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公開番号2024125582
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-19
出願番号2023033495
出願日2023-03-06
発明の名称静電チャック
出願人TOTO株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類H01L 21/683 20060101AFI20240911BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】基板の面内温度分布のばらつきを抑制することのできる静電チャック、を提供する。
【解決手段】静電チャック10は、誘電体基板100と、誘電体基板100に接合され、冷媒流路400が内部に形成されたベースプレート200と、を備える。冷媒流路400は、誘電体基板100側となる位置に配置された第1流路410と、誘電体基板100とは反対側となる位置に配置された第2流路420と、を含む。冷媒流路400は、冷媒が、第1流路410及び第2流路420のうち一方を流れた後で他方を流れるように構成されている。誘電体基板100の面110に対し垂直な方向から見た場合において、第1流路410は、周方向に沿って円弧状に伸びる周方向流路411を含み、第2流路420は、周方向に沿って円弧状に伸びる周方向流路421を含む。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
被吸着物が載置される載置面を有する誘電体基板と、
前記誘電体基板のうち前記載置面とは反対側の面に接合され、冷媒の通る冷媒流路が内部に形成されたベースプレートと、を備え、
前記冷媒流路は、
前記誘電体基板側となる位置に配置された第1流路と、
前記誘電体基板とは反対側となる位置に配置された第2流路と、を含み、
冷媒が、前記第1流路及び前記第2流路のうち一方を流れた後で他方を流れるように構成されており、
前記載置面に対し垂直な方向から見た場合において、
前記第1流路は、周方向に沿って円弧状に伸びる第1弧状流路を含み、
前記第2流路は、周方向に沿って円弧状に伸びる第2弧状流路を含むことを特徴とする、静電チャック。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記載置面に対し垂直な方向から見た場合において、
前記第1弧状流路及び前記第2弧状流路は、少なくとも一部において互いに重なっており、当該部分において同じ方向に伸びていることを特徴とする、請求項1に記載の静電チャック。
【請求項3】
前記載置面に対し垂直な方向から見た場合において、前記第1弧状流路及び前記第2弧状流路のうち互いに重なっている部分では、
前記第1弧状流路を冷媒が流れる方向と、前記第2弧状流路を冷媒が流れる方向とが互いに逆方向であることを特徴とする、請求項2に記載の静電チャック。
【請求項4】
前記ベースプレートのうち、前記誘電体基板に接合される被接合面、とは反対側の面には、
前記第1流路に繋がる第1開口と、前記第2流路に繋がる第2開口と、がそれぞれ形成されており、
前記載置面に対し垂直な方向から見た場合において、
前記第1開口及び前記第2開口はいずれも、前記ベースプレートの中央部分と重なる範囲内に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の静電チャック。
【請求項5】
前記載置面に対し垂直な方向から見た場合において、
前記第1流路及び前記第2流路の少なくとも一方は、
周方向に沿って円環状に伸びる複数の環状流路と、
互いに隣り合う前記環状流路の間を繋ぐように、径方向に沿って直線状に伸びる径方向流路と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の静電チャック。
【請求項6】
前記第1弧状流路及び前記第2弧状流路のうちの少なくとも一方が前記環状流路であり、
前記載置面に対し垂直な方向から見た場合において、
前記第1弧状流路及び前記第2弧状流路は、少なくとも一部において互いに重なっており、当該部分において同じ方向に伸びていることを特徴とする、請求項5に記載の静電チャック。
【請求項7】
前記載置面に対し垂直な方向から見た場合において、
前記第1弧状流路の全体と、前記第2弧状流路の全体と、が互いに重なっていることを特徴とする、請求項6に記載の静電チャック。
【請求項8】
前記第1流路及び前記第2流路の両方が、複数の前記環状流路と前記径方向流路とを含み、
前記載置面に対し垂直な方向から見た場合において、
前記第1流路が有する前記環状流路の全体と、前記第2流路が有する前記環状流路の全体と、が互いに重なっており、且つ、
前記第1流路が有する前記径方向流路の全体と、前記第2流路が有する前記径方向流路の全体と、が互いに重なっていることを特徴とする、請求項7に記載の静電チャック。
【請求項9】
前記載置面に対し垂直な方向から見た場合において、
前記第1流路は、周方向に沿って並ぶように配置された複数の第1部分流路に分かれており、それぞれの前記第1部分流路が前記第1弧状流路を含み、
