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公開番号2024022538
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-16
出願番号2023126202
出願日2023-08-02
発明の名称空気織機用緯糸自動除去装置および関連方法
出願人イテマ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ,ITEMA S.p.A.
代理人個人,個人,個人
主分類D03D 51/00 20060101AFI20240208BHJP(織成)
要約【課題】空気織機の杼口から誤った緯糸を自動的に除去するための装置を提供する。
【解決手段】誤った緯糸(T)の空気圧式または空気圧機械式の引抜装置(D)と、杼口からの緯糸(T)の引き抜き中に、引抜装置(D)によって緯糸(T)に付与される張力(F)の変化を検出するテンシオメータ(1)とを含む。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
空気織機の杼口から誤った緯糸を自動的に除去するための装置であって、誤った緯糸(T)の空気圧式または空気機械式の引抜装置(D)、前記引抜装置(D)の上流に配置され、杼口から緯糸(T)を取り出す工程中に、前記引抜装置(D)によって緯糸(T)に与えられる張力(F)の変化を検出するテンシオメータ(1)、および緯糸(T)の張力(F)の変化を処理し、前記張力(F)の変化が設定された閾値条件を満たした場合に織機の自動再始動を無効にする処理ユニット、を含むタイプであり、前記テンシオメータ(1)は、緯糸(T)をその直線軌道から逸らすガイド要素(2)と、前記ガイド要素(2)の間に介在し、緯糸(T)の張力(F)の変化を検出する感知要素(3、4)と、を含み、
前記テンシオメータ(1)は、緯糸の挿入方向に垂直な方向に移動可能なキャリッジに取り付けられており、誤った緯糸の挿入が検出された場合に、前記ガイド要素(2)および前記感知要素(3、4)が誤った緯糸(T)に接触するまで、緯糸(T)に接近させられることを特徴とする空気織機の杼口から誤った緯糸を自動的に除去するための装置。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記テンシオメータ(1)が緯糸(T)に接近させられる間に、緯糸(T)を遮って前記ガイド要素(2)上および前記感知要素(3、4)上に導く、前記テンシオメータ(1)と一体の、少なくとも1つのV字形フォークをさらに含む請求項1に記載の空気織機の杼口から誤った緯糸を自動的に除去するための装置。
【請求項3】
前記感知素子(3、4)は、緯糸(T)の走行方向に対して垂直な方向に配置されたローラフィーラ(3)と、前記ローラフィーラ(3)と一体のロードセル(4)と、を含む請求項2に記載の空気織機の杼口から誤った緯糸を自動的に除去するための装置。
【請求項4】
前記閾値条件は、前記緯糸(T)の張力(F)の瞬時値が緯糸(T)の安全張力(Ft)より大きい場合に行われる請求項1~3のいずれか1項に記載の空気織機の杼口から誤った緯糸を自動的に除去するための装置。
【請求項5】
前記閾値条件は、以下の条件:
i.前記緯糸(T)の張力(F)の瞬時値が、緯糸(T)の安全張力(Ft)よりも大きいこと、および、
ii.前記緯糸(T)の張力(F)の、時間に対する導関数(dF)が負のピークであること、
が同時に発生したときに行われる請求項1~3のいずれか1項に記載の空気織機の杼口から誤った緯糸を自動的に除去するための装置。
【請求項6】
前記テンシオメータ(1)は、その内部を走行する緯糸(T)の張力(F)を測定し、緯糸(T)の前記張力(F)に比例する電気信号を発生するのに適した電子装置を含む請求項1~5のいずれか1項に記載の空気織機の杼口から誤った緯糸を自動的に除去するための装置。
【請求項7】
誤った緯糸(T)の空気圧式または空気機械式の引抜装置(D)を含む、空気織機の杼口から誤った緯糸を自動的に除去するための方法であって、
a.引抜装置(D)の上流に配置されたテンシオメータ(1)の手段により、杼口からの緯糸(T)の引き抜き中に、引抜装置(D)によって緯糸(T)に与えられる張力(F)の変化を検出する工程;
b.処理ユニットにおいて、前記張力(F)の変化を、設定された閾値条件と比較する工程;
c.前記閾値条件が満たされた場合に、織機の自動再起動を無効にする工程;および同時に、
d.誤った緯糸を手動で除去するために、オペレータに警告信号を発する工程、
を含み、
前記閾値条件は、以下の条件:
i.緯糸(T)の張力(F)の瞬間値が、緯糸(T)の安全張力(Ft)よりも大きいこと、および、
ii.前記緯糸(T)の張力(F)の、時間に対する導関数(dF)が負のピークであること、
が同時に起きた場合に起きることを特徴とする方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、空気織機用、特に空気織機用の、誤った緯糸の自動除去用装置および関連方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【0002】
