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公開番号2024083936
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-24
出願番号2022198037
出願日2022-12-12
発明の名称帯電防止樹脂板
出願人株式会社サンライズコーポレーション
代理人個人
主分類F28F 13/16 20060101AFI20240617BHJP(熱交換一般)
要約【課題】負の帯電効果の大きい帯電防止樹脂板を提供。
【解決手段】空調機の吸気部における熱交換器の前方に吸気部の壁面に接して設置することで、熱交換効率を上げるための帯電防止樹脂板であって、主材料がABS樹脂の合成樹脂であって、合成樹脂の添加材が、主材料に対して8~10質量%のモンモリロナイト鉱物の未焼成粉体であり、表面には、表裏にかけて円形または多角形、またはこれらの組み合わせの形状の貫通孔を複数個有し、外周枠には、各辺に、別の個体と上下左右に連結可能とするための連結部を有する。
【選択図】 図3
特許請求の範囲【請求項1】
空調機の吸気部における熱交換器の前方に前記吸気部の壁面に接して設置することで、熱交換効率を上げるための帯電防止樹脂板であって、
前記帯電防止樹脂板は、
主材料がABS樹脂の合成樹脂であって、前記ABS樹脂の添加材が、前記主材料に対して8~10質量%のモンモリロナイト鉱物の未焼成粉体である、板状の合成樹脂板であり、
前記帯電防止樹脂板の表面には、前記帯電防止樹脂板の表裏にかけて円形または多角形、またはこれらの組み合わせの形状の貫通孔を複数個有し、
前記帯電防止樹脂板の外周枠には、各辺に、前記帯電防止樹脂板の別の個体と上下左右に連結可能とするための連結部を有する、
ことを特徴とする帯電防止樹脂板。
続きを表示(約 84 文字)【請求項2】
請求項1に記載の帯電防止樹脂板であって、さらに、
前記モンモリロナイト鉱物が純度98%以上であることを特徴とする帯電防止樹脂板。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、周辺物の帯電を防止する樹脂板に関する。
続きを表示(約 4,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来の、空調機の吸気部における熱交換器の前方に設置して吸気する空気(樹脂板の周辺の空気)の正の帯電を防止する帯電防止樹脂板として、板状であって厚さ方向に貫通する通気穴を有し、モンモリロナイト系粘土鉱物の未焼成粉体を溶解させたポリエチレン又はポリプロピレンの熱可塑性樹脂からなる網状樹脂成形体が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
空調機は、一般に空調機内部のファン駆動などの影響で筐体や内部部品が正に帯電しやすい。すると、吸気部のグリル部から吸気された空気は、グリル部や集塵フィルタに接触することよって正に帯電する。正に帯電した空気は、その後通過する流路や熱交換器のフィンなどの正に帯電した壁面との間で斥力が生じ、本来の理想的な流れ状態にならずに、熱交換の効率が低下するのである。
帯電防止樹脂板とは、負に帯電した帯電防止樹脂板を吸気部に配置することで、正に帯電した空気の帯電を中和させて、その後の流路等における本来の理想的な流れ状態を取り戻す、すなわち整流化を可能として、熱交換の効率の低下を防止するというものである。
しかし、特許文献1による帯電防止樹脂板は、負の帯電量が低くグリル部や集塵フィルタによって正に帯電した空気の負の電位化(中和)が十分なされないため、その結果、吸入空気を整流化する効果が十分得られず、熱交換効率を十分向上させ得ないという間題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第6486409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明はこれら問題点に鑑み、帯電防止樹脂板の主材料である樹脂材およびその添加材に、負の帯電効果の非常に大きい材料を用いることで、グリル部や集塵フィルタによって正に帯電した空気の負の電位化(中和)が十分行われ、吸入空気を整流化する効果を十分得て、その結果、熱交換効率を十分向上させることが可能な帯電防止樹脂板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の発明による帯電防止樹脂板は、空調機の吸気部における熱交換器の前方に吸気部の壁面に接して設置することで、熱交換効率を上げるための帯電防止樹脂板であって、帯電防止樹脂板は、主材料がABS樹脂の合成樹脂であって、合成樹脂の添加材が、主材料に対して8~10質量%のモンモリロナイト鉱物の未焼成粉体である、板状の合成樹脂板であり、帯電防止樹脂板の表面には、帯電防止樹脂板の表裏にかけて円形または多角形、またはこれらの組み合わせの形状の貫通孔を複数個有し、帯電防止樹脂板の外周枠には、各辺に、帯電防止樹脂板の別の個体と上下左右に連結可能とするための連結部を有する、ことを特徴とする。
第2の発明による帯電防止樹脂板は、第1の発明の帯電防止樹脂板であって、さらに、当該モンモリロナイト鉱物が98%以上の純度であることを特徴とする帯電防止樹脂板。
【発明の効果】
【0006】
