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公開番号2024064378
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-14
出願番号2022172925
出願日2022-10-28
発明の名称加工装置及び加工方法
出願人日立GEニュークリア・エナジー株式会社
代理人ポレール弁理士法人
主分類G21F 9/30 20060101AFI20240507BHJP(核物理;核工学)
要約【課題】
臨界安全を担保しつつ加工作業の作業性を向上し得る加工装置及び方法を提供する。
【解決手段】
核物質を含む放射性物質を加工する加工装置100は、加工ツール102の最小制御単位で中性子を逐次観測する中性子検出器101、中性子検出器101の検出信号から中性子計数値を算出する中性子計測装置104、及び過去の加工動作タイミングから最新の加工動作タイミングまでの各加工動作タイミングとそれに伴う中性子計数値と中性子応答関数から投入反応度を推定する反応度推定装置106を備える。反応度推定装置106は、加工動作タイミング以降に計測した中性子計数値を入力値とする中性子応答関数と加工動作タイミング関数を重畳して投入反応度を推定する。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
核物質を含む放射性物質を加工する加工装置であって、
加工ツールの最小制御単位で中性子を逐次観測する中性子検出器と、
前記中性子検出器の検出信号から中性子計数値を算出する中性子計測装置と、
過去の加工動作タイミングから最新の加工動作タイミングまでの各加工動作タイミングとそれに伴う中性子計数値と中性子応答関数から投入反応度を推定する反応度推定装置と、を備え、
前記反応度推定装置は、加工動作タイミング以降に計測した中性子計数値を入力値とする前記中性子応答関数と加工動作タイミング関数を重畳して投入反応度を推定することを特徴とする加工装置。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
請求項1に記載の加工装置において、
前記中性子検出器と前記加工ツールを搭載する遠隔作業ツールと、前記遠隔作業ツールを制御する作業制御装置と、を備えることを特徴とする加工装置。
【請求項3】
請求項2に記載された加工装置において、
前記反応度推定装置は、前記中性子応答関数を指数関数若しくは多項式とすることを特徴とする加工装置。
【請求項4】
請求項1に記載の加工装置において、
前記反応度推定装置は、一次炉動特性方程式を利用して算出された関数を、前記中性子応答関数とすることを特徴とする加工装置。
【請求項5】
請求項1に記載の加工装置において、
複数の加工入力信号から構成される加工入力信号群を設定し加工入力群信号を伝送する加工制御装置を備え、
前記反応度推定装置は、前記加工入力信号群の加工動作タイミングとそれに伴う中性子計数値と中性子応答関数から投入反応度を推定することを特徴とする加工装置。
【請求項6】
請求項1に記載の加工装置において、
初回作業から最新の作業における加工入力信号と中性子計数値、反応度推定値、作業量更新結果とを記録する作業データベースと、
前記作業データベースに蓄積した過去の実績を利用して加工量を算出する作業量算出装置を備え、
前記作業量算出装置は、加工量を加工対象物に加えた場合の中性子計数値とその反応度の変動をプロットして回帰分析することで次の加工動作における加工量投入による反応度とそのばらつきを推定して加工量を算出することを特徴とする加工装置。
【請求項7】
請求項6に記載の加工装置において、加工実績値のばらつきが大きい場合には、設定した加工量における反応度推定値にばらつきによる影響を加算することを特徴とする加工装置。
【請求項8】
核物質を含む放射性物質を加工する加工方法であって、
中性子検出器が、加工ツールの最小制御単位で中性子を逐次観測し、
中性子計測装置が、前記中性子検出器の検出信号から中性子計数値を算出し、
反応度推定装置が、過去の加工動作タイミングから最新の加工動作タイミングまでの各加工動作タイミングとそれに伴う中性子計数値と中性子応答関数から投入反応度を推定し、加工動作タイミング以降に計測した中性子計数値を入力値とする前記中性子応答関数と加工動作タイミング関数を重畳して投入反応度を推定することを特徴とする加工方法。
【請求項9】
請求項8に記載の加工方法において、
遠隔作業ツールが前記中性子検出器と前記加工ツールを搭載し、作業制御装置が前記遠隔作業ツールを制御することを特徴とする加工方法。
【請求項10】
請求項9に記載された加工方法において、
前記反応度推定装置は、前記中性子応答関数を指数関数若しくは多項式とすることを特徴とする加工方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、核燃料を含む放射性物質を安全に取り扱う装置及び方法に係り、臨界安全を担保しながら加工作業を実施可能な加工装置及び加工方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
