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公開番号2024172144
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2023089682
出願日2023-05-31
発明の名称レーダ装置
出願人株式会社デンソー
代理人個人,個人,個人
主分類G01S 7/40 20060101AFI20241205BHJP(測定;試験)
要約【課題】補償精度の向上が可能なレーダ装置を、提供する。
【解決手段】レーダ装置の送信アンテナ及び受信アンテナは、仮想アンテナの群の間で仮想位置が重複し且つ送信回路及び受信回路の組み合わせが一致しない仮想アンテナの組の集合の中で、送信回路及び受信回路の組み合わせが他の組と重複しない特有組が、少なくともNs+Nr-2組含まれ、仮想位置が重複し且つ配線長が一致しない異配線長組が少なくとも1組含まれ、且つ特有組及び異配線長組の少なくとも一方に属す所属組の総数が、少なくともNs+Nr-1組となるように配置される。制御ユニットは、仮想アンテナ同士の受信信号における同一のターゲットの検出信号について、距離の異なる複数のターゲットごとの比較結果に応じて、仮想アンテナ同士の配線長差分に応じた位相差と、異なる受信回路間の位相差と、異なる送信回路間の位相差と、クロック信号の遅延による位相差と、を補償する。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
複数の送信アンテナ(TX)及び複数の受信アンテナ(RX)と、
前記送信アンテナと接続され、送信信号を出力するNs個の送信回路(3)と、
前記受信アンテナと接続され、受信信号を取得するNr個の受信回路(4)と、
各前記受信回路に対してクロック信号を出力するクロック生成部(2a)と、
前記受信信号を処理する制御ユニット(6)と、
を備え、
前記Ns及び前記Nrはそれぞれ2以上の整数であって、
複数の前記送信アンテナ及び複数の前記受信アンテナは、
少なくとも一方が不等間隔に配置され、
前記受信アンテナ間における前記受信信号の位相差に応じて複数の前記受信アンテナについて前記送信アンテナごとに想定される仮想アンテナ(V)の群の間で仮想位置が重複し且つ前記送信回路及び前記受信回路の組み合わせが一致しない前記仮想アンテナの組の集合の中で、前記送信回路及び前記受信回路の組み合わせが他の組と重複しない前記仮想アンテナの組である特有組が、少なくともNs+Nr-2組含まれ、
前記仮想位置が重複し且つ配線長が一致しない前記仮想アンテナの組である異配線長組が少なくとも1組含まれ、
且つ前記特有組及び前記異配線長組の少なくとも一方に属する前記仮想アンテナの組である所属組の総数が、少なくともNs+Nr-1組となるように配置され、
前記制御ユニットは、
少なくともNs+Nr-1組の前記所属組における前記仮想アンテナ同士の前記受信信号における同一のターゲットの検出信号について、距離の異なる複数の前記ターゲットごとの比較結果に応じた、前記仮想アンテナ同士の配線長差分に応じた位相差と、異なる前記送信回路間の位相差と、異なる前記受信回路間の位相差と、前記クロック信号の遅延による位相差と、を補償するレーダ装置。
続きを表示(約 2,400 文字)【請求項2】
等間隔に配置された複数の送信アンテナ(TX)及び等間隔に配置された複数の受信アンテナ(RX)と、
前記送信アンテナと接続され、送信信号を出力するNs個の送信回路(3)と、
前記受信アンテナと接続され、受信信号を取得するNr個の受信回路(4)と、
各前記受信回路に対してクロック信号を出力するクロック生成部(2a)と、
前記受信信号を処理する制御ユニット(6)と、
を備え、
前記Ns及び前記Nrはそれぞれ2以上の整数であって、
複数の前記送信アンテナ及び複数の前記受信アンテナは、
前記受信アンテナ間における前記受信信号の位相差に応じて複数の前記受信アンテナについて前記送信アンテナごとに想定される仮想アンテナ(V)の群の間で仮想位置が重複し且つ前記送信回路及び前記受信回路の組み合わせが一致しない前記仮想アンテナの組の集合の中で、前記送信回路及び前記受信回路の組み合わせが他の組と重複しない前記仮想アンテナの組である特有組が、少なくともNs+Nr-2組含まれ、
前記仮想位置が重複し且つ配線長が一致しない前記仮想アンテナの組である異配線長組が少なくとも1組含まれ、
且つ前記特有組及び前記異配線長組の少なくとも一方に属する前記仮想アンテナの組である所属組の総数が、少なくともNs+Nr-1組となるように配置され、
前記制御ユニットは、
少なくともNs+Nr-1組の前記所属組における前記仮想アンテナ同士の前記受信信号における同一のターゲットの検出信号について、距離の異なる複数の前記ターゲットごとの比較結果に応じた、前記仮想アンテナ同士の配線長差分に応じた位相差と、異なる前記送信回路間の位相差と、異なる前記受信回路間の位相差と、前記クロック信号の遅延による位相差と、を補償するレーダ装置。
【請求項3】
複数の送信アンテナ(TX)及び複数の受信アンテナ(RX)と、
前記送信アンテナと接続され、送信信号を出力するNs個の送信回路(3)と、
前記受信アンテナと接続され、受信信号を取得するNr個の受信回路(4)と、
各前記受信回路に対してクロック信号を出力するクロック生成部(2a)と、
