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公開番号2024053254
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-15
出願番号2022159380
出願日2022-10-03
発明の名称静電容量型圧力センサおよび静電容量型圧力センサの製造方法
出願人アズビル株式会社
代理人個人
主分類G01L 9/12 20060101AFI20240408BHJP(測定;試験)
要約【課題】性能を落とさずに静電容量型圧力センサを更に小型化できるバッフルを提供する。
【解決手段】被測定流体が導入される流体室38を有するハウジング22と、流体室38を仕切るバッフル24とを備える。バッフル24は、円環板状に形成されるとともに、多数の溝状の流路45が形成され、厚み方向に積層された多数の流路プレート53と、円環板状に形成されて流路プレート53の積層方向の一端に接合されたベースプレート51と、流路プレート53の積層方向の他端に接合されて流路プレート53の中空部53aを閉塞するトッププレート52とを備える。バッフル24の外周部には、積層方向に延びる複数の溝62が形成され、ベースプレート51の溝62に露出する蓋部51aがハウジング22に溶接されている。
【選択図】 図5
特許請求の範囲【請求項1】
被測定流体が導入される流体室を有するハウジングと、
前記流体室内の被測定流体の圧力を検出するセンサチップと、
前記流体室を被測定流体が導入される一端側と前記センサチップが位置する他端側とに仕切り、かつ被測定流体が通ることにより堆積物が生成される流路によって前記一端側と前記他端側とを連通するバッフルとを備え、
前記バッフルは、
円環板状に形成されるとともに、内周部と外周部とに開口して径方向に延びる多数の溝状の前記流路が形成され、厚み方向に積層されて互いに接合された多数の流路プレートと、
円環板状に形成されて前記多数の流路プレートの積層方向の一端に接合されたベースプレートと、
前記多数の流路プレートの積層方向の他端に接合されて前記流路プレートの中空部を閉塞するトッププレートとを備え、
前記バッフルの外周部には、前記積層方向に延びる複数の溝が形成され、
前記溝の長手方向の一端は前記ベースプレートによって塞がれているとともに他端は開放され、
前記ベースプレートの前記溝に露出する部分が前記ハウジングに溶接されていることを特徴とする静電容量型圧力センサ。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
請求項1に記載の静電容量型圧力センサにおいて、
前記流路プレートと、前記ベースプレートと、前記トッププレートとは、外径が一致するように形成されていることを特徴とする静電容量型圧力センサ。
【請求項3】
請求項1に記載の静電容量型圧力センサにおいて、
前記バッフルが配置される前記流体室の内壁は、前記バッフルの外周面との間に予め定めた隙間が形成される周壁によって形成され、
前記隙間は、前記溝状の前記流路の深さ以下であることを特徴とする静電容量型圧力センサ。
【請求項4】
被測定流体が通ることにより堆積物が生成される流路を有する積層型のバッフルを形成するステップと、
被測定流体が一端側に導入される流体室を有しかつ前記流体室内の被測定流体の圧力を検出するセンサチップが他端部側に設けられたハウジングに、前記一端側と他端側とが仕切られかつ前記一端側と前記他端側とが前記流路によって連通されるように前記バッフルを溶接するステップとを有し、
前記バッフルを形成するステップは、
円環板状に形成されたベースプレートと、
円環板状に形成されるとともに、内周部と外周部とに開口して径方向に延びる多数の溝状の前記流路および外周部の複数の凹部が形成され、前記凹部の位置を合わせて厚み方向に積層された多数の流路プレートと、
前記流路プレートの中空部を塞ぐ大きさの円板状に形成されるとともに外周部に複数の凹部が形成されたトッププレートとを、それぞれ外径が一致するように形成するステップと、
前記ベースプレートと、多数の前記流路プレートと、前記トッププレートとをこの順序で積層して同一軸線上に位置付けるとともに、前記流路プレートの前記凹部および前記トッププレートの前記凹部の位置を合わせるステップと、
前記ベースプレートと、多数の前記流路プレートと、前記トッププレートとが積層された状態で各部材どうしを拡散接合によって互いに接合するステップとによって実施することを特徴とする静電容量型圧力センサの製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の静電容量型圧力センサの製造方法において、
前記ハウジングに前記バッフルを溶接するステップは、
ベースプレートを前記ハウジングに重ねるステップと、
前記バッフルの外周部に前記厚み方向に延びて一端が前記ベースプレートによって塞がれるように形成された複数の溝に順次レーザー光を通し、前記ベースプレートにおける前記溝の一端を塞ぐ部分にレーザー光を照射してこの部分を前記ハウジングに溶接するステップとによって実施することを特徴とする静電容量型圧力センサの製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載の静電容量型圧力センサの製造方法において、
前記ベースプレートの前記溝を塞ぐ部分を前記ハウジングに溶接するステップでレーザー光を通す前記溝の順序は、
