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公開番号
2024179545
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-26
出願番号
2023098476
出願日
2023-06-15
発明の名称
2種類の流体を噴射する流体噴射装置
出願人
株式会社デンソー
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
F02M
61/18 20060101AFI20241219BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約
【課題】2種類の流体を噴射する流体噴射装置において、意図せず燃料が噴射孔から流出することを抑制する。
【解決手段】流体噴射装置10は、先端に噴射孔29が設けられた逆円錐面25が形成された略筒状の弁ボディ20と、第1流体の導入流路W12を内部に備え先端部に円錐面35が形成された弁体30と、を備える。弁体は、弁ボディとの間に第2流体の供給流路W22が形成され、逆円錐面と円錐面とが対向するように弁ボディに収容される。円錐面は、下流円錐面35bと、上流円錐面35uと、下流円錐面と上流円錐面との間に設けられた第1流体の導入流路の出口38と、を備える。弁体の円錐面の頂角は弁ボディの逆円錐面の頂角よりも小さく、下流円錐面が逆円錐面に対して離座及び着座することにより第1流体及び第2流体の両方の噴射及び噴射の停止が行われ、下流円錐面が逆円錐面に着座している場合に上流円錐面と上流逆円錐面とは離間する。
【選択図】 図2
特許請求の範囲
【請求項1】
第1流体と、第2流体との2種類の流体を噴射する流体噴射装置(10)であって、
先端に噴射孔が設けられ、先端部の内周面に逆円錐面(25)が形成された略筒状の弁ボディ(20)と、
前記第1流体の導入流路(W12)を内部に備え、先端部の外周面に円錐面(35)が形成された弁体(30)と、を備え、
前記弁体は、前記弁ボディとの間に前記第2流体の導入流路(W22)が形成され、前記逆円錐面と前記円錐面とが対向するように、前記弁ボディに収容され、
前記円錐面は、
前記噴射孔に近い下流側に設けられた下流円錐面(35b)と、
前記下流円錐面に対して噴射孔から遠い上流側に設けられた上流円錐面(35u)と、
前記下流円錐面と前記上流円錐面との間に設けられた前記第1流体の導入流路の出口(38)と、を備え、
前記弁体の円錐面の頂角は、前記弁ボディの逆円錐面の頂角よりも小さく、
前記下流円錐面が前記逆円錐面に対して離座及び着座することにより、前記第1流体及び前記第2流体の両方の噴射及び噴射の停止が行われ、
前記下流円錐面が前記逆円錐面に対して着座している場合に、前記上流円錐面と前記逆円錐面とは離間している流体噴射装置。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記下流円錐面の稜線方向の長さは、前記上流円錐面の稜線方向の長さよりも短い請求項1に記載の流体噴射装置。
【請求項3】
前記上流円錐面と前記逆円錐面との間に上流噴射流路(W31)が形成され、
前記下流円錐面と前記逆円錐面との間に下流噴射流路(W33)が形成され、
前記弁体の先端部には、前記弁体の内部から前記第1流体の導入流路の出口まで貫通する1又は複数の貫通導入流路(W13)が設けられており、
前記下流円錐面が前記逆円錐面に対して着座している場合に、前記貫通導入流路の流れ方向に垂直な流路面積の総和である第1流路面積は、前記上流噴射流路の最も前記下流噴射流路側における流れ方向に垂直な流路面積である第2流路面積より大きく、
前記弁体がフルリフト状態である場合に、前記第1流路面積は、前記第2流路面積より小さい請求項1または2に記載の流体噴射装置。
【請求項4】
前記弁体のリフト量に応じて前記第2流体の導入流路の流路面積を小さくする絞り(220,230)を備え、
前記絞りは、前記弁体のリフト量が所定のリフト量閾値未満である場合に、前記弁体のリフト量が前記リフト量閾値以上である場合よりも、前記第2流体の流路面積を小さくする請求項1または2に記載の流体噴射装置。
【請求項5】
前記第1流体及び前記第2流体の圧力を調整する制御装置(160)をさらに備え、
前記第1流体の粘性は、前記第2流体の粘性よりも高く、
前記制御装置は、前記第1流体の圧力を前記第2流体の圧力よりも高くする請求項1または2に記載の流体噴射装置。
【請求項6】
前記第1流体及び前記第2流体の圧力を調整する制御装置(130)をさらに備え、
前記第1流体は、着火用燃料であり、
前記第2流体は、主燃料であり、
前記制御装置は、前記第2流体の圧力の検出値に基づいて前記第2流体の圧力を制御し、前記第1流体の圧力と前記第2流体の圧力との差圧の検出値に基づいて前記第1流体の圧力を制御する請求項1または2に記載の流体噴射装置。
【請求項7】
前記第1流体及び前記第2流体の圧力を調整する制御装置(130)をさらに備え、
前記制御装置は、前記下流円錐面が前記逆円錐面に対して着座させた状態で前記第1流体及び前記第2流体の圧力を上昇させる場合に、前記第2流体の圧力が前記第1流体の圧力よりも高くならないように前記第1流体及び前記第2流体の圧力を調整する請求項1または2に記載の流体噴射装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
2種類の流体を噴射する流体噴射装置に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、2種類の流体を噴射する流体噴射装置が記載されている。この流体噴射装置では、ディーゼルエンジンに対し、主燃料としてCNG(圧縮天然ガス)を噴射し、着火用燃料として軽油を噴射する。CNGは、軽油と比較すると着火性が悪いため、着火用に少量の軽油をディーゼルエンジンの気筒内に噴射する。
【0003】
