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公開番号2024049217
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-09
出願番号2022155542
出願日2022-09-28
発明の名称アルミニウム材の製造方法及び積層体の製造方法
出願人住友化学株式会社
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類C25D 11/04 20060101AFI20240402BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】窒化処理後の変形を抑制できるアルミニウム材の製造方法等を提供する
【解決手段】マグネシウムを含むアルミニウム基材の表面に対して酸化処理を行う工程を含み、アルミニウム基材の表面に絶縁層を有するアルミニウム材を製造する、アルミニウム材の製造方法及びその応用。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
マグネシウムを含むアルミニウム基材の表面に対して酸化処理を行う工程を含み、
前記アルミニウム基材の表面に絶縁層を有するアルミニウム材を製造する、アルミニウム材の製造方法。
続きを表示(約 920 文字)【請求項2】
前記マグネシウムの含有量は、前記アルミニウム基材の全量に対して、0.5質量%~5質量%である、請求項1に記載のアルミニウム材の製造方法。
【請求項3】
前記酸化処理を行う工程は、前記アルミニウム基材の表面に水酸化酸化アルミニウムを含む層を形成する工程と、前記水酸化酸化アルミニウムを含む層が形成されたアルミニウム基材を焼成する工程と、を含む、請求項1に記載のアルミニウム材の製造方法。
【請求項4】
前記アルミニウム基材の表面に水酸化酸化アルミニウムを含む層を形成する工程では、70℃~100℃の熱水中に、前記アルミニウム基材を浸漬させる、請求項3に記載のアルミニウム材の製造方法。
【請求項5】
前記絶縁層は、酸化マグネシウム及び酸化アルミニウムを含む、請求項1に記載のアルミニウム材の製造方法。
【請求項6】
前記絶縁層は、前記アルミニウム材の表面から厚さ方向に向かって、酸化アルミニウムを主成分として含む領域と、酸化マグネシウムを主成分として含む領域と、をこの順に含有する、請求項1に記載のアルミニウム材の製造方法。
【請求項7】
前記酸化アルミニウムを主成分として含む領域の厚さは、0.5μm~200μmであり、
前記酸化マグネシウムを主成分として含む領域の厚さは、0.01μm~0.5μmである、請求項6に記載のアルミニウム材の製造方法。
【請求項8】
前記酸化処理を行う工程の後に、窒化処理を行う工程を含む、請求項1に記載のアルミニウム材の製造方法。
【請求項9】
前記絶縁層は、窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、及び酸化アルミニウムを含む、請求項8に記載のアルミニウム材の製造方法。
【請求項10】
請求項1~請求項9のいずれか1項に記載のアルミニウム材の製造方法によって、前記アルミニウム基材の表面に絶縁層を有するアルミニウム材を製造する工程と、前記アルミニウム材の絶縁層上に樹脂層を形成する工程と、を含む積層体の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、アルミニウム材の製造方法及び積層体の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、電子デバイスの小型化に伴い、電子デバイスの単位体積当たりの発熱量が増加している。これら電子デバイスの駆動に伴って発生する熱を、効率よく系外に放出する手段として、セラミックス又は金属からなる回路基板が用いられている。特にパワーモジュールなどの用途においては、より高い放熱性が要求され、熱伝導率の高い金属基板の一方の側面の絶縁層を介して、銅箔などの配線パターンが形成されたアルミニウムベース回路基板が好ましいと考えられている。しかしながら、これらに用いられる絶縁層には、熱伝導率が小さいエポキシ樹脂のような樹脂と、放熱用の無機フィラーを混合した材料を用いるため、金属基板の高熱伝導率の特性を十分に生かしきれていなかった。
【0003】
特許文献1では、高い放熱性及び絶縁性を要する熱交換器の上に、アルミニウム単体をろう付けし、その上に、アルミニウムとマグネシウムを含む単体を載せ、窒素雰囲気下で加熱し、アルミニウムとマグネシウムと窒素とが反応した3元化合物を生成させ、熱伝導率が10[W/m・k]以上、抵抗率が5[Ω・cm]以上となるような材料の製造方法が開示されている。
【0004】
