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公開番号2024129573
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-27
出願番号2023038880
出願日2023-03-13
発明の名称ポリマー複合体、酵素活性測定基質、及び、それらの製造方法
出願人国立大学法人埼玉大学
代理人弁理士法人山王坂特許事務所
主分類C08F 265/10 20060101AFI20240919BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】水溶性のFRET感受性ポリマーを不溶化し、酵素活性測定を精度よく且つ簡便に行うことができる酵素活性測定基質を提供する。
【解決手段】本発明のポリマー複合体は、共鳴エネルギー移動を生じる一対の基の一方が鎖の一端に結合し、他方が前記鎖の他端に結合した水溶性FRET感受性ポリマーと、当該水溶性FRET感受性ポリマーを内包する架橋ポリマーとを含む。水溶性FRET感受性ポリマーは、鎖の一部に、酵素により開裂する基を含むことができ、それにより本発明のポリマー複合体は、酵素活性測定基質として機能する。酵素活性測定基質は、本発明のポリマー複合体をろ紙あるいはそれ以外の基材上に形成して製造してもよい。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
共鳴エネルギー移動を生じる一対の基の一方が鎖の一端に結合し、他方が前記鎖の他端に結合した水溶性FRET感受性ポリマーと、当該水溶性FRET感受性ポリマーを内包する架橋ポリマーとを含むポリマー複合体。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記水溶性FRET感受性ポリマーは、前記鎖の一部に、酵素により開裂する基を含む請求項1に記載のポリマー複合体。
【請求項3】
前記酵素により開裂する基は、糖のオリゴマーを含むことを特徴とする請求項2に記載のポリマー複合体。
【請求項4】
前記水溶性FRET感受性ポリマーは、式Vで表されるポリマーであることを特徴とする請求項1に記載のポリマー複合体。
TIFF
2024129573000007.tif
90
149
(式中、nは1以上の整数、mは2以上の整数である。また、x、y、zは、大カッコ内の式であらわされる鎖(チェーン)に、各小カッコ内の基がいくつあるかを示す数であり、xは10以下の整数、yは1000以下の整数、zは10以下の整数である。カッコ内の基は、それぞれが連続して結合してブロック化したものである必要はなく、ランダムに配置されていてもよい。)
【請求項5】
前記ポリマー複合体は、前記水溶性FRET感受性ポリマーと前記架橋ポリマーとが相互侵入高分子網目(IPN)構造を有する請求項1に記載のポリマー複合体。
【請求項6】
前記架橋ポリマーは、モノマーとしてアクリルアミド及びビスアクリルアミドを含むコポリマーであることを特徴とする請求項1に記載のポリマー複合体。
【請求項7】
アクリルアミドとビスアクリルアミドとの比率が、モル比で1:9~9:1の範囲である請求項6に記載のポリマー複合体。
【請求項8】
前記水溶性FRET感受性ポリマーは、前記架橋ポリマーに対し、重量割合で2%以上含まれることを特徴とする請求項1に記載のポリマー複合体。
【請求項9】
請求項1に記載のポリマー複合体を製造する方法であって、
共鳴エネルギー移動を生じる一対の基の一方が鎖の一端に結合し、他方が前記鎖の他端に結合した水溶性FRET感受性ポリマーと、前記水溶性FRET感受性ポリマーと架橋しない第1の架橋性モノマー及び第2の架橋性モノマーとを、重合開始剤の存在下で反応させて、ゲル状のポリマー複合体を生成させることを特徴とするポリマー複合体の製造方法。
【請求項10】
請求項9に記載のポリマー複合体の製造方法の前記反応を、基板上で行い、基板上に、前記ポリマー複合体からなる膜が形成された酵素活性測定基質を製造する方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、酵素活性測定に有用なFRET感受性ポリマーに関し、特に水溶性FRET感受性ポリマーを不溶化する技術に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
分子レベルの近距離にある2つの色素分子の間で励起エネルギーが電子の共鳴により直接移動する現象が知られている。この現象は、一方の分子で吸収された光のエネルギーが他方の分子に移動することで、他方の分子から蛍光が発せられることから蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)と呼ばれ、タンパク質間相互作用の検出や酵素活性の測定などに応用されている。
【0003】
例えば、酵素活性の測定では、FRET感受性のある一対の基を、酵素で開裂する化合物に導入し、酵素の作用により化合物内の結合が切れることにより、FRET効果が減じることを利用して酵素活性を測定する。このようなFRETを利用した酵素活性測定基質は、従来、低分子のものであったが、本発明者らは、FRET効率にとって重要な要素である2つの分子間の距離の調整が容易でFRET効率が高く且つ製造が容易なFRETポリマーを提案している(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第5697129号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
酵素活性測定では、通常、酵素の水溶液を用いるが、従来のFRETを利用した酵素活性測定基質は水溶性の化合物或いはゲル状のポリマーとして得られるため、酵素の水溶液に溶解してしまうために、精度の高い測定結果を得ることが難しく、また経時的な変化などを観察しにくいという課題があった。
【0006】
本発明は水溶性のFRET感受性ポリマーを不溶化する技術を提供すること、特に酵素活性測定を精度よく且つ簡便に行うことができる酵素活性測定基質を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成するため、本発明は、FRET感受性ポリマーを取込み且つ水性の環境において容易にFRET感受性ポリマーが放出されることなくFRETを生じることができる材料を提供するものである。
【0008】
即ち本発明のポリマー複合体は、水溶性FRET感受性ポリマーと、当該水溶性FRET感受性ポリマーを内包するネットワークポリマーとからなり、水溶性FRET感受性ポリマーは、その主鎖の一端に、共鳴エネルギー移動を生じる一対の基の一方が結合し、主鎖の他端に他方が結合したものである。
【0009】
好適な実施形態では、水溶性FRET感受性ポリマーは、鎖の一部に、酵素により開裂する基を含む。酵素により開裂する基は、例えば、糖類のオリゴマーを含む。
【0010】
また好適な実施形態では、ネットワークポリマーは、相互に架橋しない複数の架橋ポリマーからなる相互侵入網目ポリマーである。複数の架橋ポリマーは、例えば、ポリアクリルアミド及びポリビスアクリルアミドを含む。アクリルアミドとビスアクリルアミドとの比率は、例えば、モル比で1:9~9:1の範囲である。
(【0011】以降は省略されています)

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