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公開番号
2025142876
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-01
出願番号
2024042472
出願日
2024-03-18
発明の名称
金属間化合物担持炭化ジルコニウム触媒を用いた、化合物の製造方法
出願人
三菱ケミカル株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C07C
2/00 20060101AFI20250924BHJP(有機化学)
要約
【課題】
高い活性を有する金属間化合物担持炭化ジルコニウムを触媒として用いる化合物の製造方法であって、短時間で目的化合物を高収率で得ることができるとともに、該触媒を繰り返し使用しても、短時間で高い収率にて化合物を得ることができる、化合物の製造方法を提供する。
【解決手段】
ナノポーラス構造を有する炭化ジルコニウム上に、パラジウムとジルコニウムの金属間化合物の粒子を担持した、金属間化合物担持炭化ジルコニウムを触媒として用いる反応工程(A)を含む、化合物の製造方法であって、前記反応工程(A)を酸素雰囲気下で行う、化合物の製造方法。
【選択図】 なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ナノポーラス構造を有する炭化ジルコニウム上に、パラジウムとジルコニウムの金属間化合物の粒子を担持した、金属間化合物担持炭化ジルコニウムを触媒として用いる反応工程(A)を含む、化合物の製造方法であって、
前記反応工程(A)を酸素雰囲気下で行う、化合物の製造方法。
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【請求項2】
前記反応工程(A)が、式(1)で表される反応である、請求項1に記載の製造方法。
JPEG
2025142876000004.jpg
19
136
[式(1)中、Ar
1
及びAr
2
はそれぞれ独立に、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基または複素芳香族炭化水素基を表し、Xはハロゲン、メシル基、トシル基、パーフルオロアルキルスルホニル基、ジアゾニオ基及びトリフリル基からなる群から選択される少なくとも1種を表し、R
1
及びR
2
はそれぞれ独立に、水酸基、置換若しくは無置換の炭素数1~6のアルコキシ基又は炭素数1~6のアルキル基を有してもよいフェノキシ基であって、R
1
及びR
2
は互いに連結し、エチレンジオキシ基、2,3-ジメチルブタン-2,3-ジオキシ基、2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジオキシ基、3,4-ジエチルヘキサン-3,4-ジオキシ基、ビスシクロヘキシルジオキシ基、ピナンジオキシ基、又は1,2-フェニレンジオキシ基として環を形成していてもよい。]
【請求項3】
前記酸素雰囲気は1体積%以上25体積%以下の酸素を含む、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記反応工程(A)において、前記触媒に対して、質量基準で1倍以上200倍以下の無機添加剤を共存させる、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項5】
前記反応工程(A)を溶媒の存在下で行う、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項6】
前記溶媒として水を含む、請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
全溶媒のうち、水が1質量%以上である、請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
前記反応工程(A)を塩基の存在下で行う、請求項6に記載の製造方法。
【請求項9】
前記塩基を、水に対して、0.01mol/m
3
以上12mol/m
3
以下含む、請求項8に記載の製造方法。
【請求項10】
前記塩基として、共役酸のpKaが1以上20以下である、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩を含む、請求項8に記載の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属間化合物担持炭化ジルコニウム触媒を用いた、化合物の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
金属錯体を触媒とする有機合成反応は古くから知られており、鈴木カップリングに代表される炭素-炭素結合(C-C結合)を形成する反応は、有機化合物骨格合成の必須反応といえる。
鈴木カップリング反応に必要な有機ホウ素化合物は比較的無毒であり、他の有機金属化合物とは異なり、水に対しても安定に存在する。また、鈴木カップリング反応は温和な条件で進むため、非常に工業的な価値が高い。
【0003】
鈴木カップリング反応には、均一系のパラジウム触媒が広く用いられてきた。一方、不均一系パラジウム触媒はリガンド等を必要とせず、また、パラジウム触媒を回収することができるため、コストや環境面で優位性がある。パラジウムをサポート(炭素や金属酸化物)に担持した金属担持触媒は代表的な不均一系触媒であるが、サポートとパラジウムの機械的及び電子的相互作用が弱いため、パラジウム原子の凝縮や脱離が起こりやすく、また、電子リッチなパラジウムの実現が困難であるという問題があった。
【0004】
特許文献1は、上記問題を解決するものであり、ジルコニウムとパラジウムの金属間化合物(ZrPd
3