特許文献1に記載の流体噴射装置は、弁ボディと、弁体と、を備える。弁ボディは、第1弁座及び第2弁座を含む逆円錐面状の弁座面を有する。弁体は、第1弁部及び第2弁部を含む円錐面状の弁部面を有する。第1弁部は、第1弁座に対向するように配置され、第1弁座に対して離座及び着座する。第2弁部は、第2弁座に対向するように配置され、第2弁座に対して離座及び着座する。第1弁部及び第1弁座は、燃料の噴射孔に近い下流側に配置され、第2弁部及び第2弁座は、燃料の噴射孔から遠い上流側に配置されている。第1弁部と第2弁部との間に環状溝が設けられている。軽油の流路は、弁体の内部に形成され、環状溝に開口している。主燃料の流路は、弁体と弁ボディとの間に形成され、第1弁部と第1弁座との間に形成される流路に連通している。第1弁部が第1弁座に対して離座及び着座することにより、第1流体及び第2流体の両方の噴射及び噴射の停止が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-139435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の流体噴射装置では、円錐面状の弁部面と、逆円錐面状の弁座面とが同じ頂角となるように設計されている。このように設計すると、製造上のばらつきによっては、上流側に位置する第2弁部と第2弁座との距離が、下流側に位置する第1弁部と第1弁座との距離よりも近くなることがある。この場合、第1弁部と第1弁座とが着座しない状態で、上流側に位置する第2弁部と第2弁座とが着座してしまうため、着火用燃料である軽油が意図せず噴射孔から流出するという事態が起こり得る。
【0006】
上記を鑑み、本発明は、2種類の流体を噴射する流体噴射装置において、意図せず燃料が噴射孔から流出することを抑制する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る流体噴射装置は、第1流体と、第2流体との2種類の流体を噴射する流体噴射装置であって、先端に噴射孔が設けられ、先端部の内周面に逆円錐面が形成された略筒状の弁ボディと、前記第1流体の導入流路を内部に備え、先端部の外周面に円錐面が形成された弁体と、を備える。前記弁体は、前記弁ボディとの間に前記第2流体の導入流路が形成され、前記逆円錐面と前記円錐面とが対向するように、前記弁ボディに収容される。前記円錐面は、前記噴射孔に近い下流側に設けられた下流円錐面と、前記下流円錐面に対して噴射孔から遠い上流側に設けられた上流円錐面と、前記下流円錐面と前記上流円錐面との間に設けられた前記第1流体の導入流路の出口と、を備える。前記弁体の円錐面の頂角は、前記弁ボディの逆円錐面の頂角よりも小さく、前記下流円錐面が前記逆円錐面に対して離座及び着座することにより、前記第1流体及び前記第2流体の両方の噴射及び噴射の停止が行われ、前記下流円錐面が前記逆円錐面に対して着座している場合に、前記上流円錐面と前記逆円錐面とは離間している。
【0008】
上記の流体噴射装置によれば、弁ボディの先端部の内周面には、逆円錐面が形成されている。弁体の先端部の外周面には、円錐面が形成されている。円錐面は、噴射孔に近い下流側に設けられた下流円錐面と、下流円錐面に対して噴射孔から遠い上流側に設けられた上流円錐面と、下流円錐面と上流円錐面との間に設けられた第1流体の導入流路の出口と、を備える。第1流体の導入流路を流れる第1流体は、下流円錐面と上流円錐面との間に設けられた第1流体の導入流路の出口から、下流円錐面が逆円錐面に対して離座している場合に下流円錐面と逆円錐面との間に形成される流路(下流噴射流路と称する)に導入される。第2導入流路を流れる第2流体は、上流円錐面と逆円錐面との間に形成される流路(上流噴射流路と称する)を通じて、下流噴射流路に導入される。一方で、下流噴射流路は、下流円錐面が逆円錐面に対して着座することにより閉じられる。このため、下流円錐面が逆円錐面に対して離座及び着座することにより、第1流体及び第2流体の両方の噴射及び噴射の停止が行われる。さらに、流体噴射装置によれば、弁体の円錐面の頂角は、弁ボディの逆円錐面の頂角よりも小さいため、下流円錐面が逆円錐面に対して着座している場合に、上流円錐面と前記逆円錐面とは離間している。弁ボディや弁体における加工上のばらつきに関わらず、下流円錐面と逆円錐面とが着座しない状態で、上流円錐面と逆円錐面とが着座してしまうことを抑制できる。その結果、2種類の流体を噴射する流体噴射装置において、意図せず燃料が噴射孔から流出することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施形態に係る流体噴射装置を含む流体噴射システムの概略を示すブロック図。
図1に示す流体噴射装置の断面図。
図2に示す流体噴射装置の動作例を示す断面図。
図2に示す流体噴射装置の動作例を示す断面図。
図2に示す流体噴射装置における円錐面及び逆円錐面の頂角を示す図。
図1に示す流体噴射システムにおけるリフト量と流路面積との関係を示す図。
図1に示す流体噴射装置におけるリフト量と噴射量との関係を示す図。
図1に示す流体噴射装置の流路断面積について説明する図。
変形例に係る流体噴射装置の断面図。
図9に示す流体噴射装置の動作例を示す断面図。
下流逆円錐面に対する下流円錐面の着座について説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1に示すように、実施形態に係る流体噴射システム110は、車両のディーゼルエンジンの気筒1内に2種類の流体としてディーゼルエンジンの主燃料及び着火用燃料を噴射するシステムである。より具体的には、主燃料は、エタノールであり、着火用燃料は、軽油である。本実施形態では、軽油が第1流体に相当し、エタノールが第2流体に相当する。
(【0011】以降は省略されています)
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