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公開番号2024037109
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-18
出願番号2022141782
出願日2022-09-06
発明の名称分析容器、前処理方法、代謝物解析方法、タンパク質解析方法、及び質量分析方法
出願人国立大学法人九州大学,国立大学法人 新潟大学,ヨダカ技研株式会社
代理人個人
主分類G01N 1/00 20060101AFI20240311BHJP(測定;試験)
要約【課題】1個~100個程度の細胞を含む少量のサンプルを分析する場合にも、サンプルの蒸発を抑制すると共に、質量分析の効率化を実現させる分析容器及び前処理方法と、該前処理方法を活かした代謝物解析方法及びタンパク質解析方法を提供すること。
【解決手段】開口端から閉塞端に向けて延伸し、断面視円形状の内側面が開口端から閉塞端に向けて狭くなるように形成された分析容器。分析容器は、内部が段差なく滑らかに形成されている。分析容器は、全長が5.0mm以上30.0mm以下で、かつ内容量が10.0μL以上45.0μL以下となるように形成される。分析容器は、内部の底端部から3.0mmの高さにおける内径が、0.5mm以上0.8mm以下である。分析容器は、1.0μLの溶液を注入したときの、内部の底端部から液面までの高さが、2.0mm以上4.0mm以下である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
開口端から閉塞端に向けて延伸し、断面視円形状の内側面が前記開口端から前記閉塞端に向けて狭くなるように形成された分析容器であって、
全長が5.0mm以上30.0mm以下で、かつ内容量が10.0μL以上45.0μL以下であり、
内部の底端部である内底端から3.0mmの高さにおける内径が、0.5mm以上0.8mm以下であり、
1.0μLの溶液を注入したときの前記内底端から液面までの高さが、2.0mm以上4.0mm以下であり、
内部は、段差なく滑らかに形成されている、分析容器。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
全長が10.0mm以上20.0mm以下であり、
前記内底端から6.0mmの高さにおける内径が0.6mm以上1.0mm以下であり、
5.0μLの溶液を注入したときの前記内底端から液面までの高さが4.0mm以上7.0mm以下である、請求項1に記載の分析容器。
【請求項3】
全長が12.0mm以上20.0mm以下であり、
10.0μLの溶液を注入したときの前記内底端から液面までの高さが5.0mm以上10.0mm以下である、請求項1に記載の分析容器。
【請求項4】
前記底端部から内径0.4mmの位置までの距離が、0.05mm~0.15mmとなるように形成されている、請求項1に記載の分析容器。
【請求項5】
前記開口端から延伸方向における中央の箇所までを構成する筒状部と、
前記筒状部の下端から前記閉塞端までを構成するテーパ状部と、を有し、
前記テーパ状部は、
前記筒状部の下端から当該テーパ状部の前記延伸方向における中央の箇所までを構成する狭窄部と、
前記狭窄部の下端から前記閉塞端の上端までを構成する細下部と、を有し、
前記狭窄部における内径の減少率は、10%以上35%以下であり、
前記細下部における内径の減少率は、5%以上20%以下であり、
前記狭窄部における内径の減少率は、前記細下部における内径の減少率よりも大きくなっている、請求項1に記載の分析容器。
【請求項6】
前記筒状部は、
前記開口端を含む口部と、
前記口部から前記テーパ状部まで延伸する中継部と、を有し、
前記口部は、
前記中継部の壁厚の3倍以上5倍以下の壁厚となるように形成されている、請求項5に記載の分析容器。
【請求項7】
請求項1~6の何れか一項に記載の分析容器に、1個以上100個以下の細胞を含むサンプルを注入するサンプル注入工程と、
前記サンプルが注入された前記分析容器に、予め設定さられた規定量のアルコールを注入するアルコール注入工程と、
前記分析容器を遠心機にかけて、前記分析容器の内容物を、代謝物が多く含まれる液層と、タンパク質が多く含まれる沈殿層とに分離する分離工程と、を有する、
前記液層及び前記沈殿層のうちの少なくとも一方の質量分析のための、前処理方法。
【請求項8】
請求項1~6の何れか一項に記載の分析容器に、予め設定さられた規定量のアルコールを注入するアルコール注入工程と、
前記アルコールが注入された前記分析容器に、1個以上100個以下の細胞を含むサンプルを注入するサンプル注入工程と、
前記分析容器を遠心機にかけて、前記分析容器の内容物を、代謝物が多く含まれる液層と、タンパク質が多く含まれる沈殿層とに分離する分離工程と、を有する、