)が担持された炭化ジルコニウムが鈴木カップリング反応に対して高い活性と安定性を持つ固体触媒として機能すること、ジルコニウムポリマーと酢酸パラジウムの混合物を高温で焼成することにより、高いパラジウム分散度、及び電子リッチかつ安定なパラジウムサイトを有する金属間化合物担持炭化ジルコニウムが得られることが報告されている。特許文献1に開示される化合物は、高い活性と安定性を持つ固体触媒として機能する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2021/220800号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したとおり、特許文献1に開示される金属間化合物担持炭化ジルコニウムは、パラジウムが炭化ジルコニウム上に分散して存在し、また、電子リッチで、安定であるため、高い活性と安定性を持つ固体触媒として機能する。
触媒としての機能を検討すると、高い活性と、短時間で目的化合物を高収率で得ることを可能とすることがまず必要である。さらに、一度使用した触媒を再利用する場合においても、触媒活性を維持すること、すなわち、再利用した場合も、短時間で目的化合物を高収率で得ることを可能とすることが求められる。本発明者等は、窒素雰囲気下で反応を行うと、反応は進行するものの目的化合物の収率が低下すること、また、使用済の触媒を繰り返し使用した際に、2サイクル目からは目的化合物を高収率で得るために要する反応時間が長くなり、触媒活性が大幅に低下していることに気づいた。
【0007】
そこで、本発明は、高い活性を有する金属間化合物担持炭化ジルコニウムを触媒として用いる化合物の製造方法であって、短時間で目的化合物を高収率で得ることができるとともに、該触媒を繰り返し使用しても、短時間で高い収率にて化合物を得ることができる、化合物の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
通常、金属触媒を用いるカップリング反応では、金属触媒の酸化による触媒の劣化が起こるため、反応雰囲気下として不活性ガス雰囲気下が選択される。しかしながら、本発明者等が鋭意検討したところ、上記金属間化合物担持炭化ジルコニウムを触媒として用いる反応工程において、酸素雰囲気下で反応を行うことにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下を提供する。
【0009】
[1] ナノポーラス構造を有する炭化ジルコニウム上に、パラジウムとジルコニウムの金属間化合物の粒子を担持した、金属間化合物担持炭化ジルコニウムを触媒として用いる反応工程(A)を含む、化合物の製造方法であって、前記反応工程(A)を酸素雰囲気下で行う、化合物の製造方法。
[2] 前記反応工程(A)が、式(1)で表される反応である、上記項目[1]に記載の製造方法。
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2025142876000001.jpg
19
136
[式(1)中、Ar
1
及びAr
2
はそれぞれ独立に、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基または複素芳香族炭化水素基を表し、Xはハロゲン、メシル基、トシル基、パーフルオロアルキルスルホニル基、ジアゾニオ基及びトリフリル基からなる群から選択される少なくとも1種を表し、R
1
及びR
2
はそれぞれ独立に、水酸基、置換若しくは無置換の炭素数1~6のアルコキシ基又は炭素数1~6のアルキル基を有してもよいフェノキシ基であって、R
1
及びR
2
は互いに連結し、エチレンジオキシ基、2,3-ジメチルブタン-2,3-ジオキシ基、2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジオキシ基、3,4-ジエチルヘキサン-3,4-ジオキシ基、ビスシクロヘキシルジオキシ基、ピナンジオキシ基、又は1,2-フェニレンジオキシ基として環を形成していてもよい。]
[3] 前記酸素雰囲気は、1体積%以上25体積%以下の酸素を含む、上記項目[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4] 前記反応工程(A)において、前記触媒に対して、質量基準で1倍以上200倍以下の無機添加剤を共存させる、上記項目[1]~[3]のいずれか1つに記載の製造方法。
[5] 前記反応工程(A)を溶媒の存在下で行う、上記項目[1]~[4]のいずれか1つに記載の製造方法。
[6] 前記溶媒として水を含む、上記項目[5]に記載の製造方法。
[7] 全溶媒のうち、水が1質量%以上である、上記項目[6]に記載の製造方法。
[8] 前記反応工程(A)を塩基の存在下で行う、上記項目[1]~[7]のいずれか1つに記載の製造方法。
[9] 前記塩基を、水に対して、0.01mol/m
3
以上12mol/m
3
以下含む、上記項目[8]に記載の製造方法。
[10] 前記塩基として、共役酸のpKaが1以上20以下である、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩を含む、上記項目[8]又は[9]に記載の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、高い活性を有する金属間化合物担持炭化ジルコニウムを触媒として用いる化合物の製造方法であって、短時間で目的化合物を高収率で得ることができるとともに、該触媒を繰り返し使用しても、短時間で高い収率にて化合物を得ることができる製造方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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