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公開番号2025005462
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-17
出願番号2023105595
出願日2023-06-28
発明の名称絶縁コンバータ、および制御方法
出願人住友電気工業株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類H02M 3/28 20060101AFI20250109BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】簡単な制御により、容易にゼロ電圧スイッチングが達成できる絶縁コンバータを提供する。
【解決手段】絶縁コンバータは、1次側巻線と2次側巻線とを持つトランスと、1次側インバータ部と、2次側インバータ部と、1次側インバータ部および2次側インバータ部を制御し、トランスに印加される1次側電圧および2次側電圧の位相差を変化させることによりトランスによる電力変換を実行する制御部とを含み、制御部は、トランスの1次側巻線と2次側巻線の巻数比により補正した入出力電圧比に応じて、1次側インバータ部と2次側インバータ部とのうち、補正後の入出力電圧が高いインバータ部の出力電圧波形のデューティ比を、補正後の入出力電圧が低いインバータ部の出力電圧波形のデューティ比と正の相関を持つ第1減少量と、予め定めたデッドタイムと正の相関を持つ第2減少量とを用いて減少させる。
【選択図】図5

特許請求の範囲【請求項1】
1次側巻線と2次側巻線とを持つトランスと、
前記1次側巻線に接続され、複数のスイッチング素子を含む1次側インバータ部と、
前記2次側巻線に接続され、複数のスイッチング素子を含む2次側インバータ部と、
前記1次側インバータ部の前記複数のスイッチング素子および前記2次側インバータ部の前記複数のスイッチング素子を制御し、前記トランスに印加される1次側電圧および2次側電圧の位相差を変化させることにより前記トランスによる電力変換を実行する制御部とを含み、
前記制御部は、前記トランスの前記1次側巻線と前記2次側巻線の巻数比により補正した、前記1次側インバータ部と前記2次側インバータ部との補正後の入出力電圧比に応じて、前記1次側インバータ部と前記2次側インバータ部とのうち、補正後の入出力電圧が高いインバータ部の出力電圧波形のデューティ比を、補正後の入出力電圧が低いインバータ部の出力電圧波形のデューティ比と正の相関を持つ第1減少量と、予め定めたデッドタイムと正の相関を持つ第2減少量とを用いて減少させる、絶縁コンバータ。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記第1減少量は、前記補正後の入出力電圧が低い前記インバータ部からの前記出力電圧波形の前記デューティ比と正の相関を持ち、前記補正後の入出力電圧比と負の相関を持つ、請求項1に記載の絶縁コンバータ。
【請求項3】
前記第1減少量は、前記1次側インバータ部および前記2次側インバータ部のうち、前記補正後の入出力電圧が低いインバータ部の出力電圧波形のデューティ比と、1より大きな第1定数から前記補正後の入出力電圧比を引いた値との積により定められる、請求項2に記載の絶縁コンバータ。
【請求項4】
前記第2減少量は、前記デッドタイムに正の定数を乗じた値である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の絶縁コンバータ。
【請求項5】
前記1次側インバータ部および前記2次側インバータ部のうち、前記補正後の入力電圧が高いインバータ部は、3レベル以上の出力電圧を持つブリッジ回路を含み、
前記制御部は、前記補正後の入力電圧が高いインバータ部が、絶対値の最も大きな出力電圧を維持する時間を、前記第1減少量と前記第2減少量とを用いて減少させる、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の絶縁コンバータ。
【請求項6】
前記1次側インバータ部および前記2次側インバータ部の各々はいずれも半導体ブリッジ回路を含み、
前記制御部は、前記半導体ブリッジ回路の各々において、前記トランスへの出力電圧のデューティ比を、前記半導体ブリッジ回路の2つのレグ間の位相差を制御することにより制御する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の絶縁コンバータ。
【請求項7】
前記制御部は、さらに、前記位相差の絶対値がしきい値以上の場合には、前記1次側インバータ部および前記2次側インバータ部のうち、前記補正後の入力電源電圧が高いインバータ部の出力電圧波形のデューティ比を、前記位相差の値と正の相関を持つ増加量だけ増加させる、請求項6に記載の絶縁コンバータ。
【請求項8】
前記増加量は、前記位相差の値と前記しきい値との差である、請求項7に記載の絶縁コンバータ。
【請求項9】
1次側巻線と2次側巻線とを持つトランスと、
前記1次側巻線に接続され、複数のスイッチング素子を含む1次側インバータ部と、
前記2次側巻線に接続され、複数のスイッチング素子を含む2次側インバータ部と、
前記1次側インバータ部の前記複数のスイッチング素子および前記2次側インバータ部の前記複数のスイッチング素子を制御し、前記トランスに印加される1次側電圧および2次側電圧の位相差を変化させることにより前記トランスによる電力変換を実行する制御部とを含む絶縁コンバータの制御方法であって、
前記トランスの前記1次側巻線と前記2次側巻線の巻数比により補正した入出力電圧比に応じ、前記1次側インバータ部および前記2次側インバータ部のうち、いずれの補正後の入出力電圧が高いかを決定するステップと、
