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公開番号2024125079
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-13
出願番号2023033172
出願日2023-03-03
発明の名称酸素還元触媒の活性化用組成物、燃料電池用電極、燃料電池および酸素還元触媒の活性化方法
出願人国立大学法人千葉大学
代理人個人,個人,個人
主分類H01M 4/90 20060101AFI20240906BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】安全かつ簡便に酸素還元触媒の活性を向上させる新たな手段を提供すること。
【解決手段】
式(I)で表される化合物またはその塩もしくは水和物を含んでなる、酸素還元触媒の活性化用組成物を用いる。
【化1】
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>JPEG</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2024125079000012.jpg</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">47</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">49</com:WidthMeasure> </com:Image> 【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
式(I)で表される化合物またはその塩もしくは水和物を含んでなる、酸素還元触媒の活性化用組成物:
JPEG
2024125079000009.jpg
47
49
(式中、


、R

、R

およびR

は、それぞれ独立して、水素原子、または水酸基、カルバモイルオキシ基もしくはカルボキシル基で置換されていてもよいアルキル基を表し、ここで、4位の炭素原子と5位の炭素原子の間の点線は結合手を表し、


は4位の炭素原子と一緒になって、水酸基で置換されていてもよいアルキル鎖を形成してもよく、ここで、4位の炭素原子と5位の炭素原子の間の点線は存在せず、


、X

およびX

は、それぞれ独立して、水素原子、アミノ基、酸素原子またはNH


基を表し、
ただし、X

、X

またはX

が酸素原子またはNH


基を表す場合、X

、X

またはX

とそれが結合する炭素原子と間の点線は結合手を表しかつX

、X

またはX

が結合する炭素原子と窒素原子との間の点線は存在せず、


、X

またはX

が結合する炭素原子と窒素原子との間の点線が結合手を表す場合、該窒素原子に結合するR

、R

およびR

は存在しない)。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】


、R

、R

およびR

は、それぞれ独立して、水素原子またはアルキル基を表し、


、X

およびX

は、それぞれ独立して、水素原子または酸素原子を表し、


、X

またはX

が酸素原子を表す場合、X

、X

またはX

が結合する炭素原子と間の点線は結合手を表しかつX

、X

またはX

が結合する炭素原子と窒素原子との間の点線は存在しない、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】


、R

、R

およびR

が、それぞれ独立して、水素原子またはC

~C

アルキル基を表す、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】


が酸素原子を表す、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項5】
式(I)で表される化合物が、カフェイン、キサンチン、パラキサンチン、テオフィリン、テオブロミン、プリン、ヒポキサンチン、サキシトシンおよびエリタデニンから選択される、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項6】
前記酸素還元触媒が、白金(Pt)を含んでなる、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項7】
前記酸素還元触媒が、燃料電池用電極の構成材料ある、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項8】
燃料電池用電解質組成物である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項9】
固形状または液状である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項10】
前記式(I)で表される化合物またはその塩もしくは水和物の濃度が、1×10
-8
~1×10
-3
mol/Lである、請求項1または2に記載の組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、酸素還元触媒の活性化用組成物、燃料電池用電極、燃料電池および酸素還元触媒の活性化方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
燃料電池は、水素と酸素を化学反応させて水を生成する際に生じるエネルギーを取り出して発電する装置である。燃料電池は、発電時に水しか排出しないため、地球温暖化対策の一環として注目されている。しかしながら、燃料電池の電極には、触媒材料として白金(Pt)等高価で資源量の乏しい材料が使用されているため、触媒使用量を低減することは燃料電池の普及に向けた課題の一つである。
【0003】
燃料電池反応における酸素還元反応(Oxygen reduction reaction、以下「ORR」という場合がある)の活性が向上することにより、触媒の使用量の低減を図ることができるため、ORR活性を向上させる技術について様々な研究が行われていた。
【0004】
例えば、本発明者らは、特許文献1において、燃料電池の電極にアンモニウムイオン及びホスホニウムイオンの少なくともいずれかを、非共有結合相互作用によって存在させることで、より効率的な酸素還元反応を行うことのできる固体燃料電池が開示している。さらに、本発明者らは、非特許文献1において、燃料電池の系内に添加するテトラアルキルアンモニウムのアルキル鎖長が長くなるほどORR活性が増大し、特に、第四級アンモニウムカチオン(tetra-n-hexylammonium、THA

)を添加する場合には何も添加しない場合よりORR活性は約8倍向上することを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2018-185913
【非特許文献】
【0006】
Nature Communication 9,4378(2018)
【発明の概要】
【0007】
しかしながら、特許文献1や非特許文献1に記載されたアンモニウムイオンおよびホスホニウムイオンはいずれも、炭素数の増加に伴い毒性を示すものであり刺激性が強い。また、ORR活性の高いこれらの化合物は水に難溶性であることから濃度調整が困難であり、燃料電池の電極として用いる酸素還元触媒の活性化用組成物として工業上の利便性が低いことが本発明者らのさらなる検討により明らかとなった。
【0008】
したがって、本発明は、安全かつ簡便に酸素還元触媒のORR活性を向上させる新たな手段を提供することを一つの目的としている。
【0009】
本発明者らは、今般、鋭意研究した結果、特定のプリン塩基化合物を用いて酸素還元触媒を修飾すると、酸素還元触媒の活性を安全かつ簡便に向上させることができることを見出した。本発明は、かかる知見に基づくものである。
【0010】
したがって、本発明の一実施態様によれば、式(I)で表される化合物またはその塩もしくは水和物を含んでなる、酸素還元触媒の活性化用組成物が提供される:
JPEG
2024125079000002.jpg
47
49
(式中、


、R

、R

およびR

は、それぞれ独立して、水素原子、または水酸基、カルバモイルオキシ基もしくはカルボキシル基で置換されていてもよいアルキル基を表し、ここで、4位の炭素原子と5位の炭素原子の間の点線は結合手を表し、


は4位の炭素原子と一緒になって、水酸基で置換されていてもよいアルキル鎖を形成してもよく、ここで、4位の炭素原子と5位の炭素原子の間の点線は存在せず、


、X

およびX

は、それぞれ独立して、水素原子、アミノ基、酸素原子またはNH


基を表し、
ただし、X

、X

またはX

が酸素原子またはNH


基を表す場合、X

、X

またはX

とそれが結合する炭素原子と間の点線は結合手を表しかつX

、X

またはX

が結合する炭素原子と窒素原子との間の点線は存在せず、


、X

またはX

が結合する炭素原子と窒素原子との間の点線が結合手を表す場合、該窒素原子に結合するR

、R

およびR

は存在しない)。
(【0011】以降は省略されています)

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