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公開番号
2024134764
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-04
出願番号
2023045118
出願日
2023-03-22
発明の名称
細胞情報取得方法、及びプログラム
出願人
キヤノン株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
G01N
21/64 20060101AFI20240927BHJP(測定;試験)
要約
【課題】 細胞の活動状態に関わらず、細胞から発せられる自家蛍光を用いて細胞に関する情報を取得する細胞情報取得方法を提供すること。
【解決手段】 細胞から発せられる自家蛍光を用いて細胞に関する情報を取得する細胞情報取得方法であって、前記細胞における代謝状態を変化させることで、第一の代謝経路の代謝状態を示す第一の自家蛍光輝度と、前記第一の代謝経路とは異なる第二の代謝経路の代謝状態を示す第二の自家蛍光輝度の少なくともいずれか一方を変化させる代謝状態変化工程と、前記代謝状態変化工程の後における、前記第一の自家蛍光輝度に関する情報、及び前記第二の自家蛍光輝度に関する情報を用いて、細胞に関する情報を取得する情報取得工程と、を含む細胞情報取得方法。
【選択図】 図1
特許請求の範囲
【請求項1】
細胞から発せられる自家蛍光を用いて細胞に関する情報を取得する細胞情報取得方法であって、
前記細胞における代謝状態を変化させることで、
第一の代謝経路の代謝状態を示す第一の自家蛍光輝度と、前記第一の代謝経路とは異なる第二の代謝経路の代謝状態を示す第二の自家蛍光輝度の少なくともいずれか一方を変化させる代謝状態変化工程と、
前記代謝状態変化工程の後における、前記第一の自家蛍光輝度に関する情報、及び前記第二の自家蛍光輝度に関する情報を用いて、細胞に関する情報を取得する情報取得工程と、
を含む細胞情報取得方法。
続きを表示(約 820 文字)
【請求項2】
前記細胞に関する情報は、細胞の代謝状態に関する情報、細胞の種類に関する情報、及び細胞の表現型に関する情報の少なくともいずれかである、請求項1に記載の細胞情報取得方法。
【請求項3】
前記第一の代謝経路、及び前記第二の代謝経路は、解糖系、TCA回路、電子伝達系のいずれかである請求項1に記載の細胞情報取得方法。
【請求項4】
前記代謝状態変化工程は、前記第一の代謝経路の代謝状態、及び前記第二の代謝経路の代謝状態の少なくともいずれか一方を変化させる工程を含む請求項1に記載の細胞情報取得方法。
【請求項5】
前記代謝状態変化工程は、前記第一の代謝経路の代謝を亢進し、かつ、前記第二の代謝経路の代謝を阻害する工程を含む請求項4に記載の細胞情報取得方法。
【請求項6】
前記代謝状態変化工程は、前記第一の代謝経路の代謝状態、及び前記第二の代謝経路の代謝状態の少なくともいずれか一方を変化させる成分を有する試薬を添加する添加工程を含む請求項4に記載の細胞情報取得方法。
【請求項7】
前記添加工程は、前記第一の代謝経路の代謝を亢進し、かつ、前記第二の代謝経路の代謝を阻害する成分を有する試薬を添加する工程を含む請求項6に記載の細胞情報取得方法。
【請求項8】
前記試薬は、解糖系亢進剤、解糖系阻害剤、TCA回路亢進剤、TCA回路阻害剤、電子伝達系亢進剤、及び電子伝達系阻害剤で構成される群から選択される少なくとも1つを含む請求項6に記載の細胞情報取得方法。
【請求項9】
前記試薬は、D-グルコース、及びアンチマイシンAを含む請求項6に記載の細胞情報取得方法。
【請求項10】
前記試薬は前記細胞に対して非侵襲である請求項6に記載の細胞情報取得方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞から発せられる自家蛍光を用いて細胞に関する情報を取得する細胞情報取得方法、及びプログラムに関する。
続きを表示(約 1,600 文字)
【背景技術】
【0002】
細胞の自家蛍光強度から細胞に関する情報を取得することが知られている。微生物を含む検査対象溶液に対して栄養源となる糖を添加し、その時の自家蛍光強度を測定し、糖非添加のサンプルと比較することで検査対象微生物が生存しているかつ代謝活性を有することが判別できると報告されている(特許文献1)。
【0003】
また、固体または半固体培地上に播種された微生物コロニーの走査スキャンを行い、自家蛍光のスペクトル情報に基づいて微生物の検出、モニタリング、キャラクタリゼーションを行うことができると報告されている(特許文献2)。
【0004】
しかし、特許文献1においては、代謝活性を有さない微生物と比較することで代謝活性を有する微生物を検出できる一方で、代謝活性を有する微生物同士の判別をすることができない。また、測定のために微生物を固定する必要があるため、試験前後やサンプルを継続培養した経過計測することができない。また、特許文献2においては、固体あるいは半固体培地上に限定されているため、試薬添加は培地作成時に行う必要があり、試薬を途中添加あるいは、取り除くことができない。また、培地上をスキャンするため、1サンプルの測定に時間がかかり、コロニー間の測定に同時性が担保されていない。また、いずれの特許文献も、多数サンプルをバルク測定することを目的としているため、細胞個々の自家蛍光の測定を行う方法には適さない。
【0005】
検査対象細胞に対して、非侵襲的に試薬を添加し個々の細胞の自家蛍光由来の色彩情報を取得し、そこから得られる情報を解析し、解析結果から細胞個々の代謝状態や細胞種の推論を行うことは行われてこなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2016-111940号広報
特開2016-073288号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
表現型の異なる細胞の弁別を行う際に、染色による観察では生細胞の情報を取得ができず、非侵襲的な測定としては自家蛍光を用いた分析があるが、細胞集団について、その代謝状態・活性化状態は一定ではない。そのため、検査対象に対して、単にある時刻での自家蛍光を取得・解析することによる細胞種弁別、あるいは代謝状態の判定は容易でないということを、本発明者らは見出した。すなわち、糖代謝が優位である細胞が休んでいる場合と、呼吸代謝が優位である細胞が活動的な場合、自家蛍光ではそれらの区別がつかないケースがあることを本発明者らは見出した。
【0008】
そこで本発明では、細胞の活動状態に関わらず、細胞から発せられる自家蛍光を用いて細胞に関する情報を取得する細胞情報取得方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る細胞情報取得方法は、細胞から発せられる自家蛍光を用いて細胞に関する情報を取得する細胞情報取得方法であって、前記細胞における代謝状態を変化させることで、第一の代謝経路の代謝状態を示す第一の自家蛍光輝度と、前記第一の代謝経路とは異なる第二の代謝経路の代謝状態を示す第二の自家蛍光輝度の少なくともいずれか一方を変化させる代謝状態変化工程と、前記代謝状態変化工程の後における、前記第一の自家蛍光輝度に関する情報、及び前記第二の自家蛍光輝度に関する情報を用いて、細胞に関する情報を取得する情報取得工程と、を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る細胞情報取得方法によれば、細胞の活動状態に関わらず、細胞から発せられる自家蛍光を用いて細胞に関する情報を取得する細胞情報取得方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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