TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
10個以上の画像は省略されています。
公開番号
2024158513
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-08
出願番号
2023073769
出願日
2023-04-27
発明の名称
リン酸マグネシウムアンモニウムの生成システム及びその生産方法
出願人
水ing株式会社
代理人
アクシス国際弁理士法人
主分類
B01D
9/02 20060101AFI20241031BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】晶析反応槽の運転条件を、投入汚泥の性状変化に適した条件に迅速に適合させることが可能で、これによりリンの生産効率を安定的に向上させることが可能なリン酸マグネシウムアンモニウムの生成システム及びリン酸マグネシウムアンモニウムの生産方法を提供する。
【解決手段】リンを含む投入汚泥を、リン酸マグネシウムアンモニウムの種結晶が存在する晶析反応液中で混合することにより、晶析反応液中にMAP粒子を晶析させる反応槽と、反応槽内へマグネシウムを含む薬剤を供給する薬剤供給装置と、MAP粒子を含む晶析反応液を反応槽内から引き抜く引抜装置と、晶析反応液からMAP粒子を分離する分離装置と、分離装置で分離されたMAP粒子を貯留し、洗浄する洗浄装置と、投入汚泥のリン投入負荷量の変動を測定可能な測定装置とを備えるリン酸マグネシウムアンモニウムの生成システムである。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
リンを含む投入汚泥を、リン酸マグネシウムアンモニウムの種結晶が存在する晶析反応液中で混合することにより、前記晶析反応液中にMAP粒子を晶析させる反応槽と、
前記反応槽内へマグネシウムを含む薬剤を供給する薬剤供給装置と、
前記MAP粒子を含む前記晶析反応液を前記反応槽内から引き抜く引抜装置と、
前記晶析反応液から前記MAP粒子を分離する分離装置と、
前記分離装置で分離された前記MAP粒子を貯留し、洗浄する洗浄装置と、
前記投入汚泥のリン投入負荷量の変動を測定可能な測定装置と
を備えるリン酸マグネシウムアンモニウムの生成システム。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記測定装置が、前記投入汚泥のリン酸濃度を自動測定するリン酸濃度測定装置を含む請求項1に記載のリン酸マグネシウムアンモニウムの生成システム。
【請求項3】
前記測定装置が、前記洗浄装置内に貯留されたMAP粒子層の界面の高さを画像判定することにより前記洗浄装置内の前記MAP粒子の貯留量を測定する画像判定装置を含む請求項1に記載のリン酸マグネシウムアンモニウムの生成システム。
【請求項4】
前記測定装置が、前記洗浄装置の重量を測定することにより、前記洗浄装置内の前記MAP粒子の貯留量を測定する重量測定装置を含む請求項1に記載のリン酸マグネシウムアンモニウムの生成システム。
【請求項5】
前記測定装置が、前記洗浄装置内に貯留されたMAP粒子層の界面の高さを超音波を用いて測定することにより、前記洗浄装置内の前記MAP粒子の貯留量を測定する超音波測定装置を含む請求項1に記載のリン酸マグネシウムアンモニウムの生成システム。
【請求項6】
前記測定装置が、前記洗浄装置内に貯留されたMAP粒子層の界面の高さを画像判定する画像判定装置と、前記洗浄装置の重量を測定する重量測定装置とにより、前記洗浄装置内の前記MAP粒子の貯留量を測定することを含む請求項1に記載のリン酸マグネシウムアンモニウムの生成システム。
【請求項7】
前記測定装置が、前記反応槽内の所定時間におけるpHの変化を測定するpH変化測定装置を含む請求項1に記載のリン酸マグネシウムアンモニウムの生成システム。
【請求項8】
