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公開番号
2024119822
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-03
出願番号
2024080366,2020564598
出願日
2024-05-16,2019-05-16
発明の名称
CMV感染症及びCMV関連疾患に対する養子T細胞療法
出願人
ザ・カウンシル・オヴ・ザ・クイーンズランド・インスティテュート・オヴ・メディカル・リサーチ
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C40B
40/10 20060101AFI20240827BHJP(コンビナトリアル技術)
要約
【課題】固形臓器移植(SOT)レシピエント、及び他のCMV関連疾患の患者におけるCMV感染症、再活性化、並びに関連する合併症及び疾患を治療するための、新しく且つ改善された方法及び組成物を提供する。
【解決手段】HLAクラスI及びクラスII拘束性サイトメガロウイルス(CMV)ペプチドエピトープを含み、ペプチド特異的T細胞の増殖を誘導することができる、免疫原性ペプチドのプールであって、複数の特定の配列で示されるエピトープアミノ酸配列のそれぞれを含む、ペプチドプールを提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
HLAクラスI及びクラスII拘束性サイトメガロウイルス(CMV)ペプチドエピトープを含み、ペプチド特異的T細胞の増殖を誘導することができる、免疫原性ペプチドのプールであって、配列番号25~29、又はそれらの組合せで示されるエピトープアミノ酸配列のうちの少なくとも1つを含む、ペプチドプール。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
HLAクラスI及びクラスII拘束性CMVペプチドエピトープを含み、ペプチド特異的T細胞の増殖を誘導することができる、免疫原性ペプチドのプールであって、CMV抗原pp50、pp65、IE-1、gB及びgHのそれぞれに由来する少なくとも1つのペプチドエピトープを含む、ペプチドプール。
【請求項3】
表1に記載のCMVペプチドエピトープアミノ酸配列のうちの少なくとも1つ、又はそれらの組合せをさらに含む、請求項1又は2に記載の免疫原性ペプチドのプール。
【請求項4】
表1に記載のCMVペプチドエピトープアミノ酸配列のそれぞれを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の免疫原性ペプチドのプール。
【請求項5】
前記エピトープのそれぞれが、HLA-A
*
01:01、HLA-A
*
02:01、HLA-A
*
23:01、HLA-A
*
24:02、HLA-B
*
07:02、HLA-B
*
08:01、HLA-B
*
18:01、HLA-B
*
35:01、HLA-B
*
35:08、HLA-B
*
40:01、HLA-B
*
40:02、HLA-B
*
41.01、HLA-B
*
44:02、HLA-C
*
06:02、HLA-C
*
07:02、HLA-DRB1
*
01:01、HLA-DRB
1*
03:01、HLA-DRB1
*
04:01、HLA-DRB1
*
07、又はHLA-DRB1
*
11:01から選択されるHLA特異性のうちのいずれか1つによって拘束される、請求項1~4のいずれか一項に記載の免疫原性ペプチドのプール。
【請求項6】
前記免疫原性ペプチドが、ペプチド特異的細胞傷害性T細胞(CTL)の増殖を誘導することができる、請求項1~5のいずれか一項に記載の免疫原性ペプチドのプール。
【請求項7】
多機能性CMV特異的細胞傷害性T細胞(CTL)の調製物を作製する方法であって、
a)CTLを含む試料を単離するステップと、
b)前記試料を、請求項1~6のいずれか一項に記載の免疫原性ペプチドのプールに曝露するステップと、
c)前記CTLを回収するステップと
を含む方法。
【請求項8】
前記免疫原性ペプチドのプールが、表1に記載のCMVペプチドエピトープアミノ酸配列のそれぞれから実質的になる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
