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公開番号2024145995
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2023058649
出願日2023-03-31
発明の名称アラルキル基を有するホスフィン-スルホン酸エステル化合物の製造方法
出願人国立大学法人 東京大学,株式会社レゾナック,日本ポリエチレン株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類C07F 9/50 20060101AFI20241004BHJP(有機化学)
要約【課題】アラルキル基を有するホスフィン-スルホン酸エステル化合物を高い収率で製造すること。
【解決手段】特定のアラルキルハライドを0価の金属マグネシウム、特定の2価の亜鉛化合物、及び特定の1価のリチウム化合物と反応させて、中間体であるアラルキル基を有する亜鉛化合物を得ることと、前記アラルキル基を有する亜鉛化合物とホスフィノベンゼンスルホン酸エステル化合物とを反応させることとを含む製造方法。
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2024145995000029.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">37</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">155</com:WidthMeasure> </com:Image> 【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
一般式(1)
TIFF
2024145995000022.tif
52
146
(式中、R

及びR

は、それぞれ独立して、アルコキシ基、アリールオキシ基、水素原子若しくは炭化水素基で置換されたシリル基、アルキル基で置換されていてもよいアミノ基、又は水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、及びアシロキシ基からなる群から選ばれる1つ以上の基で置換されていてもよい総炭素原子数1~180の炭化水素基を表し、R

及びR

の少なくとも一方は、一般式(2)
TIFF
2024145995000023.tif
44
146
(式中、R
13
、R
14
、R
15
、R
16
、R
17
、R
18
、R
19
、R
20
、R
21
及びR
22
は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、炭素原子数1~10の炭化水素基、ハロゲン原子で置換された炭素原子数1~10の炭化水素基、炭素原子数1~10のアルコキシ基で置換された総炭素原子数2~20の炭化水素基、炭素原子数6~10のアリールオキシ基で置換された総炭素原子数7~20の炭化水素基、炭素原子数1~10のアルコキシ基、炭素原子数6~10のアリールオキシ基、及び炭素原子数2~10のアシロキシ基からなる群より選ばれるいずれかを表し、R
17
とR
22
は、単結合を形成していてもよい。なお、一般式(2)では、炭素原子と一般式(1)におけるPとの結合も表記している。)で表されるアラルキル基である。R

、R

、R
10
及びR
11
は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~20の炭化水素基、炭素原子数1~8のアルコキシ基、炭素原子数6~20のアリールオキシ基、水素原子若しくは炭素原子数1~20の炭化水素基で置換されたシリル基、又はハロゲン原子で置換された炭素原子数1~20の炭化水素基を表す。R
12
は炭素原子数1~20の炭化水素基、水素原子若しくは炭素原子数1~20の炭化水素基で置換されたシリル基、又はハロゲン原子で置換された炭素原子数1~20の炭化水素基を表す。)
で表される、アラルキル基を有するホスフィン-スルホン酸エステル化合物の製造方法であって、
下記一般式(3)
TIFF
2024145995000024.tif
43
146
(式中、R
13
、R
14
、R
15
、R
16
、R
17
、R
18
、R
19
、R
20
、R
21
及びR
22
は一般式(2)と同一であり、X

はハロゲン原子を表す。)
で表されるアラルキルハライドを、
0価の金属マグネシウム、
下記一般式(4)
TIFF
2024145995000025.tif
10
146
(式中、X

は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素原子数1~10の炭化水素基、炭素原子数1~10のアルコキシ基、炭素原子数1~10の炭化水素基で置換されたアミノ基、アルキル基で置換されていてもよいピペリジニル基、又は炭素原子数2~10のアシロキシ基を表す。)
で表される2価の亜鉛化合物、及び
下記一般式(5)
TIFF
2024145995000026.tif
11
146
(式中、X

はハロゲン原子、炭素原子数1~10の炭化水素基、炭素原子数1~10のアルコキシ基、炭素原子数1~10の炭化水素基で置換されたアミノ基、又は炭素原子数2~10のアシロキシ基を表す。)
で表される1価のリチウム化合物と反応させて、
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
一般式(1)において、R