前記第2流路は、周方向に沿って並ぶように配置された複数の第2部分流路に分かれており、それぞれの前記第2部分流路が前記第2弧状流路を含むことを特徴とする、請求項1に記載の静電チャック。
【請求項10】
前記第1部分流路の数、及び、前記第2部分流路の数は、いずれも、前記ベースプレートに形成されたリフトピン穴の数の整数倍であることを特徴とする、請求項9に記載の静電チャック。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は静電チャックに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
例えばCVD装置やエッチング装置のような半導体製造装置には、処理の対象となるシリコンウェハ等の基板を吸着し保持するための装置として、静電チャックが設けられる。静電チャックは、吸着電極が設けられた誘電体基板と、誘電体基板を支持するベースプレートと、を備え、これらが互いに接合された構成を有する。吸着電極は、誘電体基板に内蔵されるのが一般的であるが、金属であるベースプレートが吸着電極として用いられる場合もある。吸着電極に電圧が印加されると静電力が生じ、誘電体基板上に載置された基板が吸着され保持される。
【0003】
エッチング等の処理中においては、基板の温度を適切な温度に維持する必要がある。このため、下記特許文献1に記載されているように、ベースプレートの内部には、冷媒を通すための冷媒流路が形成される。基板からの熱は、誘電体基板及びベースプレートを介して冷媒へと伝えられ、冷媒と共に外部へと排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6993835号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
処理中においては、上記のように基板の温度を適切な温度に維持することに加え、基板の各部における温度分布(つまり面内温度分布)のばらつきを可能な限り小さくすることも求められる。このため、ベースプレートの内部において冷媒流路をどのような経路で引き回すのかが重要となる。上記特許文献1では、冷媒流路の構成について提案がなされてはいるが、基板の面内温度分布を均一に近づけるにあたっては更なる改良の余地がある。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、基板の面内温度分布のばらつきを抑制することのできる静電チャック、を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る静電チャックは、被吸着物が載置される載置面を有する誘電体基板と、誘電体基板のうち載置面とは反対側の面に接合され、冷媒の通る冷媒流路が内部に形成されたベースプレートと、を備える。冷媒流路は、誘電体基板側となる位置に配置された第1流路と、誘電体基板とは反対側となる位置に配置された第2流路と、を含み、冷媒が、第1流路及び第2流路のうち一方を流れた後で他方を流れるように構成されている。載置面に対し垂直な方向から見た場合において、第1流路は、周方向に沿って円弧状に伸びる第1弧状流路を含み、第2流路は、周方向に沿って円弧状に伸びる第2弧状流路を含む。
【0008】
このような構成の静電チャックでは、ベースプレートに形成された冷媒流路が、誘電体基板側となる位置に配置された第1流路と、誘電体基板とは反対側となる位置に配置された第2流路と、を含み、冷媒が、第1流路及び第2流路のうち一方を流れた後で他方を流れるように構成されている。第1流路及び第2流路の引き回しを個別に設計することにより、第1流路の引き回しで生じる面内温度分布の不均一を、第2流路の引き回しによって抑制すること、もしくはその逆が可能となる。また、冷媒流路に第1弧状流路や第2弧状流路を含ませることで、冷媒流路を高い自由度で引き回すことが可能となり、面内温度分布のばらつきを抑制するための更なる最適化を図ることができる。
【0009】
また、本発明に係る静電チャックでは、載置面に対し垂直な方向から見た場合において、第1弧状流路及び第2弧状流路は、少なくとも一部において互いに重なっており、当該部分において同じ方向に伸びていることも好ましい。冷媒流路を流れる冷媒の温度勾配は、冷媒の流れる方向に沿って生じる。第1弧状流路及び第2弧状流路を、上下に重ねて同じ方向に伸びるように形成しておくことで、それぞれの流路に沿って生じる温度勾配を相殺し、面内温度分布への影響を小さくするようなことが可能となる。
【0010】
また、本発明に係る静電チャックでは、載置面に対し垂直な方向から見た場合において、第1弧状流路及び第2弧状流路のうち互いに重なっている部分では、第1弧状流路を冷媒が流れる方向と、第2弧状流路を冷媒が流れる方向とが互いに逆方向であることも好ましい。第1弧状流路で生じる温度勾配の方向と、第2弧状流路で生じる温度勾配の方向と、が互いに逆方向となるので、それぞれの流路に沿って生じる温度勾配を相殺し、面内温度分布への影響を小さくすることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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