TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2023147956
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-10-13
出願番号2022055747
出願日2022-03-30
発明の名称動力最適化システムおよび方法
出願人アズビル株式会社
代理人個人
主分類F28F 27/00 20060101AFI20231005BHJP(熱交換一般)
要約【課題】冷却塔のファン周波数と冷却水の流量の適切な解を求める。
【解決手段】動力最適化システムは、冷却塔の入口条件の実績値と冷却塔の冷却水の出口温度の実績値を冷却塔プロセスモデル1に入力することにより、冷却塔の効率を推定して冷却塔プロセスモデル1に設定する冷却塔効率推定部と、冷却塔のファン周波数と冷却水の流量のうち少なくとも1つを変化させながら、冷却塔出口温度推定部80と冷凍機出口温度推定部81と冷却塔動力推定部82と冷却水ポンプ動力推定部83と冷凍機動力推定部84とに処理を実行させることにより、冷却塔のファン動力の推定値と冷却水ポンプの動力の推定値と冷凍機のコンプレッサ動力の推定値との和が最小になる冷却塔のファン周波数と冷却水の流量とを求める求解部85を備える。
【選択図】 図10
特許請求の範囲【請求項1】
冷却塔の入口条件の実績値と前記冷却塔の冷却水の出口温度の実績値とを冷却塔プロセスモデルに入力することにより、前記冷却塔の効率を推定して前記冷却塔プロセスモデルに設定するように構成された冷却塔効率推定部と、
前記冷却塔の入口条件を前記冷却塔プロセスモデルに入力して前記冷却塔の冷却水の出口温度の推定値を得るように構成された冷却塔出口温度推定部と、
冷凍機の冷却水の入口温度と前記冷却水の流量と前記冷凍機のコンプレッサ動力とを冷凍機プロセスモデルに入力して前記冷凍機の冷却水の出口温度の推定値を得るように構成された冷凍機出口温度推定部と、
前記冷却塔のファン周波数を冷却塔動力モデルに入力して前記冷却塔のファン動力の推定値を得るように構成された冷却塔動力推定部と、
前記冷却水の流量を冷却水ポンプ動力モデルに入力して冷却水ポンプの動力の推定値を得るように構成された冷却水ポンプ動力推定部と、
前記冷凍機の冷却水の出口温度を冷凍機動力モデルに入力して前記冷凍機のコンプレッサ動力の推定値を得るように構成された冷凍機動力推定部と、
前記冷却塔のファン周波数と前記冷却水の流量のうち少なくとも1つを変化させながら、前記冷却塔出口温度推定部と前記冷凍機出口温度推定部と前記冷却塔動力推定部と前記冷却水ポンプ動力推定部と前記冷凍機動力推定部とに処理を実行させることにより、前記冷却塔のファン動力の推定値と前記冷却水ポンプの動力の推定値と前記冷凍機のコンプレッサ動力の推定値との和が最小になる前記冷却塔のファン周波数と前記冷却水の流量とを求めるように構成された求解部とを備えることを特徴とする動力最適化システム。
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
請求項1記載の動力最適化システムにおいて、
前記冷却塔の入口条件と前記冷却塔の冷却水の出口温度との関係をモデル化した前記冷却塔プロセスモデルと、
前記冷却塔のファン周波数と前記冷却塔のファン動力との関係をモデル化した前記冷却塔動力モデルと、
前記冷却水の流量と前記冷却水ポンプの動力との関係をモデル化した前記冷却水ポンプ動力モデルと、
前記冷凍機の冷却水の入口温度と前記冷却水の流量と前記冷凍機のコンプレッサ動力と前記冷凍機の冷却水の出口温度との関係をモデル化した前記冷凍機プロセスモデルと、
前記冷凍機の冷却水の出口温度と前記冷凍機のコンプレッサ動力との関係をモデル化した前記冷凍機動力モデルとをさらに備えることを特徴とする動力最適化システム。
【請求項3】
