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公開番号
2024153179
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-29
出願番号
2023066911
出願日
2023-04-17
発明の名称
位置検出装置
出願人
株式会社村田製作所
代理人
弁理士法人深見特許事務所
主分類
G01D
5/16 20060101AFI20241022BHJP(測定;試験)
要約
【課題】磁気ヒステリシスの影響を抑制して軸周りに移動する磁石の回転方向の位置を安定して検出する。
【解決手段】感磁抵抗MR11および固定抵抗MR12の各々は、延在方向に磁化している複数の直線状延在部が直列に接続されて折り返すように配置された磁気抵抗効果素子で構成されている。固定抵抗MR12において、複数の直線状延在部の全数は、第1方向(Y軸方向)に沿って延在している。感磁抵抗MR12において、複数の直線状延在部の全数または半数は、磁石からの磁界の印加方向に傾斜して第2方向(X軸方向)に対してなす角度αが5°<α≦20°の関係を満たしている。
【選択図】図10
特許請求の範囲
【請求項1】
仮想軸の周りを移動可能に設けられ、前記仮想軸に沿う第1方向に着磁された磁石と、
前記仮想軸の径方向において前記磁石より外側に位置し、感磁抵抗および固定抵抗を含むブリッジ回路が形成された感磁面を有する磁気センサとを備え、
前記磁気センサは、前記磁気センサと前記磁石とが最も接近しているときの前記磁石の重心を通過しつつ前記仮想軸と直交する仮想線に対して前記第1方向において偏って位置しており、
前記感磁面は、前記第1方向、および前記仮想線に沿う第2方向の、各々に沿って延在しており、
前記感磁抵抗および前記固定抵抗の各々は、延在方向に磁化している複数の直線状延在部が直列に接続されて折り返すように配置された磁気抵抗効果素子で構成されており、
前記固定抵抗において、前記複数の直線状延在部の全数は、前記第1方向に沿って延在しており、
前記感磁抵抗において、前記複数の直線状延在部の全数または半数は、前記磁石からの磁界の印加方向に傾斜して前記第2方向に対してなす角度αが5°<α≦20°の関係を満たしている、位置検出装置。
続きを表示(約 680 文字)
【請求項2】
前記感磁抵抗において、前記複数の直線状延在部の半数は、前記磁石からの磁界の印加方向に傾斜して前記第2方向に対してなす角度αが5°<α≦20°の関係を満たしており、かつ、前記複数の直線状延在部の残りの半数は、前記磁石からの磁界の印加方向とは反対向きに傾斜して前記第2方向に対してなす角度(-α)が-20°≦-α<-5°の関係を満たしている、請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項3】
前記感磁抵抗において、前記複数の直線状延在部の前記半数が直列に接続されて折り返すように配置された複数の第1折り返し部と、前記複数の直線状延在部の前記残りの半数が直列に接続されて折り返すように配置された複数の第2折り返し部とが、前記第1方向に並んで配置されている、請求項2に記載の位置検出装置。
【請求項4】
前記感磁抵抗において、前記複数の直線状延在部の前記半数のうちの2つが直列に接続されて折り返すように配置された第1折り返し部と、前記複数の直線状延在部の前記残りの半数のうちの2つが直列に接続されて折り返すように配置された第2折り返し部とが、前記第1方向に交互に並んで配置されている、請求項2に記載の位置検出装置。
【請求項5】
前記感磁抵抗において、前記複数の直線状延在部の前記半数のうちの1つと前記複数の直線状延在部の前記残りの半数のうちの1つとが前記第2方向に並んで接続されたV字状部または逆V字状部が、前記第1方向に並びつつ直列に接続されて折り返すように配置されている、請求項2に記載の位置検出装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置検出装置に関する。
続きを表示(約 4,000 文字)
【背景技術】
【0002】