CTLを含む前記試料が、健康なドナーからの末梢血単核細胞(PBMC)を含む、請求項7又は8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
CTLを含む前記試料が、免疫不全ドナーからのPBMCを含む、請求項7又は8のいずれか一項に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【背景技術】
【0001】
ヘルペスウイルスは、様々な動物及びヒトの疾患に関連する真核生物ウイルスの大規模且つほぼ遍在するファミリーを表す。ヘルペスウイルス科は、いくつかの共通の構造、例えば、二本鎖の直鎖状DNAゲノム、並びにそれ自体がウイルステグメントの層に包まれた二十面体キャプシド及び脂質二重層(ウイルスエンベロープ)を含むビリオンを共有している。加えて、ヘルペスウイルスは、ヘルペスウイルスビリオンの脂質二重層エンベロープに保持された、特徴的で高度に保存された糖タンパク質を含む。これらの糖タンパク質のうちの少なくとも一部は、ウイルスの細胞表面への最初の付着及びその後の細胞への浸透に役割を果たす。
続きを表示(約 3,200 文字)
【0002】
ヘルペスウイルスファミリーのメンバーは、重要なヒト病原体を代表し、その中にはヒトサイトメガロウイルス(CMV)がある。サイトメガロウイルスは、すべての地理的場所及び社会経済群全体に普遍的に見出され、60%~90%の間の個体に感染する。健康な個体では、一次感染後、CMVが周期的な再活性化及び粘膜表面からの排出を伴う潜伏状態を確立し、エプスタインバーウイルスによって引き起こされるものに類似の単核球症様疾患の臨床症状を伴う場合があるが、一般的に無症候性である。CMVは、宿主の免疫応答を回避するために多数の免疫調節戦略を使用している。このような戦略の例としては、インターフェロン(IFN)及びIFN刺激遺伝子の阻害、細胞傷害性T細胞への抗原提示を阻止するためのHLAの分解、ナチュラルキラー(NK)細胞機能を阻止するための活性化リガンド及び阻害リガンドの調節が挙げられる。
【0003】
しかし、ある特定の条件下では、CMVは重大な罹患率及び死亡率を引き起こす可能性がある。例えば、固形臓器移植(SOT)レシピエントにおけるCMV感染症の臨床管理は依然として大きな課題である。SOTレシピエントにおける早期のCMV関連合併症の発生率は、ガンシクロビルに基づく静ウイルス療法(virostatic therapy)療法の出現以来、大幅に減少している。したがって、ガンシクロビルの予防投与又は先制投与のいずれかによるウイルス再活性化の阻害は、CMV関連疾患の予防において非常に重要になっている。しかし、特に抗ウイルスT細胞免疫を再構成することができない患者では、CMV再活性化が遅れると管理がより困難になる可能性がある。さらに、ガンシクロビル耐性CMV再活性化又は疾患の出現は、薬物関連毒性、免疫調節作用、及び同種移植片の喪失による重大な罹患率及び死亡率を伴い、臨床管理に大きな困難をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ガンシクロビル耐性CMVに対する安全で効果的な代替治療選択肢が、不足している。ホスカルネット又はシドフォビルを使用した追加の抗ウイルス管理戦略は、腎毒性に関連しており、静脈内投与及び入院が必要である。ガンシクロビルに対する耐性を付与する遺伝子は、ホスカルネット及びシドフォビルに対する耐性にも関連している。免疫抑制の低下を利用してウイルス制御を向上させることができるが、これは移植片拒絶のリスクを高める。
【0005】
したがって、SOTレシピエント及び他のCMV関連疾患の患者におけるCMV感染症、再活性化、並びに関連する合併症及び疾患を治療するための、新しく且つ改善された方法及び組成物が大いに必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
細胞傷害性T細胞(CTL)によって認識されるT細胞エピトープ(例えば、CMVエピトープ)に基づく、CMV特異的予防及び/又は治療免疫療法の開発に関連する免疫原性ポリペプチド、組成物、及び方法が本明細書で提供され、これらは、特に固形臓器移植レシピエントにおけるCMV感染症、再活性化、及び/又は疾患(例えば、CMV関連末端臓器疾患)の予防及び/又は治療に使用することができる。いくつかの実施形態では、CMV感染症、再活性化、及び/又は疾患は持続性である。ある特定の実施形態では、CMV感染症、再活性化、及び/又は疾患は、抗ウイルス療法に耐性がある。
