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公開番号
2024154123
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-30
出願番号
2023067772
出願日
2023-04-18
発明の名称
車両駆動システム
出願人
トヨタ自動車株式会社
代理人
弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
主分類
H02P
27/06 20060101AFI20241023BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約
【課題】昇圧コンバータの下アーム短絡故障の発生時に、各種部品の過熱を抑制して退避走行をより満足に行えるようにする。
【解決手段】車両駆動システムは、第1電動機を含み且つ第1車輪を駆動する駆動装置と、第2車輪を駆動する第2電動機と、昇圧コンバータを含み且つ第1電動機を駆動する第1電力変換装置と、第2電動機を駆動する第2電力変換装置と、制御装置とを備える。制御装置は、昇圧コンバータの下アームの短絡故障が発生した際に退避走行制御を実行する。退避走行制御は、直流電源の電力を用いずに駆動装置が発生させる駆動力によって第1車輪を駆動し、且つ、第2電力変換装置の多相アームの上アーム又は下アームを同時にオン状態に制御するものである。退避走行制御の実行中に、制御装置は、車速が第1閾値を上回ると、駆動装置の駆動力を下げる制御を行い、車速が第1閾値より低い第2閾値を下回ると、駆動力を上げる制御を行う。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
直流電源と、
1又は複数の第1電動機を含み、第1車輪を駆動する駆動装置と、
第2車輪を駆動する第2電動機と、
前記直流電源の電圧を昇圧する昇圧コンバータを含み、前記1又は複数の第1電動機を駆動する第1電力変換装置と、
前記第2電動機の多相コイルに流れる電流をそれぞれ制御するための多相アームを含み、前記直流電源からの電力によって前記第2電動機を駆動する第2電力変換装置と、
制御装置と、
を備え、
前記昇圧コンバータは、電流のオンオフを制御するための上アームと下アームとを含み、
前記多相アームのそれぞれは、電流のオンオフを制御するための上アームと下アームとを含み、
前記制御装置は、前記昇圧コンバータの前記下アームの短絡故障が発生した際に退避走行制御を実行し、
前記退避走行制御は、前記直流電源の電力を用いずに前記駆動装置が発生させる駆動力によって前記第1車輪を駆動し、且つ、前記多相アームの前記上アーム又は前記下アームを同時にオン状態に制御するものであり、
前記退避走行制御の実行中に、前記制御装置は、
車速が第1閾値を上回ると、前記駆動装置の駆動力を下げる制御を行い、
前記車速が前記第1閾値より低い第2閾値を下回ると、前記駆動力を上げる制御を行う
ことを特徴とする車両駆動システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両駆動システムに関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、インバータを用いてモータを制御するモータ制御装置を開示している。モータ制御装置は、インバータの1相において上アーム又は下アームの短絡故障が発生した際、3相の上アーム又は下アームを同時にオン状態に制御しつつ退避走行を許可する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2010-068689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
1又は複数の第1電動機を含み且つ第1車輪を駆動する駆動装置と、第2車輪を駆動する第2電動機と、直流電源の電圧を昇圧する昇圧コンバータを含み且つ1又は複数の電動機を駆動する第1電力変換装置と、第2電動機の多相コイルに流れる電流をそれぞれ制御するための多相アームを含み且つ直流電源からの電力によって第2電動機を駆動する第2電力変換装置と、を備える車両駆動システムには、次のような課題がある。
【0005】
すなわち、昇圧コンバータの下アームに短絡故障が発生した際に、退避走行制御として、直流電源の電力を用いずに駆動装置が発生させる駆動力によって第1車輪を駆動することが考えられる。しかしながら、退避走行制御を伴って車両が走行した場合、第2電動機は、第2車輪によって回転させられ、逆起電力を発生させる。このように発生する逆起電力は、各電力ケーブルの過熱を招き得る。そこで、多相アームの上アーム又は下アームを同時にオン状態に制御することを退避走行制御に含めることが考えられる。その結果、電力ケーブルの過熱を抑制できるが、第2電力変換装置及び第2電動機に関する各種部品の過熱を招き得る。当該過熱が発生すると、退避走行の中止を余儀なくされる場合がある。
【0006】
本開示は、上述のような課題に鑑みてなされたものであり、昇圧コンバータの下アーム短絡故障の発生時に、第2電力変換装置及び第2電動機に関する各種部品の過熱を抑制して退避走行をより満足に行える車両駆動システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る車両駆動システムは、直流電源と、駆動装置と、第2電動機と、第1電力変換装置と、第2電力変換装置と、制御装置とを備える。駆動装置は、1又は複数の第1電動機を含み、第1車輪を駆動する。第2電動機は、第2車輪を駆動する。第1電力変換装置は、直流電源の電圧を昇圧する昇圧コンバータを含み、1又は複数の第1電動機を駆動する。第2電力変換装置は、第2電動機の多相コイルに流れる電流をそれぞれ制御するための多相アームを含み、直流電源からの電力によって第2電動機を駆動する。昇圧コンバータは、電流のオンオフを制御するための上アームと下アームとを含む。多相アームのそれぞれは、電流のオンオフを制御するための上アームと下アームとを含む。制御装置は、昇圧コンバータの下アームの短絡故障が発生した際に退避走行制御を実行する。退避走行制御は、直流電源の電力を用いずに駆動装置が発生させる駆動力によって第1車輪を駆動し、且つ、多相アームの上アーム又は下アームを同時にオン状態に制御するものである。退避走行制御の実行中に、制御装置は、車速が第1閾値を上回ると、駆動装置の駆動力を下げる制御を行い、車速が第1閾値より低い第2閾値を下回ると、駆動力を上げる制御を行う。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、昇圧コンバータの下アーム短絡故障の発生時に、第2電力変換装置及び第2電動機に関する各種部品の過熱を抑制して退避走行をより満足に行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施の形態に係る車両駆動システムの構成の一例を概略的に示す図である。
昇圧コンバータの下アーム短絡故障時の処理を示すフローチャートである。
車速上限制御について説明するための図である。
昇圧コンバータの下アーム短絡故障時の処理を示すフローチャートである。
車速上限制御の実行中の動作の一例を表したタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付図面とともに本開示の実施の形態について説明する。
(【0011】以降は省略されています)
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