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公開番号2024171513
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2023088559
出願日2023-05-30
発明の名称エンジンシステム
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人弁理士法人 快友国際特許事務所
主分類F02D 45/00 20060101AFI20241205BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】ヒータへの通電を適切なタイミングで開始させることができる技術を提供する。
【解決手段】エンジンシステムは、エンジンと、エンジンの冷却水の水温を検出する水温センサと、エンジンに吸入される空気量を検出する空気量センサと、エンジンの排ガスに含まれる酸素量を検出する酸素センサと、酸素センサを加熱するためのヒータと、エンジンの始動後に、空気量センサによる検出値の積算空気量が所定空気量に達し、かつ、水温センサによる検出温度が閾値温度に達したときに、ヒータへの通電を開始する制御装置と、を備えている。制御装置は、水温センサによる検出温度が閾値温度に達する前に、積算空気量が所定空気量に達したときに、(1)エンジンの始動時における冷却水の水温に、所定空気量から予側される温度上昇幅を加算して、冷却水の予測される到達水温を推定し、(2)水温センサによって検出された実際の到達水温を、推定された到達水温で除算した温度割合に応じて、閾値温度を補正する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
エンジンシステムであって、
エンジンと、
前記エンジンの冷却水の水温を検出する水温センサと、
前記エンジンに吸入される空気量を検出する空気量センサと、
前記エンジンの排ガスに含まれる酸素量を検出する酸素センサと、
前記酸素センサを加熱するためのヒータと、
前記エンジンの始動後に、前記空気量センサによる検出値の積算空気量が所定空気量に達し、かつ、前記水温センサによる検出温度が閾値温度に達したときに、前記ヒータへの通電を開始する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記水温センサによる前記検出温度が前記閾値温度に達する前に、前記積算空気量が前記所定空気量に達したときに、
(1)前記エンジンの始動時における前記冷却水の水温に、前記所定空気量から予側される温度上昇幅を加算して、前記冷却水の予測される到達水温を推定し、
(2)前記水温センサによって検出された実際の到達水温を、前記推定された到達水温で除算した温度割合に応じて、前記閾値温度を補正する、
エンジンシステム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、エンジンシステムに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1に、エンジンと、エンジンの冷却水の水温を検出する水温センサと、エンジンに吸入される空気量を検出する空気量センサと、エンジンの排ガスに含まれる酸素量を検出する酸素センサと、酸素センサを加熱するためのヒータと、制御装置と、を備えるエンジンシステムが開示されている。制御装置は、エンジン水温が、閾値温度(空燃比フィードバック制御開始水温-所定値)に到達した時点で、ヒータへの通電を開始する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2008-286116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のエンジンシステムでは、制御装置は、酸素センサによって検出される酸素量を利用して、実際の空燃比を目標空燃比に近づけるための空燃比フィードバック制御を行っている。このようなシステムにおいて、酸素センサによって検出される酸素量の検出精度を維持するためには、酸素センサが活性化されている必要がある。特許文献1のエンジンシステムでは、ヒータを加熱させることによって、酸素センサが活性化されている。大気中の水蒸気の一部が結露することによって、酸素センサに水が付着することがある。この状態においてヒータが加熱されると、ヒータに付着している水の突沸によって酸素センサの素子が割れてしまうおそれがある。このような事態を防止するために、エンジンの始動後における空気量の積算値が所定空気量に到達し、かつ、エンジン水温が閾値温度以上になる場合に、ヒータへの通電を開始させる構成が考えられる。エンジンの始動後における空気量の積算値が所定空気量に到達し、かつ、エンジン水温が閾値温度以上になっていれば、エンジンに付着していた水が蒸発している可能性が高いからである。しかしながら、エンジンのサーモスタットが故障した等の理由で、エンジン水温が閾値温度以上にならない状況が発生し得る。この場合、ヒータへの通電が開始されないために、空燃比フィードバック制御が行うことができなくなる。
【0005】
本明細書では、ヒータへの通電を適切なタイミングで開始させることができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術の第1の態様では、エンジンと、前記エンジンの冷却水の水温を検出する水温センサと、前記エンジンに吸入される空気量を検出する空気量センサと、前記エンジンの排ガスに含まれる酸素量を検出する酸素センサと、前記酸素センサを加熱するためのヒータと、前記エンジンの始動後に、前記空気量センサによる検出値の積算空気量が所定空気量に達し、かつ、前記水温センサによる検出温度が閾値温度に達したときに、前記ヒータへの通電を開始する制御装置と、を備えている。前記制御装置は、前記水温センサによる前記検出温度が前記閾値温度に達する前に、前記積算空気量が前記所定空気量に達したときに、(1)前記エンジンの始動時における前記冷却水の温度に、前記所定空気量から予側される温度上昇幅を加算して、前記冷却水の予測される到達水温を推定し、(2)前記水温センサによって検出された実際の到達水温を、前記推定された到達水温で除算した温度割合に応じて、前記閾値温度を補正する。
【0007】
上記の構成によると、制御装置は、実際の到達水温を推定された到達水温で除算した温度割合に応じて閾値温度を補正し、エンジン水温が閾値温度以上になる場合に、ヒータへの通電を開始する。この場合、エンジン水温の上昇率に応じて、閾値温度が補正される。従って、エンジン水温が閾値温度以上にならない状況が発生することを抑制することができ、ヒータへの通電を適切なタイミングで開始させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
車両10の模式図。
制御装置50によって実行されるヒータ処理のフローチャートを示す図である。
ケースA、ケースBにおけるタイムチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施例)
図1に示すように、車両10は、エンジンシステム20を備えている。車両10は、エンジン車両、ハイブリッド車両を含む。
【0010】
エンジンシステム20は、エンジン30と、インジェクタ32と、触媒34と、水温センサ36と、空気量センサ38と、酸素センサ40と、ヒータ42と、制御装置50と、を備えている。
(【0011】以降は省略されています)

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