請求項1または2記載の動力最適化システムにおいて、
前記冷却塔効率推定部は、前記冷却塔の入口条件の実績値と前記冷却塔の冷却水の出口温度の実績値とのデータの組毎に前記冷却塔の出口空気の相対湿度の推定値を算出し、データの組毎に算出した推定値をフィルタ処理した結果を前記冷却塔の効率とすることを特徴とする動力最適化システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の動力最適化システムにおいて、
前記冷却塔の入口条件は、前記冷却塔の入口空気の温度と、入口空気の相対湿度と、前記冷却塔のファン回転数から計算される入口空気の流量と、前記冷却水の流量と、前記冷却水の入口温度とを含むことを特徴とする動力最適化システム。
【請求項5】
冷却塔の入口条件の実績値と前記冷却塔の冷却水の出口温度の実績値とを冷却塔プロセスモデルに入力することにより、前記冷却塔の効率を推定して前記冷却塔プロセスモデルに設定する第1のステップと、
前記冷却塔の入口条件を前記冷却塔プロセスモデルに入力して前記冷却塔の冷却水の出口温度の推定値を得る第2のステップと、
冷凍機の冷却水の入口温度と前記冷却水の流量と前記冷凍機のコンプレッサ動力とを冷凍機プロセスモデルに入力して前記冷凍機の冷却水の出口温度の推定値を得る第3のステップと、
前記冷却塔のファン周波数を冷却塔動力モデルに入力して前記冷却塔のファン動力の推定値を得る第4のステップと、
前記冷却水の流量を冷却水ポンプ動力モデルに入力して冷却水ポンプの動力の推定値を得る第5のステップと、
前記冷凍機の冷却水の出口温度を冷凍機動力モデルに入力して前記冷凍機のコンプレッサ動力の推定値を得る第6のステップと、
前記冷却塔のファン周波数と前記冷却水の流量のうち少なくとも1つを変化させながら、前記第2のステップから前記第6のステップの処理を実行することにより、前記冷却塔のファン動力の推定値と前記冷却水ポンプの動力の推定値と前記冷凍機のコンプレッサ動力の推定値との和が最小になる前記冷却塔のファン周波数と前記冷却水の流量とを求める第7のステップとを含むことを特徴とする動力最適化方法。
【請求項6】
請求項5記載の動力最適化方法において、
前記冷却塔プロセスモデルは、前記冷却塔の入口条件と前記冷却塔の冷却水の出口温度との関係をモデル化したものであり、
前記冷凍機プロセスモデルは、前記冷凍機の冷却水の入口温度と前記冷却水の流量と前記冷凍機のコンプレッサ動力と前記冷凍機の冷却水の出口温度との関係をモデル化したものであり、
前記冷却塔動力モデルは、前記冷却塔のファン周波数と前記冷却塔のファン動力との関係をモデル化したものであり、
前記冷却水ポンプ動力モデルは、前記冷却水の流量と前記冷却水ポンプの動力との関係をモデル化したものであり、
前記冷凍機動力モデルは、前記冷凍機の冷却水の出口温度と前記冷凍機のコンプレッサ動力との関係をモデル化したものであることを特徴とする動力最適化方法。
【請求項7】
請求項5または6記載の動力最適化方法において、
前記第1のステップは、前記冷却塔の入口条件の実績値と前記冷却塔の冷却水の出口温度の実績値とのデータの組毎に前記冷却塔の出口空気の相対湿度の推定値を算出し、データの組毎に算出した推定値をフィルタ処理した結果を前記冷却塔の効率とするステップを含むことを特徴とする動力最適化方法。
【請求項8】
請求項5乃至7のいずれか1項に記載の動力最適化方法において、
