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公開番号2024042206
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-28
出願番号2022146764
出願日2022-09-15
発明の名称液晶ポリエステル樹脂成形体の製造方法及び液晶ポリエステル樹脂成形体
出願人住友化学株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類B29C 45/46 20060101AFI20240321BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】ウエルドの強度をより向上させることのできる液晶ポリエステル樹脂成形体の製造方法、及び当該製造方法を用いて製造される液晶ポリエステル樹脂成形体の提供。
【解決手段】液晶ポリエステル樹脂と充填剤とを含有する液晶ポリエステル樹脂組成物から、射出成形により液晶ポリエステル樹脂成形体を製造する方法であって、2つ以上のゲートを備えるホットランナーを有する金型を搭載した射出成形機を用い、前記2つ以上のゲートのうち、少なくとも2つのゲートから、溶融した前記液晶ポリエステル樹脂組成物を前記金型が備える同一のキャビティに異なるタイミングでそれぞれ一回ずつ射出して、ウエルドを有する液晶ポリエステル樹脂成形体を成形する、液晶ポリエステル樹脂成形体の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
液晶ポリエステル樹脂と充填剤とを含有する液晶ポリエステル樹脂組成物から、射出成形により液晶ポリエステル樹脂成形体を製造する方法であって、
２つ以上のゲートを備えるホットランナーを有する金型を搭載した射出成形機を用い、前記２つ以上のゲートのうち、少なくとも２つのゲートから、溶融した前記液晶ポリエステル樹脂組成物を前記金型が備える同一のキャビティに異なるタイミングでそれぞれ一回ずつ射出して、ウエルドを有する液晶ポリエステル樹脂成形体を成形する、液晶ポリエステル樹脂成形体の製造方法。
続きを表示（約 390 文字）【請求項２】
前記異なるタイミングの時間差は、１．５ｓ以下である、請求項１に記載の液晶ポリエステル樹脂成形体の製造方法。
【請求項３】
前記充填剤は、繊維状充填剤である、請求項１又は２に記載の液晶ポリエステル樹脂成形体の製造方法。
【請求項４】
前記繊維状充填剤の加重平均繊維長は、１ｍｍ以上である、請求項３に記載の液晶ポリエステル樹脂成形体の製造方法。
【請求項５】
液晶ポリエステル樹脂と充填剤とを含有する液晶ポリエステル樹脂成形体であって、
前記液晶ポリエステル樹脂成形体はウエルドを有し、
前記液晶ポリエステル樹脂成形体はウエルドを挟む表面粗さの異なる面１と、面２とを有し、
前記面１の二乗平均平方根高さと、前記面２の二乗平均平方根高さとの差の絶対値が、５μｍ以上である、液晶ポリエステル樹脂成形体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、液晶ポリエステル樹脂成形体の製造方法及び液晶ポリエステル樹脂成形体に関する。
続きを表示（約 2,300 文字）【背景技術】
【０００２】
射出成形において、複数のゲートから流入した溶融材料の合流部（ウエルド）では、溶融材料の流れが溶融材料の合流面に沿った方向になってしまうため、溶融材料同士が混ざり合いにくく、強度等の機械的特性が低下してしまうという問題がある。
特に、成形材料として、液晶ポリエステル樹脂を用いた場合、液晶ポリエステル樹脂は、固化速度が速く異方性も大きいため、ウエルドの機械的特性の低下が顕著になる。さらに、成形材料が充填剤を含有する場合は、ウエルドの機械的特性の低下がより顕著になる。
【０００３】
ウエルドの機械的特性の低下を解決する手段として、特許文献１には、液晶ポリエステルと、充填剤とを含有する樹脂組成物を射出成形された電子機器筐体であって、前記電子機器筐体の投影面積を、前記電子機器筐体の表面の樹脂組成物の充填ゲート痕の個数で除した、前記充填ゲート痕１つ当たりの投影面積が１００ｃｍ
２
以上であり、前記充填ゲート痕１つ当たりの投影面積（ｃｍ
２