及びR

が一般式(2)で表される同一のアラルキル基であり、
一般式(7)において、X

及びX

が、同一である、
請求項1に記載のアラルキル基を有するホスフィン-スルホン酸エステル化合物の製造方法。
【請求項3】
一般式(2)及び一般式(3)において、R
13
、R
14
、R
15
、R
16
、R
17
、R
18
、R
19
、R
20
、R
21
及びR
22
が、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1~10の炭化水素基、ハロゲン原子で置換された炭素原子数1~10の炭化水素基、又は炭素原子数1~10のアルコキシ基である、請求項1又は2に記載のアラルキル基を有するホスフィン-スルホン酸エステル化合物の製造方法。
【請求項4】
一般式(2)及び一般式(3)において、R
13
、R
14
、R
15
、R
16
、R
17
、R
18
、R
19
、R
20
、R
21
及びR
22
が全て水素原子である、請求項1又は2に記載のアラルキル基を有するホスフィン-スルホン酸エステル化合物の製造方法。
【請求項5】
一般式(3)において、X

が塩素原子である、請求項1又は2に記載のアラルキル基を有するホスフィン-スルホン酸エステル化合物の製造方法。
【請求項6】
一般式(1)及び一般式(7)において、R
12
が炭素原子数1~20の炭化水素基である、請求項1又は2に記載のアラルキル基を有するホスフィン-スルホン酸エステル化合物の製造方法。
【請求項7】
一般式(1)及び一般式(7)において、R
12
がイソブチル基である、請求項1又は2に記載のアラルキル基を有するホスフィン-スルホン酸エステル化合物の製造方法。
【請求項8】
一般式(1)及び一般式(7)において、R

、R

、R
10
及びR
11
が、全て水素原子である、請求項1又は2に記載のアラルキル基を有するホスフィン-スルホン酸エステル化合物の製造方法。
【請求項9】
一般式(7)において、X

及びX

がハロゲン原子である、請求項1又は2に記載のアラルキル基を有するホスフィン-スルホン酸エステル化合物の製造方法。
【請求項10】
一般式(4)の2つのX

、及び一般式(5)のX

がハロゲン原子である、請求項1又は2に記載のアラルキル基を有するホスフィン-スルホン酸エステル化合物の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アラルキル基を有するホスフィン-スルホン酸エステル化合物の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
アラルキル基を有するホスフィン-スルホン酸化合物は、遷移金属の配位子前駆体として用いることが可能である。当該前駆体から誘導された配位子とパラジウムとで錯形成された金属錯体触媒は、オレフィン重合、特に極性基を有するアリル化合物等の極性基含有モノマーの重合において高い性能を発現することが知られている(国際公開第2020/175482号(特許文献1)、国際公開第2023/037849号(特許文献2))。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2020/175482号
国際公開第2023/037849号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1及び特許文献2では、アラルキル基を有するホスフィン-スルホン酸化合物の合成の収率が低く、工業的に適用するにはより収率の向上が求められていた。
【0005】
特許文献2では、ジフェニルメタンとn-ブチルリチウムを反応させてジアリールメチルリチウムを生成させ、次いで、ジクロロホスフィノベンゼンスルホン酸リチウムとジアリールメチルリチウムを反応させて、アラルキル基の1種であるジアリールメチル基を有するホスフィン-スルホン酸化合物を製造している。この方法において、収率は35%程度と低い。これは、アラルキル基に含まれるメチル基の水素原子が、ジアリールメチルリチウムと副反応を起こすためである。この副反応は、温度等の反応条件を変更しても抑制することができない。
【0006】
特許文献2は、ジアリールクロロメタンに、マグネシウム、塩化亜鉛及び塩化リチウムを作用させて発生させた金属反応剤(分子内に金属元素を有する反応剤)と、ジクロロホスフィノベンゼンスルホン酸リチウムとを反応させて、アラルキル基を有するホスフィン-スルホン酸化合物を製造する方法も記載している。しかし、この方法もホスフィン-スルホン酸化合物の合成の収率は十数%程度と低い。これは、金属反応剤とジクロロホスフィノベンゼンスルホン酸リチウムが副反応を起こすためである。
【0007】
本発明者らは、ホスフィン-スルホン酸エステル化合物が極性基含有モノマー等のオレフィンの重合において高い性能を発現することに着目し、ホスフィン-スルホン酸エステル化合物の製造方法を検討した。具体的には、特開2014-159540号公報に記載の手法を参考にして、ベンゼンスルホン酸イソブチルとn-ブチルリチウムを反応させて得られたリチウム化合物をクロロビス(アラルキル)ホスフィンと反応させて、アラルキル基を有するホスフィン-スルホン酸エステル化合物を製造するルートを検討した。しかし、このルートでは、ホスフィン化合物が嵩高いため、リチウム化合物とホスフィン化合物との反応が全く進行せず、目的の化合物を取得することはできない。
【0008】
本発明の課題は、アラルキル基を有するホスフィン-スルホン酸エステル化合物を高い収率で製造することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、アラルキルハライドに、0価の金属マグネシウム、2価の亜鉛化合物、及び1価のリチウム化合物を作用させて発生させた金属反応剤と、ホスフィノベンゼンスルホン酸エステル化合物とを反応させることにより、アラルキル基を有するホスフィン-スルホン酸エステル化合物を高い収率で製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。これは、0価の金属マグネシウム、2価の亜鉛化合物、及び1価のリチウム化合物の存在下で発生させた金属反応剤の反応性が適切であり、かつホスフィノベンゼンスルホン酸のスルホ基が保護されているため、金属反応剤がホスフィノベンゼンスルホン酸エステル化合物と円滑に反応し、かつ金属反応剤による副反応が抑制されるためである。
【0010】
すなわち、本発明は以下の[1]~[13]のアラルキル基を有するホスフィン-スルホン酸エステル化合物の製造方法に関する。
[1]
一般式(1)
TIFF
2024145995000001.tif
51
145
(式中、R

