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公開番号
2024169595
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-05
出願番号
2024162097,2020064846
出願日
2024-09-19,2020-03-31
発明の名称
セメント組成物、及びセメント組成物の製造方法
出願人
UBE三菱セメント株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C04B
7/00 20060101AFI20241128BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約
【課題】C
3
A量が多い場合であっても、セメント製造時のCO
2
排出量を従前よりも低減して製造することが可能であり、DEF膨張を抑制し、高温養生後の脱型強度に優れるセメント組成物を提供できる。
【解決手段】本開示の一側面は、Bogue式によって算出されるC
3
S量が20.0~80.0質量%であり、C
3
A量が6.0~15.0質量%であるセメントクリンカーと、石膏と、混合材と、を含有し、上記セメントクリンカー、上記石膏及び上記混合材の合計の含有量を100質量%とする、上記混合材の含有量が2.0~30.0質量%であり、上記C
3
S量、上記C
3
A量、並びに、上記セメントクリンカー、上記石膏及び上記混合材の合計の含有量を100質量%に対する石炭灰の含有量が、[C
3
S量(質量%)]≦-3.3×[C
3
A量(質量%)]+2.0×[石炭灰の含有量(質量%)]+β …式(1)[上記式(1)において、上記βは91.0以下の実数を示す]の関係を満たす、セメント組成物を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
Bogue式によって算出されるC
3
S量が20.0~80.0質量%であり、C
3
A量が6.0~15.0質量%であるセメントクリンカーと、
石膏と、
混合材と、を含有し、
前記セメントクリンカー、前記石膏及び前記混合材の合計の含有量を100質量%とする、前記混合材の含有量が2.0~30.0質量%であり、
前記C
3
S量、前記C
3
A量、並びに、前記セメントクリンカー、前記石膏及び前記混合材の合計の含有量を100質量%に対する石炭灰の含有量が、
[C
3
S量(質量%)]≦-3.3×[C
3
A量(質量%)]+2.0×[石炭灰の含有量(質量%)]+β …式(1)
[前記式(1)において、前記βは91.0以下の実数を示す。]
の関係を満たす、セメント組成物。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
前記セメントクリンカーがSO
3
及びR
2
Oを含み、
前記セメントクリンカー100質量%における、前記SO
3
量が0.10~2.00質量%であり、且つ前記R
2
O量が0.10~2.00質量%である、請求項1に記載のセメント組成物。
【請求項3】
ブレーン比表面積が3000~6000cm
2
/gである、請求項1又は2に記載のセメント組成物。
【請求項4】
前記混合材が石灰石を含み、
前記石灰石の含有量が、前記セメントクリンカー、前記石膏及び前記混合材の合計の含有量を基準として、2.0~22.5質量%である、請求項1~3のいずれか一項に記載のセメント組成物。
【請求項5】
前記混合材が石灰石及び石炭灰を含み、
前記石炭灰の含有量が、前記セメントクリンカー、前記石膏及び前記混合材の合計の含有量を基準として、15.0~85.0質量%である、請求項1~4のいずれか一項に記載のセメント組成物。
【請求項6】
前記石炭灰のブレーン比表面積が3900~10000cm
2
/gである、請求項1~5のいずれか一項に記載のセメント組成物。
【請求項7】
前記石膏の含有量が、前記セメントクリンカー、前記石膏及び前記混合材の合計の含有量を100質量%として、SO
3
換算で、0.5質量%以上1.8質量%未満である、請求項1~6のいずれか一項に記載のセメント組成物。
【請求項8】
前記石炭灰は、4μm残分が40~85体積%であり、且つ32μm残分が0~20.0体積%である、請求項1~7のいずれか一項に記載のセメント組成物。
【請求項9】
硬化促進剤を更に含有し、
前記セメントクリンカー、前記石膏及び前記混合材の合計量100質量部に対する前記硬化促進剤の含有量が0.1~20質量部である、請求項1~8のいずれか一項に記載のセメント組成物。
【請求項10】
Bogue式によって算出されるC
3
S量が20.0~80.0質量%であり、C
3
A量が6.0~15.0質量%であるセメントクリンカーと、石膏と、混合材と、を混合する工程を備え、
前記工程において、前記セメントクリンカー、前記石膏及び前記混合材の合計の含有量を100質量%とする前記混合材の含有量を2.0~30.0質量%とし、前記C
3
S量、前記C
3
A量、並びに、前記セメントクリンカー、前記石膏及び前記混合材の合計の含有量を100質量%に対する石炭灰の含有量が、
[C
3
