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公開番号2024074152
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-30
出願番号2022185250
出願日2022-11-18
発明の名称固体電解質の製造方法
出願人東邦チタニウム株式会社
代理人アクシス国際弁理士法人
主分類C04B 35/50 20060101AFI20240523BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】不純物の生成を抑制することができる固体電解質の製造方法を提供する。
【解決手段】この発明の固体電解質の製造方法は、一般式(I):La2/3-xLi3xTiO3(0<x<0.16)で表されるリチウムランタンチタン酸化物を含有する焼結体の固体電解質を製造する方法であって、リチウムランタンチタン酸化物粉末及び、水酸化リチウム系化合物を含有する水酸化リチウム系粉末を混合し、原料粉末を得る原料混合工程と、前記原料粉末を加熱して焼結させる焼結工程とを含み、前記原料混合工程で、前記焼結体中のリチウムランタンチタン酸化物よりもリチウムのモル比が小さいリチウムランタンチタン酸化物を含有するリチウムランタンチタン酸化物粉末を用いるというものである。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記一般式(I)で表されるリチウムランタンチタン酸化物を含有する焼結体の固体電解質を製造する方法であって、
リチウムランタンチタン酸化物粉末及び、水酸化リチウム系化合物を含有する水酸化リチウム系粉末を混合し、原料粉末を得る原料混合工程と、前記原料粉末を加熱して焼結させる焼結工程とを含み、
前記原料混合工程で、前記焼結体中のリチウムランタンチタン酸化物よりもリチウムのモル比が小さいリチウムランタンチタン酸化物を含有するリチウムランタンチタン酸化物粉末を用いる、固体電解質の製造方法。
La
2/3-x
Li
3x
TiO
3
(I)
(一般式(I)中、xは、0<x<0.16を満たす。)
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記原料混合工程で、
前記リチウムランタンチタン酸化物粉末が、下記一般式(II)で表されるリチウムランタンチタン酸化物を含有し、
前記焼結体中のリチウムランタンチタン酸化物のモル質量をMs、前記水酸化リチウム系粉末中の水酸化リチウム系化合物のモル質量をMm、前記原料粉末中の前記リチウムランタンチタン酸化物粉末に対する前記水酸化リチウム系粉末の質量の割合をR(質量%)としたとき、前記一般式(I)中のxと、前記一般式(II)中のyと、前記水酸化リチウム系粉末中の水酸化リチウム系化合物に含まれるリチウム原子数aとが、3x×0.9≦3y+(Ms×a×R)/(Mm×100)≦3x×1.1を満たす組成のリチウムランタンチタン酸化物粉末及び水酸化リチウム系粉末を用いる、請求項1に記載の固体電解質の製造方法。
La
2/3-y
Li
3y
TiO
3
(II)
(一般式(II)中、yは、0<y<0.16を満たす。)
【請求項3】
前記焼結体について、前記一般式(I)中のxが、0.25≦3x≦0.33を満たし、
前記原料混合工程で用いるリチウムランタンチタン酸化物粉末及び水酸化リチウム系粉末について、前記一般式(II)中のyが、0.01≦3y≦0.25を満たし、前記リチウム原子数aが、1.0≦(Ms×a×R)/(Mm×100)≦3.0を満たす、請求項2に記載の固体電解質の製造方法。
【請求項4】
前記原料混合工程で、前記水酸化リチウム系粉末が、LiOH、(LiOH)
m
・(Li
2
SO
4