前記バッフルの軸心を挟んで位置する一方の前記溝と他方の前記溝とが交互に前記バッフルの周方向の位置を変えて選択される順序であることを特徴とする静電容量型圧力センサの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、積層型のバッフルがコンパクトに溶接された静電容量型圧力センサおよびこの静電容量型圧力センサの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
圧力を受けたダイアフラムのたわみ量、すなわち変位より圧力値を出力する圧力センサは、半導体設備をはじめ、工業用途で広く使用されている。半導体装置の製造においては、気相成長による様々な成膜装置や、ドライエッチング装置が用いられている。このような製造装置では、nm単位の厚さの薄膜を形成するため、処理室内の圧力やプロセスガスの分圧などを正確に制御しており、圧力を正確に計測することが重要となる。このような圧力の計測のために、圧力センサが用いられている。
【0003】
この種の圧力センサでは、プロセスガスなどの装置に用いられているガスに対する耐腐食性と共に、成膜などのプロセス中で発生する副生成物に対しても耐性が要求される。また、成膜プロセスでは、成膜室内壁、配管内壁、真空ポンプ内部、および圧力センサの受圧部であるダイアフラムなど、プロセスガスが通過する箇所には堆積物が発生し、様々な問題を起こす。
例えば、従来一般的に用いられている化学的気相成長法(CVD)に比較し、段差被覆性や膜質において優れているとして近年開発され、ゲート絶縁膜などの形成に用いられている原子層堆積法(ALD)がある。このALDは、特性上、原料ガスが通過する様々な箇所に原料ガスが付着しやすく、上述した無用な堆積が発生しやすい。圧力センサのダイアフラムにこのような無用な堆積が発生すると、よく知られているように、零点シフトや圧力感度の変化などをもたらし、正確な測定が阻害され、処理の結果に大きな影響を与える。
【0004】
上述したダイアフラムへの無用な堆積を防ぐため、例えば、成膜動作時などにおいて、各部分を例えば200℃程度に加熱している。また、バッフルなどによりプロセスガスがダイアフラムに至るまでの経路を複雑にし、無用な堆積を途中で捉えることで、ダイアフラムへの無用な堆積を防ぐ技術が提案されている。
【0005】
無用な堆積を途中で捉えるバッフルを備えた従来の静電容量型圧力センサとしては、例えば特許文献1に記載されているものがある。特許文献1には、図13に示すように静電容量型圧力センサの一部が示されている。図13には、被測定流体が導入される流体室1を有するハウジング2と、流体室1内の被測定流体の圧力を検出するセンサチップ3と、流体室1内を被測定流体が導入される一端側とセンサチップ3が位置する他端側とに仕切るバッフル4とが描かれている。
【0006】
センサチップ3は、被測定流体の圧力を受けるダイアフラム3aを有し、ハウジング2に支持ダイアフラム5と、支持ダイアフラム5を挟む台座プレート6,7とを介して支持されている。
バッフル4は、多数の板状部品を重ねて一体化したもので、ハウジング2の円環状の取付座8に溶接された円環板状のベースプレート9と、ベースプレート9に重ねられた多数の円環板状の流路プレート10と、流路プレート10の上に重ねられて流路プレート10の中空部を塞ぐ円板上のトッププレート11とによって構成されている。
【0007】
ベースプレート9は、外周部を取付座8に溶接することができるように、多数の流路プレート10より外径が大きくなるように形成されている。
流路プレート10は、内周部から外周部に延びる多数の流路12が形成されている。この流路12は、被測定流体が通ることにより堆積物が生成されるように形成されている。
このバッフル4を形成するためには、先ず多数の流路プレート10とトッププレート11を重ねて同一軸線上に位置付け、これらの部材を拡散接合によって互いに接合し、流路プレート組立体を形成する。次に、流路プレート組立体にベースプレート9を重ねてこれらを同一軸線上に位置付けて拡散接合によって互いに接合する。従来のバッフル4は、このように2回の拡散接合工程を経て製造されている。
【0008】
このように構成された従来の静電容量型圧力センサにおいては、流体室1に導入された被測定流体が流路プレート10の流路12を通ってバッフル4を内周側から外周側に通過することにより、堆積物が流路プレート10に生成され、センサチップ3で堆積物が生成されることを防ぐことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2015-34786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
バッフル4はプロセスガスなどの被測定流体がセンサチップ3のダイアフラム3aに至るまでの経路を複雑にし、無用な堆積物を途中で捉えることでダイアフラム3aへの無用な堆積を防ぐものであるため、バッフル4によって静電容量型圧力センサの寿命が左右されることになる。バッフル4の性能は、流路12の幅や形状、長さによって変わってしまうが、静電容量型センサの小型化に伴い、性能を落とさずに静電容量型圧力センサを小型化できるバッフルが要請されている。
(【0011】以降は省略されています)

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