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公開番号2024045542
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-02
出願番号2024020675,2019201227
出願日2024-02-14,2019-11-06
発明の名称有機系処理物の亜臨界水処理装置
出願人G-8 INTERNATIONAL TRADING 株式会社
代理人個人,弁理士法人i.PARTNERS特許事務所
主分類B09B 3/45 20220101AFI20240326BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約【課題】処理ムラ無く、均等に処理が可能な、有機系処理物の亜臨界水処理装置の提供。
【解決手段】有機系の処理物を収容する密閉容器12と、原料を攪拌する攪拌手段30と、亜臨界水処理を行うための高温高圧の蒸気噴出手段14とを備え、密閉容器は両側端部の直径が中央部の直径より小さくされた横方向回転軸を回転中心とした回転体形状で形成された球体であり、攪拌手段は横方向に延び、横長ドラム体の両側端部に軸支された回転軸28と複数の攪拌羽根48を有し、回転軸は蒸気噴出手段の一部をなす内部空間を備えた中空管で形成されており、蒸気噴出手段は中空管の一端または両端から内部空間内に蒸気を供給するための蒸気供給手段を備え、中空管には蒸気を噴出するための多数の噴出孔44が形成されていることを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
内部に有機系の処理物を収容する閉鎖空間を有する密閉容器と、
この密閉容器内の原料を攪拌する攪拌手段と、
前記密閉容器内に、前記処理物の亜臨界水処理を行うための高温高圧の蒸気を噴出する蒸気噴出手段と、
を備え、
前記密閉容器は、両側端部の直径が中央部の直径より小さくされた横方向回転軸を回転中心とした回転体形状で形成された球体であり、前記攪拌手段は、前記回転体形状の密閉容器内を前記横方向回転軸と同軸に横方向に延び、両端において、前記密閉容器の両側端部に軸支された回転軸と、この回転軸に設けられた複数の攪拌羽根を有し、
前記回転軸は、前記蒸気噴出手段の一部をなす内部空間を備えた中空管で形成されており、
前記蒸気噴出手段は、前記中空管の一端、または両端から、前記内部空間内に蒸気を供給するための蒸気供給手段を備え、
前記中空管には、該中空管に供給された蒸気を、前記密閉容器内に噴出するための多数の噴出孔が形成されており、
前記蒸気供給手段は、その噴出孔のトータル開口面積が前記密閉容器の直径の大きさに応じて設定されており、
前記回転軸に設けられた前記噴出孔のトータル開口面積が、前記球体の直径が大きくなるにつれて大きく設定されている
ことを特徴とする亜臨界水処理装置。
続きを表示(約 150 文字)【請求項2】
請求項1に記載の亜臨界水処理装置を用いた有機系の処理物の亜臨界水処理方法であって、前記有機系の処理物を撹拌しつつ処理する際に、前記処理物に、該処理物の亜臨界水処理を行うための高温高圧の水蒸気を量的に均等に供給して、処理物を均一に処理することを特徴とする有機系の処理物の亜臨界水処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、有機系処理物(医療系処理物、家庭処理物、産業処理物等を含む)を高温高圧の蒸気を用いて処理(亜臨界水処理)する亜臨界水処理装置に関する。
続きを表示(約 4,200 文字)【背景技術】
【0002】
有機系処理物の処理方法として、例えば、密閉された容器内で処理物に高温高圧の水蒸気中で処理する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。従来の処理物を蒸気で処理する方法では、焼却処理する場合のように有害な窒素酸化物、硫黄酸化物等の発生がほとんどないとされており、環境汚染の問題がなく、安全な処理物処理を期待できるものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2000-33355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のように処理物を蒸気で処理する場合には、容器中に収容された処理物に蒸気が均等に当たらず、処理にむらが存在する場合があった。