1-m
(0.7≦m≦0.8)、Li
3-n
(OH
n
)X(X:Cl、Br)及び、Li(OH)Clからなる群から選択される少なくとも一種の水酸化リチウム系化合物を含有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の固体電解質の製造方法。
【請求項5】
前記原料混合工程で、前記原料粉末中の前記リチウムランタンチタン酸化物粉末に対する前記水酸化リチウム系粉末の質量の割合を、1.0質量%~8.0質量%とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の固体電解質の製造方法。
【請求項6】
前記焼結工程で、前記原料粉末を900℃~1100℃に加熱する、請求項1~3のいずれか一項に記載の固体電解質の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、全固体電池に好適に用いられ得る固体電解質の製造方法に関するものである。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
二次電池のなかでも特に、電解質が固体からなる全固体リチウムイオン電池等の全固体電池は、液体電解質を用いるリチウムイオン電池に比して、優れた安定性及び信頼性、高エネルギー密度化、高出力化ならびに、広い作動温度等を実現できる可能性がある。それ故に、全固体電池は、自動車や電子機器、家庭用蓄電池等といった様々な用途での実用化が期待されている。
【0003】
全固体電池は一般に、気相法により作製される薄膜型と、微粒子を焼結させて作製されるバルク型に大別される。このうち、バルク型の全固体電池は、集電体間に粒状の正極活物質と、板状又は粒状の固体電解質と、粒状の負極活物質を積層させて焼結することにより形成される。バルク型の全固体電池の固体電解質は一般に、全固体電池の作製時に又は事前に固体電解質粉末を焼結させて得られるので、焼成型固体電解質と称されることがある。
【0004】
全固体電池の焼成型固体電解質に用いる材料の候補としては、種々のものが提案されているが、その材料の選定は、電池性能を大きく左右することから重要になる。それらのなかでも、酸化物系の無機固体電解質材料のうち、La
2/3-x
Li
3x
TiO
3
(0<x<0.16)で表されるペロブスカイト結晶構造のリチウムランタンチタン酸化物(いわゆるLLTO(登録商標))は、高いイオン伝導率、安定性及び耐久性を有すること等の理由から有望視されている。
【0005】
これに関連する技術として、特許文献1には、「チタン原料と、リチウム原料と、ランタン原料とを粉砕し混合する混合工程と、前記混合工程で得られた混合粉末を仮焼する仮焼工程と、前記仮焼工程で有られた仮焼体を粉砕する粉砕工程と、前記粉砕工程で得られた粉末を成形する成形工程と、前記成形工程で得られた成形体を焼結する焼結工程とを備え、前記混合粉末全体におけるClの濃度が550ppm以下であることを特徴とするリチウムランタンチタン酸化物の製造方法」が記載されている。
【0006】
また、特許文献2では、「比較的低い温度で焼結し、ある程度高いイオン伝導率を発揮することができ、かつ、焼結後の割れ(クラック)の発生を抑制することができる固体電解質粉末を提供すること」を目的とし、「固体電解質粉末であって、酸化物系の無機固体電解質材料を含有する固体電解質粒子と、前記固体電解質粒子の表面の少なくとも一部を覆う被覆層とを有する表面被覆粒子を含み、前記被覆層が下記一般式(I)で表されるホウ酸リチウム塩を含み、当該固体電解質粉末中の前記ホウ酸リチウム塩の含有量が0.5質量%以上かつ5.5質量%以下であり、前記固体電解質粒子の前記無機固体電解質材料が、下記一般式(II)で表される酸化物を含有する、固体電解質粉末。 Li
x

y

z
(I) (一般式(I)中、x及びyは、0.65≦x/(x+y)≦0.85を満たし、zは、z≧2を満たす。) A
2/3-x
Li
3x
TiO
3
(II) (一般式(II)中、xは、0.04<x<0.14を満たし、Aは、ランタノイドから選択される一種以上の元素である。)」が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第5998411号公報
特許第7061719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、焼成型固体電解質を製造するに当たり、リチウムランタンチタン酸化物粉末を水酸化リチウム系粉末と混合して原料粉末とし、これを加熱したときは、水酸化リチウム系粉末が焼結助剤として機能して、原料粉末が低温で焼結すること等が期待される。
【0009】
この場合、製造しようとする固体電解質の焼結体と同じ組成のリチウムランタンチタン酸化物粉末を使用すると、焼結後の焼結体中に不純物が生成されることがわかった。そのような不純物は、イオン伝導率の低下を招くおそれがあることから望ましくない。
【0010】
この発明は、上述したような問題を解決することを課題とするものであり、その目的は、不純物の生成を抑制することができる固体電解質の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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