また、アルミニウムとマグネシウムと窒素が反応した3元化合物のうち、窒化アルミニウムは、高放熱及び絶縁性を有する材料として知られている。特許文献2では、マグネシウムを含むアルミニウム粉末を窒素雰囲気で加熱処理すると、熱伝導率が100[W/m・k]以上の窒化アルミニウム粉末が得られる製造方法が開示されている。
【0005】
アルミニウム材料は非常に活性で酸化しやすい金属であるため、表面には、酸化被膜が形成されており、これが窒化層の形成を阻害する。また、この酸化被膜は10
―5
Toor台の真空度では酸化が優先することから、非常に窒化しにくい材料である。これらの課題を解決するために、特許文献3ではマグネシウム及び珪素を含むアルミニウム合金(A6061)を、2×10
―4
Toorまで排気して加熱した後、窒素を導入させ窒化処理を施して、表面に窒化アルミニウムが析出した表面窒化改質部材が開示されている。
【0006】
さらに、特許文献4では、マグネシウムを含むアルミニウム粒子からなる窒化助剤粉末中に、純アルミニウム板を埋め込み、窒化処理を施すことで、高真空の真空装置を使用することなく、普通の窒化炉で、表面に深くかつ硬度の高い窒化層を形成したアルミニウム材及びその製造方法について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第5849650号公報
特開平10-291811号公報
特許第3559195号公報
特許第3214786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1~特許文献4に記載の方法では、窒化層の形成を促進させるために、表面の酸化被膜の厚みを薄くすることから、アルミニウムの融点に近い温度での加熱及び窒化処理を経ると、アルミニウムの融解が進み、材料のひずみが大きくなることが想定される。
【0009】
そこで、本開示の一実施形態は、窒化処理後の変形を抑制できるアルミニウム材の製造方法を提供することを目的とする。また、本開示の一実施形態は、上記アルミニウム材の製造方法によって製造されるアルミニウム材を用いた積層体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示は、以下の態様を含む。
<1>
マグネシウムを含むアルミニウム基材の表面に対して酸化処理を行う工程を含み、
アルミニウム基材の表面に絶縁層を有するアルミニウム材を製造する、アルミニウム材の製造方法。
<2>
マグネシウムの含有量は、アルミニウム基材の全量に対して、0.5質量%~5質量%である、<1>に記載のアルミニウム材の製造方法。
<3>
酸化処理を行う工程は、アルミニウム基材の表面に水酸化酸化アルミニウムを含む層を形成する工程と、水酸化酸化アルミニウムを含む層が形成されたアルミニウム基材を焼成する工程と、を含む、<1>又は<2>に記載のアルミニウム材の製造方法。
<4>
アルミニウム基材の表面に水酸化酸化アルミニウムを含む層を形成する工程では、70℃~100℃の熱水中に、アルミニウム基材を浸漬させる、<3>に記載のアルミニウム材の製造方法。
<5>
絶縁層は、酸化マグネシウム及び酸化アルミニウムを含む、<1>~<4>のいずれか1つに記載のアルミニウム材の製造方法。
<6>
絶縁層は、アルミニウム材の表面から厚さ方向に向かって、酸化アルミニウムを主成分として含む領域と、酸化マグネシウムを主成分として含む領域と、をこの順に含有する、<1>~<5>のいずれか1つに記載のアルミニウム材の製造方法。
<7>
酸化アルミニウムを主成分として含む領域の厚さは、0.5μm~200μmであり、
酸化マグネシウムを主成分として含む領域の厚さは、0.01μm~0.5μmである、<6>に記載のアルミニウム材の製造方法。
<8>
酸化処理を行う工程の後に、窒化処理を行う工程を含む、<1>~<7>のいずれか1つに記載のアルミニウム材の製造方法。
<9>
絶縁層は、窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、及び酸化アルミニウムを含む、<8>に記載のアルミニウム材の製造方法。
<10>
<1>~<9>のいずれか1つに記載のアルミニウム材の製造方法によって、アルミニウム基材の表面に絶縁層を有するアルミニウム材を製造する工程と、アルミニウム材の絶縁層上に樹脂層を形成する工程と、を含む積層体の製造方法。
<11>
<1>~<9>のいずれか1つに記載のアルミニウム材の製造方法によって、アルミニウム基材の表面に絶縁層を有するアルミニウム材を製造する工程と、アルミニウム材の絶縁層上に銅層を形成する工程と、を含む積層体の製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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