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公開番号2024122789
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-09
出願番号2023030535
出願日2023-02-28
発明の名称制御装置、インデフレーションシステム、及びインデフレーション方法
出願人テルモ株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類A61B 5/329 20210101AFI20240902BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】バルーンの拡張に起因する合併症、又は血流不足による心筋細胞壊死などの不可逆的な損傷による機能低下を防止若しくは軽減しやすくする。
【解決手段】患者の管腔器官に挿入されたカテーテルを通じて当該カテーテルの遠位部に取り付けられたバルーンを加減圧することで前記バルーンを拡張及び収縮させるポンプの加減圧動作を制御する制御装置が、前記ポンプに加圧動作を行わせる前に、前記患者のバイタルを測定して得られた第1バイタルデータを取得し、少なくとも前記ポンプに前記加圧動作を行わせている間に、前記患者のバイタルを測定して得られた第2バイタルデータを取得し、取得した第2バイタルデータを前記第1バイタルデータと比較することで前記患者のバイタルに異常が生じたかどうかを判定し、異常が生じたと判定すると、予め設定された減圧タイミングよりも前に前記ポンプに減圧動作を行わせる制御部を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
患者の管腔器官に挿入されたカテーテルを通じて当該カテーテルの遠位部に取り付けられたバルーンを加減圧することで前記バルーンを拡張及び収縮させるポンプの加減圧動作を制御する制御装置であって、
前記ポンプに加圧動作を行わせる前に、前記患者のバイタルを測定して得られた第1バイタルデータを取得し、少なくとも前記ポンプに前記加圧動作を行わせている間に、前記患者のバイタルを測定して得られた第2バイタルデータを取得し、取得した第2バイタルデータを前記第1バイタルデータと比較することで前記患者のバイタルに異常が生じたかどうかを判定し、異常が生じたと判定すると、予め設定された減圧タイミングよりも前に前記ポンプに減圧動作を行わせる制御部を備える制御装置。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記制御部は、前記ポンプに前記加圧動作を行わせて前記バルーンの圧力を目標圧力に到達させた後も、前記減圧タイミングまで前記第2バイタルデータを取得し続け、前記患者のバイタルに異常が生じたと判定すると、前記減圧タイミングよりも前に前記ポンプに前記減圧動作を行わせる請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記第1バイタルデータは、前記加圧動作が行われる前の前記患者の心電波形を示すデータを含み、
前記第2バイタルデータは、前記加圧動作が行われた後の前記患者の心電波形を示すデータを含む請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記第1バイタルデータは、前記加圧動作が行われる前の前記患者の血圧を示すデータを含み、
前記第2バイタルデータは、前記加圧動作が行われた後の前記患者の血圧を示すデータを含む請求項1に記載の制御装置。
【請求項5】
前記第1バイタルデータは、前記加圧動作が行われる前のアンギオグラフィで得られた画像データを含み、
前記第2バイタルデータは、前記加圧動作が行われた後のアンギオグラフィで得られた画像データを含む請求項1に記載の制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、少なくとも前記ポンプに前記加圧動作を行わせている間に、前記患者の表情の変化を観察して前記患者の苦痛レベルを判定し、判定した苦痛レベルが基準を超えた場合は、前記患者のバイタルに異常が生じたと判定しなくても、前記減圧タイミングよりも前に前記ポンプに前記減圧動作を行わせる請求項1に記載の制御装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記第2バイタルデータを前記第1バイタルデータと比較する際に、前記管腔器官の内部で前記バルーンが配置された位置、又は当該位置に存在する病変に応じて、前記第1バイタルデータと前記第2バイタルデータとの差分に重み付けを行う請求項1に記載の制御装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の制御装置と、