前記測定装置の測定結果に基づいて、前記反応槽内の前記晶析反応液のMg/P比が適正範囲となるように、前記薬剤供給装置から供給される前記薬剤の供給量を制御する薬剤供給制御部を更に備える請求項1~7のいずれか1項に記載のリン酸マグネシウムアンモニウムの生成システム。
【請求項9】
前記測定装置の測定結果に基づいて、前記引抜装置による前記晶析反応液の引抜量又は引抜頻度の少なくとも何れかを制御する引抜制御部を更に備える請求項1~7のいずれか1項に記載のリン酸マグネシウムアンモニウムの生成システム。
【請求項10】
前記洗浄装置内に貯留されるMAP粒子層上に堆積する不純物層の貯留量に基づいて、前記洗浄装置内に供給する洗浄液の流量又は時間の少なくともいずれかを制御する洗浄制御部を更に備える請求項1~7のいずれか1項に記載のリン酸マグネシウムアンモニウムの生成システム。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明はリン酸マグネシウムアンモニウム(MAP)の生成システム及びその生産方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
近年の世界的なリン資源の枯渇に伴い、下水、排水、し尿等からのリン回収に再注目が集まっている。例えば、下水処理では生物学的リン除去法が広く用いられている。生物学的リン除去法は、ポリリン酸蓄積細菌(PAOs)と呼ばれる微生物の働きを活用し、反応タンク内において下水中からPAOsの体内にリンを取り込ませ、余剰汚泥として水処理系から引き抜くことで、下水中からリンを除去する。しかしながら、PAOsは、その後の消化槽等で体内に取り込んだリンを放出してしまう。また、汚泥中のタンパク質等の分解に伴い、アンモニアが多く発生することから、消化汚泥中にはリンとアンモニアが豊富に含まれる。そのため、多くの処理場では、リン、アンモニア、マグネシウムとから生成されるMAP結晶による機器や配管のスケールトラブルが課題となっている。
【0003】
リンやアンモニアを含む汚泥に対してマグネシウムを含む薬品を添加し適切なpHに調整することで、汚泥中に含まれるリンをMAP結晶として除去及び回収する技術が開発されている。例えば、特開2004-941号公報には、し尿や浄化槽汚泥の脱水脱離液、汚泥の消化液、化学工業排水などの高濃度の有機物、リン及び窒素を含有する廃水から、リンをMAP結晶として回収する方法が記載されている。特開2013-718号公報には、リン分離工程と汚泥減量化工程とを組み合わせて嫌気性消化タンクから排出された消化汚泥中のリン成分の分離又は回収の高効率化を図るための方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2004-941号公報
特開2013-718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1及び2に示される方法はいずれも汚泥中に溶存態イオンとして存在しているリンだけではなく、消化槽等で自然発生したMAP等も回収することができる点で有用である。消化汚泥等から直接、MAP結晶を回収することから、後段の脱水設備におけるMAPスケールトラブルも低減できるという大きなメリットもある。
【0006】
しかしながら、特許文献1は、いわば消化槽そのものをMAP晶析反応槽に見立ててMg供給量やMAP種晶量の管理を行う方式である。そのため、通常30日程度の滞留時間を有する数千m
3
の大容量となる消化槽内で、投入Mg源を迅速に分散させ、MAP種晶を均一に流動させるための攪拌動力が大きくなる。
【0007】
特許文献2では、液体サイクロンのような物理的分級装置において下水汚泥中のMAP粒子の分離を行っているが、粒径1μm以下の微細MAP粒子は、簡単に分離することが難しい。そのため、特許文献2では、汚泥減量化工程/pH調整工程において、希硫酸等の酸を添加して汚泥中に混在する微細MAP粒子を溶解させ、その溶解液を含む脱水ろ液を再びMAP反応槽でMAP晶析させている。しかしながら、現時点において日本では、下水汚泥に薬剤を添加して酸性に調整した後にMAP生成処理を行って、生成したMAP粒子をMAP肥料として使用することは肥料取締法では認められていない。よって、MAP粒子を肥料等の用途に利用する場合、現状ではこの方式を採用することは困難である。
