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公開番号2025082301
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-28
出願番号2024199317
出願日2024-11-14
発明の名称燃料電池システムおよび発電方法
出願人地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所,国立大学法人 東京大学
代理人個人,個人,個人
主分類H01M 8/1009 20160101AFI20250521BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】安全性に優れ、温和な条件で発電可能な燃料電池システムおよびその発電方法を提供する。
【解決手段】燃料極と、前記燃料極の対極と、前記燃料極と前記対極との間に設けられた電解質層とを有する直接型燃料電池を用いた発電方法であって、
前記燃料極に直接供給されるケイ素系化合物の電気化学反応により電気を発生させることを含み、
前記ケイ素系化合物は、-SiH基と、Si-C結合およびSi-O結合から選択される結合とを有する水素キャリアである、方法を提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
燃料極と、前記燃料極の対極と、前記燃料極と前記対極との間に設けられた電解質層とを有する直接型燃料電池を用いた発電方法であって、
前記燃料極に直接供給されるケイ素系化合物の電気化学反応により電気を発生させることを含み、
前記ケイ素系化合物は、-SiH基と、Si-C結合およびSi-O結合から選択される結合とを有する水素キャリアである、方法。
続きを表示(約 1,900 文字)【請求項2】
前記電解質層は固体高分子電解質を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ケイ素系化合物は、下記式(A)で表される化合物A、下記式(B)で表される化合物B、下記式(C)で表される化合物C、および前記化合物A、前記化合物B、または前記化合物Cから誘導される化合物から選択される、請求項1に記載の方法。
TIFF
2025082301000009.tif
28
52
[式(A)中、


、X

、Y

、およびY

は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、複素環基、アルコキシ基、シロキシ基、水素原子、および水酸基からなる群から選択され、X

、X

、Y

、およびY

のうちの少なくとも1つは、水素原子であり、
kは、1~20の整数を表す。]
TIFF
2025082301000010.tif
28
62
[式(B)中、


およびX

は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、複素環基、アルコキシ基、シロキシ基、水素原子、水酸基、および-(Z

-SiX





-Y

からなる群から選択され、
pは、1~20の整数を表し、


およびY

は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、複素環基、アルコキシ基、シロキシ基、水素原子、および水酸基からなる群から選択され、


、X

、Y

、およびY

のうちの少なくとも1つは、水素原子であり、


は、O、NH、およびCR

からなる群から選択され、


はアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、複素環基、アルコキシ基、シロキシ基、水素原子、水酸基からなる群から選択され、
mは、1~300の整数を表す。]
TIFF
2025082301000011.tif
33
54
[式(C)中、


およびX

は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、複素環基、アルコキシ基、シロキシ基、水素原子、水酸基、-(Z

-SiX





-Y

からなる群から選択され、
qは、1~20の整数を表し、


は、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、複素環基、アルコキシ基、シロキシ基、水素原子、水酸基からなる群から選択され、

【請求項4】
前記ケイ素化合物の沸点が60℃以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ケイ素系化合物は、ジフェニルシラン(DPS)、1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン(TMDS)、1,1,5,5-テトラメチル-3,3-ジフェニルトリシロキサン(TMDPTS)、1,1,3,3,5,5-ヘキサメチルトリシロキサン(HMTS)、および1,1,1,3,5,7,7-オクタメチルテトラシロキサン(OMTS)からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ケイ素系化合物は、25℃で液体である。請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記燃料極が、触媒成分としてRu、Rh、Ir、Pd、およびPtからなる群から選択される少なくとも1種の金属を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記電気化学反応が160℃以下で実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記燃料極の触媒が、多孔質炭素触媒である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ケイ素系化合物が有機溶媒と混合した状態で、燃料極に直接供給される、請求項1に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はケイ素系化合物を用いた直接型燃料電池システムおよび発電方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
水素は、最もクリーンな燃料であり、再生可能エネルギーを利用した水電解によって得られるグリーン水素は環境問題解決の切り札になると考えられている。水素は重量あたりの熱量142MJ/kgとガソリンの3倍以上の重量エネルギー密度を有する。すなわち、水素の1気圧標準状態での体積あたりのエネルギー密度は11.9MJ/m

(HHV)であり、これはガソリンの3,000分の1以下であり、1気圧20Kにおける液体水素の場合でもエネルギー密度が10,070MJ/m

であり、これはガソリンの3分の1以下である。一方、水素は空気との体積混合比が18.3%から65%までの広い範囲で爆鳴気となるため、水素の安全で効率的な貯蔵・輸送及びエネルギー変換システムの構築は重要な課題である。また、電子機器・情報機器の普及、情報ネットワーク技術やAI技術の発展に伴い、化学エネルギーから電気エネルギーへの変換はスマート社会を支える基盤技術である。水素社会の到来に向けて安全で効率的なオンボードでの水素利用への期待が高まっている。
【0003】
水素の安全で安定な貯蔵・運搬方法として、近年高強度で高耐久性を有する軽量なFRP・金属製容器が開発され、高圧水素、液化水素による高密度水素貯蔵が検討されてきた。しかしオンボードでの直接的な水素利用では燃料容器の配置など安全面からの設計・対策など制約も大きい。そのため水素の直接貯蔵に代わる、より安全で安定な水素貯蔵方法が検討されてきた。
【0004】
例えば、非特許文献1には物理的に水素を吸蔵するナノ構造材料や金属水素化物・水素吸蔵合金による貯蔵方法や化学結合水素を利用する有機ハイドライドによる貯蔵方法など可逆的ないしは脱水素による副生成物を有効活用が可能な広範囲の技術が知られている。物理的に水素を吸蔵するナノ構造材料や金属水素化物は安定性、脱離制御に課題がある。一方、チタン系水素吸蔵合金では1mLあたり1,100mLの水素ガスの吸蔵を実現できているが、車両に搭載して車両上で発電するといったオンボード利用での重量が課題である。また、有機ハイドライドを水素キャリアとして利用する方法では、アルコールやエーテル類が液体燃料として検討されてきたが脱水素には高温を要する。
【0005】
非特許文献2及び3にはメチルシクロヘキサン(MCH)が水素キャリアとして示されている。
【0006】
特許文献1にはMCHを燃料電池用の水素供給源とするシステムが開示されている。しかしこれらの有機ハイドライドもアルコールやエーテル類同様に危険物であり、脱水素反応においてより温和な条件下での高効率な燃料・エネルギーシステムが求められている。
【0007】
この他、アンモニアやメタノールなど一部の水素キャリアでは比較的温和な条件下で電気化学的に水素改質が可能であることが知られており、これらは燃料電池の直接燃料として電気エネルギーに変換する直接燃料電池方式が研究されてきた。しかし、これらの水素キャリアは、いずれも劇物である。
【0008】
非特許文献4には、室温でベンジルアニリンから電気化学的に脱水素を行うことができることが開示されているが、常温では固形であり、安全性などの問題を解決するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2002-274804号
特開2005-211845号
特開2018-119204号
【非特許文献】
【0010】
Energy, 23, 905-909 (1998)
Nature, 386, 377-379(1997)
Int. J Hydrogen Energy, 24, 1157-1169 (1999)
Peter F. Doriscoll et.al.,ESC Transactions,Vol.35,No.28(2011)p.3-17
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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