及びR

は、それぞれ独立して、アルコキシ基、アリールオキシ基、水素原子若しくは炭化水素基で置換されたシリル基、アルキル基で置換されていてもよいアミノ基、又は水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、及びアシロキシ基からなる群から選ばれる1つ以上の基で置換されていてもよい総炭素原子数1~180の炭化水素基を表し、R

及びR

の少なくとも一方は、一般式(2)
TIFF
2024145995000002.tif
43
145
(式中、R
13
、R
14
、R
15
、R
16
、R
17
、R
18
、R
19
、R
20
、R
21
及びR
22
は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、炭素原子数1~10の炭化水素基、ハロゲン原子で置換された炭素原子数1~10の炭化水素基、炭素原子数1~10のアルコキシ基で置換された総炭素原子数2~20の炭化水素基、炭素原子数6~10のアリールオキシ基で置換された総炭素原子数7~20の炭化水素基、炭素原子数1~10のアルコキシ基、炭素原子数6~10のアリールオキシ基、及び炭素原子数2~10のアシロキシ基からなる群より選ばれるいずれかを表し、R
17
とR
22
は、単結合を形成していてもよい。なお、一般式(2)では、炭素原子と一般式(1)におけるPとの結合も表記している。)で表されるアラルキル基である。R

、R

、R
10
及びR
11
は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~20の炭化水素基、炭素原子数1~8のアルコキシ基、炭素原子数6~20のアリールオキシ基、水素原子若しくは炭素原子数1~20の炭化水素基で置換されたシリル基、又はハロゲン原子で置換された炭素原子数1~20の炭化水素基を表す。R
12
は炭素原子数1~20の炭化水素基、水素原子若しくは炭素原子数1~20の炭化水素基で置換されたシリル基、又はハロゲン原子で置換された炭素原子数1~20の炭化水素基を表す。)
で表される、アラルキル基を有するホスフィン-スルホン酸エステル化合物の製造方法であって、
下記一般式(3)
TIFF
2024145995000003.tif
43
147
(式中、R
13
、R
14
、R
15
、R
16
、R
17
、R
18
、R
19
、R
20
、R
21
及びR
22
は一般式(2)と同一であり、X

はハロゲン原子を表す。)
で表されるアラルキルハライドを、
0価の金属マグネシウム、
下記一般式(4)
TIFF
2024145995000004.tif
11
145
(式中、X

は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素原子数1~10の炭化水素基、炭素原子数1~10のアルコキシ基、炭素原子数1~10の炭化水素基で置換されたアミノ基、アルキル基で置換されていてもよいピペリジニル基、又は炭素原子数2~10のアシロキシ基を表す。)
で表される2価の亜鉛化合物、及び
下記一般式(5)
TIFF
2024145995000005.tif
12
146
(式中、X
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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