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公開番号2025024431
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-20
出願番号2023128536
出願日2023-08-07
発明の名称吸音構造
出願人岡山県,みのる化成株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類G10K 11/172 20060101AFI20250213BHJP(楽器;音響)
要約【課題】広い周波数帯域で高い吸音効果が奏されながらも、構造が単純で小型が容易な吸音構造及びそれを用いた吸音方法を提供する。
【解決手段】吸音構造は、周縁部が支持された弾性板と、弾性板のウラ面側に空洞部を形成する筐体部とを設け、弾性板に、弾性板のオモテ面側と前記空洞部とを連通する貫通孔を設けることによって、弾性板の振動によって、板振動型の吸音特性を生じるようにするとともに、貫通孔と空洞部内における背後空気層のヘルムホルツ共鳴によって、共鳴型の吸音特性を生じるようにした。弾性板の固有振動数fpを100~2000Hzの範囲とし、弾性板の損失係数ηが0.64×fp -0.33以上となるようにした。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
周縁部が支持された弾性板と、
弾性板のウラ面側に空洞部を形成する筐体部と
を有し、
弾性板には、弾性板のオモテ面側と前記空洞部とを連通する貫通孔が設けられ、
弾性板の振動によって、板振動型の吸音特性を生じ、
貫通孔と空洞部内における背後空気層のヘルムホルツ共鳴によって、共鳴型の吸音特性を生じる
ようにするとともに、
弾性板の固有振動数f

が、100~2000Hzの範囲とされ、且つ、
弾性板の損失係数ηが、0.64×f

-0.33
以上となるようにした
ことを特徴とする吸音構造。
続きを表示(約 240 文字)【請求項2】
前記貫通孔の等価円直径が、1~50mmとされた請求項1記載の吸音構造。
【請求項3】
弾性板及び空洞部の等価円直径が、10~1000mmとされた請求項2記載の吸音構造。
【請求項4】
弾性板の厚さが、0.5~5mmとされた請求項3記載の吸音構造。
【請求項5】
空洞部の深さが、1~500mmとされた請求項4記載の吸音構造。
【請求項6】
請求項1~5いずれか記載の吸音構造を用いた吸音方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、共鳴型と板振動型とを組み合わせた吸音構造と、その吸音構造を用いた吸音方法とに関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
図1に示すように、吸音構造は、主に、多孔質型と、板(膜)振動型と、共鳴型との3種類に分類される(非特許文献1)。これらの吸音構造は、建築をはじめとした様々な分野で広く利用されている。
【0003】
このうち、多孔質型は、グラスウールやウレタンフォーム等、多数の細孔(連続気泡)を有する材料(多孔質型吸音材)を用いて吸音を行う吸音構造である。多孔質型吸音材に入射した音波のエネルギーを、その細孔の周壁との摩擦や、多孔質型吸音材を構成する繊維の振動等により、熱エネルギーとして消費することで、吸音が行われる。
【0004】
ところが、多孔質型の吸音構造は、高周波数領域では優れた吸音効果が得られるものの、低周波数領域では吸音効果が小さいという欠点がある。多孔質型の吸音構造において、低周波数領域での吸音特性を高めようとすると、多孔質吸音材の厚みを大きくしたり、多孔質吸音材の背後に設ける空気層(背後空気層)を厚くする必要がある。このため、スペースが制約されるアプリケーションで低周波数領域の騒音を抑制しようとする場合には、多孔質型の吸音構造を採用することが難しい。例えば、自動車のキャビン床面に防音対策を施し、自動車の走行音がキャビンに伝わらないようにするアプリケーションでは、車体スペースの制約上、厚みの大きな多孔質吸音材を配置しにくいし、背後空気層を大きく確保することが困難である。加えて、多孔質型の吸音構造には、多孔質吸音材の経年劣化によって、吸音特性が低下しやすいという問題もある。
【0005】
また、板(膜)振動型(以下においては、単に「板振動型」と表記する。)は、弾性板
と気密性を有する空洞部を用いて吸音を行う構造である。弾性板に入射した音波のエネルギーを、その弾性板が振動(板振動又は膜振動)する際の材料の内部摩擦により、熱エネルギーとして消費することで、吸音が行われる。
【0006】
