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公開番号2024074437
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-31
出願番号2022185568
出願日2022-11-21
発明の名称原子力プラントおよび原子力プラントでの発電方法
出願人日立GEニュークリア・エナジー株式会社
代理人弁理士法人開知
主分類G21D 3/12 20060101AFI20240524BHJP(核物理;核工学)
要約【課題】原子力発電プラントの負荷追従性能を向上させることができるとともに、原子炉出力をより安定させることが可能な原子力プラントおよび原子力プラントでの発電方法を提供する。
【解決手段】原子炉を備えた原子力プラントであって、負荷要求に応じて抽気弁13の開度を制御する出力制御部70と、再生可能エネルギーを蓄積するエネルギー蓄積部と、を備え、出力制御部70は、抽気弁13の開度およびエネルギー蓄積部でのエネルギーの蓄積量に基づき、原子炉への給水温度を制御する。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
原子炉を備えた原子力プラントであって、
負荷要求に応じて抽気弁の開度を制御する出力制御部と、
再生可能エネルギーを蓄積するエネルギー蓄積部と、を備え、
前記出力制御部は、前記抽気弁の開度および前記エネルギー蓄積部でのエネルギーの蓄積量に基づき、前記原子炉への給水の温度を制御する
原子力プラント。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
請求項1に記載の原子力プラントにおいて、
前記エネルギー蓄積部は、太陽の熱エネルギーを集熱する集熱器、および前記集熱器で集熱した熱エネルギーを蓄熱する蓄熱槽を有し、
前記出力制御部は、前記抽気弁を絞った負荷制御時には、前記集熱器で集熱された熱エネルギーを用いてドレンタンク内のドレンを加熱し、前記ドレンを前記給水に還流する
原子力プラント。
【請求項3】
請求項2に記載の原子力プラントであって、
前記出力制御部は、前記負荷要求および前記集熱器での蓄熱量に基づき、前記集熱器に蓄熱された熱エネルギーによる前記ドレンの加熱と、前記集熱器の熱エネルギーの蓄熱と、前記集熱器の熱エネルギーによる前記ドレンの加熱と、の切り替え判断を行う
原子力プラント。
【請求項4】
請求項1に記載の原子力プラントにおいて、
前記エネルギー蓄積部は、太陽の光エネルギーから電力を得る太陽光発電パネル、および前記太陽光発電パネルで得た電力を貯蔵する蓄電池を有し、
前記出力制御部は、前記抽気弁を絞った負荷制御時には、前記蓄電池で得られた電力を熱エネルギーに変換してドレンタンク内のドレンを加熱し、加熱した前記ドレンを前記給水に還流する
原子力プラント。
【請求項5】
請求項1に記載の原子力プラントにおいて、
前記エネルギー蓄積部は、太陽の熱エネルギーを集熱する集熱器、および前記集熱器で集熱した熱エネルギーを蓄熱する蓄熱槽を有し、
前記出力制御部は、前記抽気弁を絞った負荷制御時には、前記集熱器で得られた熱エネルギーを用いてドレンポンプの出口のドレンを加熱し、加熱した前記ドレンを前記給水に還流する
原子力プラント。
【請求項6】
請求項1に記載の原子力プラントにおいて、
前記エネルギー蓄積部は、太陽の熱エネルギーを集熱する集熱器、および前記集熱器で集熱した熱エネルギーを蓄熱する蓄熱槽を有し、
前記出力制御部は、前記集熱器で得られた熱エネルギーを用いて給水加熱器の出口で前記給水を加熱する
原子力プラント。
【請求項7】
請求項1に記載の原子力プラントにおいて、
前記出力制御部は、電力需要が規定値より低く、且つ再生可能エネルギーの出力が規定値以上のときは、前記エネルギー蓄積部での前記再生可能エネルギーを蓄積する
原子力プラント。
【請求項8】
請求項1に記載の原子力プラントにおいて、
前記出力制御部は、電力需要が規定値以上であり、且つ再生可能エネルギーの出力が規定値より低いときは、前記エネルギー蓄積部での前記再生可能エネルギーを利用して前記給水を加熱する
原子力プラント。
【請求項9】
請求項1に記載の原子力プラントにおいて、
前記出力制御部は、電力需要および再生可能エネルギーの出力が規定値以上のときは、前記エネルギー蓄積部での前記再生可能エネルギーを利用して前記給水を加熱する
原子力プラント。
【請求項10】
請求項1に記載の原子力プラントにおいて、
前記出力制御部は、電力需要および再生可能エネルギーの出力が規定値より低いときは、前記エネルギー蓄積部での前記再生可能エネルギーを保持したままとする
原子力プラント。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、原子力プラントおよび原子力プラントでの発電方法に関する。
続きを表示(約 1,200 文字)【背景技術】
【0002】
原子力発電プラントの負荷追従性能を向上させる技術の一例として、特許文献1には、出力制御装置は、原子炉で発生した蒸気により駆動されるタービンと、タービンにより駆動されて電力を発生する発電機と、タービンから流出した抽気蒸気の流量を調整する抽気弁と、タービンの排気系統に設置された排気弁と、を備える原子力発電プラントに対して用いられるものであって、原子力発電プラントの出力目標値と発電機の実出力値とに基づいて、抽気弁と排気弁の開度を制御する信号処理部と、原子炉の炉出力を設定する炉出力設定部と、を備え、タービンの負荷上げ時に、信号処理部は、抽気弁と排気弁の開度を絞ることで、一時的にタービンの負荷上げ量を増加させるとともに、一時的に負荷上げ量を増加させている間に、炉出力設定部は、炉出力を上げる制御を行う、ことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-129412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
地球温暖化の原因物質の一つとされる二酸化炭素の排出量を抑制する手段として、太陽光や太陽熱、風力に代表される再生可能エネルギーを用いた発電システム(再エネ発電)の導入が進められている。
【0005】
再エネ発電は、電力への変換効率が低く、出力規模が小さいものの、多数のシステムを電気的あるいは電力系統上で仮想的に連結することで出力を高めることが可能であることから、将来の主たる電力供給源としての活用が期待されている。
【0006】
また、ウランを主燃料とする原子力発電もまた二酸化炭素の排出量を抑制する手段として有効である。原子力発電は、ウランの核分裂反応によって発生した熱で蒸気を発生、この蒸気を用いてタービンを駆動して電力を得る。原子力発電の利点は出力規模の大きさにあり、再エネ発電とともに電力供給の基幹を担うことが期待される。
【0007】
地球温暖化の進行を抑制するカーボンニュートラルの取り組みに際しては、先に述べた再エネ発電と原子力発電とを電力供給源としてそれら発電システムを連携させた安定的な電力供給が必要となる。
【0008】
しかしながら、再エネ発電は、天候や気候、また昼夜によって発電出力が変動する。そのため、先に挙げた原子力の出力変化、あるいは蓄電池の充放電による電力供給量の変動抑制が必要である。
【0009】
かかる課題に対し、例えば特許文献1には、抽気弁を絞ることで、原子力発電での出力を増加させることが記されている。
【0010】
しかしながら、特許文献1のように抽気弁を絞ると、ドレンタンクなどの原子炉への給水系での給水温度が低下するため、原子炉出力の安定化・向上を図る余地があることが明らかとなった。
(【0011】以降は省略されています)

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