前記受信信号を処理する制御ユニット(6)と、
を備え、
前記Ns及び前記Nrはそれぞれ2以上の整数であって、
複数の前記送信アンテナ及び複数の前記受信アンテナは、
少なくとも一方が不等間隔に配置され、
前記受信アンテナ間における前記受信信号の位相差に応じて複数の前記受信アンテナについて前記送信アンテナごとに想定される仮想アンテナ(V)の群の間で仮想位置が重複し且つ前記送信回路及び前記受信回路の組み合わせが一致しない前記仮想アンテナの組の集合の中で、前記送信回路及び前記受信回路の組み合わせが他の組と重複しない前記仮想アンテナの組である特有組が、少なくともNs+Nr-2組含まれ、
前記制御ユニットは、
少なくともNs+Nr-2組の前記特有組における前記仮想アンテナ同士の前記受信信号における同一のターゲットの検出信号について、距離の異なる複数の前記ターゲットごとの比較結果に応じた、前記仮想アンテナ同士の配線長差分に応じた位相差と、異なる前記送信回路間の位相差と、異なる前記受信回路間の位相差と、前記クロック信号の遅延による位相差と、を補償するレーダ装置。
【請求項4】
等間隔に配置された複数の送信アンテナ(TX)及び等間隔に配置された複数の受信アンテナ(RX)と、
前記送信アンテナと接続され、送信信号を出力するNs個の送信回路(3)と、
前記受信アンテナと接続され、受信信号を取得するNr個の受信回路(4)と、
各前記受信回路に対してクロック信号を出力するクロック生成部(2a)と、
前記受信信号を処理する制御ユニット(6)と、
を備え、
前記Ns及び前記Nrはそれぞれ2以上の整数であって、
複数の前記送信アンテナ及び複数の前記受信アンテナは、
前記受信アンテナ間における前記受信信号の位相差に応じて複数の前記受信アンテナについて前記送信アンテナごとに想定される仮想アンテナ(V)の群の間で仮想位置が重複し且つ前記送信回路及び前記受信回路の組み合わせが一致しない前記仮想アンテナの組の集合の中で、前記送信回路及び前記受信回路の組み合わせが他の組と重複しない前記仮想アンテナの組である特有組が、少なくともNs+Nr-2組含まれ、
前記制御ユニットは、
少なくともNs+Nr-2組の前記特有組における前記仮想アンテナ同士の前記受信信号における同一のターゲットの検出信号について、距離の異なる複数の前記ターゲットごとの比較結果に応じた、前記仮想アンテナ同士の配線長差分に応じた位相差と、異なる前記送信回路間の位相差と、異なる前記受信回路間の位相差と、前記クロック信号の遅延による位相差と、を補償するレーダ装置。
【請求項5】
前記制御ユニットは、前記送信回路及び前記受信回路の組み合わせが他の組と重複する前記仮想アンテナの組における前記仮想アンテナ同士の前記受信信号の前記比較結果をさらに利用して前記クロック信号の遅延による前記位相差を補償する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のレーダ装置。
【請求項6】
前記制御ユニットは、距離の異なる複数の前記ターゲットが検出されない場合に、前記クロック信号の遅延による前記位相差の補償を中断する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のレーダ装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、レーダ技術に、関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、レーダシステムが開示されている。このシステムは、反射信号に基づいて第一のデジタル中間周波数信号を生成するように構成される受信チャネルであって、反射信号が既知の位置と角度における反射器から反射される、受信チャネルと、反射信号に基づいて第二のデジタルIF信号を生成するように構成される基準受信チャネルと、を含んでいる。このシステムは、第一のデジタルIF信号と第二のデジタルIF信号とを受信するように結合されるデジタルミスマッチ補償回路要素であって、受信チャネルと基準受信チャネルとの間のミスマッチを補償するために第一のデジタルIF信号と第二のデジタルIF信号とを処理するように構成される、デジタルミスマッチ補償回路要素を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第6969562号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1において、受信チャネルと基準受信チャネルとの間の位相差は、ルーティング遅延ミスマッチだけでなく、ターゲットの位置及び回路間の位相差に影響を受ける。特許文献1のシステムでは、これらによる位相差を補償できないため、補償精度が低くなる虞がある。
【0005】
本開示の課題は、補償精度を向上可能なレーダ装置を、提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、課題を解決するための本開示の技術的手段について、説明する。尚、特許請求の範囲及び本欄に記載された括弧内の符号は、後に詳述する実施形態に記載された具体的手段との対応関係を示すものであり、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
【0007】