核物質を含む放射性物質を取り扱う施設として原子力発電プラントや核燃料加工・製造施設、廃棄物処理施設、加速器施設、放射性物質等管理区域を有する施設などがある。これらの施設の一部では、ウランやプルトニウムなどの核燃料物質が発電用や基礎研究用として使用されている。核燃料物質を取り扱う施設においては、核燃料物質の安全管理や計量管理が要求される。例えば原子力発電プラントでは、核物質を含む放射性物質は燃料集合体として通常水中に保管されており、その取扱い時には十分な安全管理のもと取扱作業が実施される。核燃料を含む放射性物質を加工する際には、放射性物質の飛散を防止する措置や飛散量を緩和する措置が実行され、飛散物質の系外放出が防止される。また核物質を取り扱う際には、未臨界を保ちながら遠隔作業が実施される。このように核物質を含む放射性物質を取り扱う際には、十分に安全を確保しながら必要な作業が実施される。このような条件下で作業性を向上させるには、臨界安全を担保しながら作業を実施可能な作業処理プロセスと、それを実行可能な作業装置が必要となる。
【0003】
特許文献1では、核燃料の溶融凝固物の撤去作業を実施している過程において、核分裂反応が臨界に達することを未然に防止する臨界検知技術に関し提案してる。特許文献1に開示される技術によれば、臨界検出装置は核燃料の溶融凝固物が閉じ込められた領域内に交点を形成する第一半直線及び第二半直線において、それぞれの直線上に第一中性子検出器と第二中性子検出器を配置し、各々の出力を処理して臨界に近づくことを判定して警告信号を発信する処理部を設けるものである。
【0004】
特許文献2では、福島第一原子力発電所の炉心下部あるいは原子炉格納容器内部に蓄積されると推定される核燃料物質を含む物質(以下、燃料デブリと称する)を対象として、局所中性子増倍特性測定装置において、中性子検出器と減速部材から構成される第一の中性子検出体系と中性子検出器と減速部材と平板状の中性子吸収部材から構成される第二の中性子検出体系とこれらの検出体系の出力から反応度を算出する演算部から構成されており、燃料デブリの対象部分の反応度を把握することで、核燃料の臨界安全を担保する装置及び方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2017-78585号公報
特開2016-80666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
核燃料を含む放射性物質を安全に取り扱う装置及び方法に関し、臨界安全を担保しながら加工作業の作業性を向上させるには、臨界安全を担保しながら作業を実施可能な作業処理プロセスと、それを実行可能な作業装置が必要となる。
【0007】
特許文献1では、4台以上の中性子検出器を備えて、中性子増倍率の空間依存性を活用した臨界管理手法が開示されている。臨界に近づくと各々の中性子検出器の出力で算出される中性子増倍率が近づき、その応答変化を捉えて臨界を判定する。
しかしながら、この手法においては、核燃料の溶融凝固物の撤去作業時における臨界評価プロセスとそれを実現する作業装置構成に関する言及が全くないことから、臨界安全を担保しながら作業を実施することは困難である。
【0008】
特許文献2では、周囲構成が異なる2台の中性子検出器を備え、計数率の違いを利用して中性子増倍率を算出することで、燃料デブリを回収している場所の近傍における反応度を把握する。
しかしながら、この手法においては、燃料デブリの除去作業対象位置にそれぞれの中性子検出体系を順に配置して測定し中性子増倍率を算出する過程が取られており、空間的に燃料デブリを除去する装置との干渉が生じることから、除去作業の作業性が低い。
【0009】
そこで、本発明は、臨界安全を担保しつつ加工作業の作業性を向上し得る加工装置及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明に係る加工装置は、核物質を含む放射性物質を加工する加工装置であって、加工ツールの最小制御単位で中性子を逐次観測する中性子検出器と、前記中性子検出器の検出信号から中性子計数値を算出する中性子計測装置と、過去の加工動作タイミングから最新の加工動作タイミングまでの各加工動作タイミングとそれに伴う中性子計数値と中性子応答関数から投入反応度を推定する反応度推定装置と、を備え、前記反応度推定装置は、加工動作タイミング以降に計測した中性子計数値を入力値とする前記中性子応答関数と加工動作タイミング関数を重畳して投入反応度を推定することを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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