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公開番号2025051078
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-04
出願番号2023159989
出願日2023-09-25
発明の名称加速器システム
出願人株式会社東芝,東芝エネルギーシステムズ株式会社
代理人弁理士法人東京国際特許事務所
主分類H05H 7/04 20060101AFI20250328BHJP(他に分類されない電気技術)
要約【課題】大電流ビームを加速するためのビームの収束形式を実現し、比較的弱い収束強度で大電流ビームを輸送可能な加速器システムを提供する。
【解決手段】加速器システム1は、荷電粒子ビームの進行方向に沿って並べられ、荷電粒子ビームを加速する複数の区間Sを備え、複数の区間Sは、荷電粒子ビームを収束させる磁場の強度が、第1収束強度である強収束区間S1と、第1収束強度よりも小さい第2収束強度である弱収束区間S2と、を含み、進行方向において前後2つの強収束区間S1の間に少なくとも1つの弱収束区間S2が設けられている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
荷電粒子ビームの進行方向に沿って並べられ、前記荷電粒子ビームを加速する複数の区間を備え、
複数の前記区間は、前記荷電粒子ビームを収束させる磁場の強度が、第1収束強度である強収束区間と、前記第1収束強度よりも小さい第2収束強度である弱収束区間と、を含み、
前記進行方向において前後2つの前記強収束区間の間に少なくとも1つの前記弱収束区間が設けられている、
加速器システム。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
それぞれの前記区間は、
前記荷電粒子ビームを通過させるビーム通路、前記ビーム通路を臨む位置に設けられた加速ギャップ、および、高周波を共振させる共振領域を有して内部が真空状態に保持された加速空胴と、
前記加速空胴の内部に設けられ、前記高周波を前記共振領域に投入し、前記加速ギャップに加速電場を形成し、前記荷電粒子ビームを加速させるアンテナと、
前記加速空胴の外部に設けられ、前記ビーム通路を進行する前記荷電粒子ビームを収束させる収束磁石と、
で構成されており、
前記弱収束区間に設けられている前記収束磁石が発生させる磁場の強度が、前記強収束区間に設けられている前記収束磁石が発生させる磁場の強度よりも小さくなっている、
請求項1に記載の加速器システム。
【請求項3】
前記収束磁石が電磁石であり、
前記弱収束区間に設けられている前記収束磁石のコイルの巻数が、前記強収束区間に設けられている前記収束磁石の前記コイルの巻数よりも少なくなっている、
請求項2に記載の加速器システム。
【請求項4】
前記強収束区間に設けられている前記収束磁石が超電導電磁石であり、
前記弱収束区間に設けられている前記収束磁石が常電導電磁石である、
請求項2または請求項3に記載の加速器システム。
【請求項5】
前記収束磁石が電磁石であり、
前記弱収束区間に設けられている前記収束磁石に接続されている励磁用電源の容量が、前記強収束区間に設けられている前記収束磁石に接続されている前記励磁用電源の容量よりも小さくなっている、
請求項2または請求項3に記載の加速器システム。
【請求項6】
前記強収束区間に設けられている前記収束磁石が電磁石であり、
前記弱収束区間に設けられている前記収束磁石が永久磁石である、
請求項2または請求項3に記載の加速器システム。
【請求項7】
前記強収束区間は、
前記荷電粒子ビームを通過させるビーム通路、前記ビーム通路を臨む位置に設けられた加速ギャップ、および、高周波を共振させる共振領域を有して内部が真空状態に保持された加速空胴と、
前記加速空胴の内部に設けられ、前記高周波を前記共振領域に投入し、前記加速ギャップに加速電場を形成し、前記荷電粒子ビームを加速させるアンテナと、
前記加速空胴の外部に設けられ、前記ビーム通路を進行する前記荷電粒子ビームを収束させる収束磁石と、
で構成されており、
前記弱収束区間は、前記加速空胴と前記アンテナとで構成されている、
請求項1に記載の加速器システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、加速器システムに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
初段加速器として広く用いられている高周波四重極線形加速器(RFQ)では、1A以上の大電流ビームの加速が困難である。これは、RFQでは電極ボア径がmmオーダーと小さいので、ビームの空間電荷効果による発散が強い大電流ビームを収束して輸送できないからである。そこで、1A以上の大電流ビームを加速するために、大口径のビーム通路とビームの収束要素とを有する単胞空胴(加速空胴)が、複数台連結されることで構成される加速器により、大電流ビームを加速できると見込まれている。このような加速器は、従来の線形加速器と異なり、大口径の単一の加速ギャップでビームを加速させ、さらに大電流ビームの発散力を抑制してビームを収束させるために、永久磁石または電磁石などの収束要素を加速空胴の近傍または内部に配置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2019/142389号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
単胞空胴では、それぞれの空胴に個別に加速ギャップと収束要素がある。そのため、単純なビーム調整の方法としては、空胴毎に周期性を持たせ、空胴1台毎に収束・発散の周期を繰り返す方法がある。この方法では、空胴の連結部などを周期境界として同一のビーム条件で後段に引き渡すことができ、ビームの調整が単純で容易であることが利点として挙げられる。この方法は、単胞空胴に限らず、一般的な加速器やビーム輸送系でも用いられる汎用的な方法である。
【0005】
一方、ビーム電流値が1A以上の大電流ビームに対して同様の調整方法を採用する場合、加速器の入射直後は成立していた周期性が、ビームの発散力により維持できなくなる。また、計算上はビームの周期性が維持できたとしても、必要とされる磁場の収束強度が過大となる場合がある。これは、ビームの周期性を維持するために短距離でビームの収束・発散を繰り返すため、ビーム光学上の焦点距離が短くなり過ぎることに起因する。このような条件において、永久磁石の場合は、磁力が不足する、または残留磁束密度の大きい材料を使用するために一般に保持力が弱く、外部環境変化に鋭敏で熱などの外的影響で減磁し易い。常電導電磁石の場合は、鉄などの金属材料で構成されたヨークが飽和し、磁力が不足するか、冷却性能が不足する。超電導電磁石の場合は、臨界電流に到達してしまう。そのため、加速・輸送可能なビーム電流値に限界がある。また、磁石に要求される磁場が強くなるため、コスト増を招く。電磁石の場合には、磁石仕様が同一でも、要求される磁場が強くなるほど、必要とされる電源も大型となり、コスト増を招く。
【0006】
本発明の実施形態は、このような事情を考慮してなされたもので、大電流ビームを加速するためのビームの収束形式を実現し、比較的弱い収束強度で大電流ビームを輸送可能な加速器システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態に係る加速器システムは、荷電粒子ビームの進行方向に沿って並べられ、前記荷電粒子ビームを加速する複数の区間を備え、複数の前記区間は、前記荷電粒子ビームを収束させる磁場の強度が、第1収束強度である強収束区間と、前記第1収束強度よりも小さい第2収束強度である弱収束区間と、を含み、前記進行方向において前後2つの前記強収束区間の間に少なくとも1つの前記弱収束区間が設けられている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態により、大電流ビームを加速するためのビームの収束形式を実現し、比較的弱い収束強度で大電流ビームを輸送可能な加速器システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
第1実施形態の加速器システムを示す構成図。
第2実施形態の加速器システムを示す構成図。
第3実施形態の加速器システムを示す構成図。
第4実施形態の加速器システムを示す構成図。
第5実施形態の加速器システムを示す構成図。
第6実施形態の加速器システムを示す構成図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
以下、図面を参照しながら、加速器システムの実施形態について詳細に説明する。まず、第1実施形態について図1を用いて説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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