S量(質量%)]≦-3.3×[C
3
A量(質量%)]+2.0×[石炭灰の含有量(質量%)]+β …式(1)
[前記式(1)において、前記βは91.0以下の実数を示す]
の関係を満たすように、前記セメントクリンカー、前記石膏及び前記混合材の配合を調整することを特徴とする、セメント組成物の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、セメント組成物、及びセメント組成物の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、国内でも、蒸気養生で得られる二次製品等における遅延エトリンガイト形成(DEF)及びDEFに伴うセメント硬化体の劣化が問題視されている。DEFとは、以下のような膨張性のエトリンガイトの再生成現象のことをいう。まず、初期の高温養生及びセメント組成物の発熱によって、コンクリート内部の温度が著しく上昇することで、本来初期に生成するべきエトリンガイトの分解が発生する。その後、コンクリートの供用中に水分が供給されることによって、エトリンガイトの再生成に伴い硬化体組織に膨張が生じるため、コンクリートにひび割れ等の深刻な劣化を引き起こしている。
【0003】
例えば、非特許文献1では、国内のコンクリート二次製品(プレキャストコンクリート製品)の膨張事例が報告されている。多くの事例で、C
3
A量の多い白色セメントが使用されている。C
3
A量の多いセメントを用いてコンクリート二次製品を製造するに際して、型枠回転率を上げるため高温下で蒸気養生が行われているが、この際の熱履歴が、コンクリート二次製品におけるDEF膨張に影響を与えていることが報告されている。
【0004】
DEFを抑制する方策が種々検討されている。非特許文献2では、普通ポルトランドセメント及び早強ポルトランドセメントよりも、低熱ポルトランドセメント及び中庸熱ポルトランドセメントを使用した場合の方が、DEFによる膨張が生じにくいことが示されている。しかし、DEF膨張を抑制する上記セメントでは、発熱抑制等の目的でC
3
A量が低く設定されており、原料に添加できる単位セメント量あたりの廃棄物使用量が低下するという問題がある。
【0005】
セメントの原料であるセメントクリンカーは、その製造工程におけるCO
2
排出量が多いことが知られている。地球温暖化防止の観点から、セメント組成物におけるセメントの含有量を低下させるため、石炭灰等の混合材の含有量を今後さらに増加させることが望まれている。混合材として、石炭灰以外に、例えば、石灰石等も知られている。CO
2
排出量制限の観点からは石灰石の配合が有効であるが、石灰石の添加はDEFの促進を招くことが報告されている(例えば、非特許文献3)。
【0006】
二次製品の製造では型枠回転率を上げ、歩留まりを向上させるため、高温養生後の脱型時の強度が必要とされる。特許文献1には、セメント組成物に塩素バイパスダストを添加することで、脱型時の圧縮強さを十分に向上させるセメント組成物、当該セメント組成物を用いて調製されたモルタル及びコンクリートが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2007-176774号公報
【非特許文献】
【0008】
川端雄一郎、松下博通,「高温上記養生を行ったコンクリートにおけるDEF膨張に関する検討」,土木学会論文集E2(材料・コンクリート構造),2011,Vol.67,No.4,p.549-563
「マスコンクリートのひび割れ制御指針2016」,2016,公益社団法人 日本コンクリート学会
浅本晋吾他,「遅延エトリンガイト生成に及ぼす炭酸イオンの影響に関する検討」,コンクリート工学年次論文集,2016,Vol.28,No.1,p.819-824
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本開示は、C
3
A量が多い場合であっても、セメント製造時のCO
2
排出量を従前よりも低減して製造することが可能であり、セメント硬化体におけるDEF膨張を抑制し、高温養生後の脱型時の圧縮強さに優れるセメント組成物、及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一側面は、Bogue式によって算出されるC
3
S量が20.0~80.0質量%であり、C
3
A量が6.0~15.0質量%であるセメントクリンカーと、石膏と、混合材と、を含有し、上記セメントクリンカー、上記石膏及び上記混合材の合計の含有量を100質量%とする、上記混合材の含有量が2.0~30.0質量%であり、上記C
3
S量、上記C
3
A量、並びに、上記セメントクリンカー、上記石膏及び上記混合材の合計の含有量を100質量%に対する石炭灰の含有量が、[C
3
S量(質量%)]≦-3.3×[C
3
A量(質量%)]+2.0×[石炭灰の含有量(質量%)]+β …式(1)[上記式(1)において、上記βは91.0以下の実数を示す]の関係を満たし、セメント組成物を提供する。
(【0011】以降は省略されています)
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