TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2024098920
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-24
出願番号2023002741
出願日2023-01-11
発明の名称エンジンの空燃比制御装置
出願人スズキ株式会社
代理人弁理士法人東京国際特許事務所
主分類F02D 41/14 20060101AFI20240717BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】浄化反応に関与する排気浄化触媒を適切に切り換えることにより、触媒が浄化反応に不要に関与することに伴う弊害を抑制する。
【解決手段】第1排気浄化触媒に流入する排気の空燃比をリッチ側とリーン側とに振動させる空燃比振動制御を実行する空燃比振動制御手段と、空燃比振動制御により排気の空燃比を振動させる際の周波数を、制御周波数として特定する制御周波数特定手段と、エンジンの運転状態が、触媒温度と排気流量とに応じて定まる第1領域にあるか、第2領域にあるかを判定する運転領域判定手段と、を備え、制御周波数特定手段は、エンジンの運転状態が第1領域にある場合は、第1下流側排気センサにより検出された空燃比をもとに制御周波数を特定し、第2領域にある場合は、第2下流側排気センサにより検出された空燃比をもとに制御周波数を特定し、空燃比振動制御手段は、排気の空燃比を制御周波数で振動させる。
【選択図】 図2
特許請求の範囲【請求項1】
排気通路に備わる排気浄化触媒として、第1排気浄化触媒と、前記第1排気浄化触媒よりも下流側に配置され、排気中の粒子状物質を捕集可能な排気フィルタに触媒成分が担持された第2排気浄化触媒と、を備えるエンジンの空燃比制御装置であって、
前記排気通路において前記第1排気浄化触媒と前記第2排気浄化触媒との間に配置され、前記第1排気浄化触媒を通過した排気の空燃比に応じた信号を出力可能に構成された第1下流側排気センサと、
前記排気通路において前記第2排気浄化触媒よりも下流側に配置され、前記第2排気浄化触媒を通過した排気の空燃比に応じた信号を出力可能に構成された第2下流側排気センサと、
前記第1および第2下流側排気センサにより出力された信号に基づき、エンジンの運転状態を制御するコントローラと、を備え、
前記コントローラは、
前記第1排気浄化触媒に流入する排気の空燃比を、ストイキ相当値に対してリッチ側とリーン側とに振動させる空燃比振動制御を実行する空燃比振動制御手段と、
前記空燃比振動制御により前記排気の空燃比を振動させる際の周波数を、制御周波数として特定する制御周波数特定手段と、
エンジンの運転状態が、前記排気浄化触媒の触媒温度と排気流量とに応じて定まる所定の第1領域にあるか、前記第1領域とは異なる第2領域にあるかを判定する運転領域判定手段と、を備え、
前記制御周波数特定手段は、エンジンの運転状態が前記第1領域にある場合は、前記第1下流側排気センサにより検出された空燃比をもとに、前記制御周波数を特定する一方、エンジンの運転状態が前記第2領域にある場合は、前記第2下流側排気センサにより検出された空燃比をもとに、前記制御周波数を特定し、
前記空燃比振動制御手段は、前記制御周波数特定手段による前記制御周波数の特定後、前記排気の空燃比を前記制御周波数で振動させる、エンジンの空燃比制御装置。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記運転領域判定手段は、前記排気浄化触媒の触媒温度が所定の第1温度以上でありかつ前記排気流量が所定の第1流量以下の場合に、エンジンの運転状態が前記第1領域にあると判定し、前記排気浄化触媒の触媒温度が前記第1温度よりも低いかまたは前記排気流量が前記第1流量よりも多い場合に、エンジンの運転状態が前記第2領域にあると判定する、請求項1に記載のエンジンの空燃比制御装置。
【請求項3】
前記コントローラは、前記第2下流側排気センサにより検出された空燃比をもとに、前記空燃比振動制御における前記排気の空燃比の最大値および最小値を検出する第1特定空燃比検出手段をさらに備え、
前記運転領域判定手段は、前記第1特定空燃比検出手段により検出された空燃比の最小値が所定の第1判定値以下でありかつ検出された空燃比の最大値が所定の第2判定値以下である場合に、エンジンの運転状態が前記第1領域にあると判定する、請求項1に記載のエンジンの空燃比制御装置。
