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公開番号2024151485
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-25
出願番号2023064855
出願日2023-04-12
発明の名称リチウム塩水溶液の膜電解方法
出願人株式会社アサカ理研
代理人デロイトトーマツ弁理士法人
主分類B01D 61/44 20060101AFI20241018BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】高い効率を示す膜電解工程を含み、水酸化リチウムが電解膜中及び表面に発生し難い、リチウム塩水溶液からリチウムを回収する方法を提供する。
【解決手段】リチウム塩水溶液の膜電解方法が、水酸化リチウムの濃度が10質量%以下の第1の水酸化リチウム水溶液、及び水からなる群から選択される少なくとも1つを、膜電解装置の陰極室に投入する陰極室投入工程、及び、陰極室中の水酸化リチウム濃度が所定濃度に達するまで膜電解を実施する膜電解工程を含む。この陰極室投入工程、及びこの膜電解工程は、好ましくは順次繰り返される。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
リチウム塩水溶液の膜電解方法であって、
水酸化リチウムの濃度が10質量%以下の第1の水酸化リチウム水溶液、及び水からなる群から選択される少なくとも1つを、膜電解装置の陰極室に投入する陰極室投入工程、及び
陰極室中の水酸化リチウム濃度が所定濃度に達するまで膜電解を実施する膜電解工程を含むことを特徴とするリチウム塩水溶液の膜電解方法。
続きを表示(約 930 文字)【請求項2】
請求項1に記載されたリチウム塩水溶液の膜電解方法において、
前記陰極室投入工程、前記膜電解工程を順次繰り返すことを特徴とするリチウム塩水溶液の膜電解方法。
【請求項3】
請求項1に記載されたリチウム塩水溶液の膜電解方法において、
前記膜電解工程において得られた第2の水酸化リチウム水溶液の一部を水で希釈して前記第1の水酸化リチウム水溶液とすることを特徴とするリチウム塩水溶液の膜電解方法。
【請求項4】
請求項1に記載されたリチウム塩水溶液の膜電解方法において、
廃リチウムイオン電池を前処理して得られた活物質粉を鉱酸にて溶解して少なくともリチウムを含む該活物質の酸溶解液を得る酸溶解工程、
当該酸溶解液に水酸化リチウムを添加して該酸溶解液を中和して中和液を得る中和工程、及び
当該中和液から、該活物質粉に含まれる金属のうち、リチウムを除く少なくとも1種の金属を溶媒抽出により分離し、当該溶媒抽出の残液としてリチウム塩水溶液を得る溶媒抽出工程を更に含むことを特徴とするリチウム塩水溶液の膜電解方法。
【請求項5】
請求項4に記載されたリチウム塩水溶液の膜電解方法において、
前記膜電解工程で得られた第2の水酸化リチウム水溶液の一部を前記中和工程、及び前記溶媒抽出工程からなる群から選ばれる少なくとも1つで利用し、かつ前記膜電解工程で得られた鉱酸を前記酸溶解工程で利用することを特徴とするリチウム塩水溶液の膜電解方法。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載されたリチウム塩水溶液の膜電解方法であって、
膜電解に用いる電力が再生可能エネルギーによって得られた電力を含むこと特徴とするリチウム塩水溶液の膜電解方法。
【請求項7】
請求項6に記載されたリチウム塩水溶液の膜電解方法であって、
前記再生可能エネルギーによって得られた電力が、太陽光発電によって得られた電力、及び風力発電によって得られた電力からなる群から選ばれる少なくとも1つを含むこと特徴とするリチウム塩水溶液の膜電解方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウム塩水溶液の膜電解方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、リチウムイオン電池の普及に伴い、廃リチウムイオン電池からコバルト、ニッケル、マンガン、リチウム等の有価金属を回収し、当該リチウムイオン電池の材料として再利用する方法が検討されている。
【0003】
