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公開番号2025014882
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-30
出願番号2023117816
出願日2023-07-19
発明の名称無線通信システム、無線通信装置、無線通信方法および無線通信用プログラム
出願人日本電信電話株式会社,学校法人早稲田大学
代理人弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
主分類H04L 27/01 20060101AFI20250123BHJP(電気通信技術)
要約【課題】この開示は、ナイキスト基準によるシンボルインターバルの限界を超える高速伝送の実現に好適な無線通信システムに関し、雑音の白色化を仮定した等化と雑音の有色化を考慮した等化とを適宜切り替えてFTN伝送に適用することで、高い通信品質と消費電力の抑制とを効率的に両立することを目的とする。
【解決手段】前記送信局は、所要伝送容量に基づいて圧縮率τを決定し(ステップ100)、圧縮率τのFTN伝送により無線信号を送信する。雑音の白色性を仮定した白色等化処理と、雑音の有色性を考慮した有色等化処理との、圧縮率τの下での優劣を判定する(ステップ102)。判定結果に従う手法を選択して(ステップ104、106)、その結果を受信局に通知する。受信局は、通知を受けた手法で、受信信号に等化処理を施す。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
送信局と受信局とを含む無線通信システムであって、
前記送信局は、
送信データの所要伝送容量に基づいて、ナイキスト基準に従う基準シンボルインターバルTに掛け合わせる圧縮率τを決定する処理と、
前記基準シンボルインターバルTに前記圧縮率τを掛け合わせたFTNシンボルインターバルτTで、前記受信局に向けてFTN伝送により無線信号を送信する処理と、
前記無線信号に重畳する雑音の白色性を仮定した白色等化処理と、前記雑音の有色性を考慮した有色等化処理との、前記圧縮率τの下での省電力性に関する優劣を判定する優劣判定処理と、
前記白色等化処理と前記有色等化処理のうち省電力性に優れた手法を選択して前記受信局に通知する処理と、を実行するように構成され、
前記受信局は、
前記無線信号を受信する処理と、
前記白色等化処理および前記有色等化処理のうち、前記通知が示す手法により受信した前記無線信号に等化処理を施す処理と、を実行するように構成されている
無線通信システム。
続きを表示(約 2,100 文字)【請求項2】
前記優劣判定処理は、
前記白色等化処理と前記有色等化処理のそれぞれについて、等化処理の実施に伴う消費電力を算出する処理と、
前記白色等化処理と前記有色等化処理のそれぞれについて、前記圧縮率τのもとで所望の通信品質を得るための所要CNRを算出する処理と、
前記白色等化処理についての前記消費電力及び前記所要CNRと、前記有色等化処理についての前記消費電力及び前記所要CNRとに基づいて、前記優劣を判定する判定処理と、
を含む請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記判定処理は、
前記有色等化処理の実施に伴う前記消費電力と前記白色等化処理の実施に伴う前記消費電力との差ΔBBを算出する処理と、
前記白色等化処理についての前記所要CNRと前記有色等化処理についての前記所要CNRとの差ΔCNRを算出する処理と、
前記ΔBBと前記ΔCNRとの比較に基づいて、前記優劣を判定する処理と、
を含む請求項2に記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記判定処理は、
前記有色等化処理の実施に伴う前記消費電力と前記白色等化処理の実施に伴う前記消費電力との差ΔBBを算出する処理と、
前記白色等化処理についての前記所要CNRを充足するための送信電力と、前記有色等化処理についての前記所要CNRを充足するための送信電力との差ΔPtを算出する処理と、
前記ΔBBと前記ΔPtとの比較に基づいて、前記優劣を判定する処理と、
を含む請求項2に記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記送信局は、
前記白色等化処理と前記有色等化処理のそれぞれについて、前記圧縮率τのもとで所望の通信品質を得るための所要CNRを算出する処理と、
送信中の前記無線信号について、平均CNRを取得する処理と、
前記平均CNRが、前記白色等化処理と前記有色等化処理のうち選択されたものについての前記所要CNRを下回らない範囲で、送信電力の低減を繰り返す処理と、
を更に実行するように構成されている請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項6】
受信局に向けて無線信号を送信する機能を有する無線通信装置であって、
送信データの所要伝送容量に基づいて、ナイキスト基準に従う基準シンボルインターバルTに掛け合わせる圧縮率τを決定する処理と、
前記基準シンボルインターバルTに前記圧縮率τを掛け合わせたFTNシンボルインターバルτTで、前記受信局に向けてFTN伝送により無線信号を送信する処理と、
前記無線信号に重畳する雑音の白色性を仮定した白色等化処理と、前記雑音の有色性を考慮した有色等化処理との、前記圧縮率τの下での省電力性に関する優劣を判定する処理と、
前記白色等化処理と前記有色等化処理のうち省電力性に優れた手法を選択して前記受信局に通知する処理と、を実行するように構成された無線通信装置。
【請求項7】