前記冷却塔の入口条件は、前記冷却塔の入口空気の温度と、入口空気の相対湿度と、前記冷却塔のファン回転数から計算される入口空気の流量と、前記冷却水の流量と、前記冷却水の入口温度とを含むことを特徴とする動力最適化方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、空調システムに使用される冷却塔系の動力を最適化する動力最適化システムおよび方法に関するものである。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、ビルなどの施設における空調制御では、冷房を行うための冷水を得る装置として冷凍機が用いられている。図14に示すような空調システムにおいて、冷凍機100は冷水を生成する。冷凍機100によって生成された冷水は、空調機101に供給される。空調機101によって冷却された空気が制御対象空間(室内)へ送られる。一方、空調機101へ送られた冷水は、温められて冷凍機100に戻される。冷凍機100は、空調機101から戻された水を再度冷却して空調機101へ送る。
【0003】
また、冷凍機100は、冷水を生成する際に発生した熱(冷水製造熱量)を、冷却塔102から供給される冷却水に与え、その冷却水を冷却塔102に戻している。冷却塔102は、ファンを回転させて冷却水に与えられた熱を外気に放出し、温度が下げられた冷却水を冷凍機100に供給する。冷却塔102から冷凍機100に供給する冷却水は、冷却水ポンプ103により循環させられる。
【0004】
図14に示した空調システムでは、冷却水ポンプ103の電力消費を抑えるために冷却水量を下げると、冷凍機100内のコンプレッサの動力が増えて電力消費が増える。また、冷却塔102のファンの電力消費を抑えるために冷却塔102の風量を下げると、冷凍機100内のコンプレッサの動力が増えて電力消費が増える。このように、冷凍機100と冷却塔102と冷却水ポンプ103の電力消費のトレードオフをどのようにバランスをとるかという冷却塔最適化問題が存在する。
【0005】
冷却塔最適化問題では、冷却塔102の風量と冷却水ポンプ103の流量とを調整することにより、冷凍機100で製造する冷水の熱量を維持しつつ、冷却塔120のファン動力と冷却水ポンプ103の動力と冷凍機100のコンプレッサ動力との和が最小になるようにする。
【0006】
具体的には、冷却塔102のファン動力と冷却水ポンプ103の動力と冷凍機100のコンプレッサ動力との和を目的関数とする。また、実績データから回帰分析によって求められた、冷却塔102のファン動力と冷却塔102のファン周波数との関係を示す関数、実績データから回帰分析によって求められた、冷却水ポンプ103の動力と冷却水流量との関係を示す関数、冷凍機100のコンプレッサ動力と冷却水流量と冷却水温度と製造熱量との関係を示す関数(製造熱量一定(現在値)の状態)、冷却水温度変化と湿球温度と冷却塔102のファン周波数との関係を示す関数(湿球温度一定(現在値)の状態)とを、制約式とする。
【0007】
こうして、最適化問題を定式化し、目的関数が最小になる冷却塔102のファン周波数と冷却水ポンプ103の流量とを導く(非特許文献1参照)。
しかしながら、従来の冷却塔最適化問題では、現在の湿球温度と冷却水温度との温度差により、冷却塔102のファン周波数変化による冷却水温度変化が一定ではなく、非線形的に変化するため、最適化問題の解(冷却塔102の風量と冷却水ポンプ103の流量)に誤差が生じるという課題があった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
Khin Zaw,Kenichi Matsuoka,“Minimizing primary energy consumption in district cooling system: a showcase of the impact of online optimization control”,ASHRAE ANNUAL CONFERENCE 2016 JUNE 25-29,2016 ST.LOUIS
