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公開番号2024162278
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-21
出願番号2023077630
出願日2023-05-10
発明の名称スラグ流生成装置、前記スラグ流生成装置を備えた化学物質の処理装置、スラグ流生成方法、及び前記スラグ流生成方法を用いた化学物質の処理方法
出願人国立研究開発法人産業技術総合研究所,公立大学法人大阪
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類B01J 19/00 20060101AFI20241114BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】送液量が流路抵抗の影響を受けにくく、流速とスラグ長さをそれぞれ独立して安定的に制御する交互送液方式のスラグ流生成装置及びスラグ流生成方法を提供する。
【解決手段】常時圧送された複数の流体が流入する流入口と、前記複数の流体がそれぞれ流出する複数の流出口を有し、前記複数の流体が界面を構成する界面形成部、前記複数の流出口にそれぞれ接続され、常にどれか一つだけが交互に開通動作をする二方バルブ、前記二方バルブの開通動作により前記複数の流体が合流する流体合流部、及び前記流体合流部からスラグ流が流出するスラグ流生成流路、を備えるスラグ流生成装置。
【選択図】図2

特許請求の範囲【請求項1】
常時圧送された複数の流体が流入する流入口と、前記複数の流体がそれぞれ流出する複数の流出口を有し、前記複数の流体が界面を構成する界面形成部、
前記複数の流出口にそれぞれ接続され、常にどれか一つだけが交互に開通動作をする二方バルブ、
前記二方バルブの開通動作により前記複数の流体が合流する流体合流部、及び
前記流体合流部からスラグ流が流出するスラグ流生成流路、
を備えるスラグ流生成装置。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
界面形成部0と、n(n≧2)個の流体合流部、前記流体合流部からスラグ流が流出するスラグ流生成流路、及び前記スラグ生成流路からスラグ流が流入する界面形成部のセット1,2,・・・nとが、界面形成部0が最も上流側、界面形成部nが最も下流側になるように並列配置され、
前記界面形成部は二つの流出口を有し、
界面形成部0の一方の流出口は、前記開通動作をする二方バルブを介して、前記n個の流体合流部1,2,・・・nの全てに接続され、
界面形成部0,1,・・・,n-1の他方の流出口は、前記開通動作をする二方バルブを介して、それぞれの一段下流側に隣接する前記流体合流部1,2,・・・nに接続された、請求項1に記載のスラグ流生成装置。
【請求項3】
前記界面形成部1,2,・・・nは、前記複数の流体の反応生成物又は抽出された化学物質を含む流体の分離機構を兼ね備える、請求項2に記載のスラグ流生成装置。
【請求項4】
界面形成部0と、n(n≧2)個の流体合流部、前記流体合流部からスラグ流が流出するスラグ流生成流路、及び前記スラグ生成流路からスラグ流が流入する界面形成部のセット1,2,・・・nとが、界面形成部0が最も上流側、界面形成部nが最も下流側になるように並列配置され、
前記界面形成部は二つの流出口を有し、
界面形成部0の一方の流出口は、前記開通動作をする前記二方バルブを介して、前記流体合流部nに接続され、
界面形成部2,・・・nの一方の流出口は、前記開通動作をする二方バルブを介して、それぞれの一段上流側に隣接する流体合流部1,・・・n-1に接続され、
界面形成部0,1,・・・,n-1の他方の流出口は、前記開通動作をする二方バルブを介して、それぞれの一段下流側に隣接する流体合流部1,2,・・・nに接続された、請求項1に記載のスラグ流生成装置。
【請求項5】
前記界面形成部1は、前記複数の流体の反応生成物又は抽出された化学物質を含む流体の分離機構を兼ねる、請求項4に記載のスラグ流生成装置。
【請求項6】
前記スラグ流の一相が液化二酸化炭素であり、他の相が液体である請求項1~5のいずれか1項に記載のスラグ流生成装置。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか1項に記載のスラグ流生成装置を備えた化学物質の処理装置。
【請求項8】
複数の流体を前記複数の流体が界面を構成する界面形成部に常時圧送し、
前記界面形成部の界面で分離した前記複数の流体を交互に流体合流部に送液し、前記流体合流部に接続するスラグ流生成流路でスラグ流を生成する、
スラグ流生成方法。
【請求項9】
界面形成部0と、n(n≧2)個の流体合流部、前記流体合流部に接続するスラグ流生成流路、及び前記スラグ流生成流路に接続する界面形成部のセット1,2,・・・nとを、界面形成部0が最も上流側、界面形成部nが最も下流側になるように並列配置し、
界面形成部0の界面で二つの状態に分離した流体の一方を、全ての流体合流部1,2,・・・nに送液し、
界面形成部0,1,・・・n-1の界面で分離した流体の他方を、それぞれの一段下流側に隣接する流体合流1,2,・・・nに送液する、請求項8に記載のスラグ流生成方法。
【請求項10】
前記界面形成部1,2,・・・nで、前記複数の流体の反応生成物又は抽出された化学物質を含む流体の分離を行う、請求項9に記載のスラグ流生成方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、スラグ流生成装置、前記スラグ流生成装置を備えた化学物質の処理装置、スラグ流生成方法、及び前記スラグ流生成方法を用いた化学物質の処理方法に関する。ここでの処理とは、化学物質に関する反応、分離(抽出、吸収、晶析等)、又は反応分離をさす。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来の化学反応プロセスにおいて、スケールアップによる効率化が求められていた。さらに近年においては、環境負荷の軽減、省資源及び省エネルギーの要求も加わる。
