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公開番号2024021087
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-16
出願番号2021000393
出願日2021-01-05
発明の名称赤外線吸収剤を含む難燃性布帛及びその繊維製品
出願人株式会社カネカ
代理人
主分類D03D 15/20 20210101AFI20240208BHJP(織成)
要約【課題】近赤外線性の透過性に優れた難燃性布帛及びそれを用いた繊維製品を提供する。
【解決手段】少なくとも難燃剤としてアンチモン系化合物を含む難燃性布帛であって、布帛全重量に対してカーボンブラックを含まず赤外線吸収剤を1重量%以上20重量%以下含み、近赤外線の透過率が11%未満であり布帛の遮熱率が40%以上であることを特徴とする、難燃剤及び赤外線吸収剤を含むアクリル系繊維、セルロース系繊維、およびポリエステル系繊維の少なくともいずれか一つからなる難燃性布帛とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
所定の繊維から構成される難燃性布帛であって、布帛全重量に対して赤外線吸収剤を1重量%以上20重量%以下含み、近赤外線の透過率が11%未満であることを特徴とする、赤外線吸収剤を含む難燃性布帛。
続きを表示(約 450 文字)【請求項2】
難燃性布帛は、アクリル系繊維、セルロース系繊維、およびポリエステル系繊維を少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする、請求項1に記載の赤外線吸収剤を含む難燃性布帛。
【請求項3】
繊維の内部に、赤外線吸収剤が均一に分散されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の難燃性布帛。
【請求項4】
アクリル系繊維は、少なくとも難燃剤としてアンチモン系化合物を含むことを特徴とする、請求項2~3のいずれかに記載の繊維を含む難燃性布帛。
【請求項5】
赤外線吸収剤は、カーボンブラックを含まないことを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の赤外線吸収剤を含む難燃性布帛。
【請求項6】
赤外線吸収剤を含む布帛の遮熱率が40%以上であることを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載の赤外線吸収剤を含む難燃性布帛。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載の難燃性布帛を含むことを特徴とする繊維製品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、赤外線吸収剤を含む難燃性布帛及びその繊維製品に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
近年、太陽光による外気温が高い(特に真夏)ことから、人体への影響を低減するため、日傘やカーテン等、温度上昇を抑制することを目的に様々な布帛が開発されている。例えば、特許文献1では、導電性を有する金属酸化物を有する樹脂層を布帛表面に塗布した熱線遮断性繊維布帛が開発されている。導電性を有する金属酸化物を赤外線吸収剤として用いることで、赤外線の透過を遮断し、布帛自体の温度は上昇するものの、樹脂層を有する布帛の裏面側の温度上昇を抑制でき、夏場の日中の太陽からの熱線を遮断することを可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2002-370319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の熱線遮断性繊維布帛は、遮熱性は得られるものの、屋内のインテリアやテント等の人体に近い距離で使用する点を考慮すると、安全性の観点から難燃性については検討されておらず、課題が残っていた。さらに、金属酸化物を含有した樹脂層を布帛に塗布して用いているため、樹脂層を有する布帛は、白度が低下してしまうため、当該布帛を染色した際の発色に課題があり、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
所定の繊維から構成される難燃性布帛であって、布帛全重量に対して赤外線吸収剤を1重量%以上20重量%以下含み、近赤外線の透過率が11%未満であることを特徴とする、赤外線吸収剤を含む難燃性布帛に関する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、遮熱性及び発色性に優れた難燃性布帛、及びそれを用いた繊維製品を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明者らは、鋭意検討した結果、赤外線吸収剤を布帛全体に対して特定量含有し、近赤外線の透過率を11%未満とすることで上記課題が解決されることを見出し、本発明に到った。上記課題が解決される理由としては、推測の域をでないが、当該布帛に含まれる赤外線吸収剤が、近赤外線を吸収して熱に変換することで、赤外線入射方向の面の裏面から離れた位置では温度を低く保てるためと考えられる。更に、当該布帛はカーボンブラックといった濃色赤外線吸収剤や濃色難燃剤を使用しないことから、布帛の白度を低下することなく、染色時の発色性が良好となる。また、難燃性が高いことから安全性の観点からも繊維製品として展開できる幅を広げることが可能である。
【0008】
<透過率>
透過率とは、分光光度計による布帛の波長250~2500nmの分光透過率(%)の平均値を意味し、透過率が低いほど遮熱率が高く、透過率が高いほど遮熱率が低くなる。難燃性布帛は、近赤外線の透過率が11%未満であり、11%以上の場合、遮熱性の観点から好ましくなく、布帛の近赤外線が照射している面の裏面側の温度上昇を十分に抑えることが難しくなるおそれがある。
【0009】
<遮熱率>
本発明の布帛より10cm離れた位置の黒体について、布帛の有無それぞれの場合の黒体の温度を測定し、式(1)により求めた。
(A―B)/A×100 (%) 式(1)
A:布帛が無い場合の黒体温度(℃)、B:布帛が有る場合の黒体温度(℃)
【0010】
遮熱率は40%以上が好ましく、より好ましくは45%以上である。遮熱率が40%未満の場合、遮熱が不十分となり、熱による布帛の温度が高くなることに伴い、布帛から離れた位置でも温度上昇が大きくなることから好ましくない。
(【0011】以降は省略されています)

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