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公開番号
2024061964
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-05-09
出願番号
2022169641
出願日
2022-10-24
発明の名称
放射性物質収納容器及び放射性物質収納容器の製造方法
出願人
日立GEニュークリア・エナジー株式会社
代理人
弁理士法人開知
主分類
G21F
5/005 20060101AFI20240430BHJP(核物理;核工学)
要約
【課題】遮蔽性能の向上を従来に比べて簡易に達成することが可能な放射性物質収納容器及び放射性物質収納容器の製造方法を提供する。
【解決手段】上述した本実施例の放射性物質輸送貯蔵キャスク12は、内胴2と、外筒4と、内胴2と外筒4との間に設けられた中性子遮蔽材5と、中性子遮蔽材5の内部に設けられ、その内側に空隙11を有するプレナム管10と、を備える。また、放射性物質輸送貯蔵キャスク12の製造方法は、内胴2と外筒4との間の中性子遮蔽材5を鋳込む空間に、中性子遮蔽材5の存在しない空隙11を形成するためのプレナム管10を設ける工程と、空間に中性子遮蔽材5を鋳込む工程と、を有する。
【選択図】 図3
特許請求の範囲
【請求項1】
容器内筒と、
外筒と、
前記容器内筒と前記外筒との間に設けられた中性子遮蔽材と、
前記中性子遮蔽材の内部に設けられ、その内側に空隙を有する仕切りと、を備えた
放射性物質収納容器。
続きを表示(約 650 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の放射性物質収納容器において、
前記仕切りが管である
放射性物質収納容器。
【請求項3】
請求項2に記載の放射性物質収納容器において、
前記管は、断面形状が丸もしくは四角である
放射性物質収納容器。
【請求項4】
請求項1に記載の放射性物質収納容器において、
前記放射性物質収納容器の表面から1m離れた位置における線量当量率が100μSv/hを下回るように、前記放射性物質収納容器の長軸方向における前記空隙の断面積が前記中性子遮蔽材の断面積の1割以下である
放射性物質収納容器。
【請求項5】
請求項2に記載の放射性物質収納容器において、
前記管は、前記放射性物質収納容器の長軸方向に延伸している
放射性物質収納容器。
【請求項6】
放射性物質収納容器の製造方法であって、
容器内筒と外筒との間の中性子遮蔽材を鋳込む空間に、前記中性子遮蔽材の存在しない空隙を形成するための仕切りを設ける工程と、
前記空間に前記中性子遮蔽材を鋳込む工程と、を有する
放射性物質収納容器の製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載の放射性物質収納容器の製造方法において、
前記中性子遮蔽材を鋳込む工程では、前記仕切りの下端側に蓋を設け、鋳込み完了後に前記蓋を撤去する
放射性物質収納容器の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射性物質収納容器及び放射性物質収納容器の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、放射性物質を収容するバスケットの周囲に設けられる中性子遮蔽材と、その外側に設けられる筒状の外筒の金属部材と、を備えてなる放射性物質の輸送貯蔵キャスクであって、当該中性子遮蔽材の周囲に中性子遮蔽材の膨張代として確保される空隙が、当該中性子遮蔽材と当該金属部材とにより二重筒状構造を構成するように当該キャスク胴部に環状に形成され、且つ、当該空隙は、伝熱フィンにより周方向に複数のセルとして区分されてなり、更に、当該複数のセルが連通部を介して部分的に連通してなり、連通している当該複数のセルに対して所定の圧力以上で外部に開放する少なくとも1つのリリーフ弁を設ける、ことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第4520117号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来より、放射性物質の輸送・貯蔵キャスク(以下、「キャスク」と略することがある)は、放射性物質から発生する中性子を遮蔽するために、中性子遮蔽材が炭素鋼やステンレス鋼等の金属でできたキャスクの内外筒や蓋で密閉された内部空間に設置されている。このような中性子遮蔽材には、中性子遮蔽に有効な水素を多く含む材料である樹脂やゴム等の材料が主に使用されている。
【0005】
しかし、樹脂製或いはゴム製の中性子遮蔽材は、熱膨張係数が比較的大きい材料であるため、中性子遮蔽材の材料温度が上昇した場合に備えて、中性子遮蔽材が設置されている内部空間(以下、「中性子遮蔽材空間」と略する。)に膨張代を確保している場合がある(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、キャスクの通常輸送あるいは通常貯蔵時の環境下では、キャスクに装荷される使用済燃料等の放射性物質から崩壊熱が発生していることから、伝熱フィンにより崩壊熱が除熱されたとしても、設計上は中性子遮蔽材は120℃程度まで温度が上昇することが想定される。これに対して、中性子遮蔽材を形成する樹脂系やゴム系の材料は、材料の特性にもよるが、一般的にその耐熱温度が120℃~150℃程度である。
【0007】
従って、キャスクが数十年間にわたって放射性物質の貯蔵に使用される場合には、通常輸送あるいは通常貯蔵の状態であっても中性子遮蔽材から少しずつ発生する水蒸気、あるいはその他のガスが蓄積して、中性子遮蔽材空間の圧力が上昇し、キャスクの安全性が損なわれる可能性がある。そこで、中性子遮蔽材空間の内圧を一定値以下に抑える目的で当該空間上部にプレナム空間が設けられる。
【0008】
上述の特許文献1には、通常輸送あるいは通常貯蔵時においても安全性を確保することができるキャスクが記載されている。
【0009】
しかし、中性子遮蔽材から少しずつ発生して蓄積した水蒸気あるいはその他のガスを考慮し、中性子遮蔽材空間の内圧を一定値以下に抑える目的で当該空間上部にプレナム空間を設けた場合、プレナム空間には中性子遮蔽材が充填されないため、当該部における遮蔽性能の低下は避けられず、改善の余地がある。
【0010】
本発明の目的は、遮蔽性能の向上を従来に比べて簡易に達成することが可能な放射性物質収納容器及び放射性物質収納容器の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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