今後の成長が期待される医薬品や機能性化学品ないしはファインケミカルのような高付加価値品の生産においては、少量生産に向くバッチ生産方式(以下、「バッチプロセス」という。)が主流である。しかし、エネルギーロスが大きく、共生成物を多く排出するため、近年、反応から分離精製までを連続操作で行うフロー生産方式(以下、「フロープロセス」という。)により各バッチ処理工程間のロスの低減を試みる動きがある。また、必要に応じて反応モジュールや分離精製モジュールを組み替えることで、多種多様な機能性化学品の製造に対応できるよう、フロープロセスに組み込まれる各単位操作をモジュール化する研究開発の動きがある(非特許文献1)。
【0003】
フロープロセスでは配管内ないしは配管の途中に接続された装置を流体が流通する過程で、温度調整、圧力調整、混合、反応、抽出、分離精製等の操作が行われる。各単位操作のモジュールの要件として、コンパクトかつ高速処理であることが求められる。特にフロープロセスにおいて、互いに一部が溶け合うか、全く溶け合わない多相流体の流動が関わるプロセスでは、流動状態が複雑であるため設計・開発等に注意が必要である(例として、液-液反応、気-液反応、液-液抽出、気-液抽出、気-液分離、液-液分離)。通例、多相流体が関わるプロセスにおいて、プロセスのコンパクト化、高速処理化を目指すとき、相間物質移動抵抗を低減することが重要になる。
【0004】
多相流体プロセスにおいて、目的とする単位操作に有利な流動状態を積極的に利用するために装置をコンパクト化することも挙げられる。通例少量生産を目的としたフロープロセスでは、バッチプロセスで扱われる空間に比べてスケールが小さく、また流量が低いため、レイノルズ数が低く、層流が支配的になる。このような層流域における混相流の代表的な流動状態を図1(a)~(e)に示す。
図1(a)、(a´)は、分離状態にある異なる相の流体が交互に流れるスラグ流(セグメンテッド流、テイラー流とも呼ばれる。)を示す。スラグ流では、壁面からの摩擦抗力に由来して発生するスラグ内の内部循環流により、界面更新が促進されることで物質移動抵抗の低減効果が発揮され、高い物質移動速度が期待できる。
一方、図1(b)~(e)に示す流動状態では、内部循環流による物質移動抵抗の低減効果がほぼ得られない。
また、スラグ流は、大きな流体塊を形成可能であるため、相分離に要する時間が、特に図1(e)に示す分散流(気泡流、液滴(エマルジョン)流)と比べて短いという長所があり、抽出操作に応用されることが多い。なお分散流は層流域のみならず乱流域でも見られる。
【0005】
従来、スラグ流は、図12(a)、(b)に示すように、異なる相の複数の流体を、それぞれの流体に対応する複数のポンプを用いて連続的に同時に流体合流部に圧送する方式により生成されてきた(例えば、非特許文献2:Figure2、2.1. Experimental Setup)。
この方式(以下、「同時送液方式」という。)は、複数の流体をそれぞれ圧送するポンプと流体合流部を接続するだけの簡易な構成の装置によって実現することができる。また、スラグ流は成り行き的に生成されるから、スラグ長さを制御することはできないが、液-液比は、各ポンプの流量比を変えることによって、動作中に変更することができる。
【0006】
スラグ長さを制御する方式としては、複数の流体を流体合流部に交互に送液する方式(以下、「交互送液方式」という。)が知られている(特許文献1、非特許文献3)。
特許文献1には、二つのポンプを交互に間欠動作させて流体合流部に二つの流体を交互に送液するスラグ流生成装置が記載されており(請求項9、段落[0019])、該流体合流部への送液時間を制御することで、スラグ長の制御が可能となる。
【0007】
一方、ポンプの動停止は、流量変動という不安定要因をもたらすことから、ポンプを連続動作させて連続的に流体圧送させつつ、流体合流部に設置された切替バルブを動作させることで流体合流部への交互圧送を実現する方式も試みられている(非特許文献3)。
非特許文献3には、二つのポンプを常時圧送状態に保ちつつ、二液の流体合流部に設けた三方電磁バルブを周期的に駆動させることで、流体合流部に交互送液しスラグ流を発生させる装置が記載されている。このような装置を用いれば、層流支配の状況において、交互に送流を行うことが可能である。また、弁の切替周波数によってスラグ長さを制御することができる。
【0008】
非特許文献4には、常時連続相(キャリアオイル)を流し、バルブの切替とシリンジポンプの動停止によって分散相1と分散相2の間欠的な導入を制御することで、スラグ流を発生させる装置(Fig.1)が記載されている。この装置を用いれば、バルブとポンプの制御により、流量や各スラグの長さを制御することができる。
【0009】
非特許文献5には、2台のピエゾマイクロポンプ(以下、「PMP」という。)を用い、電圧と周波数の電子的な制御により逆位相で動作させることで、スラグ流を発生させる装置が記載されている。この装置を用いれば、ポンプ動作中に電圧と周波数の制御により、流量とスラグ長さを制御することができる。また、原理的に流体が堰き止められる状態がないため、ポンプや流路内に加圧状態が発生しない。
【0010】
特許文献2には、常時圧送状態を保つ二つのポンプと流体合流部の間にそれぞれ設けた二方バルブの交互切替により、流体合流部に交互送液するとともに、流体合流部に送液しない流体を堰き止めることなくリサイクル側流路に排出するスラグ流生成装置が記載されている(図16参照)。このような装置を用いれば、スラグ長さの制御が可能であるとともに、流体の堰き止め状態が発生しないので、加圧による装置内の破損を回避できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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