本開示の第一態様は、複数の送信アンテナ(TX)及び複数の受信アンテナ(RX)と、
送信アンテナと接続され、送信信号を出力するNs個の送信回路(3)と、
受信アンテナと接続され、受信信号を取得するNr個の受信回路(4)と、
各受信回路に対してクロック信号を出力するクロック生成部(2a)と、
受信信号を処理する制御ユニット(6)と、
を備え、
Ns及びNrはそれぞれ2以上の整数であって、
複数の送信アンテナ及び複数の受信アンテナは、
少なくとも一方が不等間隔に配置され、
受信アンテナ間における受信信号の位相差に応じて複数の受信アンテナについて送信アンテナごとに想定される仮想アンテナ(V)の群の間で仮想位置が重複し且つ送信回路及び受信回路の組み合わせが一致しない仮想アンテナの組の集合の中で、送信回路及び受信回路の組み合わせが他の組と重複しない仮想アンテナの組である特有組が、少なくともNs+Nr-2組含まれ、
仮想位置が重複し且つ配線長が一致しない仮想アンテナの組である異配線長組が少なくとも1組含まれ、
且つ特有組及び異配線長組の少なくとも一方に属する仮想アンテナの組である所属組の総数が、少なくともNs+Nr-1組となるように配置され、
制御ユニットは、
少なくともNs+Nr-1組の所属組における仮想アンテナ同士の受信信号における同一のターゲットの検出信号について、距離の異なる複数のターゲットごとの比較結果に応じた、仮想アンテナ同士の配線長差分に応じた位相差と、異なる送信回路間の位相差と、異なる受信回路間の位相差と、クロック信号の遅延による位相差と、を補償するレーダ装置である。
【0008】
本開示の第二態様は、等間隔に配置された複数の送信アンテナ(TX)及び等間隔に配置された複数の受信アンテナ(RX)と、
送信アンテナと接続され、送信信号を出力するNs個の送信回路(3)と、
受信アンテナと接続され、受信信号を取得するNr個の受信回路(4)と、
各受信回路に対してクロック信号を出力するクロック生成部(2a)と、
受信信号を処理する制御ユニット(6)と、
を備え、
Ns及びNrはそれぞれ2以上の整数であって、
複数の送信アンテナ及び複数の受信アンテナは、
受信アンテナ間における受信信号の位相差に応じて複数の受信アンテナについて送信アンテナごとに想定される仮想アンテナ(V)の群の間で仮想位置が重複し且つ送信回路及び受信回路の組み合わせが一致しない仮想アンテナの組の集合の中で、送信回路及び受信回路の組み合わせが他の組と重複しない仮想アンテナの組である特有組が、少なくともNs+Nr-2組含まれ、
仮想位置が重複し且つ配線長が一致しない仮想アンテナの組である異配線長組が少なくとも1組含まれ、
且つ特有組及び異配線長組の少なくとも一方に属する仮想アンテナの組である所属組の総数が、少なくともNs+Nr-1組となるように配置され、
制御ユニットは、
少なくともNs+Nr-1組の所属組における仮想アンテナ同士の受信信号における同一のターゲットの検出信号について、距離の異なる複数のターゲットごとの比較結果に応じた、仮想アンテナ同士の配線長差分に応じた位相差と、異なる送信回路間の位相差と、異なる受信回路間の位相差と、クロック信号の遅延による位相差と、を補償するレーダ装置である。
【0009】
これらの態様によると、少なくともNs+Nr-1組の所属組における仮想アンテナ同士の受信信号についての比較結果に基づき、異なる送信回路間の位相差と、異なる受信回路間の位相差と、仮想アンテナ同士の配線長差分に応じた位相差と、クロック信号の遅延による位相差と、が補償され得る。したがって、補償精度の向上が可能となり得る。
【0010】
本開示の第三態様は、複数の送信アンテナ(TX)及び複数の受信アンテナ(RX)と、
送信アンテナと接続され、送信信号を出力するNs個の送信回路(3)と、
受信アンテナと接続され、受信信号を取得するNr個の受信回路(4)と、
受信信号を処理する制御ユニット(6)と、
複数の送信アンテナ(TX)及び複数の受信アンテナ(RX)と、
送信アンテナと接続され、送信信号を出力するNs個の送信回路(3)と、
受信アンテナと接続され、受信信号を取得するNr個の受信回路(4)と、
各受信回路に対してクロック信号を出力するクロック生成部(2a)と、
受信信号を処理する制御ユニット(6)と、
を備え、
Ns及びNrはそれぞれ2以上の整数であって、
複数の送信アンテナ及び複数の受信アンテナは、
少なくとも一方が不等間隔に配置され、
受信アンテナ間における受信信号の位相差に応じて複数の受信アンテナについて送信アンテナごとに想定される仮想アンテナ(V)の群の間で仮想位置が重複し且つ送信回路及び受信回路の組み合わせが一致しない仮想アンテナの組の集合の中で、送信回路及び受信回路の組み合わせが他の組と重複しない仮想アンテナの組である特有組が、少なくともNs+Nr-2組含まれ、
制御ユニットは、
少なくともNs+Nr-2組の特有組における仮想アンテナ同士の受信信号における同一のターゲットの検出信号について、距離の異なる複数のターゲットごとの比較結果に応じた、仮想アンテナ同士の配線長差分に応じた位相差と、異なる送信回路間の位相差と、異なる受信回路間の位相差と、クロック信号の遅延による位相差と、を補償するレーダ装置である。
(【0011】以降は省略されています)

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