前記ポンプと
を備えるインデフレーションシステム。
【請求項9】
ポンプにより、患者の管腔器官に挿入されたカテーテルを通じて当該カテーテルの遠位部に取り付けられたバルーンを加減圧することで前記バルーンを拡張及び収縮させることと、
制御装置により、前記ポンプに加圧動作を行わせる前に、前記患者のバイタルを測定して得られた第1バイタルデータを取得することと、
前記制御装置により、少なくとも前記ポンプに前記加圧動作を行わせている間に、前記患者のバイタルを測定して得られた第2バイタルデータを取得し、取得した第2バイタルデータを前記第1バイタルデータと比較することで前記患者のバイタルに異常が生じたかどうかを判定することと、
前記制御装置により、前記患者のバイタルに異常が生じたと判定すると、予め設定された減圧タイミングよりも前に前記ポンプに減圧動作を行わせることと
を含むインデフレーション方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、制御装置、インデフレーションシステム、及びインデフレーション方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
体内に挿入されるバルーンカテーテルは、拡張媒体の注入量に応じて拡張及び収縮するバルーンを有する。特許文献1には、バルーンを自動で拡張及び収縮させる自動インデフレーションデバイスが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2003-079738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バルーンで病変部が拡張されている間は拡張部分の末梢への血流がなくなるため、心虚血によりショック状態又はVFなどの術中合併症が起こり得る。「VF」は、ventricular fibrillation(心室細動)の略語である。バルーンが手動で拡張される場合、術者が血圧低下、心拍数低下、又は心電図異常などのバイタル変化を見て合併症の予兆をつかみ、早期にバルーンを収縮して血流を再開させることで合併症を防ぎ得る。血流不足による心筋細胞壊死などの不可逆的な損傷による機能低下も軽減し得る。しかし、術者が熟達していない場合、又はバルーンが自動で拡張される場合は、合併症の予兆が見落とされるおそれがある。特許文献1には、血流に異常が確認されたときにバルーンを収縮させることが記載されているが、バイタル変化を見て合併症の予兆をつかむことができるわけではない。
【0005】
本開示の目的は、バルーンの拡張に起因する合併症、又は血流不足による心筋細胞壊死などの不可逆的な損傷による機能低下を防止若しくは軽減しやすくすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の幾つかの態様を以下に示す。
【0007】
[1]
患者の管腔器官に挿入されたカテーテルを通じて当該カテーテルの遠位部に取り付けられたバルーンを加減圧することで前記バルーンを拡張及び収縮させるポンプの加減圧動作を制御する制御装置であって、
前記ポンプに加圧動作を行わせる前に、前記患者のバイタルを測定して得られた第1バイタルデータを取得し、少なくとも前記ポンプに前記加圧動作を行わせている間に、前記患者のバイタルを測定して得られた第2バイタルデータを取得し、取得した第2バイタルデータを前記第1バイタルデータと比較することで前記患者のバイタルに異常が生じたかどうかを判定し、異常が生じたと判定すると、予め設定された減圧タイミングよりも前に前記ポンプに減圧動作を行わせる制御部を備える制御装置。
【0008】
[2]
前記制御部は、前記ポンプに前記加圧動作を行わせて前記バルーンの圧力を目標圧力に到達させた後も、前記減圧タイミングまで前記第2バイタルデータを取得し続け、前記患者のバイタルに異常が生じたと判定すると、前記減圧タイミングよりも前に前記ポンプに前記減圧動作を行わせる[1]に記載の制御装置。
【0009】
[3]
前記第1バイタルデータは、前記加圧動作が行われる前の前記患者の心電波形を示すデータを含み、
前記第2バイタルデータは、前記加圧動作が行われた後の前記患者の心電波形を示すデータを含む[1]又は[2]に記載の制御装置。
【0010】
[4]
前記第1バイタルデータは、前記加圧動作が行われる前の前記患者の血圧を示すデータを含み、
前記第2バイタルデータは、前記加圧動作が行われた後の前記患者の血圧を示すデータを含む[1]から[3]のいずれか1項に記載の制御装置。
(【0011】以降は省略されています)

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