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公開番号2025142716
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-01
出願番号2024042228
出願日2024-03-18
発明の名称窒化ホウ素凝集粉末、複合材組成物、放熱部材、半導体デバイス
出願人三菱ケミカル株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C01B 21/064 20060101AFI20250924BHJP(無機化学)
要約【課題】広い凝集粒子径範囲にわたって、無配向・低鱗片接合点数・低空隙率とすることで粒子内熱伝導率を高め、かつ高円形度により充填性を高めることで、複合材組成物とした際に優れた熱伝導性が期待できる窒化ホウ素凝集粉末を提供する。
【解決手段】凝集粒子径(D50)[μm]をA、粒子内細孔側面積[m2/g]をBとしたときに、以下の関係式を満たし、カードハウス構造を有する、窒化ホウ素凝集粉末。
B≦-0.0643A+9
ただし、A及びBのいずれも0より大きい。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
凝集粒子径(D50)[μm]をA、粒子内細孔側面積[m

/g]をBとしたときに、以下の関係式を満たし、カードハウス構造を有する、窒化ホウ素凝集粉末。
B≦-0.0643A+9
ただし、A及びBのいずれも0より大きい。
続きを表示(約 370 文字)【請求項2】
投影画像における円形度が82%以上である、請求項1に記載の窒化ホウ素凝集粉末。
【請求項3】
水銀圧入細孔分布測定法による粒子内空隙率が47%以下である、請求項1又は2に記載の窒化ホウ素凝集粉末。
【請求項4】
窒化ホウ素凝集粉末に対してアルミニウム元素を0.1質量%以上含む、請求項1又は2に記載の窒化ホウ素凝集粉末。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の窒化ホウ素凝集粉末と、マトリクス材を含む、複合材組成物。
【請求項6】
前記マトリクス材が樹脂を含む、請求項5に記載の複合材組成物。
【請求項7】
請求項5に記載の複合材組成物を成形してなる、放熱部材。
【請求項8】
請求項7に記載の放熱部材を備える、半導体デバイス。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は窒化ホウ素凝集粉末、前記窒化ホウ素凝集粉末を含む複合材組成物、前記複合材組成物を用いた放熱部材、前記放熱部材を用いた半導体デバイスに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
窒化ホウ素(BN)は、絶縁性のセラミックであり、ダイヤモンド構造を持つc-BN、黒鉛構造をもつh-BN、乱層構造を持つα-BN、β-BNなど様々な結晶型が知られている。
これらの中で、h-BNは、黒鉛と同じ層状構造を有し、合成が比較的容易でかつ熱伝導性、固体潤滑性、化学的安定性、耐熱性に優れるという特徴を備えていることから、電気・電子材料分野で多く利用されている。
【0003】
近年、特に電気・電子分野では集積回路の高密度化に伴う発熱が大きな問題となっており、いかに熱を放熱するかが緊急の課題となっている。h-BNは、絶縁性であるにもかかわらず、高い熱伝導性を有するという特徴を活かして、このような放熱部材用熱伝導性フィラーとして注目を集めている。
【0004】
高熱伝導率を発現する六方晶窒化ホウ素を得るべく様々な取り組みがされている。特許文献1には、窒化ホウ素フィラーにおいて高い熱伝導率を得るために、無配向の凝集粒子が有効なことが記載されている。また、特許文献2には、フィラー充填率を上げて伝熱パスを確保する観点で、円形度が高い凝集粒子の重要性が記載されている。特許文献3には、充填率を上げるという観点から、フィラー粒子内の細孔容積を低減する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2014/136959号
国際公開第2015/122379号
国際公開第2021/079912号
特開2015-6985号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
窒化ホウ素の結晶は、結晶方位の熱伝導率に異方性があるため、特許文献1に記載のように、無配向に窒化ホウ素の結晶を凝集化することは凝集粒子内の熱伝導率を上げるために有効な手段となる。そして、この効果をより高めるためには、凝集粒子を構成する窒化ホウ素の一次粒子が大きく成長し(すなわち粒子内細孔側面積が小さく)、一次粒子同士の接合点(熱抵抗)の数が少ないことも重要である。また、特許文献2に記載のように放熱部材中のフィラー分率を高めて高い熱伝導率を得るためには、フィラーの均一な配列を促し、粒子間隙が最少となるように凝集粒子の円形度が高いことが重要である。さらに、粒子内のフィラー分率(密度)を上げて高い熱伝導率を引き出すという点では、粒子内の空隙率を小さくすることも重要である。特許文献3のように、単に粒子内の細孔容積を減らしただけでは、構成する窒化ホウ素一次粒子同士の接続部分での熱抵抗に対して改善の余地が残る。そこで、比表面積(粒子内細孔側面積)が小さな窒化ホウ素一次粒子で構成され(すなわち窒化ホウ素の粒子成長により一次粒子同士の接合点数が少ない)、かつ、細孔容積(空隙率)が小さい窒化ホウ凝集粒子が、熱伝導率を改善できるフィラーとして提案できる。
【0007】
特許文献4に記載のような高温での合成を基本としたカードハウス構造を有した窒化ホウ素フィラーにおいては、高温領域での揮発成分の影響により、一次粒子の成長と低空隙率を両立することは難しい。そして、これらは、凝集粒子径が小さくなればなるほど、揮発の影響が大きくなり難易度は上がる。また、高密度前駆体をベースとした合成では、焼成後の粉砕を伴うために、低空隙率と高円形度を両立することが難しい。
本発明は、広い凝集粒子径範囲にわたって、無配向・低鱗片接合点数・低空隙率とすることで粒子内熱伝導率を高め、かつ高円形度により充填性を高めることで、複合材組成物とした際に優れた熱伝導性が期待できる窒化ホウ素凝集粉末を提供することを目的とする。すなわち、本発明は、広い凝集粒子径範囲にわたって、無配向・低鱗片接合点数・低空隙率であり、かつ高円形度である窒化ホウ素凝集粉末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は以下の態様を有する。
[1] 凝集粒子径(D50)[μm]をA、粒子内細孔側面積[m

/g]をBとしたときに、以下の関係式を満たし、カードハウス構造を有する、窒化ホウ素凝集粉末。
B≦-0.0643A+9
ただし、A及びBのいずれも0より大きい。
[2] 投影画像における円形度が82%以上である、[1]に記載の窒化ホウ素凝集粉末。
[3] 水銀圧入細孔分布測定法による粒子内空隙率が47%以下である、[1]又は[2]に記載の窒化ホウ素凝集粉末。
[4] 窒化ホウ素凝集粉末に対してアルミニウム元素を0.1質量%以上含む、[1]~[3]のいずれかに記載の窒化ホウ素凝集粉末。
[5] 前記[1]~[4]のいずれかに記載の窒化ホウ素凝集粉末と、マトリクス材を含む、複合材組成物。
[6] 前記マトリクス材が樹脂を含む、[5]に記載の複合材組成物。
[7] 前記[5]又は[6]に記載の複合材組成物を成形してなる、放熱部材。
[8] 前記[7]に記載の放熱部材を備える、半導体デバイス。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、広い凝集粒子径範囲にわたって、無配向・低鱗片接合点数・低空隙率とすることで粒子内熱伝導率を高め、かつ高円形度により充填性を高めることで、複合材組成物とした際に優れた熱伝導性が期待できる窒化ホウ素凝集粉末が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実施例1~6及び比較例1~4のBN凝集粉末における凝集粒子径(D50)と粒子内細孔側面積との関係を示した図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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