送信局と受信局との間で無線通信を行なうための無線通信方法であって、
前記送信局が、送信データの所要伝送容量に基づいて、ナイキスト基準に従う基準シンボルインターバルTに掛け合わせる圧縮率τを決定することと、
前記送信局が、前記基準シンボルインターバルTに前記圧縮率τを掛け合わせたFTNシンボルインターバルτTで、前記受信局に向けてFTN伝送により無線信号を送信することと、
前記送信局が、前記無線信号に重畳する雑音の白色性を仮定した白色等化処理と、前記雑音の有色性を考慮した有色等化処理との、前記圧縮率τの下での省電力性に関する優劣を判定することと、
前記送信局が、前記白色等化処理と前記有色等化処理のうち省電力性に優れた手法を選択して前記受信局に通知することと、
前記受信局が、前記無線信号を受信することと、
前記受信局が、前記白色等化処理および前記有色等化処理のうち、前記通知が示す手法により受信した前記無線信号に等化処理を施すことと、
を含む無線通信方法。
【請求項8】
無線通信装置に、受信局に向けて無線信号を送信させるための無線通信用プログラムであって、
前記無線通信装置に、
送信データの所要伝送容量に基づいて、ナイキスト基準に従う基準シンボルインターバルTに掛け合わせる圧縮率τを決定する処理と、
前記基準シンボルインターバルTに前記圧縮率τを掛け合わせたFTNシンボルインターバルτTで、前記受信局に向けてFTN伝送により無線信号を送信する処理と、
前記無線信号に重畳する雑音の白色性を仮定した白色等化処理と、前記雑音の有色性を考慮した有色等化処理との、前記圧縮率τの下での省電力性に関する優劣を判定する処理と、
前記白色等化処理と前記有色等化処理のうち省電力性に優れた手法を選択して前記受信局に通知する処理と、
を実行させるコンピュータ読み取り可能なプログラムを含む無線通信用プログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この開示は、無線通信システム、無線通信装置、無線通信方法および無線通信用プログラムに係り、特に、ナイキスト基準によるシンボルインターバルの限界を超える高速伝送の実現に好適な無線通信システム、無線通信装置、無線通信方法および無線通信用プログラムに関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
下記の非特許文献1には、ナイキスト基準によるシンボルインターバルの限界を超える高速伝送を可能とするFTN(Faster-Than-Nyquist)に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
T, Ishihara, S. Sugiura, and L. Hanzo, “The evolution of faster-than-Nyquist signaling,” IEEE Access, vol. 9, pp. 86535-86564, June 2021.
【0004】
図1は、ナイキスト伝送によりシンボルが伝送される様子を示している。ナイキスト伝送では、時間領域で互いに直交関係にあるシンボルによりデータが伝送される。図示の通り、この場合、伝送波の周期の1/2がシンボルインターバルTとなる。
【0005】
図2は、FTN伝送によりシンボルが伝送される様子を示している。ここでは、圧縮率τ=0.82である場合を例示している。シンボルインターバルは、ナイキスト伝送でのシンボルインターバルTに圧縮率τを掛け合わせた時間となる。FTN伝送では、時間領域におけるシンボルの関係が非直交となるが、単位時間内に伝送できるシンボルの数をナイキスト伝送の場合に比して増やすことができる。このため、FTN伝送によれば、ナイキスト伝送の場合に比して高い伝送レートを得ることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、無線通信によって授受される信号には、伝送路の特性に応じた影響が及ぶことがある。この場合、受信局では、その影響を排除して信号を適切に復元するための等化処理が実施される。
【0007】
無線通信がナイキスト伝送により行われる場合は、受信信号に、いわゆる白色雑音、つまり、パワースペクトルの全域で同程度の強度を示す雑音が重畳する。この場合、比較的簡単な処理で高精度な等化を実現することができる。
【0008】
一方、無線通信がFTN伝送で実施される場合は、雑音のパワースペクトルの密度が平坦でなくなる現象、つまり、いわゆる雑音の有色化が生ずる。この場合、高度な等化を実現するためには、雑音が白色である場合に比して複雑な演算処理が必要となる。
【0009】
上記の事情から、FTN伝送で無線通信が行われる場合に、雑音の白色化を仮定して等化処理を実施すれば、演算負荷は抑え得る一方、等化の精度が劣化する事態が生ずる。演算負荷の軽減は、演算に要する消費電力の軽減につながる。他方、等化精度の劣化は、所望の通信品質を得るための所要CNR(Carrier-to-Noise Ratio)の上昇につながる。このため、FTN伝送において雑音の白色化を仮定した等化処理を実施すると、ベースバンド消費電力は軽減できる一方、大きな所要CNRを得るために大きな送信電力が必要になるという事態が生ずる。
【0010】
これに対して、FTN伝送による無線通信に、雑音の有色化を考慮した等化を組み合わせると、演算負荷は高まるが、等化の精度を高めることができる。従って、この場合は、ベースバンド消費電力が大きくなる一方、所要CNRが小さいため、送信電力は小さく抑え得るという事態が生ずる。
(【0011】以降は省略されています)

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