【0008】
特許文献1及び2に記載されるようなリン回収技術と現行の肥料取締法とから鑑みると、有機性廃水又は汚泥からMAPを効率良く回収する方法としては、MAPを回収するための小型の晶析反応槽を別途設ける方法が有効な方法と考えられる。しかしながら、種々の要因により晶析反応槽内に投入される有機性廃水又汚泥は性状変動が生じ、投入汚泥の性状変化に応じた晶析反応の反応条件の追従が難しい。
【0009】
晶析反応槽における晶析反応を最適化するため、晶析反応槽内の晶析反応液を定期的に採取し、晶析反応液中のリン又はマグネシウムの濃度を測定する方法がある。しかしながら、リンを含む有機性廃水又は汚泥は、比較的粘度が高く泥状であることが多く、濃度測定のための手間と時間がかかる。また、濃度測定結果が得られる頃には、有機性廃水又は汚泥に更なる性状変化が生じている場合もある。また、消化汚泥からのリン回収処理、及びその後段処理としての汚泥脱水処理は一般的に24時間連続処理として行われている場合が多いが、特に夜間における手分析による汚泥成分分析の手間と汚泥性状変化の追随操作を行うことは特に困難であった。したがって、このような方法では、晶析反応槽の運転条件を、投入汚泥の性状変化に迅速に対応させることは難しく、リンの生産効率を十分に向上できない場合がある。
【0010】
上記課題に鑑み、本発明は、晶析反応槽の運転条件を、投入汚泥の性状変化に適した条件に迅速に適合させることが可能で、これによりリンの生産効率を安定的に向上させることが可能なリン酸マグネシウムアンモニウムの生成システム及びリン酸マグネシウムアンモニウムの生産方法を提供する。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
水ing株式会社
リン化合物の洗浄方法及びリン化合物の洗浄装置
6日前
水ing株式会社
リン化合物の生産方法及びリン化合物の生産システム
6日前
水ing株式会社
自然平衡型ろ過装置、およびそのスローダウン洗浄方法
1か月前
水ing株式会社
リン酸マグネシウムアンモニウムの生成システム及びその生産方法
6日前
水ing株式会社
活性炭の酸化剤分解性能評価方法、活性炭の酸化剤分解性能評価装置、造水方法及び造水装置
1か月前
東レ株式会社
分離方法
20日前
個人
トリチウム水濃縮装置
8日前
プライミクス株式会社
攪拌装置
1か月前
株式会社タクマ
触媒反応装置
27日前
株式会社テイエルブイ
フィルター装置
20日前
NOK株式会社
除湿装置
6日前
株式会社ビジサー
タンクシステム
27日前
ユニチカ株式会社
吸油材の製造方法
29日前
株式会社Eプラス
二酸化炭素処理方法
1か月前
東レエンジニアリング株式会社
薬液合成装置
1か月前
東レ株式会社
再生複合半透膜およびエレメント
20日前
東レエンジニアリング株式会社
バッファタンク
1か月前
三菱重工業株式会社
脱硫装置
7日前
住友化学株式会社
混合物の製造方法
14日前
ダイハツ工業株式会社
圧縮空気の供給装置
1か月前
東レ株式会社
抗ウイルスエアフィルター用積層濾材
1か月前
トリニティ工業株式会社
塗料ミスト除去装置
27日前
トリニティ工業株式会社
塗料ミスト除去装置
27日前
株式会社栗本鐵工所
撹拌軸の製造方法
1か月前
株式会社神戸製鋼所
混練装置
1か月前
トヨタ自動車株式会社
二酸化炭素の固定方法
14日前
株式会社電業社機械製作所
エネルギー回収装置
1か月前
ダイキン工業株式会社
ガス分離方法
1か月前
三菱重工業株式会社
還元剤注入装置
1か月前
ダイキン工業株式会社
ガス分離方法
1か月前
株式会社前川製作所
油分離器
27日前
ダイキン工業株式会社
ガス分離方法
1か月前
TOTO株式会社
光触媒塗装体
20日前
TOTO株式会社
光触媒塗装体
20日前
TOTO株式会社
光触媒塗装体
20日前
株式会社デンソー
二酸化炭素供給装置
6日前
続きを見る
他の特許を見る