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公開番号2024081459
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-18
出願番号2022195103
出願日2022-12-06
発明の名称気水分離器及びそれを備えた沸騰水型原子炉
出願人日立GEニュークリア・エナジー株式会社
代理人弁理士法人開知
主分類G21C 15/16 20060101AFI20240611BHJP(核物理;核工学)
要約【課題】簡易な構造を用いて、複数段の分離機構を有する気水分離器の下から二段目以降の環状流路内で蒸気に随伴される液滴量を減少させ、クオリティの高い条件でのキャリーオーバーを低減することのできる気水分離器及びそれを備えた沸騰水型原子炉を提供することにある。
【解決手段】複数段の分離機構を備える気水分離器105では、第二段目以降の分離機構は、第二段環状流路132,第三段環状流路138を周方向に分割し、第二段内筒129,第三段内筒135から第二段環状流路132,第三段環状流路138へ継続して生じる混合流の旋回成分を消失させる縦板21,31を有する。
【選択図】 図4
特許請求の範囲【請求項1】
複数段の分離機構を備える気水分離器であって、
下から第一段目の前記分離機構は、
炉心で発生する蒸気と水との混合流体を下方から上方に向かって導くスタンドパイプ、
前記スタンドパイプの上側端面に連通して流路を形成し、前記上側端面の流路断面積よりも上方に向けて流路断面積を拡大するディフューザ、
前記ディフューザの上側端面に連通して流路を形成する第一段内筒、
前記蒸気と前記水との混合流の流路の軸中心を通るハブ及び前記ハブを中心にして放射状に取り付ける複数の旋回羽根を含み、前記旋回羽根の径方向に内側縁が前記ハブに固定されており、前記ディフューザの内壁又は前記第一段内筒の内壁に前記旋回羽根の径方向に外側縁が固定されているスワラ、
前記第一段内筒を同心円状に間隔を空けて囲んで形成される第一段環状流路の下方に第一段排出口を形成する第一段外筒、
前記第一段外筒の上側面を塞ぐと共に前記第一段内筒よりも小径の円形孔を形成した第一段環状板、
前記第一段環状板の前記円形孔を形成している内周縁から下方に向けて円筒状に伸ばして前記円形孔を第二段内筒への短流路として形成する第一段ピックオフリング、を有し、
下から第二段目以降の前記分離機構は、
前段の環状板上に設置され流路を形成する第二段以降内筒、
前記第二段以降内筒を同心円状に間隔を空けて囲んで形成される第二段以降環状流路の下方に第二段以降排出口を形成する第二段以降外筒、
前記第二段以降外筒の上側面を塞ぐと共に前記第二段以降内筒よりも小径の円形孔を形成した第二段以降環状板、
前記第二段以降環状板の前記円形孔を形成している内周縁から下方に向けて円筒状に伸ばして前記円形孔を次段以降の内筒への短流路あるいは出口流路として形成する第二段以降ピックオフリング、を有し、
前記第二段目以降の前記分離機構は、前記第二段以降環状流路を周方向に分割し、前記第二段以降内筒から前記第二段以降環状流路へ継続して生じる前記混合流の旋回成分を消失させる縦板を有する
気水分離器。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
請求項1に記載の気水分離器において、
前記縦板は、その鉛直方向の端面が前記第二段以降内筒の外面と前記第二段以降外筒の内面に対して90度の角度で設置されている
気水分離器。
【請求項3】
請求項1に記載の気水分離器において、
前記縦板は、その鉛直方向の端面が前記第二段以降内筒の外面と前記第二段以降外筒の内面に対して90度より小さい角度、あるいは90度より大きい角度で設置されている
気水分離器。
【請求項4】
請求項1に記載の気水分離器において、
前記縦板は、前記第二段以降外筒の内面、あるいは前記第二段以降内筒の外面に接続して設置されている
気水分離器。
【請求項5】
請求項1に記載の気水分離器において、
前記縦板が前記第二段以降排出口まで延伸している
気水分離器。
【請求項6】
請求項1に記載の気水分離器において、
前記縦板のうち前記混合流が衝突する面と正対する位置に前記縦板より短い長さの排水路形成板を更に有する
気水分離器。
【請求項7】
請求項6に記載の気水分離器において、
前記縦板及び前記排水路形成板が前記第二段以降排出口まで延伸しており、前記縦板に付着し液膜となって流下する水を排水する排水口及び前記蒸気の排気口をそれぞれ形成する
気水分離器。
【請求項8】
請求項1に記載の気水分離器において、
三段目以降の前記分離機構における前記縦板の数は、その下段側の前記分離機構における前記縦板の数以上である
気水分離器。
【請求項9】
請求項6に記載の気水分離器において、
三段目以降の前記分離機構における前記縦板の鉛直方向長さと前記排水路形成板の鉛直方向長さとの差分は、その下段側の前記縦板の鉛直方向長さと前記排水路形成板の鉛直方向長さとの差分以上である
気水分離器。
【請求項10】
原子炉圧力容器と、
前記原子炉圧力容器内に設けられ、複数の燃料集合体が装荷された炉心と、
前記炉心が配置されるシュラウドと、
前記炉心の上方に配置され、前記炉心で発生した蒸気と水との混合流を前記蒸気と前記水とに分離する気水分離器と、
前記気水分離器の上方に位置し、前記気水分離器で分離された湿り蒸気を乾燥させる蒸気乾燥器と、
