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公開番号2024101949
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-30
出願番号2023006197
出願日2023-01-18
発明の名称ガスセンサ
出願人日本碍子株式会社
代理人個人
主分類G01N 27/409 20060101AFI20240723BHJP(測定;試験)
要約【課題】外筒の後端側をテーパー状に加締めることなく、外筒内の気密性の悪化、弾性体の破断、接点ずれの発生などの各リスクを抑制したガスセンサを提供する。
【解決手段】本発明の一側面に係るガスセンサにおいて、筒状体の後端側に形成され、弾性体を加締める縮径部の径は、軸方向に一定であり、前記弾性体の変形を評価する指標である総合パラメータの値は、0.038以上、0.171以下である。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
被測定ガスの特定ガス濃度を検出可能なガスセンサであって、
軸方向に延び、先端側に検出部を有すると共に、後端側に素子電極を有するセンサ素子と、
前記センサ素子が内部に配置され、開口端が形成された筒状体と、
前記軸方向に延びる端子金具を介して前記素子電極と電気的に接続し、前記開口端から外方に延びるリード線と、
前記開口端を封止するよう配置され、前記リード線が挿入される弾性体と、
前記弾性体の、前記軸方向における先端側の端面である第1端面と接して、該第1端面の前記軸方向における先端側への移動を制限する位置固定部と、
を備え、
前記筒状体の後端側には、前記弾性体の一部を周囲から加締める縮径部が形成され、
前記縮径部における前記筒状体の径は、前記軸方向において一定であり、
前記弾性体の、前記縮径部によって加締められている部分である被加締め部分の直径である加締め後直径Dbは、前記軸方向において一定であり、
以下の数式(1)を満たす、
ガスセンサ。
0.038≦{(Lc×Af)/(Ae×Ld)}×(1-Db/Da)≦0.171
・・・数式(1)
ここで、前記数式(1)において、
「Da」は、前記縮径部によって周囲から加締められる前の、前記弾性体の直径である加締め前直径Daを表し、
「Db」は、前記加締め後直径Dbを表し、
「Lc」は、前記縮径部の、前記軸方向の長さである縮径部長Lcを表し、
「Ld」は、前記弾性体の、前記軸方向において前記被加締め部分よりも先端側の部分である非加締め部分の長さである非加締め長Ldを表し、
「Ae」は、前記第1端面の面積である第1面積Aeを表し、
「Af」は、前記第1端面と接する、前記位置固定部の、前記軸方向における後端側の端面である第2端面の面積である第2面積Afを表す。
続きを表示(約 980 文字)【請求項2】
前記弾性体の前記加締め前直径Da、前記弾性体の前記加締め後直径Db、前記縮径部の前記縮径部長Lc、前記弾性体の前記非加締め長Ld、前記弾性体の前記第1端面の面積である前記第1面積Ae、および、前記位置固定部の前記第2端面の面積である前記第2面積Afは、以下の数式(2)を満たす、
請求項1に記載のガスセンサ。
0.050≦{(Lc×Af)/(Ae×Ld)}×(1-Db/Da)≦0.094
・・・数式(2)
【請求項3】
前記弾性体の材料はフッ素ゴムである、
請求項1または2に記載のガスセンサ。
【請求項4】
前記非加締め部分の径は、前記軸方向において変化する、
請求項1または2に記載のガスセンサ。
【請求項5】
前記非加締め部分の径は、前記軸方向において先端側ほど小さい、
請求項4に記載のガスセンサ。
【請求項6】
前記非加締め部分の前記軸方向における先端側の端部には、面取り加工が施されている、
請求項4に記載のガスセンサ。
【請求項7】
前記位置固定部は、
前記素子電極と、前記端子金具の、前記素子電極と電気的に接続する素子接触部と、を収容したセラミックハウジング、
前記軸方向において前記セラミックハウジングよりも後端側に配置され、前記セラミックハウジングによって前記軸方向における先端側への移動が制限されたスペーサ、
および、
前記スペーサと一体に形成された前記セラミックハウジング、
の何れかである、
請求項1または2に記載のガスセンサ。
【請求項8】
前記筒状体の後端側には、前記縮径部が複数形成され、
前記加締め前直径Da、前記非加締め長Ld、前記第1面積Ae、および、前記第2面積Afは、それぞれ、複数の前記縮径部について共通であり、
複数の前記縮径部のそれぞれの前記加締め後直径Db、前記縮径部長Lcを用いて、複数の前記縮径部のそれぞれについて算出した、{(Lc×Af)/(Ae×Ld)}×(1-Db/Da)の合計が、0.038以上、0.171以下である、
請求項1または2に記載のガスセンサ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスセンサに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来、自動車の排気ガス等の被測定ガスにおける酸素やNO
x