前記補正後の入出力電圧が高いインバータ部の出力電圧波形のデューティ比を、前記補正後の入出力電圧が低いインバータ部の出力電圧波形のデューティ比と正の相関を持つ第1減少量と、予め定めたデッドタイムと正の相関を持つ第2減少量とを用いて減少させるステップとを含む、絶縁コンバータの制御方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この開示は、絶縁コンバータ、および制御方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
DAB(Dual Active Bridge)コンバータは、トランスと、トランスの一次側巻線および二次側巻線にそれぞれ接続される2つのインバータと、それらインバータを制御する制御部とを含む。後掲の非特許文献3には、DABコンバータに関する基本的な構成が開示されている。
【0003】
インバータがトランスに印加する電圧が2レベルの場合、インバータは、4つの半導体スイッチ(以下、単に「スイッチ」という。)からなるブリッジ回路を含む。このブリッジ回路の同じレグのスイッチの位相を制御部により変化させることにより、コンバータによる直流の電圧変換が行われる。このような構成のDABコンバータにおいて、電力の損失を避けるためには、各スイッチにおいてゼロ電圧スイッチングを実現する必要がある。非特許文献3に開示の技術は、単純な制御により各スイッチの位相を変化させているため、ゼロ電圧スイッチングが実現できず、電力の損失が避けられない。
【0004】
一方、後掲の非特許文献2には、トランスに印加される電圧の電圧比を用いてインバータのパルス幅を制御することにより、ゼロ電圧スイッチングを実現しようとする発明が開示されている。しかし、非特許文献2に開示の技術は、デッドタイムを考慮しておらず、またデッドタイム以外のノイズ対策のためのスイッチングについても考慮していない。そのため、非特許文献2に開示の技術によっては、非特許文献3に開示された技術と同様に、電力の損失を抑えることが難しい。
【0005】
こうした問題を解決するための一つの提案が後掲の非特許文献1に開示されている。非特許文献1に開示されている技術は、回路素子の定数およびデッドタイムを考慮して、トランスに印加される2つのインバータのそれぞれのパルス幅を決定する方法を開示している。非特許文献1は、そのために回路の動作を9つの場合に分けてゼロ電圧スイッチングを達成するための条件式を求めている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
Yu Yan他、Securing Full-Power-Range Zero-Voltage Switching in Both Steady-State and Transient Operations for a Dual-Active-Bridge-Based Bidirectional Electric Vehicle Charger, IEEE Transactions on Power Electronics 35 (7), 7506-7519, 2020-07, IEEE
Amit Kumar他、Pwm control of dual active bridge: Comprehensive analysis and experimental verification, IEEE Transactions on Power Electronics 26 (4), 1215-1227, 2011-04, IEEE
井上 重徳他、次世代3.3kV/6.6kV電力変換システムのコア回路としての双方向絶縁型DC/DCコンバータ、電気学会論文誌D(産業応用部門誌) 126 (3)、211-217、2006、一般社団法人 電気学会
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
DABコンバータにおいて、デッドタイムを考慮してゼロ電圧スイッチングを達成しようとすると、制御則が複雑になるという問題がある。非特許文献1に開示の技術がその例であり、非特許文献1に開示の技術を使用してゼロ電圧スイッチングを真に全領域について達成しようとすると、複雑な制御が避けられない。
【0008】
したがって、この開示は、簡単な制御により、容易にゼロ電圧スイッチングが達成できる絶縁コンバータ、および制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この開示の第1の局面に係る絶縁コンバータは、1次側巻線と2次側巻線とを持つトランスと、前記1次側巻線に接続され、複数のスイッチング素子を含む1次側インバータ部と、前記2次側巻線に接続され、複数のスイッチング素子を含む2次側インバータ部と、前記1次側インバータ部の前記複数のスイッチング素子および前記2次側インバータ部の前記複数のスイッチング素子を制御し、前記トランスに印加される1次側電圧および2次側電圧の位相差を変化させることにより前記トランスによる電力変換を実行する制御部とを含み、前記制御部は、前記トランスの前記1次側巻線と前記2次側巻線の巻数比により補正した、前記1次側インバータ部と前記2次側インバータ部との補正後の入出力電圧比に応じて、前記1次側インバータ部と前記2次側インバータ部とのうち、補正後の入出力電圧が高いインバータ部の出力電圧波形のデューティ比を、補正後の入出力電圧が低いインバータ部の出力電圧波形のデューティ比と正の相関を持つ第1減少量と、予め定めたデッドタイムと正の相関を持つ第2減少量とを用いて減少させる。
【0010】
この発明は、このような特徴的な処理部を備える絶縁コンバータのような電力変換装置として実現できるだけでなく、係る特徴的な処理をステップとする電力変換方法として実現したり、係るステップをコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現したりできる。また、電力変換装置の一部または全部を実現する半導体集積回路として実現したり、電力変換装置を含む電力変換システムとして実現したりできる。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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