【請求項4】
前記コントローラは、
前記排気通路において前記第1排気浄化触媒よりも上流側に配置され、前記第1排気浄化触媒に流入する排気の空燃比に応じた信号を出力可能に構成された上流側排気センサと、
前記上流側排気センサにより検出された空燃比をもとに、前記第1排気浄化触媒に流入する排気の空燃比をストイキ相当値に制御する空燃比フィードバック制御を実行する空燃比フィードバック制御手段と、をさらに備え、
前記排気浄化触媒の触媒温度が前記第1温度よりも高い所定の第2温度以上でありかつ前記排気流量が前記第1流量よりも少ない所定の第2流量以下の場合に、前記空燃比フィードバック制御手段により前記空燃比フィードバック制御を実行する、請求項2に記載のエンジンの空燃比制御装置。
【請求項5】
前記コントローラは、
前記排気通路において前記第1排気浄化触媒よりも上流側に配置され、前記第1排気浄化触媒に流入する排気の空燃比に応じた信号を出力可能に構成された上流側排気センサと、
前記上流側排気センサにより検出された空燃比をもとに、前記第1排気浄化触媒に流入する排気の空燃比をストイキ相当値に制御する空燃比フィードバック制御を実行する空燃比フィードバック制御手段と、
前記第1下流側排気センサにより検出された空燃比をもとに、前記空燃比振動制御における前記排気の空燃比の最大値および最小値を検出する第2特定空燃比検出手段と、をさらに備え、
前記第2特定空燃比検出手段により検出された空燃比の最小値が所定の第3判定値以下でありかつ検出された空燃比の最大値が所定の第4判定値以下である場合に、前記空燃比フィードバック制御手段により前記空燃比フィードバック制御を実行する、請求項3に記載のエンジンの空燃比制御装置。
【請求項6】
前記制御周波数特定手段は、前記第1下流側排気センサまたは前記第2下流側排気センサにより検出された空燃比の最小値または検出された空燃比の最大値と最小値との差分が空燃比振動の周波数の対数に対してなす変化の傾きが所定の値に達するときの前記周波数を、前記制御周波数として特定する、請求項1から5のいずれか一項に記載のエンジンの空燃比制御装置。
【請求項7】
前記制御周波数特定手段は、前記傾きの絶対値が0.015から0.025までの範囲で予め設定された値に達するときの前記周波数を、前記制御周波数として特定する、請求項6に記載のエンジンの空燃比制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンの空燃比制御装置に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
排気浄化触媒が収容された触媒コンバータと、触媒コンバータの下流側に配置され、排気中の粒子状物質を捕集可能な排気フィルタと、を排気通路に備えるエンジンが存在する。このようなエンジンとして、排気フィルタに触媒コンバータに備わる排気浄化触媒と同様の触媒、例えば、三元触媒を担持させたものも存在する。
【0003】
他方で、排気通路に三元触媒を備えるエンジンにおいて、混合気の空燃比を理論空燃比に対してリッチ側とリーン側とに強制的に振動させることで、触媒による排気の浄化率が向上することが知られている。混合気の空燃比がリッチ側であるとは、混合気に含まれる燃料が当量よりも多量であることをいい、リーン側であるとは、混合気に含まれる燃料が当量よりも少量であることをいう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特公昭56-017533号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
触媒コンバータと排気フィルタとを排気通路に備えるエンジンでは、空燃比の強制振動による排気浄化を実施した場合に、次のことが問題となる。
【0006】
空燃比を振動させる際の周波数は、排気浄化触媒の下流側を流れる排気、つまり、排気浄化触媒による浄化後の排気の空燃比をもとに、適切に設定することが可能である。例えば、排気浄化触媒の下流側に排気の空燃比を検出可能な排気センサを設置するとともに、この排気センサにより検出された空燃比の最小値(下流側最小空燃比)を検出する。そして、下流側最小空燃比の周波数に対する変化の特異点を抽出し、その特異点の周波数を、振動させる際の周波数(つまり、制御周波数)に設定する。
【0007】
