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公開番号2024158176
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2023073150
出願日2023-04-27
発明の名称付着水除去用溶剤組成物及び付着水除去方法
出願人三井・ケマーズ フロロプロダクツ株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類B01D 12/00 20060101AFI20241031BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】 水溶性洗浄剤で洗浄した後の付着水を除去するための、新規な付着水除去用溶剤組成物及び付着水除去方法を提供する。
【解決手段】 少なくとも二重結合を一つ有するパーフルオロ有機化合物を含有する溶剤組成物、および、これを用いて付着水を除去する方法を提供する。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも二重結合を一つ有するパーフルオロ有機化合物を含み、アルコール及び界面活性剤を含まない付着水除去用溶剤組成物。
続きを表示(約 500 文字)【請求項2】
少なくとも二重結合を一つ有するパーフルオロ有機化合物の沸点が50℃以上100℃未満である、請求項1に記載の付着水除去用溶剤組成物。
【請求項3】
少なくとも二重結合を一つ有するパーフルオロ有機化合物の沸騰状態での表面張力が10mN/m以下である、請求項1又は2に記載の付着水除去用溶剤組成物。
【請求項4】
少なくとも二重結合を一つ有するパーフルオロ有機化合物がパーフルオロヘプテンである、請求項1又は2に記載の付着水除去用溶剤組成物。
【請求項5】
少なくとも二重結合を一つ有するパーフルオロ有機化合物を含み、アルコール及び界面活性剤を含まない付着水除去用溶剤組成物に、対象物を接触させることを特徴とする付着水除去方法。
【請求項6】
対象物を付着水除去用溶剤組成物に浸漬し、その後、前記対象物を前記付着水除去用溶剤組成物の蒸気と接触させることを特徴とする、請求項5に記載の付着水除去方法。
【請求項7】
対象物を付着水除去用溶剤組成物の沸騰液に浸漬することを特徴とする、請求項6に記載の付着水除去方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、精密機械工業、光学機械工業や電子工業等において金属部品や電子部品、プラスチック部品、ガラス部品等を水溶性洗浄剤で洗浄した後の付着水を有機溶剤に置換して乾燥するための付着水除去用溶剤組成物及び付着水除去方法に関するものである。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来、精密金属部品や電子部品、プラスチック部品、ガラス部品等において水溶性洗浄剤で洗浄した後に、その付着残留した水分を除去する目的で、ハイドロクロロフルオロカーボン(例えばHCFC-225)に各種界面活性剤を混合した組成物が使用されてきた(特許文献1、特許文献2)。界面活性剤の使用を必須とするものであって、被洗浄物を傷めず、低毒性や不燃性、低腐食性等の特性に優れ、また付着水除去工程及びその除去用溶剤自体の除去に適当な沸点を持つものとされている。
しかし、ハイドロクロロフルオロカーボンのように塩素原子を構造中に含む化合物は、オゾン破壊係数を有するため、近年使用が制限されている。
【0003】
また、塩素原子を構造上に含まないフッ素系溶剤を使用する例として、デカフルオロペンタンに特定の界面活性剤を加えた混合物を使用する方法(特許文献3)や、ハイドロフルオロエーテル類やハイドロフルオロカーボン類にアルコール類を加えた混合物を使用する方法(特許文献4)が提案されている。
しかしこれらの混合物に使用される界面活性剤やアルコールは、フッ素系溶剤よりも水との親和性が高いため、付着水除去工程にて水に抽出されるため、付着水除去工程を連続して実施すると当該混合物中のアルコールや界面活性剤の量が減少してしまうこととなる。これらの混合物は、特定の界面活性剤、アルコール類を特定量使用することを必須としているため、当該混合物中の界面活性剤やアルコールの量が減少すると付着水除去性能が低下してしまうため、界面活性剤やアルコールを随時添加するなど、混合物の組成の管理が必要であった。
また、界面活性剤との混合物を使用した場合、界面活性剤によって物品から水が除去されるが、その後、物品に残る界面活性剤を除去するための濯ぎ洗浄も必要であった。
【0004】
さらに、沸点が100度以上であり、且つ特定の物性を有するハイドロフルオロカーボンを溶剤として、沸騰状態の該溶剤に物品を浸漬させる水切り乾燥方法も提案されている(特許文献5)。
しかし、高沸点の溶剤を沸騰させる必要があり、多くのエネルギーを必要とするなど、更なる改良の余地を有していた。
なお、少なくとも二重結合を一つ有するパーフルオロ有機化合物の用途は、ポリマーからなる気体分離膜を構成する成分の一つとしての使用(特許文献6)、あるいは、エラストマーを構成する成分の一つとしての使用(特許文献7)などが知られているに過ぎなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平2-204468号公報
特開平7-197091号公報
特開平8-24504号公報
国際公開番号WO2010/090270号公報
特開2011-255353
特開昭60-099326号公報
特開平1-266119号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、付着水の除去に新規な組成物を使用するものであって、具体的には、アルコール及び界面活性剤を含まないために組成の管理や濯ぎ洗浄工程を必要とせず、且つ良好な水除去性能を有する付着水除去用溶剤組成物および付着水除去方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記問題を解決するために鋭意検討した結果、特定の構造を有する有機化合物を用いることで、アルコール及び界面活性剤を添加しなくとも良好な水除去性能を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は以下の点を特徴とする。
[1]少なくとも二重結合を一つ有するパーフルオロ有機化合物を含み、アルコール及び界面活性剤を含まない付着水除去用溶剤組成物。
[2]少なくとも二重結合を一つ有するパーフルオロ有機化合物の沸点が50℃以上100℃未満である、[1]の付着水除去用溶剤組成物。
[3]少なくとも二重結合を一つ有するパーフルオロ有機化合物の沸騰状態での表面張力が10mN/m以下である、[1]または[2]の付着水除去用溶剤組成物。
[4]少なくとも二重結合を一つ有するパーフルオロ有機化合物がパーフルオロヘプテンである、[1]または[2]の付着水除去用溶剤組成物。
[5]少なくとも二重結合を一つ有するパーフルオロ有機化合物を含み、アルコール及び界面活性剤を含まない付着水除去用溶剤組成物に、対象物を接触させることを特徴とする付着水除去方法。
[6]対象物を付着水除去用溶剤組成物に浸漬し、その後、前記対象物を前記付着水除去用溶剤組成物の蒸気と接触させることを特徴とする、[5]の付着水除去方法。
[7]対象物を付着水除去用溶剤組成物の沸騰液に浸漬することを特徴とする[6]の付着水除去方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明の付着水除去用溶剤組成物によれば、該組成物の組成の管理を必要とせず、且つ効果的に付着水の除去を行うことができる。
さらに本発明の付着水除去方法によれば、既存の設備を変更することなく、対象物への熱負荷が少ない態様で付着水の除去を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の実施態様の例として、一般的な洗浄用装置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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