前記液層及び前記沈殿層のうちの少なくとも一方の質量分析のための、前処理方法。
【請求項9】
前記アルコール注入工程では、
前記分析容器に、2μL以上10μL以下に設定された前記規定量の、前記アルコールとしてのメタノールを注入する、請求項7に記載の前処理方法。
【請求項10】
前記サンプル注入工程及び前記アルコール注入工程の後、前記分離工程の前に、
前記分析容器の内容物を攪拌し、細胞中のタンパク質を変性させる攪拌工程をさらに有する、請求項7に記載の前処理方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、代謝物やタンパク質を分析する際に用いる分析容器と、該分析に係る前処理方法、代謝物解析方法、タンパク質解析方法、及び質量分析方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
1細胞レベルでの遺伝子、タンパク質、代謝物の解析を行う1細胞研究は、生命科学の分野で、世界的にも重要視されている研究の一つである。
【0003】
例えば、米国では、2017年より、ヒトの全身細胞を1細胞単位で計測する「Human Cell Atlas」というプロジェクトを推進しており(Rozenblatt-Rosen O et al., Nature, 2017)、2019年からは、新たに「The Human BioMolecular Atlas Program(HuBMAP)by NIH」というプロジェクトが始まっている(HuBMAP Consotium, Nature, 2019)。また、欧州でも、「Life Time Initiative」という1細胞研究に関するプロジェクトが開始されている。
【0004】
日本においても、2018年9月に、JST-CRDS(科学技術振興機構-研究開発戦略センター)より、「ライブセルアトラス」という1細胞単位での技術開発を重視していく報告書が発表されている。
【0005】
1細胞研究における具体的な研究対象としては、下記(1)~(10)のような例が挙げられる。
(1)病気の解明・治療方法
(2)病気の診断
(3)がんの薬剤耐性が個々の細胞ごとに異なる不均一性に関する研究
(4)免疫細胞の機能解析
(5)再生医療で用いるiPS細胞、ES細胞の機能解析
(6)バイオ医薬品で用いる抗体産生細胞のクローニング
(7)新規有用微生物の探索
(8)分化、発生の研究
(9)魚類、甲殻類等の完全養殖研究
(10)植物育種、機能研究
【0006】
このように、世界のライフサイエンス分野において盛んに取り扱われている1細胞研究は、上記のような研究対象の多様性・有用性と相俟って、今後更なる発展が予想される。
【0007】
ところで、近年の分子生物学的研究においては、細胞を集団で扱うことで個別事象には目をつむり、平均化された遺伝子発現量の結果を比較するという手法を採ってきた。しかし、そのような手法では、個々の細胞各々が有する性質の他、細胞ごとの経時的な変化や多様性を無視することになるため、疾患の発症メカニズムや原因究明に関わる重要なイベントを見逃している可能性が高い。
【0008】
とは言え、上記のような重要なイベントを観察するためには、蛍光色素の開発と共に、顕微鏡イメージングシステム(タイムラプス)で用いるカメラ・ソフトウェアの高性能化及び低価格化などが必要となるため、1細胞研究の世界的な拡散には至っていなかった。ところが、この数十年の間に、技術の飛躍的な向上とコストダウンが実現され、生命科学の分野に1細胞研究が広まった。
【0009】
1細胞研究に係る技術を用いて実際に、培養細胞の観察や、実験動物から抽出した組織の観察を行うと、全細胞中において、1個あるいは数十個の細胞のみが、ある特定のフェノタイプ(表現型)を有するタイミングが存在することが分かってきた。
【0010】
このような特定のフェノタイプをもつ少数細胞の内的要因を調べる場合は、遺伝子発現の網羅的解析(トランスクリプトミクス)、タンパク質の網羅的解析(プロテオミクス)、あるいは代謝物の網羅的解析(メタボロミクス)が行われる。こうした解析を行うためには、培養細胞や抽出した組織から特定の構造や機能を有する少数細胞を、蛍光色素などを用いて分類判別し、該少数細胞だけを正確に分離・回収する必要がある。この点、近年の世界的な1細胞研究に関するプロジェクトなどに起因して、少数の細胞を分離・回収するセルソータやピッキング装置が開発されており、これにより、上記のような網羅的解析も実現化されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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