磁気検出素子の構成を開示した先行技術文献として、特許第3058899号(特許文献1)がある。特許文献1に記載された磁気検出素子においては、強磁性磁気電気抵抗材料により電流通路となる複数の細長い短冊部を折り返し配置する。これらの短冊部を直列に結合した磁気検出用と温度補償用の各抵抗体を、無磁界状態での抵抗値が略等しくなるように絶縁性基板上に形成する。これらの磁気検出用と温度補償用の抵抗体を構成するそれぞれの短冊部を、流れる電流の平均方向が互いに略直角となるように配置する。これらの磁気検出用と温度補償用の抵抗体を直列に結合する。磁気の接近を、磁気電気抵抗効果による磁気検出用抵抗体の電気抵抗の変化で検出する。磁気検出用の抵抗体は、両側の短冊部のなす角度θが0゜<θ≦75゜であって、片側の短冊部がそれぞれ平行に形成されたハの字状に配置されることにより、磁気の接近による磁気電気抵抗効果による電気抵抗変化が温度補償用の抵抗体より大きくなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第3058899号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された磁気検出素子は、往復運動するピストンに組み込まれた磁石の磁界を検出することにより直線方向の位置を検出しており、軸周りに移動する磁石の磁界を検出することにより回転方向の位置を検出することについては考慮されていない。
【0005】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであって、磁気ヒステリシスの影響を抑制して軸周りに移動する磁石の回転方向の位置を安定して検出可能な位置検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に基づく位置検出装置は、磁石と、磁気センサとを備える。磁石は、仮想軸の周りを移動可能に設けられ、上記仮想軸に沿う第1方向に着磁されている。磁気センサは、上記仮想軸の径方向において磁石より外側に位置し、感磁抵抗および固定抵抗を含むブリッジ回路が形成された感磁面を有する。磁気センサは、磁気センサと磁石とが最も接近しているときの磁石の重心を通過しつつ上記仮想軸と直交する仮想線に対して第1方向において偏って位置している。感磁面は、第1方向、および上記仮想線に沿う第2方向の、各々に沿って延在している。感磁抵抗および固定抵抗の各々は、延在方向に磁化している複数の直線状延在部が直列に接続されて折り返すように配置された磁気抵抗効果素子で構成されている。固定抵抗において、複数の直線状延在部の全数は、第1方向に沿って延在している。感磁抵抗において、複数の直線状延在部の全数または半数は、磁石からの磁界の印加方向に傾斜して第2方向に対してなす角度αが5°<α≦20°の関係を満たしている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、磁気ヒステリシスの影響を抑制して軸周りに移動する磁石の回転方向の位置を安定して検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の実施形態1に係る位置検出装置の構成を示す斜視図である。
図1に示す位置にある磁石から磁気センサの感磁面に印加される磁界を模式的に示す図である。
磁石の回転角度と、磁石から磁気センサの感磁面に印加される磁界の強度との関係を示すグラフである。
磁石の回転角度と、磁石から磁気センサの感磁面に印加される磁界の印加方向との関係を示すグラフである。
比較例に係る磁気センサの感磁面に形成されている感磁抵抗および固定抵抗の構成を示す平面図である。
比較例に係る磁気センサの感磁抵抗の直線状延在部において、磁石から磁界が印加される直前の磁化方向が第2方向の一方であるときの状態を示す図である。
比較例に係る磁気センサの感磁抵抗の直線状延在部において、磁石から磁界が印加される直前の磁化方向が第2方向の一方であるときに、磁石から磁界が印加された状態を示す図である。
比較例に係る磁気センサの感磁抵抗の直線状延在部において、磁石から磁界が印加される直前の磁化方向が第2方向の他方であるときの状態を示す図である。
比較例に係る磁気センサの感磁抵抗の直線状延在部において、磁石から磁界が印加される直前の磁化方向が第2方向の他方であるときに、磁石から磁界が印加された状態を示す図である。
本発明の実施形態1に係る磁気センサの感磁面に形成されている感磁抵抗および固定抵抗の構成を示す平面図である。
本発明の実施形態1に係る磁気センサの感磁抵抗の直線状延在部において、磁石から磁界が印加される直前の磁化方向が直線状延在部の延在方向の一方であるときの状態を示す図である。