板振動型の吸音構造は、構造がシンプルであるという利点を有するものの、得られる吸音効果が限定的であるという欠点がある。板振動型の吸音構造では、弾性板の共振周波数付近で吸音ピークを生じるものの、その吸音ピークにおいても、吸音率があまり高くならない。
【0007】
さらに、共鳴型の吸音構造は、孔部及びそれに連続する空洞部を有する共鳴器を用いて吸音を行う構造である。共鳴器の孔部に音波が入射すると、孔部内の空気(背後空気層)が特定の周波数(共鳴型吸音材の共鳴周波数)付近で激しく振動するヘルムホルツ共鳴が発現するところ、その振動の際の摩擦熱によって、音波のエネルギーを熱エネルギーとして消費することで、吸音が行われる。
【0008】
共鳴型の吸音構造は、板振動型の吸音構造と同様、吸音ピークを生じるものの、そのときの吸音率が非常に高く、この点において、振動型よりも優れている。ところが、共鳴型の吸音構造で高い吸音効果が奏されるのは、特定の周波数(共鳴周波数)付近のみである。この点、上記の孔部や空洞部として、寸法や形状の異なる複数種類を独立して設ければ、共鳴型でも、広い周波数帯域で優れた吸音効果を得ることができる(非特許文献2)。また、共鳴器として「MPP」(Micro-perforated panel:MPP)と呼ばれる孔径1mm以下の微細な穿孔を有する微細穿孔板を用いれば、共鳴型の吸音構造でも、広い周波数帯域で優れた吸音効果を得ることができる(非特許文献3,4)。しかし、そのような構造は、複雑であり、寸法精度も要求される。このため、共鳴器の製造コストが上昇し、それが共鳴型の吸音構造の実用化を妨げている(非特許文献5)。
【0009】
以上のように、多孔質型と、板(膜)振動型と、共鳴型は、それぞれ一長一短であるところ、これまでには、板振動型と共鳴型とを組み合わせた吸音構造も提案されている。例えば、非特許文献6~8には、ヘルムホルツ共鳴器と弾性板とを直列に配置した2自由度系の吸音構造が開示されている。この吸音構造では、ヘルムホルツ共鳴器と弾性板の共振周波数とを一致させた連成現象を利用することによって、吸音周波数の広帯域化を実現している。しかし、非特許文献6~8の吸音構造は、2種類の吸音構造を直列に配置している(共鳴器の空洞部内を弾性板で仕切った構造を有している)ため、2層の背後空気層が必要となり、構造全体の厚みが大きくなるという欠点がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
前川純一他,“建築・環境音響学 第3版”,共立出版,2011
C.Wang et al.,“On the acoustic propertiesof parallel arrangement of multiple micro-perforated panel absorbers with different cavity depths”,The Journal of the Acoustical Society of America,Vol.130,No.1,pp.208-218,2011
D.Y.Maa,“Potential of microperforated panel absorber”,The Journal of the Acoustical Society of America,Vol.104,pp.2861−2866,1998
矢入幹記他,“微細穿孔板の吸音特性”,日本音響学会誌,Vol.63,No.2,pp.76-82,2007
小松洋輔,“製造性を考慮した微細穿孔吸音体の設計とロードノイズ対策への応用”,自動車技術会春季大会2022,No.49-3,2022
井上尚久,孔敬受,佐久間哲哉,“背後空気層を有する背面穿孔板ハニカム板の吸音特性-2自由度モデルに基づく考察-” ,騒音制御,Vol.44,No.6,pp.326-333,2020
眞田明他,“弾性板の振動を利用した広帯域ヘルムホルツ共鳴型吸音パネル”,日本機械学会論文集C編,Vol.71,No.705,pp.1513-1520,2005
A.Sanada et al.,“Extension of the frequency range of resonant sound absorbers using two-degree-of-freedom Helmholtz-based resonators with a flexible panel”,Applied Acoustics,Vol.74,No.4,pp.509-516,2013
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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