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公開番号
2024178873
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-25
出願番号
2023097355
出願日
2023-06-13
発明の名称
走査型プローブ顕微鏡システム及びその製造法
出願人
個人
代理人
主分類
G01Q
60/42 20100101AFI20241218BHJP(測定;試験)
要約
【課題】物質の原子レベルの空間分解能で化学結合の種類を識別する装置を提供すること。
【解決手段】検出対象に対して、接触あるいは非接触で配置される少なくとも一つのプローブを有する検出部と、前記検出部を制御する制御部と、を備え、前記プローブは電磁波を電気信号に変化する機能を備え、前記プローブは前記制御部により制御され、前記対象物近傍の電磁波を捕捉して電気信号に変換することにより、前記対象物における化学結合を高精度に識別可能な走査型プローブ顕微鏡装置を提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
走査型プローブ顕微鏡装置であって、検出対象物に対して、接触あるいは非接触で配置される少なくとも一つのプローブを有する検出部と、前記検出部を制御する制御部と、光源部と、信号検出部を備え、前記プローブは電磁波信号を電気信号に変換する機能を備え、前記プローブは前記制御部により制御され、光源部より照射された電磁波信号を前記検出対象物近傍の変化した電磁波を捕捉して電気信号に変換し、前記信号検出部に転送することにより、前記検出対象物を識別可能なことを特徴とする。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
請求項1の検出対象物近傍の電磁波信号が光源部より照射された電磁波の二次を含む二次以上の高次高調波であることを特徴とする。
【請求項3】
請求項1の走査型プローブ顕微鏡において、前記電磁波を電気信号に変化する機能を備えたプローブは、少なくとも先端部は外側から、導電体層と、光電変換体層と、導電体層とを含んで構成される。
【請求項4】
請求項3の光電変換体層がシリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)から選ばれる少なくとも1種のP型層とシリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)から選ばれる少なくとも1種のN型層のPN接合から構成されることが望ましい。
【請求項5】
請求項3の光電変換体層がセレン化銅インジウム[CuInSe
2
]、セレン化銅インジウムガリウム[Cu(InGa)Se
2
]から選ばれる少なくとも1種のP型層と硫化カドミウム(CdS)、硫化亜鉛(ZnS)、酸化亜鉛(ZnO)から選ばれる少なくとも1種のN型層のPN接合から構成されることが望ましい.
【請求項6】
請求項1の走査型プローブ顕微鏡において、前記電磁波を電気信号に変化する機能を備えたプローブは、少なくとも先端部は外側から、導電層と、焦電体層と、導電層とを含んで構成される。
【請求項7】
請求項6の焦電体層がチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸鉛(PbTiO
3
)、チタン酸バリウム(BaTiO
3
)、L-アラニンドープ重水素化硫酸三グリシン(DLaTGS)から選ばれる少なくとも1種の層から構成されることが望ましい.
【請求項8】
請求項1の走査型プローブ顕微鏡において、前記電磁波を電気信号に変化する機能を備えたプローブは、少なくとも先端部は外側から、導電層と、光伝導体層と、導電層とを含んで構成される。
【請求項9】
請求項8の光伝導体層が硫化カドミウム(CdS)、セレン化カドミウム(CdSe)、硫化亜鉛(ZnS)、酸化亜鉛(ZnO)、硫化鉛(PbS)、カドミウム水銀テルル(CdHgTe)、セレン(Se)、リチウムドープゲルマニウムから選ばれる少なくとも1種の層から構成されることが望ましい。
【請求項10】
請求項8の走査型プローブ顕微鏡において、前記電磁波を電気信号に変化する機能を備えたプローブは、前記光伝導体層が量子井戸型構造を含んで構成される。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、走査型プローブ顕微鏡システムに用いられるプローブ及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)
【背景技術】
【0002】
走査型プローブ顕微鏡は原子レベルの分解能を有するため、分析分野において強力な解析手段として広く用いられている。例えば、走査型トンネル顕微鏡、原子間力顕微鏡は原子像、結晶格子像の観察に広く用いられている。また、走査型近接場顕微鏡は光の回折限界を超えて、分子のスペクトルを測定することにより、分子種のマッピングをすることができる。走査型近接場顕微鏡の空間分解能は数ナノメーターを達成している。しかし、分子の化学結合の長さは1ナノメーターよりも短いため、特許文献1、特許文献2、非特許文献1、非特許文献2の技術をもってしても個々の化学結合の走査型近接場顕微鏡像を得ることはまだ不可能である。その理由は現在の走査型近接場顕微鏡の測定の原理が光の反射あるいは散乱を用い、外部に反射あるいは散乱光の検出器を設けているため、光の検出ダイナミックレンジが狭いことにある。光の検出器を走査プローブから離れた場所に設置している従来の走査型プローブ顕微鏡に課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
WO2014―033844 A1号公報,走査プローブ顕微鏡およびそれを用いた計測方法
特許第6949673号公報,近接場走査プローブ顕微鏡、走査プローブ顕微鏡用プローブおよび試料観察方法
【非特許文献】
【0004】
Nano Letters(米), 2022年, 22巻, 4号, P1525-1533,Vibrational Properties in Highly Strained Hexagonal Boron Nitride Bubbles,
Nature Communications(米),2022年,13巻, 論文番号:2586,On-chip nanophotonic topological rainbow
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1、特許文献2,非特許文献1,非特許文献2をもってしても、分子を構成する原子と原子の間の化学結合を化学結合一つのオーダーで精度よく識別することはできなかった。
【0006】
本発明は上記を鑑みてなされたものであり、その目的は、検出対象における化学結合を高精度に識別可能な走査型プローブ顕微鏡装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 本発明は、検出対象における化学結合を高精度に識別可能な走査型プローブ顕微鏡装置であって、前記検出対象に対して、接触あるいは非接触で配置される少なくとも一つのプローブを有する検出部と、前記検出部を制御する制御部と、を備え、前記プローブは電磁波を電気信号に変化する機能を備え、前記プローブは前記制御部により制御され、前記対象物近傍の電磁波を捕捉して電気信号に変換することにより、前記対象物における化学結合を高精度に識別可能な走査型プローブ顕微鏡装置を提供する。
【0008】
(2)(1)の検出対象物近傍の電磁波信号が光源部より照射された電磁波の二次を含む二次以上の高次高調波であることを特徴とする。
【0009】
(3)(1)の走査型プローブ顕微鏡において、前記電磁波を電気信号に変化する機能を備えたプローブは、少なくとも先端部は外側から、導電体層と、光電変換体層と、導電体層とを含んで構成される。
【0010】
(4) (3)の光電変換体層がシリコン、ゲルマニウムから選ばれた少なくとも1種のP型層とシリコン、ゲルマニウムから選ばれた少なくとも1種のN型層のPN接合から構成されることが望ましい.
(【0011】以降は省略されています)
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