などの特定ガスの濃度を検出するガスセンサについて、例えば以下の構成を備えるものが知られている。すなわち、センサ素子を収容した外筒と、前記外筒の開口部を封止する弾性体と、前記弾性体に挿入されるリード線と、前記センサ素子と前記リード線とを電気的に接続するコネクタとを備え、前記外筒を加締めることで前記弾性体が固定されたガスセンサが知られている。係る構成を備えるガスセンサについて、前記外筒内の気密性を確保するための様々な試みがなされている。例えば、下掲の特許文献1には、前記外筒をテーパー状に加締めることで、前記外筒内の気密性を確保しようとするガスセンサが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-173234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本件発明者らは、センサ素子を収容し、後端開口部が弾性体によって封止された外筒の後端側をテーパー状に加締めたガスセンサについて、以下の問題が発生し得ることを見出した。すなわち、上述の構成を備えるガスセンサにおいては、弾性体の一部に応力が集中するため、弾性体が破断するリスクが上昇する。また、応力が集中する部分は摩耗が進みやすく、結果として、前記外筒内の気密性が早期に悪化しやすい。さらに、弾性体の、外筒によって加締められている部分である被加締め部分がテーパー状となって軸方向において径が変化すると、前記外筒内の気密性を確保するために必要な前記被加締め部分の径寸法の管理が困難となる。その結果、弾性体によって実現される外筒内の気密性が安定しなくなるというリスクが発生する。加えて、テーパー状に加締めた場合、弾性体に加わる圧縮力が大きいため、弾性体の軸方向の変形、移動が大きく、コネクタとリード線との電気的な接続が失われる(つまり、接点ずれが発生する)リスクが高い。
【0005】
以上に説明してきた通り、本件発明者らは、外筒の後端側をテーパー状に加締めた場合、弾性体において応力が軸方向に集中しやすく、その結果、前記外筒内の気密性の悪化、前記弾性体の破断、前記接点ずれの発生などの各リスクが上昇することを見出した。
【0006】
本発明は、一側面では、このような事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、外筒の後端側をテーパー状に加締めることなく、外筒内の気密性の悪化、弾性体の破断、接点ずれの発生などの各リスクを抑制したガスセンサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。
【0008】
第1の観点に係るガスセンサは、被測定ガスの特定ガス濃度を検出可能なガスセンサであって、軸方向に延び、先端側に検出部を有すると共に、後端側に素子電極を有するセンサ素子と、前記センサ素子が内部に配置され、開口端が形成された筒状体と、前記軸方向に延びる端子金具を介して前記素子電極と電気的に接続し、前記開口端から外方に延びるリード線と、前記開口端を封止するよう配置され、前記リード線が挿入される弾性体と、前記弾性体の、前記軸方向における先端側の端面である第1端面と接して、該第1端面の前記軸方向における先端側への移動を制限する位置固定部と、を備え、前記筒状体の後端側には、前記弾性体の一部を周囲から加締める縮径部が形成され、前記縮径部における前記筒状体の径は、前記軸方向において一定であり、前記弾性体の、前記縮径部によって加締められている部分である被加締め部分の直径である加締め後直径Dbは、前記軸方向において一定であり、以下の数式(1)を満たす。
0.038≦{(Lc×Af)/(Ae×Ld)}×(1-Db/Da)≦0.171
・・・数式(1)
【0009】
ここで、前記数式(1)において、「Da」は、前記縮径部によって周囲から加締められる前の、前記弾性体の直径である加締め前直径Daを表し、「Db」は、前記加締め後直径Dbを表し、「Lc」は、前記縮径部の、前記軸方向の長さである縮径部長Lcを表し、「Ld」は、前記弾性体の、前記軸方向において前記被加締め部分よりも先端側の部分である非加締め部分の長さである非加締め長Ldを表し、「Ae」は、前記第1端面の面積である第1面積Aeを表し、「Af」は、前記第1端面と接する、前記位置固定部の、前記軸方向における後端側の端面である第2端面の面積である第2面積Afを表す。
【0010】
当該構成では、前記ガスセンサについて、前記縮径部における前記筒状体(従来の「外筒」に相当する)の径は、前記軸方向に一定であり、前記弾性体の、前記被加締め部分の直径である前記加締め後直径Dbは、前記軸方向に一定である。そのため、前記ガスセンサは、「外筒(筒状体)の後端側をテーパー状に加締めることで、外筒内の気密性を確保するのが困難となったり、また、弾性体が破断したり、接点ずれを発生させたりするリスクが高くなる」といった従来のガスセンサの課題を解決できる。すなわち、前記ガスセンサは、外筒(筒状体)の後端側をテーパー状に加締めることで上昇する、「外筒内の気密性の悪化、弾性体の破断、接点ずれの発生」などの各リスクを、縮径部における筒状体の径を軸方向に一定とすることで抑制できるとの効果を奏する。
(【0011】以降は省略されています)

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