前記蒸気乾燥器で乾燥された蒸気をタービンに供給する主蒸気配管と、
前記原子炉圧力容器とシュラウド間に形成され、前記気水分離器で分離された水が循環するダウンカマと、
前記ダウンカマの下方に配置され、前記ダウンカマ内の水を前記炉心に供給するポンプと、を備え、
前記気水分離器は、請求項1乃至請求項9のうちいずれか1項に記載の気水分離器である
沸騰水型原子炉。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は気水分離器及びそれを備えた沸騰水型原子炉に係り、特に、炉心で発生する蒸気と水との混合流体を蒸気と水とに分離するために炉心上部に配置されている気水分離器及びそれを備えた沸騰水型原子炉に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
簡易な構造を用いて気水分離器外で蒸気に同伴される液適量を減少させると共に、蒸気の通気抵抗の増加を抑制しながら、クオリティの高い条件でのキャリーオーバーを低減することのできる気水分離器及びそれを備えた沸騰水型原子炉の一例として、特許文献1には、気液二相流を下方から上方に向かって導くスタンドパイプと、スタンドパイプの上側端面に連通して流路を形成し、上側端面の流路断面積よりも上方に向けて流路断面積を拡大するディフューザと、ディフューザの上側端面に連通して流路を形成する第一段内筒と、第一段内筒を同心円状に間隔を空けて囲んで環状の流路を形成する第一段外筒と、第一段外筒の上側端面の内周縁を塞ぐと共に第一段内筒よりも小径の円形孔を形成した第一段環状板と、第一段環状板の円形孔を形成している内周縁から下方に向けて円筒状に起立させて円形孔を第二段内筒への流路として形成する第一段ピックオフリングと、第一段環状板上に設置され流路を形成する第二段内筒と、第二段内筒を同心円状に間隔を空けて囲んで環状の第二段排出流路を形成する第二段外筒と、第二段外筒の上側端面の内周縁を塞ぐと共に第二段内筒よりも小径の円形孔を形成した第二段環状板と、第二段環状板上に設置され流路を形成する第三段内筒と、第二段環状板の円形孔を形成している内周縁から下方に向けて円筒状に起立させて円形孔を第三段内筒への流路として形成する第二段ピックオフリングとを少なくとも備え、気液二相流の流路の軸中心を通るハブ及びハブを中心にして放射状に取り付ける複数の旋回羽根を含み、旋回羽根の径方向に内側縁がハブに固定されており、ディフューザの内壁又は第一段内筒の内壁に旋回羽根の径方向に外側縁が固定されているスワラを備えた気水分離器において、第二段外筒に第二段排出流路に流入した水を排出する第二段分離水排出口と蒸気を排出する第二段蒸気排出口を設けると共に、第二段蒸気排出口が第二段分離水排出口よりも高い位置に配置され、かつ、第二段蒸気排出日の縁に沿って第二段排出流路へ突出した突起物が設けられ、突起物の先端が第二段蒸気排出口の流路を塞がない方向に折り曲げられて第二段外筒との間で溝状の流路である突起溝が形成されている、ことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第5562908号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的な沸騰水型原子炉には、炉心で発生する蒸気と水との混合流体を蒸気と水とに分離するために、炉心上部に複数の気水分離器が設置されている。この気水分離器では、ディフューザ内のスワラ(旋回羽根)によって蒸気と水との混合流体に旋回速度が与えられ、遠心力により気液密度差を利用して蒸気と水とに分離される。
【0005】
分離された水は、気水分離器の内筒内の空間から内筒と外筒の間の環状流路を下降し、気水分離器の外筒下方の排出口から排水されてダウンカマに戻り、再循環ポンプにより再び炉心へ送られる。一方、分離された蒸気は、気水分離器の中央の流路から気水分離器外に排出され、蒸気乾燥器に流入し湿分が取り除かれた後、タービンへ送られる。これらより、炉心で発生させた湿分を含む蒸気から可能な限り湿分を取り除き、効率的な発電を実現している。
【0006】
さらに、効率的な発電を実現させる1つの方法として、炉心出口における蒸気と水の全流量に対する蒸気流量の割合(以下、クオリティという)を大きくして蒸気発生量を増加させることが有効である。
【0007】
気水分離器に流入する蒸気と水との混合流体のクオリティが変わると、気水分離性能も変化する。一般的に、クオリティが大きくなり蒸気発生量が増加すると、スワラによって二相流に与えられる旋回速度が大きくなり、遠心力が増加して気水分離性能は向上する。
【0008】
ここで、一例として、改良型沸騰水型原子炉(以下、ABWRという)に用いられている三段式の気水分離器について説明する。
【0009】
ABWRで使用されている気水分離器では、第一段内筒と第一段外筒との間の環状流路で下向きの排出口からは、蒸気の混入がほとんどない分離水が排水される。また、気水分離器の下から二段目及び三段目のそれぞれの外筒の下方に設けられた排出口からは、分離水と蒸気が排出される。
【0010】
ここで、炉心出口で蒸気発生量が増加する、すなわち気水分離器入口で蒸気流量が大きくなると、気水分離器の下から二段目及び三段目のそれぞれの内筒からピックオフリングで分離され環状流路に流れ込む蒸気流量、つまり蒸気速度が増加する。
(【0011】以降は省略されています)

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