ここで、触媒コンバータと排気フィルタとの間の排気通路に排気センサを設置し、この排気センサにより検出される空燃比をもとに空燃比振動の周波数を設定する場合は、設定後の周波数が触媒コンバータに備わる排気浄化触媒にのみ適合したものとなり、排気フィルタに担持させた排気浄化触媒に対しては必ずしも適合したものとはならない。これにより、触媒コンバータに備わる排気浄化触媒を浄化反応に関与させることはできるものの、排気フィルタに担持された排気浄化触媒をも浄化反応に良好に関与させることまではできず、触媒コンバータおよび排気フィルタを含むシステム全体での浄化性能を有効に活用することが困難となる。よって、触媒温度が低かったり、排気流量が多かったりという理由で排気の浄化が困難な条件にある場合に、浄化性能が不足することが懸念される。
【0008】
これに対し、排気フィルタの下流側における排気通路に排気センサを設置し、この排気センサにより検出される空燃比をもとに空燃比振動の周波数を設定する場合は、設定後の周波数が触媒コンバータに備わる排気浄化触媒だけでなく、排気フィルタに担持された排気浄化触媒にも適合したものとなる。これにより、双方の排気浄化触媒を浄化反応に関与させ、システム全体での浄化性能を有効に活用することができ、排気の浄化が困難な条件にあっても高い浄化性能を維持することが可能となる。
【0009】
しかし、排気フィルタに担持された排気浄化触媒が浄化反応に関与する場合は、浄化反応に伴う触媒の発熱により排気が加熱されることで、排気の温度が上昇する。これにより、触媒コンバータに備わる排気浄化触媒のみで充分な浄化性能が確保されるにも拘わらず排気フィルタに担持された排気浄化触媒を浄化反応に関与させ続けることで、排気温度の上昇により排気の粘性が増大し、排気フィルタにおける圧損が過度に増大することが懸念される。
【0010】
さらに、触媒コンバータに備わる排気浄化触媒だけでなく、排気フィルタに担持された排気浄化触媒もが浄化反応に関与する場合は、システム全体での酸素吸蔵能力が増大するため、双方の排気浄化触媒に適合する周波数は、触媒コンバータに備わる排気浄化触媒にのみ適合する周波数と比較して低い傾向にある。これにより、空燃比振動における一周期当たりのリッチ期間が長くなるため、リッチ期間中に排気フィルタに堆積する粒子状物質の量が増大し、これに伴い、リーン期間中に燃焼する粒子状物質の量も増大する。そして、粒子状物質の燃焼による発熱量が増大して、排気フィルタに過度な熱負荷がかかり、排気フィルタの熱劣化が進行することが懸念される。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

個人
発電システム
7日前
個人
内燃機関とその運転方法
3日前
株式会社SUBARU
消音装置
今日
ダイヤゼブラ電機株式会社
点火装置
7日前
本田技研工業株式会社
内燃機関
8日前
朝日電装株式会社
スロットル操作装置
11日前
朝日電装株式会社
スロットル操作装置
11日前
朝日電装株式会社
スロットル操作装置
11日前
トヨタ紡織株式会社
エアクリーナ
8日前
株式会社アイシン
エンジン
2日前
個人
内燃機関
3日前
株式会社ミクニ
吸気マニホールド及び船外機
今日
株式会社デンソー
電子制御装置
9日前
マツダ株式会社
エンジンの始動制御装置
14日前
本田技研工業株式会社
エンジン制御装置
8日前
本田技研工業株式会社
エンジン制御装置
8日前
マツダ株式会社
エンジンの始動制御装置
14日前
トヨタ自動車株式会社
内燃機関の制御装置
14日前
ダイハツディーゼル株式会社
配管構造
1日前
株式会社ミクニ
インテークマニホールド及び吸気装置
8日前
日立Astemo株式会社
電磁弁制御装置
1日前
トヨタ自動車株式会社
水素エンジンの制御装置
今日
トヨタ自動車株式会社
車両
14日前
フタバ産業株式会社
蒸発燃料処理装置
2日前
株式会社SUBARU
内燃エンジン
7日前
日立Astemo株式会社
内燃機関制御装置
7日前
いすゞ自動車株式会社
エンジン
8日前
日立Astemo株式会社
内燃機関制御装置
7日前
本田技研工業株式会社
電力システム及び移動体
14日前
株式会社SUBARU
燃料供給装置
9日前
日産自動車株式会社
車両の制御方法及び車両の制御装置
9日前
日産自動車株式会社
車両の制御方法及び車両の制御装置
9日前
川崎重工業株式会社
航空機発電システム
8日前
日産自動車株式会社
車両の制御方法及び車両の制御装置
9日前
株式会社IHI
レーザ点火式エンジン
7日前
トヨタ自動車株式会社
内燃機関、及び内燃機関の制御装置
今日
続きを見る