【0005】
本発明は、処理物を処理ムラ無く、均等に処理が可能な有機系処理物の亜臨界水処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題は、下記(1)~(20)の構成の本発明による有機系処理物の亜臨界水処理装置および亜臨界水処理方法により達成される。
(1)
内部に有機系の処理物を収容する閉鎖空間を有する密閉容器と、
この密閉容器内の原料を攪拌する攪拌手段と、
前記密閉容器内に、前記処理物の亜臨界水処理を行うための高温高圧の蒸気を噴出する蒸気噴出手段と、
を備え、
前記密閉容器は、両側端部の直径が中央部の直径より小さくされた横方向回転軸を回転中心とした回転体形状で形成された球体であり、前記攪拌手段は、前記回転体形状の密閉容器内を前記横方向回転軸と同軸に横方向に延び、両端において、前記密閉容器の両側端部に軸支された回転軸と、この回転軸に設けられた複数の攪拌羽根を有し、
前記回転軸は、前記蒸気噴出手段の一部をなす内部空間を備えた中空管で形成されており、
前記蒸気噴出手段は、前記中空管の一端、または両端から、前記内部空間内に蒸気を供給するための蒸気供給手段を備え、
前記中空管には、該中空管に供給された蒸気を、前記密閉容器内に噴出するための多数の噴出孔が形成されており、
前記蒸気供給手段は、その噴出孔のトータル開口面積が前記密閉容器の直径の大きさに応じて設定されており、
前記回転軸に設けられた前記噴出孔のトータル開口面積が、前記球体の直径が大きくなるにつれて大きく設定されている
ことを特徴とする亜臨界水処理装置。
(2)
前記噴出孔のそれぞれの直径を大きくすることにより、単位面積当たりの前記噴出孔のトータル開口面積を大きくした前記(1)の亜臨界水処理装置。
(3)
単位面積当たりの前記噴出孔の数を多くすることにより、単位面積当たりの前記噴出孔 のトータル開口面積を大きくした前記(1)の亜臨界水処理装置。
(4)
前記噴出孔の配置ピッチを小さくすることにより、単位面積当たりの前記噴出孔のトータル開口面積を大きくした前記(3)の亜臨界水処理装置。
(5)
単位面積当たりの前記噴出孔の数を多くするとともに、前記噴出孔の直径を大きくすることにより、単位面積当たりの前記噴出孔のトータル開口面積を大きくした前記(1)の亜臨界水処理装置。
(6)
前記密閉容器は、架台上に載設され、処理物の投入部と、処理後の処理物を排出する排出部を備え、前記排出部が、密閉容器の横長ドラム体の中央部の下面側に設けられている 前記(1)~(5)のいずれかの亜臨界水処理装置。
(7)
前記排出部は、前記密閉容器に設けられた排出口と、この排出口に接続され、排出経路を形成する排出筒と、この排出筒の途中に設けられた開閉機構を備えている前記(6)の亜臨界水処理装置。
(8)
処理された処理物と液体とを分離して回収する分離回収手段をさらに備え、前記分離回収手段は、密閉容器の閉鎖空間とは異なる他の閉鎖空間を有し、排出口を介して該密閉容 器内部に連通する液体の回収部と、密閉容器内の液体のみ排出口を介して自然流下により回収部へ回収させる自然流下回収機構と、を有する前記(7)の亜臨界水処理装置。
(9)
前記自然流下回収機構は、液体の回収操作前に、密閉容器の閉鎖空間と回収部の閉鎖空間とを同圧にさせる同圧形成手段を備えている前記(8)の亜臨界水処理装置。
(10)
前記同圧形成手段は、排出口を介した液体の回収経路と異なる別の経路で密閉容器の閉鎖空間と回収部の閉鎖空間とを連通させる同圧連通管を有する前記(9)記載の亜臨界水処理装置。
(11)
別の経路を有する前記同圧連通管と前記密閉容器との連通は、密閉容器側に設定された連通接続部を介して行なわれる前記(10)の亜臨界水処理装置。
(12)
前記自然流下回収機構は、密閉容器の排出口と回収部とを連通接続する液体回収流路を含み、該液体回収流路は排出口との連通側から回収部側に向けて、水平又は下り傾斜状に設けられている前記(8)~(11)のいずれかの亜臨界水処理装置。
(13)
前記排出口には排出経路を形成する排出筒が設けられ、該排出経路途中に開閉機構が設 けられ、開閉機構よりも排出経路上流側に液体回収流路の液体導入口が連通接続されている前記(12)の亜臨界水処理装置。
(14)