本発明の帯電防止樹脂板は、主材料がABS樹脂の合成樹脂であって、当該主材料は、ポリエチレンやポリプロピレンと比較して、モンモリロナイト鉱物と混ざりやすい特性を有する。すると、モンモリロナイト鉱物が均等に分布され、モンモリロナイト鉱物の分子の合成樹脂内の位置的な偏りが少なくなる。これにより、樹脂板形成の際に、樹脂材の添加材であるモンモリロナイト鉱物の分子レベルでの陽イオン交換性をより高め、モンモリロナイト鉱物の負の帯電効果が向上する。そのため、主材料のABS樹脂の負に帯電しやすい特性との相乗効果により、主材料がポリエチレンやポリプロピレンである場合と比較して、樹脂板の負の帯電性がより向上する。よって、グリル部や集塵フィルタによって正に帯電した空気の負の電位化(中和)が十分行われ、吸入空気を整流化する効果を十分得て、その結果、熱交換効率を十分向上させることが可能な帯電防止樹脂板を提供できるという効果を奏する。
本発明の帯電防止樹脂板であって、当該モンモリロナイト鉱物が98%以上の純度であるものは、純度の低いものがモンモリロナイト鉱物以外の不純物を多く含むのに対して、不純物が微少であるため不純物による影響を殆ど受けない。そのため、帯電防止樹脂板の分子レベルでの陽イオン交換性をより高め樹脂板の負の帯電性がより向上する。よって、グリル部や集塵フィルタによって正に帯電した空気の負の電位化(中和)が十分行われ、吸入空気を整流化する効果を十分得て、その結果、熱交換効率を十分向上させることが可能な帯電防止樹脂板を提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
第1の実施例における帯電防止樹脂板を含む吸気部の構造を示す断面概略図である。
第1の実施例における帯電防止樹脂板の一例を示す図であって、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は底面図、である。である。
第1の実施例における帯電防止樹脂板の一例を示す斜視図である。
第1の実施例における比較実験を表した散布図であって、本実施例(高純度品と低純度品)と従来技術(従来品)の帯電防止樹脂板の各モンモリロナイト含有量に対する表面電位を表している。
第1の実施例における比較実験を表したグラフであって、本実施例の高純度品と低純度品とについて、各線形部分を直線で表した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明による帯電防止樹脂板の実施例を説明する。
本発明において、空調機とは、取り込んだ空気を熱交換器を利用して熱交換することで、最終的にある空間に冷風または/かつ温風を排出し当該ある空間の空気の温度を調整する機能を有する機器のことと定義する。よって、セントラル方式や個別方式などの方式の違い、または、業務用や家庭用など用途の違いには依存しないものとする。
吸気部とは、空調機が空気取り組み口(グリル形状になっていることが多いため、以降「グリル部」と呼ぶ)から空気を取り込み、熱交換器により熱交換する際の、グリル部から熱交換器までの部分のことと定義する。
純度とは、ベントナイト鉱物の原材料であるベントナイト中に含まれる主成分としてのベントナイト鉱物の含有率(質量%)のことと定義する。
【実施例】
【0009】
図1から図3を用いて、本実施例に係る帯電防止樹脂板13について説明する。
図1は、帯電防止樹脂板13を含む吸気部1の構造を示す断面概略図である。すなわち、帯電防止樹脂板13を、空調機の吸気部1における熱交換器14の前に設置した場合の、吸気部1全体の構造を示す断面模式図である。
図2は、帯電防止樹脂板13の広い面積部分の一方を正面とした場合の、正面図(a)、右側面図(b)、底面図(c)である。
図3は、帯電防止樹脂板13を正面に対して右斜めから見た場合の斜視図である。
ここで、図2(a)と図3の帯電防止樹脂板13の上辺、左辺については符号を示していないが、上辺は右辺、左辺は下辺の符号と同様である。
また、貫通孔131については、図2(a)と図3の帯電防止樹脂板13において、四角形(ひし形)の1つの貫通孔のみを示しているが、その他の四角形(ひし形)と三角形の孔形状のものは全て貫通孔である。
【0010】
[本実施例における帯電防止樹脂板の説明]
本実施例は、例としてエアコンディショナ―の室内機における吸気部1に本発明の帯電防止樹脂板13を利用した場合の実施例である。
吸気部1は、図1に示すように、室内の空気を取り込むためのグリル部11、取り込んだ空気から塵や微粒子等を除去するための集塵フィルタ12、正に帯電した空気の負の電位化(中和)を行い吸入空気を整流化するための本発明の帯電防止樹脂板13、当該帯電防止樹脂板13を通過した空気を熱交換するための熱交換器14、からなる。
帯電防止樹脂板13は、熱交換器14より前に吸気部の壁面15に接して設置する。
帯電防止樹脂板13は、主材料をABS樹脂とし、添加材をモンモリロナイト鉱物の未焼成粉体とし、図2、図3に示すように板状の形状として射出成型により成型した合成樹脂板である。
ここで実際の添加材はベントナイトであって、その成分としては、主成分としてのモンモリロナイト鉱物以外に、不純物として、石英,長石,方解石(カルサイト),ゼオライト等を含む。純度が高ければ、これらの不純物の含まれる割合が低いことになる。
主材料をABS樹脂としたのは、後述するように、ポリエチレンやポリプロピレンと比較して、モンモリロナイト鉱物と混ざりやすい特性を有するので、成型後(完成後)の帯電防止樹脂板13としてより大きい負の帯電効果が望めるためである。
当該合成樹脂板の表面には、表裏にかけて四角形(ひし形)と三角形の組み合わせの多角形の貫通孔131が複数個有する。
貫通孔131は、正に帯電した空気を貫通孔131に通すことで負に帯電した帯電防止樹脂板13による空気の帯電の中和を実行すると同時に、熱交換器14へ空気を送るための孔である。
当該合成樹脂板の外周枠132には連結部である凸部133と凹部134が形成され、別の個体の本発明の合成樹脂板と上下左右に連結して当該帯電防止樹脂板13の大きさを調整することが可能となっている。
(【0011】以降は省略されています)

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