引用文献1には、廃リチウムイオン電池を前処理して得られた活物質粉を鉱酸にて溶解して少なくともリチウムを含む該活物質の酸溶解液を得る工程と、水酸化リチウムを添加した当該酸溶解液から、リチウムを除く少なくとも1種の金属を溶媒抽出により分離し、当該溶媒抽出の残液として第1のリチウム塩水溶液を得る工程と、イオン交換膜を用いて当該第1のリチウム塩水溶液を膜電解し、水酸化リチウム水溶液と、酸と、当該第1のリチウム塩水溶液よりも希薄な第2のリチウム塩水溶液を得る工程を備える廃リチウムイオン電池からのリチウムの回収システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第7060899号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
水酸化リチウム水溶液の膜電解において、膜電解装置の陰極室の陰極液中の水酸化リチウム濃度が大きくなるほど、水酸化物イオンが陽極室側へ移動しやすくなり、膜電解効率が低下する。さらに水酸化リチウムは電解膜中及び表面に析出しやすい。水酸化リチウムが析出した電解膜は損傷し、様々な悪影響が膜電解に発生する。
【0006】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、高い効率を示す膜電解工程を含み、水酸化リチウムが電解膜中及び表面に発生し難い、リチウム塩水溶液の膜電解方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは上記課題に鑑み検討を重ね、水酸化リチウムの濃度が10質量%以下の第1の水酸化リチウム水溶液、及び水からなる群から選択される少なくとも1つを、膜電解装置の陰極室に投入する陰極室投入工程を含むリチウム塩水溶液の膜電解方法は、高い効率を示し、水酸化リチウムが電解膜中及び表面に発生し難いことを見出した。本発明はこれらの知見に基づき完成されるに至ったものである。
【0008】
本発明は、水酸化リチウムの濃度が10質量%以下の第1の水酸化リチウム水溶液、及び水からなる群から選択される少なくとも1つを、膜電解装置の陰極室に投入する陰極室投入工程、及び、陰極室中の水酸化リチウム濃度が所定濃度に達するまで膜電解を実施する膜電解工程を含む、リチウム塩水溶液の膜電解方法に関する。
前記陰極室投入工程、及び前記膜電解工程は、好ましくは、順次繰り返される。
前記膜電解工程において得られた第2の水酸化リチウム水溶液の一部は、好ましくは水で希釈されて前記第1の水酸化リチウム水溶液とされる。
本発明は、好ましくは、廃リチウムイオン電池を前処理して得られた活物質粉を鉱酸にて溶解して少なくともリチウムを含む該活物質の酸溶解液を得る酸溶解工程、当該酸溶解液に水酸化リチウムを添加して該酸溶解液を中和して中和液を得る中和工程、及び、当該中和液から、該活物質粉に含まれる金属のうち、リチウムを除く少なくとも1種の金属を溶媒抽出により分離し、当該溶媒抽出の残液としてリチウム塩水溶液を得る溶媒抽出工程を更に含む。
前記膜電解工程で得られた第2の水酸化リチウム水溶液の一部は前記中和工程、及び前記溶媒抽出工程からなる群から選ばれる少なくとも1つで利用され、かつ前記膜電解工程で得られた鉱酸は前記酸溶解工程で利用される。
膜電解に用いる電力は、好ましくは、再生可能エネルギーによって得られた電力を含む。
前記再生可能エネルギーによって得られた電力は、好ましくは、太陽光発電によって得られた電力、及び風力発電によって得られた電力からなる群から選ばれる少なくとも1つを含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、高い効率を示す膜電解工程を含み、水酸化リチウムが電解膜中及び表面に発生し難い、リチウム塩水溶液の膜電解方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明のリチウム塩水溶液からリチウムを回収する方法を示す説明図。
本発明のリチウム塩水溶液からリチウムを回収する方法に用いるイオン交換膜電解槽の構造の1実施態様を示す説明的断面図。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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