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、冷却塔のファン周波数変化による冷却水温度変化が一定でない場合であっても、冷却塔のファン周波数と冷却水の流量の適切な解を求めることができる動力最適化システムおよび方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の動力最適化システムは、冷却塔の入口条件の実績値と前記冷却塔の冷却水の出口温度の実績値とを冷却塔プロセスモデルに入力することにより、前記冷却塔の効率を推定して前記冷却塔プロセスモデルに設定するように構成された冷却塔効率推定部と、前記冷却塔の入口条件を前記冷却塔プロセスモデルに入力して前記冷却塔の冷却水の出口温度の推定値を得るように構成された冷却塔出口温度推定部と、冷凍機の冷却水の入口温度と前記冷却水の流量と前記冷凍機のコンプレッサ動力とを冷凍機プロセスモデルに入力して前記冷凍機の冷却水の出口温度の推定値を得るように構成された冷凍機出口温度推定部と、前記冷却塔のファン周波数を冷却塔動力モデルに入力して前記冷却塔のファン動力の推定値を得るように構成された冷却塔動力推定部と、前記冷却水の流量を冷却水ポンプ動力モデルに入力して冷却水ポンプの動力の推定値を得るように構成された冷却水ポンプ動力推定部と、前記冷凍機の冷却水の出口温度を冷凍機動力モデルに入力して前記冷凍機のコンプレッサ動力の推定値を得るように構成された冷凍機動力推定部と、前記冷却塔のファン周波数と前記冷却水の流量のうち少なくとも1つを変化させながら、前記冷却塔出口温度推定部と前記冷凍機出口温度推定部と前記冷却塔動力推定部と前記冷却水ポンプ動力推定部と前記冷凍機動力推定部とに処理を実行させることにより、前記冷却塔のファン動力の推定値と前記冷却水ポンプの動力の推定値と前記冷凍機のコンプレッサ動力の推定値との和が最小になる前記冷却塔のファン周波数と前記冷却水の流量とを求めるように構成された求解部とを備えることを特徴とするものである。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

アズビル株式会社
静電容量型圧力センサおよび静電容量型圧力センサの製造方法
12日前
アズビル株式会社
ロボット制御情報生成装置、ロボット制御装置及びロボット制御情報生成方法
2日前
個人
熱交換器
6か月前
株式会社ティラド
積層型熱交換器
6か月前
個人
冷媒液注入及び封止方法
9日前
個人
放熱ニット網
1か月前
株式会社ティラド
熱交換器の補強構造
6か月前
マルヤス工業株式会社
熱交換器
3か月前
株式会社ティラド
プレート積層型熱交換器
2か月前
株式会社ティラド
熱交換器のヘッダタンク
18日前
株式会社ティラド
熱交換器の誤組防止構造
3か月前
住友精密工業株式会社
熱交換器
16日前
住友精密工業株式会社
熱交換器
6か月前
株式会社バルテック
プレート式熱交換器
5か月前
株式会社デンソー
熱交換器
6か月前
株式会社バルテック
プレート式熱交換器
5か月前
株式会社デンソー
熱交換器
6か月前
富士電機株式会社
冷却装置および蒸発器
4か月前
株式会社デンソー
熱交換器
3か月前
株式会社デンソー
熱交換器
6か月前
新光電気工業株式会社
ヒートパイプ
5か月前
古河電気工業株式会社
ヒートパイプ
6か月前
シャープ株式会社
熱交換器、及び、除湿機
1か月前
株式会社神戸製鋼所
熱交換器
4か月前
日野自動車株式会社
熱交換器
2か月前
株式会社ティラド
カッププレート積層型熱交換器
9日前
株式会社ティラド
ヘッダプレートレス型熱交換器
6か月前
住友精密工業株式会社
熱交換システム
6か月前
日本発條株式会社
ばね部材
1か月前
株式会社テクノフロンティア
熱交換素子
2か月前
株式会社神戸製鋼所
熱交換器用フィン材
2か月前
株式会社前川製作所
熱交換装置
17日前
株式会社テクノフロンティア
熱交換素子
1か月前
株式会社テクノフロンティア
熱交換素子
1か月前
日新電機株式会社
熱交換器、及び復水器
4か月前
活水プラント株式会社
冷却器
2か月前
続きを見る