】以降は省略されています)

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