特に、本発明の緯糸の自動除去装置は、誤った緯糸の挿入が合図され、その結果織機が停止した後に起動され、緯糸を杼口(shed)から除去し、同時にその除去が正しく完全に行われたことを確認する。このテストの結果が否定的であった場合、織機を再始動させるための同意信号は送信されず、代わりに、オペレータが手動で除去を行うよう作動させるための警告信号が送信され、こうして、杼口に絡まった可能性のある緯糸部分によって引き起こされる、製造された織物の欠陥の発生が回避される。
【背景技術】
【0003】
空気織機では、織機の片側(通常、織工の通常の作業位置から見て左側)から特別なノズルによって発射され、筬に形成された専用チャネル内の杼口を横切る緯糸が、織機の反対側(右側)に正しく到着しないことが起こり得る。このように緯糸が正しく挿入されない原因は、緯糸搬送システムの供給圧力の誤り、緯糸搬送システムの空気ジェットの作動タイミングの誤り、緯糸が筬チャネルに沿って配置された機械要素や経糸と干渉するなどの複数の原因が考えられるが、最終的には、緯糸が折れるか、緯糸が短くなるかの2つの具体的なケースに帰着する。このような結果は、織機の右側で緯糸経路に沿って配置された2つの光学センサ、すなわち緯糸自由端の規則的な到着が予想される地点の上流にある第1の光学センサと、その地点の下流にある第2の光学センサによって検証される。
【0004】
緯糸が正しく挿入されている場合、第1の光学センサは予想される時間内に緯糸が到着したことを検出するが、第2の光学センサは、その反対側の端に作用して緯糸の前進が機械的に停止されるため、何も検出しない。一方、緯糸が切れた場合、織機の左側で緯糸を機械的に停止させても、切れた緯糸には何の影響もなく、緯糸は走行を続け、第1と第2の光学センサによって連続して検出される。緯糸が短い場合、すなわち緯糸が織機に絡まった場合、緯糸の先端は、少なくとも設定された時間内は、2つの光学センサのいずれによっても織機の右側で検出されない。
【0005】
上記のような緯糸の誤挿入の全ての場合、織機制御システムがエラーを検出すると直ちにアラームが作動し、進行中の作業サイクルが中断され、誤挿入された緯糸の自動除去手順が開始される。織機内に残された緯糸を自動的に除去する手順は、緯糸搬送用の補助ノズルの噴射と、緯糸を引っ張るための機械式および/または空気圧式装置の複合的かつ協調的な動作から構成される。
【0006】
一旦、自動除去手順が成功裏に完了し、誤った緯糸が織機から取り外されると、織機の自動再始動が可能になり、それゆえに織物に欠陥が残ることは無い。一方で、自動緯糸除去手順が設定時間内に緯糸除去を完了できない場合、織機の自動再起動は作動せず、オペレータの介入により手動で緯糸を除去し、織機を再起動することが要求される。
【0007】
市場で入手可能な緯糸の自動除去装置は2つの系列に分けられ、緯糸の相互作用と引っ張り方によって識別することができる。第1の系列はもっぱら空気圧装置からなり、第2の系列はさらに緯糸の引っ張り動作を行う機械装置を含む。
【0008】
図1に模式的に示された、完全に空気圧による自動除去手順の場合、筬Rのチャネルに沿って配置された補助ノズルが同時に断続的に噴射し、緯糸Tを、空気圧装置Aと共に上述の2つの光学センサ(S1;S2)が設けられている織機の右側に向かって徐々に移動させる。空気圧装置Aが作動すると、それに近づく誤った緯糸に引っ張り力Fを発生させ、これらの装置全体が及ぼす空気圧による引っ張り作用のおかげで、緯糸Tが徐々に杼口から除去される。空気圧装置Aの直前に配置された光学センサS2は、緯糸Tが引き抜かれている間、緯糸Tの内部での走行を監視し、織機の電子制御システムが自動引き抜き手順の結果を確認できるようにする。
【0009】
実際、緯糸の尾端が設定時間内に第2の光学センサS2の制御領域から消えた場合、緯糸の除去は成功したとみなされ、織機の自動再起動が可能になる。緯糸Tの尾端が前記設定時間内に第2の光学センサS2の制御領域から消えない場合、自動除去手順は失敗したとみなされ、したがって織機の自動再起動は、オペレータによる手動介入があるまで抑制されたままである。
【0010】
図2に概略的に示されている、空気圧と機械的操作を組み合わせた装置の場合、緯糸Tの先端が空気圧装置Aに到達した後、緯糸Tがどのように引っ張られるかを除けば、引き抜きサイクルは実質的に同じである。実際、最初に装置Aの空気圧作用によって引きずられた後、上述した装置と完全に類似した方法で、この複合装置では、引き抜かれる緯糸の先端は、対向して回転する一対のシリンダーCの間に挟まれ、このシリンダーCは、設定された接触力で前記先端に接近し、反対方向に回転することによって、装置Aによって発生する空気圧力に付加される機械的な引っ張り力を発揮する。空気圧と機械的作用が組み合わされたこのような自動取外し装置は、特に緯糸が杼口内で激しく絡み合っている状況において、緯糸Tの取外しにおいてより高い効率を保証することは明らかである。
(【0011】以降は省略されています)

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