前記液体回収流路には、密閉容器内での処理物の処理中には流路を遮断するとともに、処理後に液体のみを回収する際には流路を連通させるように連通状態を選択的に切り替える開閉機構が設けられている前記(12)または(13)の亜臨界水処理装置。
(15)
前記回収部の閉鎖空間の底面が密閉容器の排出口の位置より低く設けられている前記(8)~(14)のいずれかの亜臨界水処理装置。
(16)
前記回収部は、その閉鎖空間内に回収した液体の液面が常に排出口より低くなるように設けられている前記(8)~(15)のいずれかの亜臨界水処理装置。
(17)
前記処理用の密閉容器が、処理物の投入部と、処理後の処理物を排出する排出部を兼ねる投入兼排出部を備えているとともに、処理物の投入時、および処理時には、前記投入兼排出部が上方に配置される処理物投入・処理位置と、処理済み処理物を排出するため、前 記投入兼排出部が上方に配置される処理物排出位置とを取りうるように、前記横方向回転 軸周りに180度回転可能に構成されている前記(1)~(16)のいずれかの亜臨界水処理装置。
(18) 前記投入部が、処置物を前記処理用の密閉容器内に投入する前に破砕する破砕手段を備えている前記(17)の亜臨界水処理装置。
(19)
前記開閉機構は、処理された処理物と液体とを分離して回収する分離回収手段の一部を構成している前記(7)の亜臨界水処理装置。
(20)
前記(1)~(19)のいずれかの亜臨界水処理装置を用いた有機系の処理物の亜臨界水処理方法であって、前記有機系の処理物を撹拌しつつ処理する際に、前記処理物に、該処理物の亜臨界水処理を行うための高温高圧の水蒸気を量的に均等に供給して、処理物を均一に処理することを特徴とする有機系の処理物の亜臨界水処理方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明の有機系処理物の亜臨界水処理装置によれば、蒸気噴出手段からの蒸気が、密閉容器内の処理物の量の分布に応じて、蒸気の噴を調整するようにしたので、処理物の処理を均等にかつ充分に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の実施の態様による有機系処理物の亜臨界水処理装置の構造を説明するための断面図である。
図1に示した亜臨界水処理装置の蒸気噴出手段に用いられる中空管の一例を示す展開図である。
中空管の他の例を示す展開図である。
中空管の更に他の例を示す展開図である。
図1に示した亜臨界水処理装置の原料の投入部の変形例を示す図である。
本発明の他の実施の態様による有機系処理物の亜臨界水処理装置の構造を説明するための断面図である。
図5に示した亜臨界水処理装置の密閉容器を180度回転(上下反転)させたときの状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施形態による亜臨界水処理装置10について説明する。
亜臨界水処理装置10は、図1に示したように、内部に、原料である有機系の処理物を収容する閉鎖空間S1を有する密閉容器12と、この密閉容器内の原料を攪拌する攪拌手段30と、前記処理物を亜臨界水処理するための高温高圧の蒸気を噴出する蒸気噴出手段14を備えている。前記密閉容器12は、両側端部の直径が中央部の直径より大きくされた横方向回転軸を回転中心とした回転体形状で形成された形態に形成されている。具体的には、直径が両側端部から中央部へ向け順次拡径されて樽状に形成された横長ドラム体(回転楕円体)や球体の形状とされるのが好ましい。要は、その下面が左右方向中心に向かって徐々に斜め下方に傾斜している形状であれば、どのような形状であってもよいが、上記横長ドラム体であることが最も好ましい。この理由から以下の説明では、密閉容器を横長ドラム体として説明する。
【0010】
前記攪拌手段30は、前記横長ドラム体内を横方向に延び、両端において、前記横長ドラム体の両側端部に軸支された回転軸28と、この回転軸に設けられた複数の攪拌羽根48を有している。撹拌羽根48の回転軸28から羽根先端までの長さは、密閉容器12の横長ドラム体の樽型形状に対応して、回転軸28の長手方向の中央位置で長く、両端側に行くにしたがって次第に短くなるように形成されている。
(【0011】以降は省略されています)

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