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公開番号2024046127
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-03
出願番号2022151328
出願日2022-09-22
発明の名称制振構造
出願人清水建設株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類E04H 9/02 20060101AFI20240327BHJP(建築物)
要約【課題】免震層を設けたり、柱や梁の断面サイズや接合形式を調整したりすることなく、地震や風荷重で生じる応答を低減できる制振構造を提供する。
【解決手段】建物2の中間層21に設けられた回転慣性質量ダンパー3と、建物2の中間層21に回転慣性質量ダンパー3と並列に設けられた減衰要素4と、を有し、回転慣性質量ダンパー3および減衰要素4の諸元は、建物2の1次振動モード形を2つに分割するとともに、2つに分割された1次振動モード形について回転慣性質量ダンパー3が設けられた層から上側の層27と、回転慣性質量ダンパー3が設けられた層よりも下側の層28と、に位相差を生じさせ、回転慣性質量ダンパー3が設けられた層よりも下側の層28の共振曲線において、長周期側の定点の高さが短周期側の定点の高さよりも低くなるように設定されている。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
建物の中間層に設けられた回転慣性質量ダンパーと、
前記建物の中間層に前記回転慣性質量ダンパーと並列に設けられた減衰要素と、を有し、
前記回転慣性質量ダンパーおよび前記減衰要素の諸元は、
前記建物の1次振動モード形を2つに分割するとともに、2つに分割された1次振動モード形について前記回転慣性質量ダンパーが設けられた層から上側の層と、前記回転慣性質量ダンパーが設けられた層よりも下側の層と、に位相差を生じさせ、
前記回転慣性質量ダンパーが設けられた層よりも下側の層の共振曲線において、長周期側の定点の高さが短周期側の定点の高さよりも低くなるように設定されている制振構造。
続きを表示(約 220 文字)【請求項2】
前記回転慣性質量ダンパーおよび前記減衰要素は、前記建物の中間層の連続する複数の層それぞれに設けられている請求項1に記載の制振構造。
【請求項3】
前記回転慣性質量ダンパーおよび前記減衰要素を設ける層には、所定値を超える層間変形を防止するフェールセーフ装置が設けられている請求項1または2に記載の制振構造。
【請求項4】
前記建物の塔状比は、4を超える請求項1または2に記載の制振構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、制振構造に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
都心の商業地域は、道路に面する間口の狭い敷地が多く、建物幅に対し建物高さが大きい塔状比の大きな建物が建設されることが多い。そうした塔状比の大きな建物の特徴として、地震や台風などの風荷重などの外乱によって生じる転倒モーメントが大きくなることが挙げられ、設計上において基礎の浮き上がりや杭の引抜けが問題になる。さらに、こうした間口の狭い敷地では、敷地境界に近接して高層建物を建設することも多く、大地震時には応答変形により敷地を越境して、隣接建物に衝突する懸念もあった。
【0003】
また、塔状比の大きな架構の特徴として、塔状比が小さい建物に比べて柱の変動軸力が大きくなり、柱の軸伸縮に起因して曲げ変形成分が卓越することが挙げられる。このため、せん断変形成分に対して作用する層間設置の制振ダンパーは、曲げ変形成分が大きくなると制振効果が薄れてしまうという課題があった。
【0004】
塔状比の大きな建物で問題となる転倒モーメントや曲げ変形は、主に1次モードに起因した応答値である。すなわち、1次モードの振幅を低減できれば転倒モーメントや曲げ変形の低減にもなる。しかしながら、層間設置の制振ダンパーは、先に述べたように、曲げ変形成分が卓越すると十分に効果を発揮出来ない。一方で、通常、風揺れ対策として建物頂部に設けるTMDは、曲げ変形にも有効であるが、地震に対して効果発揮させようとすると、風揺れ対策用のTMDの10倍以上の質量を有する錘にする必要があり、実状として、それだけの錘を建物屋上に設置するスペースを確保することが困難といった課題があった。
【0005】
TMDと同様に曲げ変形にも有効な制振方法として、建物の中間層に柔層を設け、建物上部と下部とを同調させて応答低減する方法がある(例えば、特許文献1参照)。一般に、柔層を設ける層は、免震層にしたり、柱や梁の断面サイズや接合形式を調整したりして層剛性を低下させる方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2007-2455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、同調を実現するために免震層を設けてしまうと、例えば、建物高さ制限のある地域では、1層分の居室面積が減少してしまい、建物価値の低下を招くという問題がある。また、同調を実現するために柱や梁の断面サイズや接合形式を調整しようとしても、例えば、建物の間口が狭く1スパンや2スパンで構成される架構では、調整できる柱や梁そのものの数が少なく、調整が困難なことがある。また、定点理論に従って柔層から上部と柔層よりも下部とを最適同調させ(定点の高さを揃え)ようとして柔層の層剛性を極端に低下させてしまうと、日常的な風や交通振動といった外乱に対して揺れやすくなり居住性を損なってしまうという問題もあった。
【0008】
本発明は、免震層を設けたり、柱や梁の断面サイズや接合形式を調整したりすることなく、地震や風荷重で生じる応答を低減できる制振構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る制振構造は、建物の中間層に設けられた回転慣性質量ダンパーと、前記建物の中間層に前記回転慣性質量ダンパーと並列に設けられた減衰要素と、を有し、前記回転慣性質量ダンパーおよび前記減衰要素の諸元は、前記建物の1次振動モード形を2つに分割するとともに、2つに分割された1次振動モード形について前記回転慣性質量ダンパーが設けられた層から上側の層と、前記回転慣性質量ダンパーが設けられた層よりも下側の層と、に位相差を生じさせ、前記回転慣性質量ダンパーが設けられた層よりも下側の層の共振曲線において、長周期側の定点の高さが短周期側の定点の高さよりも低くなるように設定されている。
【0010】
本発明では、建物の中間層に負剛性効果を持つ回転慣性質量ダンパーを設けることによって、免震層を設けたり、柱や梁の断面サイズや接合形式を調整したりすることなく、建物の中間層に柔層を設けることができる。
転倒モーメントや曲げ変形に大きな影響を及ぼす1次振動モード形を2つに分割するとともに、2つに分割された1次振動モード形について回転慣性質量ダンパーが設けられた層(柔層)から上側の層と、回転慣性質量ダンパーが設けられた層よりも下側の層と、に位相差を生じさせることによって、地震や風荷重で生じる応答を低減できる。これにより、地震や風荷重による基礎の浮き上がりや、杭の引抜けを抑制できる。
回転慣性質量ダンパーが設けられた層よりも下側の層の共振曲線において、長周期側の定点の高さが短周期側の定点の高さよりも低くなるように設定することによって、転倒モーメントや曲げ変形に影響の大きな周期の長い振動モードに起因した応答を低減できる。
本発明では、層間ダンパーの効果が薄れる曲げ変形が卓越する建物であっても、負剛性効果を持つ回転慣性質量ダンパーを設けた中間層にせん断変形を集中させることによって、同じ層に並列に設けた減衰要素で効率的にエネルギー吸収できる。
(【0011】以降は省略されています)

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