本発明の実施形態1に係る磁気センサの感磁抵抗の直線状延在部において、磁石から磁界が印加される直前の磁化方向が直線状延在部の延在方向の一方であるときに、磁石から磁界が印加された状態を示す図である。
本発明の実施形態1に係る磁気センサの感磁抵抗の直線状延在部において、磁石から磁界が印加される直前の磁化方向が直線状延在部の延在方向の他方であるときの状態を示す図である。
本発明の実施形態1に係る磁気センサの感磁抵抗の直線状延在部において、磁石から磁界が印加される直前の磁化方向が直線状延在部の延在方向の他方であるときに、磁石から磁界が印加された状態を示す図である。
本発明の実施形態2に係る磁気センサの感磁面に形成されている感磁抵抗および固定抵抗の構成を示す平面図である。
本発明の実施形態2に係る磁気センサの感磁抵抗の直線状延在部において、磁石から磁界が印加される直前の磁化方向が直線状延在部の延在方向の一方であるときの状態を示す図である。
本発明の実施形態2に係る磁気センサの感磁抵抗の直線状延在部において、磁石から磁界が印加される直前の磁化方向が直線状延在部の延在方向の一方であるときに、磁石から磁界が印加された状態を示す図である。
本発明の実施形態2に係る磁気センサの感磁抵抗の直線状延在部において、磁石から磁界が印加される直前の磁化方向が直線状延在部の延在方向の他方であるときの状態を示す図である。
本発明の実施形態2に係る磁気センサの感磁抵抗の直線状延在部において、磁石から磁界が印加される直前の磁化方向が直線状延在部の延在方向の他方であるときに、磁石から磁界が印加された状態を示す図である。
比較例に係る磁気センサに対して、磁石から磁界を印加する直前に第2方向の一方に磁界を印加して感磁抵抗の直線状延在部の磁化方向を第2方向の一方にした場合の、磁石の回転角度と磁気センサの出力電圧との関係を示すグラフである。
比較例に係る磁気センサに対して、磁石から磁界を印加する直前に第2方向の他方に磁界を印加して感磁抵抗の直線状延在部の磁化方向を第2方向の他方にした場合の、磁石の回転角度と磁気センサの出力電圧との関係を示すグラフである。
本発明の実施形態2に係る磁気センサに対して、磁石から磁界を印加する直前に第2方向の一方に磁界を印加して感磁抵抗の直線状延在部の磁化方向を直線状延在部の延在方向の一方にした場合の、磁石の回転角度と磁気センサの出力電圧との関係を示すグラフである。
本発明の実施形態2に係る磁気センサに対して、磁石から磁界を印加する直前に第2方向の他方に磁界を印加して感磁抵抗の直線状延在部の磁化方向を直線状延在部の延在方向の他方にした場合の、磁石の回転角度と磁気センサの出力電圧との関係を示すグラフである。
本発明の実施形態3に係る磁気センサの感磁面に形成されている感磁抵抗および固定抵抗の構成を示す平面図である。
本発明の実施形態4に係る磁気センサの感磁面に形成されている感磁抵抗および固定抵抗の構成を示す平面図である。
本発明の実施形態5に係る磁気センサの感磁面に形成されている感磁抵抗および固定抵抗の構成を示す平面図である。
本発明の実施形態6に係る磁気センサの感磁面に形成されている感磁抵抗および固定抵抗の構成を示す平面図である。
本発明の実施形態7に係る磁気センサの感磁面に形成されている感磁抵抗および固定抵抗の構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の各実施形態および比較例に係る位置検出装置について図を参照して説明する。以下の実施形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
【0010】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る位置検出装置の構成を示す斜視図である。図1に示すように、本発明の実施形態1に係る位置検出装置100は、磁石120と、磁気センサ110とを備える。磁石120は、仮想軸VAの周りを移動可能に設けられ、仮想軸VAに沿う第1方向(Y軸方向)に着磁されている。すなわち、磁石120の着磁方向D1は、第1方向(Y軸方向)の一方に向いている。磁石120は、仮想軸VAを中心として回転方向D2に移動可能に設けられている。本実施形態においては、磁石120は、中心軸Aに沿って延在する円柱状の形状を有している。中心軸A上に、磁石120の重心Cが位置している。
(【0011】以降は省略されています)
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