【0007】
HLAクラスI及びクラスII拘束性サイトメガロウイルス(CMV)ペプチドエピトープを含み、ペプチド特異的T細胞の増殖を誘導することができる、免疫原性ペプチドのプールも本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、免疫原性ペプチドのプールは、配列番号25~29、又はそれらの組合せに記載されているエピトープアミノ酸配列のうちの少なくとも1つを含む。ある特定の実施形態では、ペプチドプールは、CMV抗原pp50、pp65、IE-1、gB及びgHのそれぞれに由来する少なくとも1つのペプチドエピトープを含む。好ましくは、そのような免疫原性ペプチドプールは、表1に記載のCMVペプチドエピトープアミノ酸配列のうちの少なくとも1つをさらに含む。より好ましくは、本発明の免疫原性ペプチドのプールは、表1に記載のCMVペプチドエピトープアミノ酸配列のそれぞれを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された免疫原性ペプチドプールのエピトープのそれぞれは、HLA-A*01:01、HLA-A*02:01、HLA-A*23:01、HLA-A*24:02、HLA-B*07:02、HLA-B*08:01、HLA-B*18:01、HLA-B*35:01、HLA-B*35:08、HLA-B*40:01、HLA-B*40:02、HLA-B*41.01、HLA-B*44:02、HLA-C*06:02、HLA-C*07:02、HLA-DRB1*01:01、HLA-DRB1*03:01、HLA-DRB1*04:01、HLA-DRB1*07、又はHLA-DRB1*11:01から選択されるHLA特異性のいずれか1つによって拘束される。
【0008】
いくつかの態様では、多機能性CMV特異的細胞傷害性T細胞(CTL)を含む調製物を作製する方法であって、a)CTLを含む試料を単離するステップと、b)前記試料を、請求項1~6のいずれか一項に記載の免疫原性ペプチドのプールに曝露するステップと、c)CTLを回収するステップとを含む方法が本明細書で提供される。ある特定の実施形態では、免疫原性ペプチドのプールは、表1に記載のCMVペプチドエピトープアミノ酸配列のそれぞれから実質的になる。いくつかの実施形態では、CTLを含む試料は、健康なドナーからの末梢血単核細胞(PBMC)を含む。いくつかのそのような実施形態では、ドナーは免疫不全である。ある特定の実施形態では、ドナーは免疫抑制療法を受けている。好ましくは、ドナーは、固形臓器移植レシピエントである。ある特定の実施形態では、ドナーは、抗ウイルス療法を受けている。
【0009】
いくつかの実施形態では、ステップb)の曝露された試料を少なくとも14日間インキュベートする。本発明のプロセスにおいてサイトカインを使用してもよく、サイトカインとしては、IL-1、IL-2、IL-4、IL-6、IL-7、IL-12、IL-15、及び/又はIL-21が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、ステップb)の曝露された試料を0日目にIL-21と共にインキュベートしてもよい。いくつかのそのような実施形態では、ステップb)の曝露された試料を2日目にIL-2と共にインキュベートする。好ましくは、試料を3日ごとにIL-2と共にインキュベートする。
【0010】
ある特定の態様では、対象におけるCMV感染症を治療又は予防する方法であって、対象に本明細書に開示された方法によって作製されるCTL又はその組成物を投与することを含む方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、対象は、CMV再活性化又はCMV関連状態(例えば、CMV関連末端臓器疾患)に罹患しているか、又はそのリスクにさらされている。ある特定の好ましい実施形態では、対象は、固形臓器移植を受けている。また、固形臓器移植を受けた対象における抗ウイルス療法の必要性を低減又は排除する方法であって、対象に本明細書に開示された方法によって作製されたCTLを投与することを含むそのような方法も本明細書で提供される。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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