）を電子機器筐体の平均厚み（ｃｍ）で除した比が１０００以上であり、前記電子機器筐体の平均厚みが０．０１ｃｍを超え０．２ｃｍ以下であり、さらに、前記液晶ポリエステルは、複数の特定の繰返し単位を有する、電子機器筐体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
国際公開２０１７／０４３５２４号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、特許文献１に記載されているような電子機器筐体においては、ウエルドライン数の低減については検討されているが、ウエルドの強度低下の抑制については改善の余地がある。
【０００６】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ウエルドの強度をより向上させることのできる液晶ポリエステル樹脂成形体の製造方法、及び当該製造方法を用いて製造される液晶ポリエステル樹脂成形体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明者らは、液晶ポリエステル樹脂と充填剤とを含有する液晶ポリエステル樹脂組成物から、射出成形により液晶ポリエステル樹脂成形体を製造する方法において、２つ以上のゲートを有するホットランナーを有する金型を搭載した射出成形機における前記２つ以上のゲートから溶融した前記液晶ポリエステル樹脂組成物を射出するタイミングについて検討を行った。その結果、従来の液晶ポリエステル樹脂成形体の製造方法とは異なり、前記２つ以上のゲートから溶融した前記液晶ポリエステル樹脂組成物を射出するタイミングを異ならせることによって、ウエルドの強度をより向上させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記の課題を解決するため、本発明は以下の態様を包含する。
【０００８】
［１］液晶ポリエステル樹脂と充填剤とを含有する液晶ポリエステル樹脂組成物から、射出成形により液晶ポリエステル樹脂成形体を製造する方法であって、２つ以上のゲートを備えるホットランナーを有する金型を搭載した射出成形機を用い、前記２つ以上のゲートのうち、少なくとも２つのゲートから、溶融した前記液晶ポリエステル樹脂組成物を前記金型が備える同一のキャビティに異なるタイミングでそれぞれ一回ずつ射出して、ウエルドを有する液晶ポリエステル樹脂成形体を成形する、液晶ポリエステル樹脂成形体の製造方法。
［２］前記異なるタイミングの時間差は、１．５ｓ以下である、［１］に記載の液晶ポリエステル樹脂成形体の製造方法。
［３］前記充填剤は、繊維状充填剤である、［１］又は［２］に記載の液晶ポリエステル樹脂成形体の製造方法。
［４］前記繊維状充填剤の加重平均繊維長は、１ｍｍ以上である、［３］に記載の液晶ポリエステル樹脂成形体の製造方法。
［５］液晶ポリエステル樹脂と充填剤とを含有する液晶ポリエステル樹脂成形体であって、前記液晶ポリエステル樹脂成形体はウエルドを有し、前記液晶ポリエステル樹脂成形体はウエルドを挟む表面粗さの異なる面１と、面２とを有し、前記面１の二乗平均平方根高さと、前記面２の二乗平均平方根高さとの差の絶対値が、５μｍ以上である、液晶ポリエステル樹脂成形体。
【発明の効果】
【０００９】
本発明によれば、ウエルドの強度をより向上させることのできる液晶ポリエステル樹脂成形体の製造方法、及び当該製造方法を用いて製造される液晶ポリエステル樹脂成形体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
射出成形機の一例を示す模式図である。
溶融した液晶ポリエステル樹脂組成物の合流状態を説明するための模式図である。
溶融した液晶ポリエステル樹脂組成物の合流状態を説明するための模式図である。
溶融した液晶ポリエステル樹脂組成物の合流状態を説明するための模式図である。
樹脂ペレットの製造装置の一例を示す模式図である。
実施例で成形するＰＣ筐体ロアカバーを示す模式図である。
実施例で成形するＰＣ筐体ロアカバーのゲート位置を示す模式図である。
ウエルド引張強度の評価で用いる試験片を作成するための切り出し位置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
（【００１１】以降は省略されています）

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